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ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS 忖度なしレビュー|忙しさの正体と“合う人/合わない人”を正直評価【Switch】

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS 忖度なしレビュー|派手さゼロ、緊張感だけで勝負する

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARSの滑走路シーン。離陸準備中の旅客機と中部国際空港の風景を映したゲーム内カット。

『ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS』は、航空機の離着陸や誘導を“指示でさばく”空港運用シミュレーションです。アクションみたいな爽快感はありません。その代わり、状況判断と段取りで空港を回し切った瞬間の達成感が、このシリーズの魅力です。一方で、忙しさが増えるほどミスのリカバリーが難しくなり、向き不向きがハッキリ出るジャンルでもあります。この記事では、面白さの芯がどこにあるのか、そしてどんな人がハマって、どんな人が置いていかれるのかを忖度なしで整理します。

作品概要・基本情報

『ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS』は、中部国際空港セントレア(中部国際空港)を舞台に、航空無線(ATC)で離着陸や飛行ルートの指示を出して安全運航を成立させる“航空管制シミュレーション×立体パズル”タイプの作品です。公式説明では、実在の航空会社が13社登場し、低速のプロペラ機や訓練機など速度差のある機体も混在することで、空の交通整理がより忙しくなる点が売りとして紹介されています。さらに、難易度の異なる全40ステージを収録し、緊急事態や滑走路制限、タッチ&ゴーを行う訓練機など、状況判断を揺さぶるシチュエーションが用意されているのも特徴です。

基本データ

  • タイトル:ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS
  • 対応機種:Nintendo Switch
  • 発売日:2025年12月25日(木)
  • 価格:
  • パッケージ版:8,998円(税込)
  • ダウンロード版:Nintendo公式の新作情報でも同日発売として案内(購入ページはNintendo Store)
  • メーカー:ソニックパワード
  • プレイ人数:1人
  • 対応言語:日本語/英語

良かった点

1)管制の面白さが「立体パズル」として成立している

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARSのゲーム画面。複数機が滑走路16L/34Rを使用する混雑状況を映したタワー管制パート。

本作は、航空無線(ATC)で離着陸や飛行ルートの指示を出し、安全運航を成立させる航空管制シミュレーションとして公式に案内されています。やっていることは“交通整理”ですが、単純な手順ゲーではなく、機体の位置関係と順番を組み立てて破綻させない「段取りのパズル」になっているのが強みです。うまく回り始めた瞬間に一気に気持ちよくなるタイプで、刺さる人には中毒性が出ます。

2)セントレア(中部国際空港)題材で、シチュエーションの説得力が強い

舞台がセントレア(中部国際空港)であることが、ただの架空ステージよりも状況をイメージしやすく、没入感の土台になります。国内線・国際線で賑わう空港をさばく、という前提があるだけで「忙しさに意味がある」作りになりやすい。空港運用の雰囲気を楽しみたい人にも刺さりやすいポイントです。

3)速度差のある機体が混ざることで、忙しさが“意地悪”ではなく“必然”になる

公式説明では、低速のプロペラ機や訓練機など、速度差のある機体が登場する点が明記されています。ここが上手いのは、速度差があると「先に来た順に処理」では破綻しやすくなり、自然に優先順位付けが必要になるところです。忙しさが単なる物量ではなく、判断の質を問う方向に寄るので、シミュレーションとして筋が通っています。

4)全40ステージ+“揺さぶり”条件で、判断力を段階的に試せる

難易度の異なる全40ステージが用意され、緊急事態、使用滑走路の制限、タッチ&ゴーを行う訓練機など、判断を揺さぶる要素が公式に案内されています。さらに、いきなりクライマックスの管制から始まる「テイクオーバーステージ」もある。ステージ数の多さだけでなく、判断材料の増やし方が明確なので、慣れてくるほど“次の壁”が出やすい構成です。

5)初心者向けの入口が用意されている(ただし油断は禁物)

ストア説明では初心者にも触れられる旨が打ち出されており、航空知識の有無よりも「状況整理・優先順位」が軸のゲームとして入りやすい設計になっています。航空管制という題材に構えやすいジャンルですが、入口が用意されているのは素直にプラスです。

気になった点

1)“初心者も!”は入口としては正しいが、根っこは集中力ゲーで人を選ぶ

公式/ストアの説明でも「初心者も!」と打ち出されていますが、やること自体は航空無線(ATC)で離着陸や飛行ルートを指示して安全運航を成立させる仕事です。機体の位置関係や離着陸の順番を把握し続ける設計なので、気軽に遊ぶと「思ったより頭を使う」「気が抜けない」と感じやすい。ここはジャンルの性質として、先に正直に書いておくべきポイントです。

2)速度差のある機体が混ざる=面白い反面、ミスった時の立て直しが一気に難しくなる

低速プロペラ機や訓練機など、速度差のある機体が混在することが明記されています。これが“交通整理が大忙し”になる理由でもある一方、いったん順番の読みを外すと、後ろの機体が詰まりやすくなって立て直しが難しくなるタイプの忙しさになりがちです。爽快感というより「段取りが崩れた時の焦り」が強く出るので、そこがストレスになりやすい人は注意です。

3)40ステージ=ボリュームは十分。ただし“やさしい作業”ではなく、緊急・制限系の揺さぶりが多い

全40ステージ収録は強みですが、内容は「緊急事態の発生」「使用滑走路の制限」「タッチ&ゴー訓練機」など、判断を揺さぶるシチュエーションが盛り込まれると案内されています。さらに新要素として「テイクオーバーステージ」もあり、いきなりクライマックス状態から管制が始まる仕様です。つまり“数が多い=ゆったり遊べる”ではない。集中力が削られるタイプのボリュームです。

4)ALLSTARSの魅力は「実在エアライン多数」だが、航空会社に思い入れがない人には刺さり方が弱い

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARSのアプローチ管制画面。ピーチ航空320neoの進入ルートと速度・高度情報が表示されたシーン。

公式サイトでは「実在の航空会社13社が登場」と明記されています。航空ファンにとっては明確な加点ですが、逆に言うと、そこにピンと来ない人は“題材の強み”を取りこぼしやすい。純粋にパズルとして楽しめる作りではあるものの、ALLSTARSの名前に期待するほどの特別感を、全員が同じ温度で受け取れるわけではありません。

5)パッケ版は定価が強め。DL/実売とのギャップで「高い」と感じる層は出る

メーカー発表(プレスリリース)でも発売日は2025年12月25日予定として告知されており、パッケ版の定価は強めの価格帯です。店頭実売は変動しますが、定価ベースで見ると“シミュレーション好き向けの専門枠”価格。刺さる人には妥当でも、ライト層が勢いで買うと価格の重さが先に来やすいところは正直に触れておいた方が安全です。

“セントレアALLSTARS”が刺さるポイントはここ

『ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS』の個性は、まず舞台が「中部国際空港セントレア」であること、そして実在の航空会社13社が登場すると公式に明記されている点にあります。題材が具体的だからこそ、ただ飛行機が並ぶだけのゲームではなく「現場を回している感」が出やすい。空港運用の雰囲気に惹かれて手に取る人にとっては、この“実在感”そのものが強い武器になります。

もうひとつは、ボリュームとシチュエーションの作り方が、コレクション的な看板だけで終わっていないところです。公式リリースでは「すべて完全新作」「全40ステージ」と明言されていて、さらに新要素として「テイクオーバーステージ」(管制途中で担当を引き継ぎ、忙しい状態からスタート)が追加されることも説明されています。最初から整った状態で始めるのではなく、すでに混み始めている現場を途中からさばかされる――この“引き継ぎの修羅場”が用意されているのは、空港管制という題材ならではの緊張感としてかなり強いです。

忖度なしスコア

忙しさで押してくる航空管制シミュレーションとして、公式に明記されている「全40ステージ」「新要素テイクオーバーステージ」「実在エアライン13社」「日本語/英語対応・1人プレイ」など“中身の柱”はかなり強いです。
一方で、公式側も高難度要素(滑走路制限・緊急事態・タッチ&ゴー等)を売りにしているため、万人向けの気軽さではなく「集中力ゲー」として好みが分かれるタイプ。ここを踏まえて評価しています。

評価項目スコア
コンセプトの強さ(セントレア題材+“管制をさばく”体験の濃さ)8.6 / 10
ならでは要素(実在エアライン13社/テイクオーバーステージ)8.5 / 10
ボリューム(全40ステージ)8.3 / 10
遊びやすさ(コマンド選択の簡単操作とされる)7.4 / 10
難易度の納得感(緊急・制限・訓練機など“揺さぶり”前提)7.2 / 10
刺さる人の明確さ(集中力ゲー:合う人には最高/合わない人は疲れる)7.6 / 10
購入判断のしやすさ(対応言語・1人プレイ・権利表記など情報が揃う)8.2 / 10
総合スコア8.0 / 10

判断力と集中力を使って空港運用を組み立てるゲームなので、考える作業が好きな人には強く刺さる一方、気軽さを求める人には忙しく感じやすい一本です。

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS

中部国際空港セントレアを舞台に、航空機の離着陸や誘導を捌いていく 「ぼくは航空管制官」シリーズのタイトル。現実の空港運用をモチーフにした シチュエーションをこなしながら、忙しさと達成感を味わえる管制シミュレーションです。

価格・在庫・特典内容などは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

総評

ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARSの公式タイトルロゴ画像。作品名と航空機をモチーフにしたデザイン。

『ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー セントレア ALLSTARS』は、セントレア(中部国際空港)を舞台に、航空無線(ATC)で離着陸や飛行ルートの指示を出して安全運航を成立させる“航空管制シミュレーション”です。派手な演出や爽快アクションではなく、頭の中で順番と距離感を組み立て、空の交通整理を破綻させないこと自体が面白さの芯になっています。

本作が「ALLSTARS」として強いのは、実在の航空会社が13社登場すると明記されている点と、ボリュームが“言い訳なし”なこと。公式情報では、難易度の異なる全40ステージを収録し、緊急事態の発生や滑走路制限、タッチ&ゴーを行う訓練機など、状況判断を揺さぶる条件が用意されていると説明されています。さらに新要素として、管制途中の忙しい状態から引き継いでスタートする「テイクオーバーステージ」も明記されていて、ここが「現場感」を一段上げています。

一方で、ここは忖度なしに言うと、気軽さで選ぶゲームではありません。公式の時点で“忙しさ”を売りにしている通り、速度差のある機体(低速プロペラ機・訓練機など)が混ざることで、単純な手順では回らない状況が起きやすい設計です。うまくさばけた時の達成感は強い反面、ミスをすると立て直しに頭を使うタイプなので、疲れる人は確実に疲れます。

総合すると本作は、「考える作業」を楽しめる人にとっては、セントレア題材と40ステージの物量、テイクオーバーの緊張感が揃った“濃い一本”です。逆に、反射神経で気持ちよく遊ぶタイプのゲームを求める人には、ジャンルが違う。買うなら、“空の交通整理を成立させるパズル”をやりたいかどうかで判断するのが一番外しません。

©Lichterfelde project
©TechnoBrain CO., LTD.
©Sonic Powered Co., Ltd.

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