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9月22日は何の日?フィットネスの日・秋分の中日・孤児院設立と国際ビーチクリーンアップデー

9月22日は何の日?

9月22日は、健康と自然、そして思いやりに関わる記念日が揃う日です。

「フィットネスの日」に制定されたこの日は、運動習慣や健康づくりを見直すきっかけになります。
秋の深まりを感じる「秋分の日/彼岸の中日」では、先祖を偲ぶ文化や自然との調和を思い起こします。
また日本初の孤児院が設立されたこの日には、社会における支援と共生の大切さを実感することも。

そして国際的には、海岸をきれいに保つ「国際ビーチクリーンアップデー」、車のない移動を考える「カーフリーデー」など、地球環境への配慮を促す思いが込められています。

フィットネスの日

9月22日は「フィットネスの日」とされています。これは1987年9月22日に、日本で初めてフィットネス指導者の全国組織である「日本フィットネス協会(JAFA)」が公益法人として設立されたことに由来します。

当時、日本ではまだ「フィットネス」という言葉自体が一般に浸透しておらず、健康づくりといえば散歩やラジオ体操といった素朴なイメージが中心でした。しかし高度経済成長を経て生活習慣病やストレスの増加が社会問題となり、欧米のようにスポーツジムやエアロビクスを通じて体を動かす文化が広がり始めていました。

この日をきっかけに、運動を習慣化し、心身の健康を維持する大切さが広く意識されるようになりました。今ではフィットネスは単なる流行ではなく、人生100年時代を健康に過ごすための基盤として欠かせない存在となっています。

秋分の日/彼岸の中日

9月22日前後には、昼と夜の長さがほぼ等しくなる「秋分の日」が訪れます。毎年日付は変動しますが、9月22日が秋分の日となる年もあります。古来、日本ではこの日は「彼岸の中日」とされ、祖先を供養する大切な日として親しまれてきました。

お墓参りや仏壇への供物、秋の味覚を取り入れた料理を通じて、先祖への感謝を表す習慣は今も各地で続いています。特におはぎを食べる風習はよく知られ、家族が集まり季節の移ろいを分かち合う機会にもなっています。

また、秋分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨とする国民の祝日でもあります。日照時間のバランスが取れるこの時期に、人と自然の調和を意識する文化は、日本独自の感性を表しています。

日本初の孤児院設立

9月22日は、日本の社会福祉史において重要な日でもあります。1887年(明治20年)のこの日に、日本初の孤児院とされる「孤児院(現・救世軍愛光学園の前身)」が設立されました。

当時の日本は文明開化の波の中にありながら、戦争や貧困、疫病などで親を失う子どもが多く存在しました。社会保障制度が整っていなかった時代に、孤児たちを保護し教育の機会を与える孤児院の設立は、弱者を支える画期的な試みだったのです。

この取り組みは、やがて日本における児童福祉制度や養護施設の礎となりました。今日、児童相談所や里親制度など幅広い福祉が存在する背景には、この日の志が受け継がれているといえるでしょう。

国際ビーチクリーンアップデー

9月22日は、世界各地で「国際ビーチクリーンアップデー(International Beach Cleanup Day)」としても知られています。これは1986年、アメリカの環境NGO「オーシャン・コンサーバンシー」が始めた活動が発端です。以来、毎年この時期に世界中の海岸で清掃イベントが行われています。

活動の目的は単なるごみ拾いにとどまらず、海洋ごみの現状を記録・調査し、国際的なデータベースを作ることにあります。これにより、どの地域でどのような廃棄物が問題になっているかが可視化され、政策や啓発活動につながっています。

日本でも多くのボランティアや学生団体が参加し、ペットボトルやプラスチック片を中心とした漂着ごみの回収を進めています。地球規模で深刻化するプラスチック汚染を考えるうえで、9月22日は重要な行動の日といえるでしょう。

カーフリーデー(Car Free Day)

9月22日は、車に頼らない生活を呼びかける「カーフリーデー(Car Free Day)」としても世界的に知られています。フランスで始まった取り組みが欧州全体に広がり、現在では40か国以上、1000以上の都市で実施されています。

この日は都市部の一部道路を車両通行止めにして、自転車や徒歩、公共交通を使うよう促します。街が静かになり、空気が澄むことで、普段見えにくい自動車依存の影響を実感できるのが特徴です。

日本でも横浜や名古屋など一部都市でイベントが行われ、環境教育の一環として注目を集めています。CO₂削減や都市の快適性向上を目指す取り組みとして、気候変動や持続可能な社会づくりを考える大切なきっかけとなっています。

日本救世軍設立記念日

9月22日は「日本救世軍設立記念日」でもあります。救世軍はイギリス発祥のキリスト教系社会奉仕団体で、19世紀末には世界各国に広がりました。日本では1895年9月22日、東京・神田で宣誓式が行われ、日本支部が正式に誕生しました。

当時の日本は、都市部の貧困や社会問題が深刻化していた時期でした。救世軍は「スープ・ソープ・サルベーション(食事・清潔・救い)」を掲げ、炊き出しや福祉活動を行い、恵まれない人々を支える役割を果たしました。その精神は現在も受け継がれ、災害支援や福祉活動、チャリティバザーなどを通じて社会に貢献しています。

この日は、日本における民間福祉活動の草分けを思い起こす記念日でもあり、宗教や文化の枠を超えて支え合う社会の大切さを考えるきっかけとなっています。

B.LEAGUEの日

9月22日は「B.LEAGUEの日」としても記念されています。これは2016年9月22日、男子プロバスケットボールの新リーグ「B.LEAGUE」が開幕したことに由来します。開幕戦は東京・国立代々木競技場で行われ、琉球ゴールデンキングスとアルバルク東京が対戦しました。試合はテレビでも全国放送され、華やかな演出と迫力あるプレーが多くのファンを魅了しました。

それまで日本のバスケット界は、長年プロと実業団のリーグが分裂していた時期を経て、統一リーグとして生まれ変わったのがB.LEAGUEです。この日は日本バスケットの新たな出発点として、スポーツ史に刻まれる出来事となりました。

現在、B.LEAGUEは各地で熱い試合を展開し、代表戦との相乗効果でバスケット人気を高めています。9月22日は、日本のスポーツが新しいステージに進んだ日として、多くのファンに記憶されているのです。

花園ラグビーの日

9月22日は「花園ラグビーの日」としても記念されています。これは2019年9月22日、ラグビーワールドカップ2019日本大会で東大阪市の花園ラグビー場が初めて試合会場となったことを記念したものです。試合はアメリカ対トンガで、世界中から注目が集まりました。

花園ラグビー場といえば、日本ラグビーの聖地として高校ラグビー全国大会の開催地として長い歴史を持ちます。その花園が国際舞台となり、世界中のファンが集ったことは、地域にとっても大きな誇りとなりました。

この記念日は、東大阪市が公式に制定したもので、地元ではラグビーを通じた地域振興や交流のシンボルとされています。9月22日は、日本のスポーツ文化の多様さと、国際大会の熱気を思い起こす特別な日といえるでしょう。


禁煙の日(毎月22日)

毎月22日は「禁煙の日」。数字の「2」が白鳥の形に似ていることから、「スワン=吸わん」と語呂合わせして制定されました。医科歯科系の学会や団体が協力し、たばこの健康被害について広く啓発する取り組みが続けられています。9月22日もその一日として、健康習慣を見直すきっかけになります。


カニカマの日(毎月22日)

毎月22日は「カニカマの日」でもあります。石川県の食品メーカー・スギヨが制定し、日本記念日協会に認定されています。カニカマは1972年に同社が世界で初めて商品化した歴史を持ち、今では日本の家庭食だけでなく世界中で人気を集める食材となっています。気軽な話題として食卓に彩りを添える「今日は何の日」の一つです。

まとめ ― 体を動かし、季節を味わい、誰かを思う日

9月22日は、からだ・季節・思いやりがひとつに重なる日でした。
フィットネスの日で“動く理由”を思い出し、秋分のころの静けさに手を合わせる。社会の支え合いに光を当てる出来事(孤児院の歩み、救世軍の設立)も、この日をより深くしてくれます。

スポーツの面では、B.LEAGUEの開幕や花園の熱気が、地域とファンをつなぐ力を教えてくれました。新しい挑戦が始まった日として、あの高揚感を思い出す人も多いはず。

世界に目を向けると、カーフリーデー。車を少し手放して歩く・乗るを選ぶだけで、街の音や空気が変わります。大きな理想は、今日の小さな選択から。

そして“毎月22日”の軽やかな記念日たち(禁煙の日、カニカマの日)は、日常にちょっとしたユーモアと実践をくれます。

今日できる小さな一歩――10分のストレッチ、家族へのひと言、移動を歩き+公共交通に、地域の福祉へ少額寄付。
そんな行動の積み重ねが、来年の9月22日をもっといい日にしてくれます。

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