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A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition 忖度なしレビュー|旧Switch版との違い・アップグレードの価値・快適性を本音評価

A列車で行こう はじまる観光計画 Switch 2 Edition 忖度なしレビュー

『A列車で行こう はじまる観光計画 Switch 2 Edition』の広大なマップで街づくり要素を紹介するゲーム画面

『A列車で行こう はじまる観光計画 Switch 2 Edition』は、遊びの中身を別物にするというより、長時間プレイの中で重要となる快適性を底上げするタイプのエディションです。だから結論は「A列車が好きで、腰を据えて遊ぶ人ほど恩恵が出やすい」。
一方で、旧Switch版をすでに満足するまで遊び込んでいる人は、“何がどこまで改善されたか”が自分の不満点に刺さるかで価値が決まります。

この記事では、旧Switch版との違いを整理しつつ、良かった点・気になった点・機種別比較から、買い替え/アップグレードの判断ができるようにまとめます。

基本情報/作品概要(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

『A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition』は、街づくり・鉄道運営・会社経営を軸に、観光地開発の要素まで含めて長く遊べる都市開発シミュレーション「はじまる観光計画」を、Nintendo Switch 2向けに強化したエディションです。Switch 2 Editionでは、グラフィック(解像度アップ、テクスチャ改良、水面反射など)と最大フレームレートの向上がうたわれ、街の見栄えと動きの滑らかさを底上げ。さらに、オートセーブ搭載で“うっかり事故”を減らし、Switch 2本体機能の「ゲームチャット」にも対応するなど、「長時間遊ぶほど効いてくる快適性」を強く意識した作りになっています。

また、Joy-Con 2とUSBマウスによるマウス操作に対応し、線路敷設や建物配置をより直感的に行えるのもSwitch 2 Editionの大きな特徴です。マウス操作に合わせて、UIサイズやメインメニューのアイコン配列を調整できるオプションも追加されています。さらに「Nintendo Switch 2 モード」では、通常より多くの鉄道車両や自動車、車両の設計図を使えるとされ(※このモードで開始したセーブデータはSwitch 2専用)、より“物量で街を動かす”遊び方にも寄せられています。

基本データ

  • タイトル:A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition
  • 発売日:2025年12月18日(木)
  • 価格(税込)
    • パッケージ版:10,406円
    • ダウンロード版:9,878円
  • 対応言語:日本語/英語/中国語(繁体字・簡体字)/韓国語

アップグレードパス(旧Switch版所持者向け)

Switch版『A列車で行こう はじまる観光計画』を持っている場合は、「Nintendo Switch 2 Edition アップグレードパス」(2,200円・税込)でSwitch 2 Editionへ拡張できます。
なお、マイニンテンドーストアのセット商品説明では「本編+Switch 2 Edition アップグレードパス」のセットであること、そして追加コンテンツ「ひろがる観光ライン」は含まれない(別途購入が必要)ことが明記されています。

良かった点(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

街づくりシミュレーション『A列車で行こう はじまる観光計画 Switch 2版』で秘書キャラがプレイヤーに街の状況を説明する場面

1)オートセーブ搭載で「やり直しストレス」が激減する

Switch 2 Editionの改善で一番わかりやすいのが、オートセーブ搭載です。A列車は、線路の引き直し・ダイヤ調整・資金繰りなど“積み上げ型の作業”が多いぶん、ちょっとした操作ミスや判断ミスのダメージが大きくなりがち。オートセーブがあるだけで「どこまで巻き戻せるか」が明確になり、試行錯誤の心理的ハードルが下がります。長時間遊ぶ人ほど、この差は体感で効きます。

2)マウス操作対応で、線路敷設と配置が“直感的な作業”に寄る

Switch 2 EditionはJoy-Con 2とUSBマウスのマウス操作に対応し、UIサイズやメインメニューのアイコン配列も調整できると案内されています。A列車の気持ちよさは「思いどおりに線路を敷けるか」に直結するので、コントローラー操作の“手数の多さ”が苦手だった人ほど恩恵が出ます。シミュレーションで一番時間を使う作業を、入力方法から改善してきたのは大きいです。

3)見た目と動きの底上げで、「眺める価値」が上がる

解像度アップ、テクスチャ改良、水面反射などのグラフィック強化に加え、最大フレームレート向上が明言されています(※一部はグラフィックオプションにより反映)。A列車は“走る列車を眺める時間”も含めて楽しむゲームなので、街の臨場感と動きの滑らかさが上がるのは、プレイの満足度に直結します。

4)シナリオ追加で、初心者の導線と遊び直しの幅が増える

Switch 2 Editionはシナリオが2本追加され、総収録シナリオが19本になると案内されています。自由度の高いA列車は、最初の目標設定で迷いやすい反面、シナリオが豊富だと「まずはこの条件で達成してみる」という導線が作れます。経験者にとっても、違う条件での遊び直しが増えるのは素直に加点です。


気になった点(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

『A列車で行こう はじまる観光計画 Switch 2 Edition』の鉄道駅エリアを拡大したプレイ映像。Switch 2モードの街並みと列車描写

1)“別ゲー級の進化”を期待すると肩透かしになりやすい

Switch 2 Editionの強化点は、グラフィック・フレームレート・操作・オートセーブなど「快適性の底上げ」に寄っています。遊びの根っこ(街づくり/鉄道運営/会社経営の設計)は大きく変わらないため、旧Switch版を遊び尽くした人が“新作級の変化”を求めると、期待値がズレやすいです。

2)Switch 2モードのセーブはSwitch 2専用で、遊ぶ環境が固定される

「Nintendo Switch 2 モード」で開始したセーブデータはSwitch 2専用とされており、旧Switch側へ持ち出す前提の遊び方はできません。家と外で本体を分けている人や、旧Switch側に戻す可能性がある人は、運用の前提が変わります。

3)DLCは別扱い。セット購入でも全部入りではない

マイニンテンドーストアのセット商品説明では、ダウンロード版は「本編+Switch 2 Edition アップグレードパス」であり、追加コンテンツ「ひろがる観光ライン」は含まれない(別途購入が必要)と明記されています。買ったつもりで後から気づくと損した気分になりやすいので、ここは購入前に押さえるべき注意点です。

4)価格は強気。アップグレードの価値が“自分の不満点”に刺さるかが勝負

パッケージ版は1万円台、DL版も約1万円の価格帯で、アップグレードパスも別途2,200円です。快適性の改善が中心のエディションなので、旧Switch版の不満が「ロード・操作・やり直し・見た目」にあった人は納得しやすい一方、そこが気になっていなかった人は割高に感じやすい。買うべきかどうかは“自分の不満点と改善点が一致しているか”で決まります。

このエディションならではの魅力と評価(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

Switch 2 Editionの価値は、「新要素で別ゲー化」ではなく、A列車の本質である“長時間の設計と試行錯誤”を、より快適に回せるようにした点にあります。オートセーブで失敗のリカバリーが効きやすくなり、マウス操作対応で線路敷設や配置のストレスが減る。
さらに解像度・テクスチャ・水面表現や最大フレームレート向上で、街を眺める時間の満足度も底上げされます。要するに「作業が気持ちよくなって、続けやすくなる」方向の進化で、A列車を“遊び込む人ほど”効くアップグレードです。

逆に、旧Switch版で操作ややり直しに不満がなかった人にとっては、変化が地味に感じやすい。ここを理解して買うと、満足度がブレにくいです。

機種別比較(Switch 2 Editionをどう買うべきか)

結論から言うと、選択肢は「Switch 2 Editionを新規購入」か「旧Switch版+アップグレードパス」の2つで、判断基準は“旧Switch版をどれだけ遊ぶ予定があるか”です。初めて触る人、これから腰を据えて街づくりを始める人は、最初からSwitch 2 Editionで入った方が、操作(マウス)・やり直し(オートセーブ)・見栄えと動作の底上げを前提に遊べます。一方、旧Switch版をすでに持っていて「また最初から長く遊び直したい」「操作の重さやミスの巻き戻しが気になっていた」人は、アップグレードパスの方がコスト的に合理的です。注意点として、Switch 2モードで始めたセーブデータはSwitch 2専用になるため、“旧Switchでも同じデータを回す”運用はできません。自分の遊び方(家の据置中心か、環境をまたぐか)まで含めて選ぶのが正解です。

機種/買い方特徴・メリット注意点・制約
Nintendo Switch 2(Switch 2 Editionを新規購入) ・Switch 2向けの強化要素を最初から前提に遊べる(グラフィック/最大フレームレート向上、オートセーブ等)
・Joy-Con 2&USBマウスでのマウス操作に対応(UIサイズ/メニュー配列の調整オプションも追加)
・本体機能「ゲームチャット」対応で、相談しながら街づくりがしやすい
・Switch 2本体が必須
・「Nintendo Switch 2 モード」で開始したセーブデータはSwitch 2専用(旧Switchへ持ち出し不可)
・追加コンテンツ「ひろがる観光ライン」は別売(セットに含まれない)
Nintendo Switch 2(旧Switch版所持 → アップグレードパスで移行) ・旧Switch版の「はじまる観光計画」を持っていれば、追加コンテンツ(Switch 2 Edition アップグレードパス)でSwitch 2 Editionへ拡張できる
・新規購入よりコストを抑えつつ、Switch 2 Editionの強化要素(オートセーブ、マウス操作、グラフィック等)を取り込める
・旧Switch版を遊び込んでから「不満点に刺さるか」を見極めて移行しやすい
・アップグレードパスの購入が前提(未購入だと旧Switch版のまま)
・USBマウスは“すべての機器で動作保証”ではない(相性が出る可能性あり)
・「Nintendo Switch 2 モード」のセーブはSwitch 2専用/「ひろがる観光ライン」は別売
Nintendo Switch(旧Switch版のまま遊ぶ) ・Switch本体だけでそのまま遊べる(追加投資なし)
・携帯性があり、スキマ時間に進めやすい
・まずは旧Switch版で触ってみて、ハマったらSwitch 2移行を検討できる
・Switch 2 Editionの強化要素(オートセーブ、マウス操作、Switch 2モード、表現強化など)は前提にならない
・「Nintendo Switch 2 モード」専用のセーブデータは旧Switchでは扱えない
・Switch 2のゲームチャット連携など、“相談しながら遊ぶ”方向の強化は使えない

忖度なしスコア(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

Switch 2 Editionの評価は、派手な新要素で驚かせるタイプではなく、「A列車を長時間遊ぶ人ほど効く改善」をどれだけ価値だと感じるかで決まります。オートセーブの搭載は、試行錯誤の負担を確実に下げる“強い保険”で、失敗を前提に遊べる安心感があります。さらにJoy-Con 2/USBマウスのマウス操作対応で、線路敷設や配置のストレスを減らしやすく、UIサイズやメニュー配列を調整できる点も含めて、作業の快適性を正面から改善しています。見た目も解像度・テクスチャ・水面表現の強化や最大フレームレート向上が明言されており、街を眺める楽しさも底上げされる。加えてシナリオ2本追加(計19本)で、初心者の導線と遊び直しの幅も増えています。

逆に言えば、旧Switch版で不満がなかった人ほど「そこまで変わる?」となりやすく、価格面でも“改善点が自分に刺さるか”が勝負になります。特に「Switch 2モードで始めたセーブはSwitch 2専用」という仕様は、環境をまたいで同じデータを回したい人には制約になり得ます。
結論として、A列車の面白さはそのままに、作業とやり直しのストレスを減らして“続けやすさ”を底上げしたエディション。だからスコアは「シリーズ好きほど伸びるが、初見にとっても快適さで入りやすい」という評価に落ち着きます。

評価項目スコア
快適性の底上げ(オートセーブ/やり直しの安心感)8.7 / 10
操作のしやすさ(マウス操作対応/UI調整で作業ストレス減)8.5 / 10
見栄え・没入感(解像度/テクスチャ/水面表現などの強化)8.0 / 10
動作の気持ちよさ(最大フレームレート向上/街の“眺め”の満足度)7.8 / 10
遊びの幅(シナリオ追加/条件違いでの遊び直し)7.6 / 10
運用の自由度(Switch 2モード専用セーブ等の制約の少なさ)6.9 / 10
コストパフォーマンス(新規購入/アップグレード含めた納得感)7.4 / 10
総合スコア7.9 / 10

派手な別物感は薄いけど、「やり直しの安心感」と「作業の快適さ」が確実に上がるので、A列車を腰を据えて遊ぶ人ほど満足度が伸びるエディションです。

A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition

鉄道会社の社長となって路線を敷き、街を発展させていく人気シミュレーション 「A列車で行こう はじまる観光計画」がSwitch 2 Editionとして登場。 観光資源を活かしたまちづくりや路線計画をじっくり楽しめる一本です。

価格・在庫・特典内容などは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

総評(A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition)

『A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition』の公式タイトル画像。観光地や列車が並ぶビジュアル

『A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition』は、遊びの中身を別物にする“新作級の変化”ではなく、A列車というゲームの本質である「長時間の設計・試行錯誤」を、気持ちよく続けられるように整えたエディションです。最大の評価点はオートセーブ搭載で、線路の敷設ミスや資金繰りの読み違いが起きても、立て直しが効く安心感が段違い。ここが入っただけで、A列車の“失敗しながら上手くなる面白さ”が素直に出やすくなります。

さらにJoy-Con 2/USBマウスのマウス操作対応によって、線路敷設・配置・微調整が直感的になり、UIサイズやメニュー配列も調整できる。A列車は作業量の多いシミュレーションなので、この「入力の改善」は地味でも効き目が大きいです。加えて解像度アップ、テクスチャ改良、水面反射などの表現強化や最大フレームレート向上が明言され、街を眺める時間の満足度も底上げされます。シナリオ2本追加(計19本)も、初心者の導線と遊び直しの幅という意味で素直にプラスです。

一方で注意点は明確で、価格帯は強気。だからこそ、旧Switch版を遊び込んでいる人は「自分の不満点が、Switch 2 Editionの改善点に刺さるか」で価値が決まります。また「Nintendo Switch 2モード」で開始したセーブデータはSwitch 2専用という仕様は、環境をまたいでデータを回したい人には制約になり得ます。DLC「ひろがる観光ライン」が別売なのも、買い方を間違えると損した気分になりやすいので要注意です。

結論としては、A列車が好きで長く遊ぶ人ほど、Switch 2 Editionは“効く改善”が積み上がって満足度が伸びます。逆に、旧Switch版に大きな不満がなく、変化に派手さを求める人には割高に感じやすい。購入判断は「オートセーブ」「マウス操作」「見栄えと滑らかさ」「新シナリオ」を、自分がどれだけ欲しかったか――ここで決まるエディションです。

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