原神 第357話 風花と雪花

ふぁでゅいのおじさんたち、うぃんどぶるーむ祭にいくの？

お、俺はたぶん参加できない…

おや？なんだ、またお前か

どうしていつも疑うようなツラしてるんだ？

俺はただこの子と話してるだけだ

何も悪いことをしてない！

にぃにも、うぃんど…ぶるーむ祭…過ごすの？

あ、当たり前だろ

俺は勤務が優先だからな

風花祭なんかに参加できるわけないだろ

ゴッホン、その話はもういい

お前暇そうだし、少し手伝ってくれないか

騒がしい祭りのせいで、この子の両親は仕入れで外に出かけたんだ

だからこの子をここに預けて、シスターに面倒を見てもらってるのさ

それでこの子はいま俺にくっ付いてるんだ

でも俺は大聖堂を出るわけにはいかないから、せいぜい話をしてあげることしかできない

残念だが、俺は「ファデュイ」だ

この子と喋り始めると、隣のシスターが俺を睨んでくる

「ファデュイ」である俺が、何か悪だくみをしているとか思ってるんじゃないか

ふん、あのシスターに文句を言われたくないし、この子にも楽しくいてもらいたい…

だから「栄誉騎士」

お前みたいな栄光ある正義の味方にお願いしたい

この子を遊びにつれて行ってくれないか？

ま…まさか、俺は「ファデュイ」だぞ

悪者だ

分かってるのか？そんなお人好しな訳がない

さあ、はやくこの子を連れて遊びに行ってくれ

ずっと大聖堂の中にいたから、退屈にしているだろう

俺か…俺は引き続きここにいる

シスターたちに冷たい目で見られながらな

はぁ、こんな生活いつまで続くのか…

風花祭…まっ、俺とは関係のないことだ

どうして？

ふぁでゅいは…わるい人たちだからなの？

パパ言ってた

おねんね、はみがきしない、ごはん、おててで食べる…

やっぱり、わるい人たちなんだ

おじさんのパパも、きっとおこる…

そうだ！おじさんにおしえる

いい人になったら、うぃんどぶるーむ祭にも行ける！

そっか…じゃあ、にぃに、リリーをあそびにつれてって？

モンドも祭りの時だけは少し面白くなる…

ヴィクトルはいつもつまらないと言ってたが、俺には祭りの雰囲気が感じ取れる

俺にとって一番の喜びは、この祭りにあやかって告白し、拒絶され泣きわめく奴を見ることだ

ふふっ…

コホンッ

だがどうにも理解できないことがある…

…どうして過去を記念する日が恋人たちの日になったんだ？

まさか、これもモンド人特有の自由ってやつか？

コホンッ

見に行くのなら、人がいない時に…

…って、俺をはめようとしたな

俺はここを離れないぞ！

にぃに！みて、ワンちゃんがいる！

旅人さん

どうなさいました～？

それと…リリー？

どうして来たのですか

お父さんとお母さんは？

パパとママはだいじなようじがあるの！

だからにぃににあそんでもらってるんだ

重要なこと？

まったく、ルドルフさんとジリアンナさんは…

さっきのワンちゃん？

えっと…私にも分かりません

普段は自分の小屋にこもっているのですが、餌ボウルに餌を置いた時にしか来ませんね～

たぶん、街中が賑やかすぎて、逃げ出してしまったんじゃないですかね～？

どうしました、リリー

ワンちゃんと遊びたいんですか～？

うん！いっしょにあそびたい！

うん、そうですね…

餌ボウルに置く食べ物は、鳥肉のほうがいいかもしれませんね

えぇ…でもそんなの、どこでさがせばいいの？

わぁ！ありがとう

にぃに、はやくあげよう！

やったー！ワンちゃんほんとにきた

へっへー

なでなでしてあげる…

へっへー

ワンちゃんてすっごくやわらかいんだね…

ふぁでゅいのおじさんのおうちにも、ワンちゃんがたくさんいるって言ってた

そのワンちゃんたち、すっごくおっきくて、もふもふなんだよ…

なでなでしたい…

リリー、旅人さん、帰られたんですね

どうでした

子犬は見つかりましたか～？

うん！ねーねーありがとう

いっしょにあそんだよ！たのしかった！

良かったです

そうだ、もしお時間があれば、フローラさんのところに行ってみてもいいと思いますよ～

せっかくの風花祭ですから、お花を買って帰るのも、いいと思いませんか～？

にぃに…リリーも行ってみたい…