9月23日は「秋分の日」や「テニスの日」など多彩な記念日

9月23日は、日本では季節の節目を示す「秋分の日」をはじめ、スポーツ振興を目的とした「テニスの日」や不動産業界が制定した「不動産の日」など、多彩な記念日が重なっています。さらに動物愛護週間に合わせた「愛馬の日」、目の健康にちなんだ「網膜の日」などもあり、暮らしや文化に身近なテーマが多いのが特徴です。
また世界に目を向けると、手話の大切さを広める「国際手話言語デー」や、性的少数者の存在を可視化する「バイセクシュアル・ビジビリティ・デー」、さらにはサウジアラビアの建国記念日なども行われています。日本と世界それぞれの特色ある記念日を知ることで、この日が持つ広がりを感じられるでしょう。
秋分の日
9月23日は、日本の祝日である「秋分の日」にあたります。昼と夜の長さがほぼ等しくなるこの日は、国立天文台の計算によって毎年日付が定められており、2025年は9月23日が秋分日です。
秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」として1948年に祝日法に定められました。お彼岸の中日でもあり、お墓参りや仏壇へのお供えを通じて家族で先祖を思う風習が根付いています。また「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という意味合いもあり、秋の収穫に感謝する気持ちとも結びついています。
おはぎを作って供える習慣や、家族そろってお墓参りに出かける光景は、日本ならではの季節行事です。日常の忙しさの中でも、秋分の日は自然と命への敬意を新たにするきっかけとなっています。
テニスの日
9月23日は「テニスの日」でもあります。1998年に日本テニス協会や日本プロテニス協会が中心となって制定され、全国でさまざまなイベントが開催されます。
日付が選ばれた理由は「秋分の日=昼と夜の長さが同じ」で、スポーツを楽しむのにちょうど良い時期だからです。さらに祝日で多くの人が参加しやすいという背景もありました。
毎年恒例となっているのが「ボレーボレー大会」。これはペアでラリーを続け、その回数を全国で集計するというユニークな試みです。年齢や経験に関係なく楽しめるため、家族や友人、学校や地域の仲間と一緒に参加する姿が多く見られます。
テニスの日は単なる競技者向けの記念日ではなく、スポーツを通じて人と人がつながることを目的とした日でもあります。ラケットを握る人が増えるきっかけにもなっており、スポーツの楽しさを広く伝える文化イベントとして定着しています。
不動産の日
9月23日は「不動産の日」でもあります。これは1984年に全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が制定した記念日です。
日付の由来は、語呂合わせの「ふ(2)どう(10)さん(3)」にちなんだもの。さらに秋分の日は住宅展示場や不動産フェアなどを訪れる人が増える時期でもあり、住まいや暮らしを考えるのにふさわしい日とされています。
この日には、各地で相談会や住宅関連イベントが行われることもあります。マイホームの購入や賃貸契約、土地活用といった不動産に関する疑問を専門家に相談できる機会としても活用されています。
住まいは人生の基盤となる大切なもの。不動産の日は、暮らしを支える「住の価値」についてあらためて考えるきっかけを与えてくれる日といえるでしょう。
愛馬の日
9月23日は「愛馬の日」としても知られています。これは動物愛護週間(9月20日〜26日)の一環として、日本中央競馬会(JRA)が1971年から馬事公苑で開催してきたイベントです。
「愛馬の日」には、普段競馬場で走るサラブレッドだけでなく、ポニーや農耕馬も登場し、乗馬体験や馬車の試乗、馬とのふれあい企画などが行われます。2025年には記念すべき第50回を迎える予定で、長い歴史を持つ催しです。
このイベントの目的は、競走馬だけでなく多様な馬の存在を知り、その魅力や役割を広く伝えることにあります。農業や運搬、警備やセラピーなど、人と馬が歩んできた歴史を振り返る場としても大切にされています。
秋分の日にあわせて実施される「愛馬の日」は、自然や動物を尊重する気持ちを育み、家族で楽しめる動物愛護イベントとして多くの人に親しまれています。
網膜の日
9月23日は「網膜の日」として、日本網膜色素変性症協会(JRPS)が中心となって広めている記念日でもあります。日本記念日協会にも登録されており、目の健康に対する意識を高めることを目的としています。
日付が選ばれた理由は、秋分の日が「昼と夜の長さが等しくなる日」であり、光と暗さのバランスに着目したためとされています。網膜の病気は視野が徐々に狭くなり、暗い場所での見え方に影響が出ることが多いことから、この時期が象徴的とされたのです。
当日は、全国各地で講演会や啓発イベント、患者と家族が集まる交流会などが行われます。目の病気に対する正しい理解や、研究の進展を知る機会となり、患者支援や社会全体での認知向上につながっています。
「網膜の日」は、私たちが普段あまり意識しない「視覚の大切さ」を思い起こさせてくれる日です。日常生活の中で目をいたわることの重要性を考えるきっかけになるでしょう。
お墓参りの日
9月23日は「お墓参りの日」としても制定されています。これは日本石材産業協会が提唱し、日本記念日協会にも登録された記念日です。秋分の日が「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」と祝日法に定められていることにちなんでいます。
この日は、春分と秋分の両方を含む「彼岸」の中日にあたり、多くの家庭でお墓参りが行われます。季節の変わり目に先祖を供養し、家族のつながりを感じ直す日本独自の風習が背景にあります。
「お墓参りの日」は、忙しい現代にあっても家族や親族で集まり、亡き人を思い、自然や命の循環を考える大切な節目の日です。石材業界としても、お墓や供養文化を次世代につなげたいという思いが込められています。
秋分の日と重なるこの日は、日本人の生活に根差した「心のよりどころ」としての意味を再確認できる記念日といえるでしょう。
万年筆の日
9月23日は「万年筆の日」ともされています。1809年9月23日、イギリスで万年筆の特許が認められたことに由来しています。この出来事が、後に実用的な筆記具の発展につながり、現代の万年筆文化の礎となりました。
日本でもこの日は、文具愛好家や万年筆ファンのあいだで静かに知られており、各メーカーやショップがイベントやキャンペーンを行うこともあります。インクの色や書き味を楽しむ文化は、単なる実用品を超えた「趣味」として根付いています。
スマートフォンやパソコンが主流の時代にあっても、万年筆は手書きの魅力を思い出させてくれる存在です。インクが紙ににじむ感触や、手に伝わる重みは、デジタルでは味わえない特別な体験。9月23日は、そんな筆記具の歴史と文化にあらためて光を当てる日といえるでしょう。
靴磨きの日
9月23日は「靴磨きの日」としても制定されています。シューケア用品メーカーのR&Dが2017年に記念日協会へ登録したもので、語呂合わせの「く(9)つ(2)み(3)がき」に由来します。
この日は、靴磨き職人や靴好きの人々がその魅力を発信する機会として活用されています。東京や大阪ではイベントが開かれ、職人による実演や靴磨き体験が行われることもあります。お気に入りの靴を手入れすることで、モノを長く大切に使う意識を広めることが目的です。
靴磨きは単なるメンテナンスにとどまらず、持ち主の気持ちを整える行為でもあります。ピカピカに磨かれた靴は、その日一日の自信や気分を高めてくれるもの。9月23日は、足元から心を整えるきっかけを与えてくれる日といえるでしょう。
カフスボタンの日
9月23日は「カフスボタンの日」ともされています。これは日本のカフス専門店が制定した記念日で、「9(く)2(ふ)3(す)」という語呂合わせに由来しています。ちょうど秋分の日で長袖シャツを着る機会が増える時期でもあり、季節感とも結びついています。
カフスボタンは19世紀ヨーロッパで広まった装飾品で、袖口を留める実用性とファッション性を兼ね備えています。日本でもビジネスマンやフォーマルシーンで親しまれており、個性を演出できる小物として人気です。
この日は、カフスボタンの歴史や魅力を知り、自分らしいスタイルを楽しむきっかけになります。スーツやワイシャツを着るときに袖口にアクセントを加えるだけで印象は大きく変わるもの。9月23日は、そんな小さな装いの工夫を思い出させてくれる日といえるでしょう。
夕陽の日
9月23日は「夕陽の日」としても記念日に登録されています。これは全国の宿泊施設が参加する「夕陽と語らいの宿ネットワーク」が制定したもので、秋分の日にあたるこの時期に、美しい夕陽を改めて楽しんでもらおうという願いが込められています。
秋分の日は昼と夜の長さがほぼ等しくなる日で、太陽が真西に沈む特別な日でもあります。古来より「彼岸」と結びつき、夕陽はあの世とこの世をつなぐ象徴とされてきました。そうした文化的背景と、観光地での夕景の魅力を発信したいという思いが重なり、この日が選ばれました。
全国の温泉地や観光地では、この日に合わせて夕陽を鑑賞するイベントやキャンペーンが行われることがあります。日常の忙しさを離れ、静かに沈む夕陽を眺めるひとときは、心を落ち着けて自然の営みを感じる大切な時間になります。
9月23日の「夕陽の日」は、季節の節目に心を整えるきっかけを与えてくれる、やわらかな記念日といえるでしょう。
ネオロマンスの日
9月23日は「ネオロマンスの日」としても知られています。これはコーエーテクモゲームスが制定した記念日で、1994年に発売された恋愛シミュレーションゲーム『アンジェリーク』の発売日に由来しています。
「ネオロマンス」は同社が展開する女性向け恋愛ゲームシリーズの総称で、『アンジェリーク』を皮切りに『遙かなる時空の中で』『金色のコルダ』など、数多くの作品が生まれました。これらの作品はゲームだけでなく、アニメや舞台、音楽イベントへと広がり、多くのファンを魅了してきました。
9月23日は、ゲームの枠を超えた文化としての「ネオロマンス」を祝う日でもあります。とくに「ネオロマンス・フェスタ」などファンイベントが重ねられ、キャラクターと共に歩んできた人々にとって特別な意味を持つ日となっています。
ゲーム文化の一端を切り開いた記念日として、9月23日は日本のエンタメ史の中でも忘れられない存在といえるでしょう。
乳酸菌の日
毎月23日は「乳酸菌の日」として制定されており、もちろん9月23日もその一日です。記念日を制定したのはカゴメやカネボウフーズなどの食品業界で、日本記念日協会にも登録されています。
日付の由来は「にゅう(2)さん(3)」という語呂合わせ。乳酸菌が私たちの腸内環境を整える存在であることを広く知ってもらうことが目的です。
この日には、食品メーカーが新商品を発表したり、乳酸菌飲料やヨーグルトに関するキャンペーンが展開されることもあります。健康志向が高まるなかで、乳酸菌は「毎日取り入れたいもの」として定着しつつあります。
腸活や免疫力アップといったテーマが注目される今、9月23日の「乳酸菌の日」は生活の中で健康を意識する小さなきっかけを与えてくれる日といえるでしょう。
不眠の日
毎月23日は「不眠の日」とされています。製薬会社のエスエス製薬が制定し、日本記念日協会にも登録されている公式な記念日です。
日付は「2(ふ)・3(みん)」という語呂合わせに由来しており、睡眠障害や不眠に悩む人々への理解を深め、正しい知識を広めることを目的としています。特に2月3日と毎月23日が啓発のタイミングとされています。
この日には、医療機関や関連団体が睡眠に関するセミナーや情報発信を行うこともあります。質の良い睡眠は、心身の健康に直結する大切な要素。不眠を軽視せず、生活習慣の見直しや専門家のアドバイスを受けることの重要性が伝えられています。
「不眠の日」は、現代人にとって切実なテーマである睡眠の大切さを再確認し、自分の眠りを見直すきっかけを与えてくれる日です。
バイセクシュアル・ビジビリティ・デー
9月23日は「バイセクシュアル・ビジビリティ・デー(Bisexual Visibility Day)」としても知られています。1999年にアメリカの活動家グループによって提唱され、以後、世界各地でバイセクシュアル(両性愛者)の存在を可視化し、理解を広めるための日として定着しました。
この日は、性的指向の多様性を社会に示し、偏見や誤解に直面しがちなバイセクシュアルの人々が、自分らしく生きられる環境を整えることを目的としています。SNSでは毎年この日に関連するハッシュタグがトレンド入りし、啓発イベントやパレードが行われる都市もあります。
「バイセクシュアル・ビジビリティ・デー」は、LGBTQ+コミュニティの一員としての存在を称えるだけでなく、すべての人が多様な性のあり方を理解し合う契機となっています。私たちが「当たり前」と思う枠組みを見直すきっかけを与えてくれる国際デーといえるでしょう。
サウジアラビア建国記念日
9月23日は、サウジアラビアにとって特別な日「建国記念日(ナショナルデー)」です。1932年のこの日に、当時のアブドゥルアズィーズ国王がアラビア半島を統一し、現在のサウジアラビア王国が成立しました。
この日は国の祝日とされ、リヤドやジェッダをはじめとする都市ではパレードや花火、コンサートなど盛大なイベントが行われます。国旗を掲げ、伝統衣装に身を包んだ人々が街を彩る光景は、サウジ国民の誇りと結束を象徴しています。
近年では観光振興や文化発信の一環として、海外からの旅行者に向けた催しも増えており、世界にサウジの歴史や文化を知ってもらう機会にもなっています。
9月23日のサウジアラビア建国記念日は、国の歩みを振り返り、未来への発展を誓う大切な国民の日です。中東における歴史の節目を知るうえでも重要な一日といえるでしょう。
海王星発見の日
9月23日は「海王星発見の日」としても知られています。1846年のこの日、フランスの天文学者ユルバン・ルヴェリエの計算に基づき、ベルリン天文台でガレによって新しい惑星が確認されました。これが現在の「海王星」の発見です。
当時、天王星の軌道に不規則な動きが見られることから、新たな惑星の存在が予測されていました。ルヴェリエの理論を受けたガレが望遠鏡を向けたその夜、まさに予測通りの位置に青く輝く海王星が見つかったのです。
この発見は「計算によって導かれた天体の発見」として天文学史に大きな衝撃を与えました。科学的理論と観測が結びついた象徴的な出来事であり、現代の宇宙研究の基礎のひとつともいえます。
9月23日の「海王星発見の日」は、科学の力が人類の知見を広げた瞬間を思い出させてくれる日です。夜空を見上げながら、天文学のロマンに思いを馳せるのも良いかもしれません。
まとめ
9月23日は、日本にとって「秋分の日」という大きな節目でありながら、テニスや不動産、愛馬や目の健康にまつわる記念日が重なる、暮らしに身近な意味を持つ一日です。さらに文化や趣味に関連する万年筆や靴磨き、カフスボタン、夕陽、ネオロマンスといったユニークな記念日も並び、日常を豊かに彩っています。
一方で世界に目を向ければ、手話言語や性的多様性の尊重、国家建国の節目や天文学の歴史的発見など、人類全体に関わる出来事も記念されています。同じ日付でも国や文化によって多様な意味が込められているのは興味深い点です。
このように9月23日は、日本と世界それぞれの側面で多彩なテーマが込められた一日です。日々の生活に小さな気づきを与え、社会や文化の広がりを感じさせてくれる記念日として、これからも毎年意識してみると新しい発見があるでしょう。