12月31日はどんな日？一年の締めくくり「大晦日」をもっと味わう
12月31日は、一年を締めくくる大晦日。年越しそば、除夜の鐘、紅白、初詣の準備など、日本の年末らしい風景がぎゅっと詰まった日です。慌ただしく過ぎがちですが、由来を知ると、いつもの年越しが少しだけ深く楽しくなります。
この記事では、12月31日に結びつく記念日や習わしを、日付の根拠や背景とあわせてわかりやすく整理します。気になったものを1つだけでも取り入れて、今日を「ただの最終日」ではなく、納得できる締めの日にしてみてください。
大晦日（おおみそか）
12月31日は一年の最終日である「大晦日」。もともと「みそか（晦日）」は月の最終日を指し、そこに「一年で最も大きな晦日」という意味で「大」が付いて「大晦日」と呼ばれるようになりました。
年越しそばや大掃除、年越しの準備など、“締めの日”ならではの習わしが集まる日なので、今日は「年越しそばを一杯」「玄関だけ掃除」「今年の出来事を3つ振り返る」など、1つだけでも形にすると気持ちが整います。
年越の大祓（としこしのおおはらえ）
神社で行われる「大祓（おおはらえ）」は、半年や一年の間に身についた罪・穢れを祓い清め、新年を迎えるための神事で、12月31日に行うものは「年越の大祓」と呼ばれます。
形代（かたしろ）に息を吹きかけて納めるなど、神社によって作法や受付時間が案内されているので、無理のない範囲で参拝したり、家でも「今年の厄落とし」を意識して身の回りを一つ整えるのがおすすめです。
菜の日（1年に7回ある「31日」）
1月・3月・5月・7月・8月・10月・12月の「31日」は、31を野菜の「菜（さい）」と読んで「菜の日」。一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会が制定し、日本記念日協会の記念日として紹介されています。
年末は食事が偏りやすい時期なので、今日は「野菜多めの汁物を足す」「カット野菜で1品」「サラダに温野菜を追加」など、手軽に“菜”を増やすと実用度が高い日になります。
そばの日（毎月末日）
毎月の月末（みそか）は、日本麺業団体連合会が制定する「そばの日」とされています。江戸時代の商人が月末に縁起物としてそばを食べた風習に由来し、大晦日の年越しそばともつながる文化です。12月31日は“年の最後の月末”として、いちだんと印象に残りやすい日でもあります。
過ごし方：具や薬味を少し変えて“今年の締めそば”にする／家族で由来をひとこと共有する／温かい汁で体を温める。
シンデレラデー（12月31日）
12月31日は「シンデレラデー」と呼ばれることがあります。童話のシンデレラが“真夜中12時”を意識して過ごすように、大晦日も年越しの瞬間を待ちながら時計が気になる日、という連想から広まったものです。公式な記念日として定着しているわけではありませんが、“一年のご褒美”や“感謝の贈り物”のきっかけとして紹介されることもあります。
過ごし方：自分への小さなご褒美を用意する／今年お世話になった人に短いメッセージを送る／0時前に“来年やりたいこと”を3つ書く。
著作権保護期間の最終日（12月31日）
日本では、著作権の保護期間の満了日は「年末（12月31日）」で整理されるため、権利が切れるタイミングとして12月31日が重要な区切りになります（例：死後70年の計算でも、満了はその年の12月31日まで）。年越しは“作品が社会の共有財産へ移る節目”が生まれやすい日でもあります。
過ごし方：パブリックドメイン作品を1つ探して読む／来年読みたい古典をリスト化する／引用・転載は禁止利用のルールを軽く確認する。
113番元素「ニホニウム」につながる“命名権獲得”が認定された日
2015年12月31日、理化学研究所（理研）の研究グループが合成した原子番号113の元素について、国際純正・応用化学連合（IUPAC）から「新元素として認定」された旨の通知があり、発見者として命名権を得ました。
この認定は、のちに元素名「nihonium（ニホニウム）」が決まる大きな節目で、日本発の元素名が周期表に入る流れを決定づけました。
今日は、周期表を眺めて「Nh」を探してみる／理研の発表をざっと読む／家族や友人に“日本発の元素名”を話してみる、などが手軽でおすすめです。
御岳山ケーブルカー（御岳登山鉄道）が開業した日
1934年12月31日、東京都青梅市の御岳山で、滝本駅〜御岳山駅を結ぶケーブルカー（御岳山ケーブルカー）が開業しました。
登山や参拝のアクセスを支える“山の足”として親しまれ、現在も観光路線と生活路線の両面で活躍しています。
今日は、地図で御岳山周辺の見どころ（武蔵御嶽神社など）を調べる／次の休みに行く候補に入れる／ローカル線・ケーブルカーの魅力を語れるネタとして覚えておく、が気軽に楽しめます。
わたらせ渓谷鐵道のルーツ“沢入〜足尾間”が開業した日
1914年12月31日、（現在のわたらせ渓谷鐵道につながる）沢入〜足尾間が開業しました。
渡良瀬川沿いの景観で知られる路線の歴史をたどると、こうした区間開業の積み重ねが“沿線の暮らし”や“観光”を形づくってきたことが見えてきます。
今日は、公式サイトで沿革をざっと読む／行ってみたい季節（新緑・紅葉など）を決める／鉄道好きの雑談ネタとして「開業日」を覚えておく、がおすすめです。
12月31日の記念日まとめ
12月31日は、大晦日として一年を締めくくる日であると同時に、日本の文化・歴史・制度にまつわる節目が数多く重なる一日です。年越の大祓や除夜の鐘といった伝統行事に加え、文学者の忌日や著作権の区切り、日本発の科学的成果につながる出来事など、静かな中にも意味の深い話題が揃っています。
また、鉄道や産業の歴史、災害や制度改革の転換点などを振り返ることで、「一年の終わり」という時間軸と、日本社会の歩みを重ねて考えられる日でもあります。年末だからこそ、少し立ち止まって背景を知る価値のある記念日が多いのが特徴です。
どれか一つでも由来を知り、自分なりに振り返りや感謝の時間を持つことで、12月31日はただの最終日ではなく、納得して新年へ進むための大切な一区切りの日になります。