原神 第459話 花火の下で共に
宵宮と佳祐の決闘後
朔次郎は佳祐と本音で語り合った
再会を約束し、二人は別れた
そして花火大会の時間が迫り
ルイとパイモンは宵宮とともに
花火大会観覧場へ向かった
登場人物
ルイ | パイモン |
宵宮 | 三田 |
村上 | 高美【初】 |
朔次郎 |
長野原花火大会
花火を見る場所へ
こんにちは、お面を買っていくかい?
おっと、珍しい客だ、久しぶりだな
前に行った神里さまとの祭りは楽しかったか?
ははっ、あの時は結構夜遅くなって、あまり賑やかじゃなかったが、楽しかったならいい
もし次に祭りに来た時、また俺の作ったお面を被ってくれたら、それに越したことはない!
お面を売っている三田さん
ああ、誤解しないでくれ
強制的に買わせるつもりはない
それに祭りも、必ずお面を被らなきゃいけないわけじゃないしな
昔、お面は儀式に使われていたそうだ
その後、祭りの風習になり、みんな被るようになった
お面は種類がたくさんあって、どれも独自の風格がある
俺も自分の彫刻と着色技術を上げるために、最近は色んなものを参考にしている…
璃月の夜叉一族はその地特色がある面を被っていると言う三田さん
それ以外だと、天狗の面を参考にしてもいいだろう…
ああ、天狗一族が被ってる面のことだ
赤色のものが多く、身分の象徴を表わしている
昔は威圧効果があったそうだ
天領奉行の九条裟羅様も、頭上にその面をつけている
だが、天狗一族は常に身に着けるもので、俺も遠くから眺めることしかできない
近くから観察するなんて…
はぁ、本当に残念だ
もっと細かく研究できる機会があったら、もっとたくさん学べただろう
村上さんの屋台の前を通る
おお、神里さまの友達じゃないか、いらっしゃい!
この前君が神里さまをうちに連れてきてから「緋櫻餅」と「鳥卵の玉子焼き」を食べに来る人も増えたんだ
ありがとう!
恐るべし神里ブランド('Д')
今度また神里さまと来るときも、きちんとおもてなしさせてもらうよ、へへっ
そういえば「緋櫻餅」のレシピはどこまで学んだんだい?
レシピで何か質問があれば答えてやろうと言いたかったんだが、その必要もないみたいだ
はははっ!
みんなが自分で料理を作れるようになれば、それはきっと幸せなことだろう
そして階段を上って行くと女性を発見
こんにちは、祭りや花火について何か質問があるのかしら?
私は社奉行に所属している、祭りと花火の責任者よ
そういった催し事や、場所の管理など、祭りや花火についての仕事ならすべて私に任せて
外国から来た旅人に稲妻の祭りと「長野原花火大会」を勧める高美さん
果てのない夜空に、輝く花々が咲き乱れ、星のように降り落ちる…刹那の美しさだけど、忘れられない光景よ
稲妻の花火といえば「長野原花火屋」よ
聞いたない?
稲妻の中でも老舗の花火屋で、造りは一流
「長野原花火大会」もあそこが主催しているの
子供だった時に見た花火大会の輝きは一生忘れられない高美さん
あの時、心に決めたの
大きくなったら絶対に花火に関する仕事に就いて、稲妻の花火をテイワット中に広めるって
みんなにも、あの心を癒す輝きを見せたいの
鎖国令で制限が多いけど、宵宮さんのおかげで、その願いも一歩一歩実現に近付いてるよ
宵宮さんは「長野原花火屋」の店長よ
経済能力の高さだけじゃなく、花火制作においても長野原先生の技術をきちんと継いでいる
それに彼女はみんなの願いを聞いて、新しい花火を作ってくれるの
果てのない夜空全てを照らせるような特大花火は、宵宮さんにしか作れない
テイワット中に花火を広げるために宵宮は璃月の南十字船隊に頼んで花火を国外まで運んでいると言う高美さん
どうやったかは知らないけど…私は心の底から彼女のことを尊敬してるし、感謝してるの
そして花火大会観覧場に到着
花火の下で共に
そして花火大会は終わり…
ふぁ~、満足満足、今回の花火も泣けるほど綺麗やったわぁ
ほんまに泣いとるかもしれない宵宮さん
せや、最初に打ち上げられたやつ、あの金色のおっきい花火は見たか?
あれが父ちゃんに頼んで、あんたらに作った花火や
ひひっ、それなら良かった
あんたらの記憶に残るよう頼んだからなぁ
どこへ行っても何があっても、不安を感じたり疲れたりしても、今日の花火を思い出せることを願っとる
せや、あんたらもすっかりうちのお客さんやな
ほな、この短冊を受け取りぃ、また金色の花火が見たくなったら、いつでも来てや
ずーっと黙ってて、なにも聞こえてないみたいだったぞ
実は聞こえていた宵宮さん
自分の作った花火を静かに見送る一種の儀式みたいなものだと考える宵宮さん
さっき、うちにとって花火は何かって聞いたやろう?
船を用意してくれた耕一にとって、花火は友情を記念するもの
佳祐の両親にとって、花火は結婚を記念するもの
うちにとっては…
せやなぁ…正直言うて考えたことあらへん、よう分からんわ
凄い答えに期待したパイモンさん
今まで聞かれたことあらへんかったし、大して気にすることでもないと思うてな
たまたま長野原家に生まれて、たまたま父ちゃんから技術を学んだ
ほんで、たまたまみんなと知り合うて、物語を聞いて、大切な想いを花火に込めとることを知った
一瞬で消える花火は将軍様が求める「永遠」といっちゃんかけ離れてると考える宵宮さん
せやけど、みんなの想いは消えへん
それが花火の存在する理由や
誰にも求められへんかったら、花火は消えてまう
みんなが花火に想いを寄せとる限り、長野原はあり続けなあかん
やないと、みんなをガッカリさせてまうやろ?
うち、複雑なことを考えんのはあんま得意やないけど――
花火造りに誇りを持っている宵宮さん
うちはもうちょいここに残るわ、心の花火大会がまだ終わってへんのや
まぁせやけど、もっとお喋りしたいっちゅうなら付き合うてもええで
子供たちと一緒に「袋貉」を探すかな、待たせてもうとるし、宵宮姉さんが約束を破るわけにもいかんやろ
あと、花火大会の感想をみんなから聞かんとな
これから先も、きっと世話になるやろうし
それとあんたとパイモンちゃんにも、世話になったな
ちなみに花火代って高い?
あんたらなら…
タダでええ宵宮さん
元々うちが押し付けたもんやし、散々迷惑かけといてモラを払えなんて言われへんよ、ははっ
商売だからね
気にせんといてぇな、水臭いなぁもう
せや、等価交換や!あんたが家族を見つけたら、妹さんに「長野原花火屋」を紹介してくれへんか
そしたら、うちもお客さんが一人増えるやろ
うちもいつか、妹さんに会うてみたいなぁ
もし天領奉行がまた嫌がらせに来たら…
もういっぺん、しばいたる!
冗談だった宵宮さん
詫びを入れて、罰金を払えば何とかなるやろ
あんたらこそ気ぃ付けや
次こないなことがあっても、うちみたいに無鉄砲になったらあかんで、ひひっ
こうして稲妻での日々は過ぎ
いよいよ「次の行動」に移る時が来た