
12月17日は何の日?主な記念日と今日のテーマ
12月17日は、人類が初めて空を“自力で”飛んだ記念「飛行機の日」、ヒマラヤの小国ブータンが王国として歩み始めた「ブータン建国記念日」など、歴史とロマンが同居する一日です。1903年12月17日、アメリカ・ノースカロライナ州キティホークでライト兄弟が動力飛行機による初飛行に成功した出来事が、現在の「飛行機の日」や米国の「Wright Brothers Day」「Pan American Aviation Day」の由来になっています。
同じく1907年12月17日には、ウゲン・ワンチュクがブータンの初代国王として即位し、現在のブータン王国の礎が築かれました。この日を記念して、ブータンでは毎年「ナショナル・デー(建国記念日)」として、国王の演説や表彰、伝統舞踊などの行事が各地で行われます。国民総幸福量(GNH)を掲げる国としても知られ、「幸せとは何か」を考えるきっかけにもなる日です。
日本発の記念日としては、絵本や雑貨で人気の猫「ダヤン」が暮らす架空の国をテーマにした「わちふぃーるどの日」が、日本記念日協会に登録されています。物語の中で“ヨールカの扉”が開き、ダヤンが不思議な国わちふぃーるどへ渡った日、そして直営1号店オープンの日である1983年12月17日にちなんだ記念日です。
さらに国際的には、性労働者への差別や暴力に目を向ける「国際セックスワーカーに対する暴力撤廃の日(International Day to End Violence Against Sex Workers)」も12月17日に定められています。2003年にアメリカの性労働者支援団体SWOPの活動から始まり、現在は世界各地で追悼と権利保護を訴える集会が行われる人権デーの一つとなっています。
このように12月17日は、空への挑戦、国のはじまり、物語世界の記念日、人権を考える国際デーなど、多彩なテーマが重なる一日です。気になる記念日から一つ選んで、今日の話題づくりや雑学ネタとして取り入れてみてください。
飛行機の日
12月17日の「飛行機の日」は、1903年12月17日にアメリカ・ノースカロライナ州キティホーク近くのキルデビルヒルズで、ライト兄弟が動力飛行機による世界初の有人飛行に成功したことに由来する記念日です。1回目の飛行は弟オービルの操縦で12秒・約36.5m、同じ日に兄ウィルバーが操縦した4回目の飛行では59秒・約259.6mを記録したと伝えられています。
ライト兄弟は自転車店を営みながらグライダー実験を重ね、翼のねじりや姿勢制御の研究を通じて、当時としては非常に革新的な飛行機を作り上げました。この成功は、軍事・民間を問わず航空機産業の発展、さらには国際線による人や物流のグローバルな移動へとつながる、大きな転換点になりました。
今日は、空港や飛行機の写真を見返したり、ライト兄弟や航空の歴史を解説した動画を見てみるのも良さそうです。飛行機をよく利用する人は、安全運航を支える多くの人たちや技術に思いをはせるきっかけにもなります。
わちふぃーるどの日
「わちふぃーるどの日」は、猫のダヤンで知られるファンタジー作品と、そのキャラクターグッズブランド「わちふぃーるど」の記念日で、一般社団法人 日本記念日協会に2022年に登録された公式な記念日です。日付の由来は、物語の中でヨールカの扉が開きダヤンが不思議な国わちふぃーるどへ渡った日であり、現実世界では革製品メーカー「わちふぃーるど」の直営1号店・自由が丘店が開店した1983年12月17日にちなんでいます。
わちふぃーるどは、作家・池田あきこによる架空の国で、動物たちが立って歩き、魔法や妖精が存在する不思議な世界観が特徴です。そこに暮らす猫のダヤンや仲間たちの物語は、絵本やグッズ、原画展などを通して長年愛されてきました。記念日には、ダヤンのイラストグッズを手に取ったり、公式サイトや原画展情報をチェックして世界観に浸るのも楽しい過ごし方です。
ブータン建国記念日(National Day of Bhutan)
12月17日は、ヒマラヤの王国・ブータンの「建国記念日/National Day of Bhutan」にあたります。これは1907年12月17日に、ウゲン・ワンチュクがブータン初の国王(初代ドゥルク・ギャルポ)としてプナカの城で戴冠し、世襲王制の王国体制が正式に発足した日を記念するものです。王朝の成立と国家統一の節目として、ブータンの近代史において非常に重要な意味を持つ祝日です。
この日は首都ティンプーなど各地で、国王の演説やパレード、伝統舞踊、スポーツイベントなどが行われ、人々が民族衣装で参加して国家への感謝と団結を確かめ合います。ブータンは「国民総幸福量(GNH)」を掲げる国として知られ、建国記念日にも、物質的な豊かさだけでなく、文化や自然、精神的な幸福を大切にする価値観が色濃く表れています。
今日はブータンの文化やGNHについて紹介する本や動画を見たり、「幸せ」について自分なりに考えてみるきっかけにするのも良いかもしれません。
減塩の日(毎月17日)
毎月17日は「減塩の日」。高血圧や循環器疾患の予防・治療に役立つ減塩を広く知ってもらうため、特定非営利活動法人・日本高血圧学会が制定した記念日です。日付は、世界高血圧連盟が定めた「世界高血圧デー」と日本高血圧学会が定めた「高血圧の日」がどちらも5月17日であることから、「1年を通して減塩に取り組んでほしい」という思いを込めて毎月17日とされました。記念日は日本記念日協会により認定・登録されています。
塩分の摂り過ぎは血圧上昇だけでなく、脳卒中や心疾患、腎機能への負担などにもつながるとされます。一方で、味気ない食事にならないよう、だしや香味野菜、スパイス、酸味を上手に使う工夫が各地で紹介されています。
今日は、普段使っている醤油やめんつゆの量を「少しだけ」減らしてみたり、外食ではスープを全部飲みきらないようにしてみるなど、小さな一歩から始めてみるのも良さそうです。家族で減塩レシピ動画を見ながら、無理のない工夫を話し合ってみるのも良いきっかけになります。
明治ブルガリアヨーグルトの日(12月17日)
12月17日は「明治ブルガリアヨーグルトの日」。東京都中央区京橋に本社を置く株式会社明治が制定した記念日で、ヨーグルトの定番ブランド「明治ブルガリアヨーグルト」が1973年12月17日に発売されたことに由来します。ヨーグルト本場のブルガリア政府との長い交渉の末、国名「ブルガリア」を商品名に使うことが認められた、日本では特別な存在のヨーグルトです。記念日は日本記念日協会により認定・登録されています。
発売以来、「ヨーグルトの正統」を掲げてきたこの商品は、日本の朝食やデザート文化の中で、発酵食品・乳酸菌の身近な入り口となってきました。無糖タイプをベースに、果物やはちみつ、シリアルなどを合わせて楽しめる自由度の高さも人気の理由です。
今日は、いつものヨーグルトを少しアレンジして楽しんでみるのも良さそうです。好きなフルーツやジャムを加えてパフェ風にしたり、水切りヨーグルトを作ってディップやスイーツに使ってみるのもおすすめ。公式レシピ動画やCMを眺めながら、新しい食べ方を探してみると、食卓のバリエーションが広がります。
国産なす消費拡大の日(毎月17日)
毎月17日は「国産なす消費拡大の日」。冬春なすの主産6県(岡山・高知・徳島・佐賀・福岡・熊本)の生産団体で構成される「冬春なす主産県協議会」が、国産なすの魅力を知ってもらい消費を増やす目的で制定した記念日です。4月17日の「なすび記念日」とセットで、「よ(4)い(1)な(7)す」という語呂合わせと、なすが好物だった徳川家康の命日にちなみ、毎月17日をなすのPRの日としています。記念日は日本記念日協会により認定・登録されています。
なすは日本でも奈良時代から親しまれてきた野菜で、水分が多くカロリーは控えめながら、ポリフェノールなどの成分を含み、油と相性が良いのも特徴です。国内で流通するなすのほとんどが国産で、地域ごとの品種や調理法も多彩です。
今日は、夕食の一品に「なす料理を一皿増やす」ことを意識してみるのも良さそうです。揚げ浸しや味噌炒め、焼きなすなど定番レシピはもちろん、産地JAが発信しているレシピ動画を参考に、まだ作ったことのない調理法に挑戦してみるのもおすすめです。スーパーで国産表示のなすを手に取り、生産地にも少し目を向けてみると、産地応援の気持ちも生まれてきます。
ライト兄弟の日(Wright Brothers Day/アメリカ)
12月17日は、アメリカ合衆国で「ライト兄弟の日(Wright Brothers Day)」として公式に定められている記念日です。アメリカ連邦法(合衆国法典第36編143条)により「12月17日をライト兄弟の日とする」と定められており、1903年12月17日にノースカロライナ州キティホーク近郊で行われたライト兄弟の動力飛行機による初飛行の成功を記念しています。
1959年にアイゼンハワー大統領が初めて12月17日をライト兄弟の日と宣言し、その後1963年の議会決議によって毎年の恒常的な記念日になりました。以降、歴代大統領が毎年「Wright Brothers Day」の大統領宣言を発し、国民に対して航空技術の発展とライト兄弟の功績をしのぶ式典や教育活動を行うよう呼びかけています。最近ではバイデン大統領による2023年・2024年の宣言文も公開されています。
ライト兄弟は、兄ウィルバーと弟オーヴィルの二人で、自転車店の経営をしながら滑空機の研究を重ね、独自の翼ねじりによる操縦システムや軽量エンジンを開発しました。1903年12月17日の初飛行では、オーヴィル操縦による約12秒・36mの飛行から始まり、その日の4回目の飛行では約59秒・260mに達したとされます。これは「空気より重い、動力付き飛行機による、操縦された継続飛行」の初成功として、現代航空の出発点と評価されています。
アメリカではこの日に、ノースカロライナ州キルデビルヒルズのライト兄弟国立記念公園などで記念式典やフライパス(祝賀飛行)、航空関連の展示が行われます。日本でも、12月17日を「飛行機の日」として紹介し、航空の歴史やライト兄弟の挑戦を振り返るきっかけにするカレンダーが多くあります。
今日は、ライト兄弟の初飛行の様子を再現した映像や、初期航空機の仕組みを解説する動画を見てみるのも良さそうです。飛行機が当たり前になった現代だからこそ、「人類が初めて空を飛んだ瞬間」に何が起きていたのかを知ると、旅行や出張で乗る飛行機の見え方も少し変わってくるはずです。
まとめ
12月17日は、人類が空を飛ぶ夢を現実にした「飛行機の日」と「ライト兄弟の日」、ブータン王国が歩みを始めた建国記念日、さらに食品・健康・文化に関わる多彩な記念日が重なる一日です。明治ブルガリアヨーグルトの日や国産なす消費拡大の日、いなりの日など、日常に取り入れやすいテーマも多く、暮らしの中で小さな気づきを与えてくれます。
また、国際デーとして制定された「セックスワーカーに対する暴力を終わらせる国際デー」や、アメリカのメープルシロップの日など、社会や世界文化への視野を広げてくれる記念日も含まれています。航空史、健康、食、国際問題、ファンタジー文化まで幅広い分野が同じ日に重なるのは、この日ならではの特徴です。
気になる記念日を一つ選んで、関連する動画を見たり、食べ物を取り入れてみたり、歴史を調べてみると、普段の一日が少し特別な時間に変わります。今日の話題づくりにもぜひ活用してみてください。