いいとも便

夜のいいともエンタメ便Vol.149

今日も一日、おつかれさまでした。
エンタメの世界では、日々たくさんの話題が生まれ、
そのたびに喜びや驚き、そしてほんの少しの温かさが届きます。
今夜も、そんな“今日という日の物語”をゆっくりと振り返りながら、
静かな夜の時間を一緒に過ごしていきましょう。

ゆりやんレトリィバァ、アジア最大級アワードで最優秀主演女優賞

お笑い芸人で俳優としても活動する ゆりやんレトリィバァさん が、アジア最大級の映像・ドラマ表彰イベント 「Asian Academy Creative Awards 2025(AACA)」 にて、Netflixドラマ 『極悪女王』 の主演として 最優秀主演女優賞(Best Actress in a Leading Role) を受賞した。12月5日にシンガポールで開催された授賞式で明かされ、日本人としての同部門受賞は極めて異例の快挙となった。

『極悪女王』は、昭和の女子プロレス界を席巻した ダンプ松本 の半生を描く作品。ゆりやんさんは壮絶な減量・増量、特殊メイク、スキンヘッド姿など、肉体を張った役作りに挑み、迫真の演技が国内外で高く評価されていた。授賞式でゆりやんさんは涙を浮かべながら、「演じていたというより、カメラの前で“生きていた”ような気持ちでした」と言葉を詰まらせ、監督・共演者・スタッフ、そして実在モデルのダンプ松本さんに深く感謝を述べた。

今回のAACAでは『極悪女王』が複数部門にノミネートされており、監督の 白石和彌さん最優秀監督賞 を受賞。作品としても国際的な評価がさらに高まる結果となった。日本発の作品がアジアの主要アワードで複数部門の受賞を果たすのは珍しく、ドラマ制作の質の高さが改めて示された形だ。

ネットでは「ゆりやん、本当にすごい」「芸人の枠を超えた演技力」「ダンプ松本役は彼女にしかできなかった」と称賛が相次いでおり、今回の受賞をきっかけに今後の国際的な活躍にも期待が寄せられている。

ドラマ「極悪女王」監督・白石和彌も最優秀監督賞を受賞

2025年12月4日(日本時間)にシンガポールで開催されたアジア最大級の映像表彰イベント「Asian Academy Creative Awards(アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード)2025」(AACA)において、Netflixで配信中のドラマ『極悪女王(The Queen of Villains)』の総監督を務めた映画監督・白石和彌(しらいし かずや)氏が、「最優秀監督賞(Best Direction)」を受賞したことが発表されました。

『極悪女王』は、ダンプ松本ら実在の女子プロレスラーをモデルにしたNetflixオリジナルドラマで、2024年9月に配信を開始。主演のゆりやんレトリィバァさんの迫真の演技が国内外で高く評価されており、同作は主演女優賞と合わせて複数部門で受賞する快挙となりました。白石監督は、過去にも「孤狼の血」などの作品で高い評価を受けており、今回の受賞は日本発のドラマ作品が国際的に認められた象徴的な事例としても注目されています。

AACAはアジア17の国と地域の映画・テレビ・ストリーミング作品を対象に優れた制作を表彰する国際的な祭典で、2018年の創設以来、アジア圏で最も権威ある賞の一つとされています。過去にもNetflix作品『愛の不時着』や『ザ・グローリー』などが主要カテゴリーで受賞しており、日本の映像制作の質の高さが世界的に評価されています。

白石監督の受賞は、ドラマ制作における“演技とリアリティの融合”が高く評価された結果といえます。『極悪女王』は単なる伝記ドラマではなく、出演者やスタッフが実在人物の人生を深く掘り下げて“生きる”ように演じた点が批評家・審査員双方から評価されたことも受賞理由の一つとされています。今後、白石和彌監督のさらなる国際的活躍にも期待が高まっています。

滝沢カレン、第1子出産後初の公の場に登場

モデルでタレントの滝沢カレンさんが、第一子出産後初めて公の場に登場しました。2025年12月5日、都内で行われた「adidas DROPSET 4 発表会」にゲストとして参加し、久しぶりのイベント出演となりました。滝沢さんは、美脚が際立つ黒のショートパンツにスポーツブラ&ジャケットというトレーニングウエア姿で登場し、産後とは思えない引き締まったスタイルに取材陣からも驚きの声が上がりました。

イベントでは、これまでのトレーニングとの付き合い方についても語りました。かつては「食べなければ痩せる」と考え、極端なダイエットに走った時期もあったと明かし、「トレーニングとの出会いは、かなり極端でした」と自己分析。その後、正しいフォームや負荷のかけ方を教わるようになり、「1年後の自分へのご褒美のために続けている」という感覚で、現在もジム通いを続けていると話しました。

また、今年8月に誕生した第一子についての質問には、詳細な性別や名前は明かさなかったものの、「毎日が新しい発見で、すごく楽しいです」と笑顔。育児と仕事の両立については「完璧にはできないけれど、できるときにしっかり頑張る、くらいの気持ちで」と、らしい言葉選びで語りました。産後の体型戻しについても、「焦らないで、長い目で見て体を整えていきたい」と無理をしないスタンスを強調しています。

独特の“カレン語”でバラエティーを席巻してきた彼女が、母となった今もなお自然体で、前向きに体づくりや仕事に向き合う姿に、ネット上では「ますます好きになった」「産後ママの励みになる」と共感の声が多く寄せられています。

つぶちゃん日常【Season11−10話】帰り道で交わした小さな約束

気まずい夜の帰り道。
「ごめんね」と「こわかった」が、やっと言葉になった。
ふたりが交わしたのは、いつか“本当の名前”をみんなで決める、小さな約束。

気まずさを乗せた空気を、夜風が少しずつほどいていく。

家の前の石畳の道を、つぶちゃんと灯花が並んで歩いていた。
頭上には、いつのまにか星がたくさん増えている。

つぶちゃんは、両腕で黄金の本をぎゅっと抱えたまま、
足もとだけを見つめて歩いていた。
ページのすき間からこぼれた小さな光が、
ぽつぽつと道に足あとみたいに落ちていく。

「……さっきは、ごめん。」

沈黙を破ったのは、つぶちゃんのほうだった。
声は小さいけれど、ちゃんと前を向いたまま。

「怒ってるわけじゃないの。
 ただ、灯花がどこかにいなくなっちゃう気がして、こわかった。」

灯花はランタンをそっと持ち上げて、
オレンジ色の灯りをつぶちゃんのほうへ向けた。

「わたしのほうこそ、ごめんね。
 こわいって言ってくれてたのに、ちゃんと聞けなかった。」

その顔は、あやまっているのに、
どこかほっとしたようにも見えた。

「……でもさ。」

灯花は、少しだけ笑ってつづける。

「もし本が、わたしをどこかに連れて行こうとしたら――
 つぶちゃん、ぜったい気づくよね。」

「当たり前だよ。」

つぶちゃんは即答した。
今度は、しっかり灯花の顔を見る。

「その前に止めるし、
 もし間に合わなくても、名前で呼び続ける。
 ここから、何回でも。」

灯花の目が、ぱちぱちと瞬く。

「そんなので、聞こえるかな。」

「聞こえるようにするの。」

つぶちゃんは、抱えていた本を少し持ち上げてみせた。

「この本にさ、みんなの“名前のページ”を作るの。
 帰ってくる場所の名前。
 灯花の分も、ぴーくんの分も。」

ぴーくんは二人の少し上を飛びながら、その会話を聞いている。
青い目をまん丸にして、にこっと嬉しそうに光った。

「でも、“ここで呼ぶ名前”って、どれにする?」

灯花は、自分の胸元を指さす。

「本に書いてあった名前もあるし、
 この世界で呼ばれてる名前もあるし……
 まだ、ほんとの“わたしの名前”って感じがしないんだ。」

つぶちゃんは少し考えてから、にやっと笑った。

「じゃあさ。
 今度みんなに手伝ってもらおうよ。」

「みんな?」

「うん。
 わたしたちだけじゃなくて、
 この本を読んでくれてる人たちにも。」

つぶちゃんは、まるで面白いいたずらを思いついた子みたいに目を輝かせる。

「灯花にいちばん似合う名前、
 いっしょに考えてもらうの。
 “ここに帰ってくるときの名前”を。」

灯花は、少し驚いたあとで、ふっと笑った。

「……それ、いいかもしれない。」

ランタンの灯りが、ふたりの顔をあたたかく照らす。
黄金の本からこぼれた光の粒と混ざり合って、
細い道をやわらかい光の川みたいに染めていく。

遠くのほうに、つぶちゃんの家の灯りが見え始めた。

帰り道のまんなかで交わした約束は、
まだ小さくて、声に出せば消えてしまいそうだけれど――

それでもきっと、
この夜の星といっしょに、本のどこかのページにそっと書き込まれて、
いつか本当の“名前”になるのだろう。

つぶちゃんも灯花も、まだそれを知らないまま、
同じ道を、同じ方向へと歩きつづけていた。

今夜も小さなニュースの中に、それぞれの想いや背景が見えてきましたね。
移り変わりの早い毎日の中で、こうして立ち止まり、
一日の終わりにエンタメをそっと味わう時間が
明日へのやさしい力になりますように。
それでは、また次の夜に。おやすみなさい。

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