原神 第500話 対雷電将軍特訓
哲平の死によって怒りに燃えたルイは
邪眼を製造しているファデュイの工場へ潜入した
その奥で待ち受けていたファデュイ執行官の罠にかかり
身動きが取れなくなってしまう
薄れゆく意識の中で見たその人影は…
登場人物
ルイ
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パイモン
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八重神子
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八重神子
ほう?すぐに妾が分かったということは、少なくとも脳に支障はきたしていないみたいじゃな
ふむ…
やっとのことで旅人を運んできたと言う八重さん
そうか?おそらく、あの巫女どもを下がらせたからじゃろう
それに、妾はずっとこんな感じじゃぞ?
人々が見せるのは、常に自分が見せたい姿だけなんじゃ
妾はその点についてよく知っておる
じゃから、どの一面であろうとすべて本物の「自我」
ただ、人とはそれらを無意味に定義したがるものなんじゃ
人間に属する社会において自分の好きなようにやっているだけだと言う八重さん
ふふ、もっと人間というものを研究するんじゃな、小さいの
汝にも分かる日が来るじゃろう
オイラも気になるパイモンさん
「鳴神大社の秘法」じゃ
あの散兵という者が一瞬にして地面に跪き、命乞いをしてきたと妾が言ったら、信じるか?
ふふ、そのようなことを考えるより、どう妾に恩を返すか考える方が重要じゃぞ…そうは思わぬか?
でなければ、やはり頭になんらかの支障をきたしているかもしれぬな…
行動して欲しい八重さん
汝は今…まだ「邪眼」のことについて考えている、そうじゃな?
安心せい
すでにあの海衹島の指揮官が手下を率いて掃討に出向いた
それに邪眼の使用を禁ずる重大な軍令も発せられておる
あの散兵という者も、拠点が露呈している状態で自らの同僚のため、無駄な抵抗をすることもないじゃろう
ファデュイが苦しむ姿を見せたかった八重さん
珊瑚宮心海という女、実にやりおる
彼女に会ってきちんと話をしてみたいものじゃが…信仰の違いとは厄介なものじゃな
これを汝に伝えたのは安心させるため以外にも…汝に頼み事があったからなんじゃ
汝…あやつに会ったな?
「人形」ではなく「彼女」に会ったかを確認八重さん
そう
「自我」を維持するため「一心浄土」で無限の瞑想を続けている、本物の雷電将軍…
あれこそ雷電将軍の「永遠」だからじゃ
この国の永遠を追い求めるには、まずは己が永遠に触れねばならぬ
肉体はやがて土に還り「人形」がそれに代わる
精神は摩耗からは逃れられぬ
あやつは自らの意識をその刀に宿し、冥想を用いてすべての障害を回避しているんじゃ
「一心浄土」
あやつの「心の世界」のようなもの
基本的には「自我」の存在のみを許す空間じゃ
自我の世界に閉じこもり、外の雑務はすべて、ただひたすら永遠へと突き進む人形に任せておる…
それが影が模索した永遠の道だと言う八重さん
モラクスのことか?もう久しく会っておらぬ
璃月の神がそのような選択をするとはな、やはり面白い神じゃ
ふふ、じゃが…あやつのやり方、まるで自らの部屋に閉じこもる拗ねた子供とそっくりじゃと思わぬか?
あやつの言う「永遠」はもうとっくに、あやつの思う「永遠」になっておる
つまるところ…失うのが怖いんじゃ…
汝と妾は同じ立場にいると言う八重さん
汝は目狩り令から稲妻の民を救いたい、それは妾も同じじゃ
ただついでに、この国とあやつも救いたいのじゃ
そして、ここが肝心なんじゃが――「一心浄土」が影の心の世界を表しているというのなら、そこであやつを打ち負かせば、あやつの意志を「変える」ことができるやもしれぬ
理解が早いな
ともかくこれこそ、稲妻が「暗黒の永遠」に陥る前に、それを正しい軌道に戻せる唯一の方法じゃ
まだ自分が特別なことを認識しておらぬのか?
言ったはずじゃ
「一心浄土」は基本的に自我のみを許容する空間、汝がそこに行けたということはつまり…
永遠にとって旅人が「不安定」な個体であり、関心を持たれていると言う八重さん
あの永遠の信徒が自我を閉じ込めた時から、今まで一度たりともなかった
それどころか、あの空間がどのようなものなのか知る者もおらぬ
汝の存在は契機だけでなく、「鍵」でもあるんじゃ…やはり妾の期待通りじゃな、童よ
そして歩き出す八重さん
「対雷電将軍特訓」
汝のために特別に用意したんじゃ
八重神子に付いて鳴神大社から南西へ
雷電将軍の技が再現できる法器とでも言おうか
妾の記憶を頼りにそっくりに作ったものじゃ…あやつの武道が鈍っていなければな
事前に技を学び、対策を立てれば、戦いも有利になるじゃろう
雷電将軍の技に耐える練習をすることを勧める八重さん
こうして雷電将軍の攻撃を回避する修行開始
そして半日後…
挑戦クリア
けっこう練習したと思ったパイモンさん
ほう、妾にそれを聞くのか?
雷神の眷属だからだと言う八重さん
ふふ、その感じ、妾の「狐お姉さん」姿に興味があるような口ぶりじゃのう?
気にすべき点は妾の姿ではなく、なぜ妾があやつと会わなくなったかじゃろ?
「永遠に変わらない国」
それは妾とあやつの夢じゃった
じゃが、妾はそれが完全なる「静止」を意味するとは思っておらんかった
その時から、あやつは妾の手の届かぬ道を歩み始めたのじゃ
影が「一心浄土」に踏み入る時、別れの言葉もなかったと言う八重さん
妾の独り善がりなのかもしれぬが、それがあやつの、友情を永遠に保つ方法だったのじゃと妾は思う
別れを告げず、会うこともなく、妾たちの関係は永久にあの時のまま保たれる
少なくともあやつはそのように考えておるのじゃろう
まったく異なる二つの永遠に分かれた今、現状を維持し続けるのか、どんな犠牲を払ってでもあやつを正しい道に戻すのか、どちらかを選択することができる…
妾は後者を選ぶことに決めたのじゃ
もし…「一心浄土」に閉じこもることが、あやつにとって永遠への道というのなら…
あやつを自我の世界から引き戻すことが「永遠の眷属」の役目だと考える八重さん
いい友達だと思ったパイモンさん
ふっ、汝らにこれを言ったのは、妾の計画を理解させるためじゃ
あまり調子に乗るでないぞ?
対雷電将軍特訓第二幕を始めようとする八重さん