原神 第285話 雲の海,人の海
璃月の玉京台にて
凝光の秘書たちから
絶雲の間へ向かったまま帰ってこない甘雨の話を聞く
七星の臨時秘書3人に依頼され
甘雨を迎えに行く為
留雲借風真君の所へ向かう事になった
登場人物
ルイ
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パイモン
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甘雨
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留雲借風真君
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絶雲の間
奥蔵山
洞天へ向かう
発見の甘雨さん
お二方…ここでお会いするとは、何かご用でしょうか?
もう俗世から離れたので事務的な話なら月海亭に相談してほしいと言う甘雨さん
帰ってきてほしい…
それがあなたたちの目的ですか?
すみません、それはできません
これが歴史の流れにおける選択です…
この前、仙人たちが璃月港の「監視」役を民に引き渡してから、いつか私も璃月を離れるのだと悟りました…
仙人の血を持つ私に璃月港での居場所はないと言う甘雨さん
手紙を届け璃月に戻った後、私の仕事が百聞、百暁、百識に引き継がれていることを知りました…
今回の仕事は、私を璃月から追い出す口実なのでしょう?
「七星」がその機会をくれたのなら、きちんと応えないと…
二人は優しいのですね
でも、慰めは必要ありません
千年振りに絶雲の間に戻り、山の間を流れる雲を眺めていると、心がとても休まるのです
騒いでいるのは誰だ?
そこへ留雲借風真君が現れる
ハハ、ただの冗談だ
お前達がこの地にやってきたことは既に知っていた
甘雨と昔話を語りにきたのか?
楽しそうに談笑していたな…
……
そういうわけではなかった雰囲気を出した甘雨さん
任せよ
話題探しは妾の得意分野だ
この千年間の間、自分と会話することで時間を潰してきたからな
そうだ、甘雨の友人たちに甘雨の子供の頃の話をしてやろう…
ははは…恥ずかしがるな
お前の可愛い子供時代の話、皆も知りたいだろう?
はぁ…
甘雨の幼少期の話を始める留雲借風真君
妾が面倒を見ていた時は、いつも角を撫でて寝かしつけていた
…その頃の甘雨はコロコロに太っていてな、どれくらいかと言うと、妾と共に山に登った時、つまづいてコロコロと麓まで落ちてしまったくらいだ…
空気が漏れたパイモンさん
…ある日、甘雨は仙人を訪ねてきた人にぶつかってな
それが初めて生きた人間を見た時だった
まさか、びっくりして岩の隙間に丸二日隠れてしまうとは
妾が見つけた時、泣きながら化け物が出たと言っておった…
大笑いパイモンさん
…ふぅ、もういいです
そろそろ「修行」の時間ですので、先に失礼します
ふむ、お前達の間にあった気まずい空気を和らげようと思ったのだが…
留雲借風真君のせいで更に気まずくなったと言うヤレヤレパイモンさん
そうか…
それよりも、甘雨を探しに来てくれたことを嬉しく思う
このような形で甘雨が絶雲の間に残る事をよく思っていないと言う留雲借風真君
あの子に関することを話して聞かせよう
仙人の中
麒麟は仁獣だ
甘露を飲み
嘉禾を食す
だが
絶雲の間の仙山と仙境は
あの子の「人間」の部分にとっては
寂しすぎるのかも知れぬ
昨夜
甘雨が月光に照らされた崖で一人
山々を眺めていたのを見た
限りのない雲海は
あの子を覆い隠すようだった
あの子は孤独だった
だから
俗世に帰るよう説得しようとしたのだが
その時
こんな言葉が聞こえてきたのだ
「璃月港は」
「絶雲の間よりも孤独です」
「絶雲の間で雲を眺めるのは」
「一人でいることに対する孤独です」
「でも」
「璃月の人混みの中で感じるのは」
「『人ではない者』の孤独です…」
…こうして、妾は偶然にも甘雨の思いを聞いてしまった
心の悩みとは、己の力で抜け出すのが困難なもの
だから、お前達には傍にいてやってほしい
甘雨が言ってた「修行」について質問パイモンさん
あの子は戻ってきてから、ずっと仙人の感覚を取り戻したがっている
だから、妾に修行をしてほしいと願い出てきたのだ
今は修行に備えて奥蔵山の南へ向かっていると言う留雲借風真君
これは、長年の心のわだかまりだ
こうして甘雨を探して
奥蔵山の南へ