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永住許可は10月1日から何が変わる?手数料20万円・新審査基準はいつから|取消し制度も整理

目次
  1. 永住許可は10月1日から何が変わる?手数料20万円・新審査基準はいつから
  2. 10月1日から実際に変わったのは主に「手数料」
  3. 永住許可の20万円が2万円になる人もいる
  4. 新しい永住許可ガイドラインは10月1日改定、全面適用は2027年4月
  5. 新しい収入基準は「本人の年収○万円」ではない
  6. 年金は現在だけでなく将来の受給見込額も考慮
  7. 日本語B1相当は全員の「試験合格必須条件」ではない
  8. 日本の制度やルールへの理解も審査項目に
  9. 原則10年以上の在留条件は残る
  10. 日本人や永住者の配偶者に関する「10年特例」も変更
  11. 学齢期の子供がいる場合は「就学」も考慮
  12. すでに永住者の人はどうなる?取消し制度は2027年4月開始
  13. 税金や年金を1回滞納したら永住資格が取り消される?
  14. 取消事由に当たったら、すぐ国外退去になるわけではない
  15. 2027年4月より前の滞納は関係ない?
  16. 自治体がすべての滞納者を入管へ自動通報する制度でもない
  17. 結局、自分にはいつから何が影響する?
  18. よくある誤解を整理
  19. 10月1日に「全部変わった」わけではない

永住許可は10月1日から何が変わる?手数料20万円・新審査基準はいつから

永住許可の手数料が2026年10月1日から1万円から20万円へ変わり、新審査基準は2027年4月から適用されることを示すイラスト

2026年10月1日、永住許可をめぐる制度に複数の変更がありました。

ただし、ここで最初に押さえておきたいのは、「10月1日から永住許可の審査がすべて新制度へ切り替わった」わけではないという点です。

10月1日から実際に適用された大きな変更は、永住許可の手数料です。通常の手数料は、同日以降に申請した場合、許可時に原則20万円となりました。

一方、日本語能力や収入、年金、海外滞在期間などを詳しく定めた新しい「永住許可に関するガイドライン」は10月1日に改定されたものの、原則として2027年4月1日以降に行われる申請から適用されます。

すでに「永住者」の在留資格を持つ人に関係する新しい在留資格取消し制度も、ガイドラインが公表されたのは2026年10月1日ですが、運用開始は2027年4月1日です。

項目いつから主な内容
永住許可手数料2026年10月1日以降の申請通常1万円から20万円へ
新しい永住許可ガイドライン原則2027年4月1日以降の申請収入、年金、日本語B1相当、海外滞在などを具体化
審査中案件への一部適用2026年10月1日から2026年4月1日以降の申請で審査中の場合、収入など一部項目を適用
永住者の新しい取消し制度2027年4月1日故意の公租公課未払いなどを新たな取消事由として運用

ニュースの見出しだけを見ると分かりにくい部分なので、申請した日や現在の在留資格によって何が変わるのか、順番に整理します。

10月1日から実際に変わったのは主に「手数料」

2026年10月1日から、在留資格変更や在留期間更新などとともに、永住許可にかかる手数料が改定されました。

永住許可については、2026年10月1日以降に申請し、許可を受ける場合の通常手数料が20万円となります。

ここで重要なのが、申請した日です。

永住許可の申請日許可時の手数料
2026年9月30日までに受付済み1万円
2026年10月1日以降原則20万円

9月30日までに申請が受け付けられていれば、審査が長引き、実際に許可されるのが10月1日以降になったとしても手数料は旧額の1万円です。

つまり、「10月1日に審査中だったから20万円になる」という仕組みではありません。

出入国在留管理庁も、9月30日までに受け付けた申請については、許可が10月1日以降となっても改定前の手数料を納付すると明記しています。

出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」

20万円を払うのは申請時ではなく「許可されるとき」

もうひとつ誤解しやすいのが、20万円を支払うタイミングです。

永住許可の手数料は、申請書を提出する段階で20万円を前払いするものではありません。出入国在留管理庁の永住許可申請案内では、手数料は「許可されるとき」に必要とされています。

そのため、不許可となった申請について「最初に20万円を払い、不許可でも返ってこない」という制度ではありません。

出入国在留管理庁「永住許可申請」

オンライン申請は納付方法も変更

2026年10月1日以降のオンライン申請では、許可時などの手数料の納付方法も変わりました。

在留申請オンラインシステムで受け付けた申請については、従来の収入印紙ではなく、コンビニ決済または銀行決済を利用します。銀行決済ではインターネットバンキングの利用も可能です。

一方、窓口で受け付けた申請は、従来どおり収入印紙による納付となります。

永住許可の20万円が2万円になる人もいる

通常20万円となった永住許可手数料には、一定の条件を満たした場合の減額制度も設けられています。

永住許可の場合、減額後の手数料は2万円です。

ただし、「日本人の配偶者なら2万円」「永住者の家族なら2万円」という単純な制度ではありません。

永住許可で減額対象となり得るのは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子等に限られます。そのうえで、生活保護法上の要保護者に準ずる程度に生活に困窮しており、人道上の配慮を必要とするなど、減額を相当とする事情が必要です。

つまり、対象となる身分関係にあるだけで自動的に2万円になるわけではありません。

また、減額措置を利用する申請は在留申請オンラインシステムでは対応していません。減額対象であることを示す資料を提出する場合は、窓口で申請する必要があります。

出入国在留管理庁「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」

新しい永住許可ガイドラインは10月1日改定、全面適用は2027年4月

2026年10月1日には、「永住許可に関するガイドライン」も改定されました。

ここが今回もっとも混同されやすいところです。

ガイドラインが改定された日と、新しい基準が申請へ原則適用される日は同じではありません。

出入国在留管理庁は、新ガイドラインについて、原則として2027年4月1日以降の永住許可申請から適用すると明記しています。

2026年10月1日にニュースを見て、「今日から日本語B1が必要になった」「今日から海外滞在半年で永住できなくなった」と考えるのは正確ではありません。

ただし、審査中の申請にも一部だけ新基準が使われる

例外があります。

新ガイドラインの改定日である2026年10月1日から6か月前、つまり2026年4月1日以降に申請され、10月1日時点でも審査中だった案件については、新ガイドラインの一部が適用されます。

対象は主に次の2項目です。

  • 独立生計要件のうち「収入」
  • 国益要件のうち「公共の負担とならないこと」

反対に、日本語能力B1相当、海外滞在期間、制度・ルールへの理解、学齢期の子の就学など、新ガイドラインの全項目が審査中案件へ遡って適用されるわけではありません。

出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」

新しい収入基準は「本人の年収○万円」ではない

2027年4月から原則適用される新ガイドラインでは、独立して生活できる経済力について、従来より具体的な考え方が示されました。

審査は原則として同一生計世帯単位で行われます。

申請時点の世帯年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準へ継続して達しているかが考慮要素となります。

この場合の「世帯」は、住居と家計を共にしている人の集まりです。単身世帯なら申請者本人の収入、同一生計世帯に収入のある人がいる場合は、条件に応じてその収入を合算します。

「家族滞在」の資格外活動収入などは原則合算しない

注意したいのが、家族の収入ならすべて合算できるわけではない点です。

たとえば、申請者を扶養者とする「家族滞在」の在留資格を持つ人が、資格外活動許可を得て働いている場合など、就労を目的としない在留資格による収入は、原則として世帯年収の合算対象とはなりません。

一方、申請者が扶養する親族については、外国に住んでいるなど同居していなくても、世帯人数へ加算されます。

さらに世帯人数が5人以上の場合は、通常の年収水準に生活費などの増加分を加えて判断するとされています。

「新基準は年収300万円」ではない

ネット上では以前から、「永住には年収300万円が必要」「扶養家族1人につき○万円を加算」といった実務上の目安が語られることがあります。

しかし、2026年10月1日に公表された新ガイドラインには、「年収300万円以上なら許可」「2人世帯なら○万円」といった固定の金額表は示されていません。

記事執筆時点で公式に確認できるのは、「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」という考え方です。

そのため、「2027年から年収○万円が絶対条件になった」と断定することはできません。

年金は現在だけでなく将来の受給見込額も考慮

新ガイドラインでは、年金についても独立した項目が設けられました。

確認されるのは、単に「現在年金を払っているか」だけではありません。

申請時点の年齢に加え、加入対象期間全体についての年金加入状況、過去の働き方、自営業か会社員か、加入期間、その期間の平均年収、現在の年収などをもとに、将来受け取れる年金の見込額を考慮します。

比較の基準として示されているのは、前述した日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その間、厚生年金へ加入した場合の将来の年金見込額です。

ただし、これも「将来の年金が月○万円未満なら不許可」という固定額が公表されているわけではありません。

受給見込額だけで不足する場合でも、将来の生活費を補える金融資産があれば考慮されます。年齢が若く、今後資産を形成できる期間が長いことなども含めて判断されます。

日本語B1相当は全員の「試験合格必須条件」ではない

新ガイドラインで特に注目されているのが日本語能力です。

2027年4月1日以降の申請では、原則として「日本語教育の参照枠」におけるB1相当レベル以上の日本語能力を有しているかが考慮要素となります。

ただし、公式ガイドラインの書き方は「B1試験への合格を全員に義務付ける」ではありません。

あくまで永住許可の審査で考慮する要素として位置付けられています。

B1相当とは?JLPT N2が必須になる?

B1は、文化庁の「日本語教育の参照枠」で定められた日本語能力の段階です。

仕事、学校、日常生活など身近な話題について主要な内容を理解し、自分に関係する話題についてある程度まとまりのある説明ができる「自立した言語使用者」の段階に当たります。

ここで注意したいのが、「B1相当=永住申請ではJLPT N2合格必須」ではないことです。

2026年10月1日時点の永住許可ガイドラインはB1相当という水準を示していますが、永住審査でJLPTの何級をどのように扱うのか、どの証明方法を採用するのかまで一律の形では示していません。

B1相当を本人に求めないケースもある

新ガイドラインでは、申請者本人のB1相当以上の日本語能力を考慮要素としないケースも示されています。

例として挙げられているのは、次のような人です。

  • 一定の高度人材外国人
  • その高度人材外国人の家族
  • 学校教育法上の初等教育または中等教育を累計6年以上受けた人
  • 日本で出生した一定の永住者の子

永住者の子については、その子を養育する親がB1相当以上の日本語能力を持っていることなどの条件があります。

したがって、「2027年4月から永住申請者は全員、日本語試験に合格しなければならない」と説明するのも正確ではありません。

日本の制度やルールへの理解も審査項目に

新ガイドラインには、日本の制度やルールについて一定水準以上理解しているかという項目も設けられました。

確認内容は、出入国在留管理庁などが作成している「生活・就労ガイドブック」の内容を中心とし、出入国在留管理庁長官が指定する方法によって理解度を確認するとされています。

ただし、2026年10月1日時点の公式ガイドラインからは、試験形式、問題数、合格点、受験場所などの具体的な方法までは確認できません。

そのため、現段階で「永住申請に新しい筆記試験が必須になる」「○点以上で合格」といった説明はできません。

原則10年以上の在留条件は残る

永住許可で従来から基本となっている、原則として引き続き10年以上日本に在留しているという考え方は残ります。

その10年間のうち、就労資格または居住資格を持って引き続き5年以上在留しているか、現在持っている在留資格について最長の在留期間を付与されているかも考慮されます。

新ガイドラインでは、さらに日本を長期間離れていた場合について具体的な基準が示されました。

申請時点から過去10年間に、合理的な理由なく、

  • 1回の出国で半年以上日本を不在にした期間がある
  • 通算して2年6か月以上日本を不在にした

場合は、原則として消極的に評価するとされています。

ここでも「半年海外にいたら自動的に永住不許可」とするのは正しくありません。

公式文書では「合理的な理由なく」「原則として消極評価」という位置付けです。個別事情を含めて判断されます。

現在「在留期間3年」の人には経過措置がある

永住許可では、現在の在留資格について「最長の在留期間」を持っていることも考慮されます。

ただし、2027年3月31日までに申請した場合は、在留期間が「3年」であっても、引き続き最長の在留期間を持っているものとして扱われます。

さらに2027年4月1日以降でも、3月31日時点ですでに3年の在留期間を持っていた人については、一定条件のもとで経過措置があります。

対象になるのは、2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請で、現在持っている3年の在留期限までにその申請への処分を受ける場合です。

日本人や永住者の配偶者に関する「10年特例」も変更

新ガイドラインでは、原則10年間の在留を求める条件の特例も変更されています。

日本人、永住者、特別永住者の配偶者の場合、新ガイドラインでは、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ引き続き3年以上日本に在留していることが特例の条件として示されました。

実子等については、3年以上継続して日本に在留していることが示されています。

従来のガイドラインでは、配偶者について「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に在留」、実子等について「1年以上」が特例の基準でした。

そのため、2027年4月以降にこの特例を利用して永住申請を検討する場合は、従来の年数だけを前提にしない方がよいでしょう。

学齢期の子供がいる場合は「就学」も考慮

新ガイドラインでは、学齢期の子の就学も独立した考慮要素として盛り込まれました。

義務教育年齢の子供を養育している申請者については、その子が小学校または中学校へ通学しているかが考慮されます。

申請者本人が学齢期の場合にも、小学校または中学校へ通学しているかが考慮されます。

一方、2026年10月1日時点で公表されたガイドラインからは、インターナショナルスクールなどを具体的にどのように扱うかまでは明確に確認できません。

この部分については、公式な追加案内がない段階で一律に判断することはできません。

すでに永住者の人はどうなる?取消し制度は2027年4月開始

ここまで説明してきた新しい永住許可ガイドラインは、基本的にはこれから永住許可を申請する人の審査に関するものです。

では、すでに「永住者」の在留資格を持っている人には関係がないのでしょうか。

既存の永住者について大きく関係してくるのが、新しい在留資格取消し制度です。

「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」は2026年10月1日に公表されましたが、運用開始日は2027年4月1日です。

出入国在留管理庁「永住者の在留資格の取消しに関するガイドラインについて」

新たに問題となるのは「故意に公租公課を支払わない」ケースなど

2024年に成立した改正入管法では、「永住者」について新たな取消事由が設けられました。

主なものは、入管法上の義務を遵守しないこと、故意に公租公課の支払いをしないこと、特定の刑罰法令違反により拘禁刑に処せられたことです。

ここでいう公租公課には、税だけではなく社会保険料も含まれます。

公式ガイドラインでは、所得税、住民税、法人税、固定資産税などの税のほか、国民健康保険、健康保険、国民年金、厚生年金保険などが例として示されています。

税金や年金を1回滞納したら永住資格が取り消される?

そのような制度ではありません。

新しい取消事由で重要なのは、「未払いがある」ことだけではなく、「故意に」公租公課を支払わないことです。

出入国在留管理庁は「故意に」の意味について、支払義務があると認識しているにもかかわらず、あえて支払わない場合と説明しています。

判断にあたっては、収入や資金・財産の状況、滞納した回数、金額、期間、その後の支払い状況、滞納に至った経緯、現在の生活・事業状況、本人の言動などを総合的に考慮します。

つまり、

  • 「1回滞納したら取消し」
  • 「○万円以上の滞納で取消し」
  • 「年金を払えなかった時点で永住資格を失う」

といった一律の基準ではありません。

出入国在留管理庁「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」

病気・災害・失業で払えない場合は?

公式ガイドラインでは、本人の意思とは別に支払いが困難になったケースについても具体例が示されています。

病気、災害、失業など、やむを得ない事情によって支払えない場合は、原則として「故意に支払わない」ケースとは区別されます。

また、行政機関などへ相談し、分納や猶予の措置を受け、その約束に沿って支払っている場合も同様です。

給与から税金や社会保険料が天引きされていたにもかかわらず、勤務先の会社が実際には納付していなかったような場合も、本人が故意に支払わなかったケースとは事情が異なります。

一方で取消事由に当たり得るケース

反対に、長期間の滞納があり、繰り返し催告を受けても支払いについて相談せず、今後も納付する意思を示さないケースなどは、故意の未払いに該当し得ます。

分納や猶予を受けたにもかかわらず、その約束を何度も守らない場合、滞納処分を逃れるために財産を隠すなどの行為をした場合、脱税などで有罪判決を受けた場合も、公式ガイドラインで問題となり得る例として挙げられています。

滞納額や回数だけで機械的に決めるのではなく、悪質性や支払意思を個別に判断する仕組みです。

取消事由に当たったら、すぐ国外退去になるわけではない

新制度にはもうひとつ重要な仕組みがあります。

取消事由に該当したと判断された場合でも、直ちに「永住者」の在留資格を取り消して日本から出国させることを原則とする制度ではありません。

本人が引き続き日本に在留することが適当でないと認められる場合を除き、法務大臣が職権で別の在留資格へ変更する仕組みが設けられています。

出入国在留管理庁のガイドラインでは、こうした「職権変更」では、多くの場合「定住者」への変更を想定しています。

その後、再び永住許可の要件を満たせば、あらためて永住許可を受けることも可能です。

一方、今後も義務を守る意思がないことが明らかである場合や、滞納額・期間・回数などが社会通念上看過できないと判断される場合などは、取消しが相当と判断される可能性があります。

家族関係や人道上の配慮が必要な事情がある場合には、それらも判断材料となります。

2027年4月より前の滞納は関係ない?

これも注意が必要です。

公式ガイドラインでは、永住許可後から改正法の施行前までに「故意に公租公課を支払っていなかった」事実が、2027年4月1日の施行後に判明した場合についても、新しい取消事由に該当し得るとしています。

ただし、施行前のある一時点で未払いがあったという事情だけを取り上げて、直ちに永住者の在留資格を取り消すわけではありません。

その後に支払ったのか、現在の納付状況はどうなのか、なぜ未払いになったのかといった事情も含めて判断するとされています。

そのため、「2027年3月までの滞納なら一切関係ない」も、「過去に1回でも滞納したら2027年に取り消される」も、どちらも正確ではありません。

自治体がすべての滞納者を入管へ自動通報する制度でもない

改正法では、国や地方公共団体の職員から出入国在留管理庁への通報に関する規定も設けられました。

ただし、公式ガイドラインは、この通報について義務ではなく任意であると明記しています。

自治体などが、永住者に税金や保険料の滞納がある人を機械的にすべて通報する仕組みではありません。

また、通報された時点で永住資格が取り消されるわけでもありません。

通報は入管庁が事実関係を調査するきっかけのひとつであり、実際の取消しなどにあたっては調査や本人からの意見聴取などを経て判断されます。

結局、自分にはいつから何が影響する?

申請時期ごとに整理すると、今回の制度変更は次のように考えると分かりやすくなります。

現在の状況手数料新ガイドライン取消し制度
2026年3月31日までに申請済み1万円原則として新ガイドラインの経過適用対象外申請中なので直接の対象ではない
2026年4月1日~9月30日に申請し、10月1日も審査中1万円収入・公共の負担に関する一部新基準を適用申請中なので直接の対象ではない
2026年10月1日~2027年3月31日に申請原則20万円新ガイドライン全面適用前申請中なので直接の対象ではない
2027年4月1日以降に申請原則20万円新ガイドラインを原則適用許可後は永住者として制度対象になり得る
すでに永住者永住申請手数料は関係なし新規の永住申請審査の対象ではない2027年4月1日から新制度開始

よくある誤解を整理

「10月1日から永住審査が全部変わった」

違います。新しい永住許可ガイドラインは10月1日に改定されましたが、原則適用は2027年4月1日以降の申請です。10月1日からすぐ変わった代表的なものは手数料です。

「10月1日時点で審査中なら20万円」

違います。9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降でも旧額の1万円です。

「永住申請をしたら最初に20万円必要」

違います。永住許可の手数料は許可されるときに納付します。

「日本人の配偶者なら必ず2万円」

違います。対象となる身分関係に加えて、生活困窮や人道上の配慮など、減額を相当とする事情が必要です。

「2027年から年収300万円が絶対条件」

公式な固定額としては確認できません。新ガイドラインは、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準という考え方を示しています。

「JLPT N2に合格しないと永住できない」

そのような一律の規定ではありません。B1相当以上の日本語能力を考慮要素としていますが、例外もあり、永住審査用の確認方法も2026年10月1日時点ですべて明らかになっているわけではありません。

「半年海外へ行ったら永住不可」

自動的な不許可ではありません。過去10年以内に合理的な理由なく1回半年以上、または通算2年6か月以上日本を不在にした場合を原則消極評価するとしています。

「税金を1回滞納すれば永住資格を剥奪される」

違います。新制度が対象とするのは「故意に公租公課を支払わない」ケースで、金額や回数だけではなく、支払意思や事情を総合的に判断します。

「取消事由に当たったら即国外退去」

必ずしもそうではありません。引き続き日本への在留を認めることが適当でない場合を除き、定住者など別の在留資格への職権変更を行う仕組みがあります。

10月1日に「全部変わった」わけではない

2026年10月1日の永住許可をめぐる変更は、ひとつの制度が一斉に切り替わったものではありません。

10月1日から実際に大きく変わったのは、永住許可の通常手数料が1万円から20万円になったことです。9月30日までに申請済みなら、許可が10月以降になっても旧額の1万円が適用されます。

同じ10月1日に新しい永住許可ガイドラインも公表されましたが、収入・年金、日本語B1相当、日本の制度・ルールへの理解、海外滞在、学齢期の子の就学などを含む新基準の原則適用は2027年4月1日以降の申請です。

ただし、2026年4月1日以降に申請し、10月1日時点で審査中の人には、収入など一部の新しい考え方がすでに適用されます。

すでに永住者の人については、新しい取消し制度の開始が2027年4月1日です。公租公課に未払いがあるだけで機械的に永住資格を取り消す制度ではなく、故意性や悪質性、その後の支払い状況などを個別に判断します。

今回の変更は、「いつ申請したのか」「これから申請するのか」「すでに永住者なのか」によって影響が大きく変わります。10月1日という日付だけで判断せず、自分がどの時期・どの区分に当たるのかを確認することが重要です。

※本記事は2026年10月1日時点で公表されている出入国在留管理庁などの公式資料を基に整理しています。今後、具体的な確認方法や提出書類などが追加公表される可能性があります。

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