まず結論──戦闘重視なら最有力。買うべき人/見送る人、そして最適プラットフォームを即答します
テイルズ屈指の“技を繋ぐ快感”が、リマスターで手軽に味わえる一本。
いまの基準でも戦闘体験は十分強く、初見・復帰どちらにも薦めやすい仕上がりです。
一方でグラフィック表現やテンポの好みは分かれるため、万人に無条件で推せるわけでもありません。
この記事では、リマスターで何が良くなり、何が当時のままなのかを端的に整理しつつ、プレイスタイル別に「おすすめ機種」を提示。
あわせて、SS-LMの面白さ、f編(アフターストーリー)の価値、つまずきがちなポイントと解決策、シリーズ内での立ち位置まで“忖度なし”で検証します。
検索して来たあなたが、いま買うか/見送るかを3分で判断できる内容にしました。
⚔ 戦闘システム ─ シリーズ屈指の“技キャンバトル”
SS-LMシステムの快感
テイルズ オブ グレイセス f の魅力は、何よりも戦闘の完成度にあります。
シリーズ伝統のリニアモーションバトル(LMBS)を進化させた「SS-LM(スタイルシフト・リニアモーション)」は、方向入力で通常攻撃とアーツを自在に切り替えられるのが特徴。ボタン連打ではなく、“読み”と“タイミング”でつなぐ奥深さが、他の作品にはない爽快感を生み出しています。
戦闘のテンポは非常に軽快で、一戦ごとに小さな達成感が積み重なります。敵の動きを見てガードキャンセルからの反撃を決めたときの気持ち良さは、まさに「技を操るRPG」。
アクション性が高い一方で、難易度調整もしっかりしており、初心者でも“上達を実感できる作り”です。
キャラごとの個性と戦略性

アスベルは万能型、ソフィはスピード重視、ヒューバートは手数の多さと精密さが光る――。
キャラクターごとに操作感がまったく異なり、パーティ全員を操作したくなるほどの個性設計がされています。
特に注目なのが、ガードが重要なバトル設計です。
敵の攻撃を受け流す“ステップガード”を成功させると一瞬で形勢逆転でき、単調な戦闘になりません。
この「緊張と解放」の繰り返しが、シリーズ中でも最高峰と評される理由です。
戦闘演出とリマスターによる快適化
リマスターではエフェクトの表示が滑らかになり、連携時の見栄えも自然に向上。必殺技“ミスティックアーツ”の発動演出もくっきり感じられます。
加えて、フレームレートの安定化で入力のしやすさが向上(※機種や環境により体感差あり)。
キャンセル精度を求める本作の気持ち良さを、当時の感覚に近い形で再現できています。
一方で、演出の派手さを重視する「エクシリア」や「ベルセリア」よりも地味に感じる場面もあります。
しかし、純粋なアクションとしての完成度では、依然としてグレイセスfが頂点クラス。
「戦闘を楽しむためにテイルズを遊ぶ」──そんなプレイヤーにとって、いまでも基準点となる作品です。
📖 ストーリーとキャラクター ─ “守る強さ”を描いた王道
『テイルズ オブ グレイセス f』は、“守る強さ”という明確なテーマで貫かれた作品です。
主人公アスベル・ラントは、幼い頃の約束を胸に「大切なものを守る力」を求めて成長していく青年。序盤こそ少年期のほのぼのした冒険譚ですが、中盤以降は裏切り・再会・贖罪といったドラマが重なり、王道ながらも感情の振れ幅が大きい構成になっています。
他シリーズと比べても、グレイセスは“家族の物語”としての完成度が高いのが特徴です。
貴族の家に生まれたアスベルと弟ヒューバート、そして幼なじみソフィとの関係性が軸となり、序盤から終盤まで一貫して“絆の再生”を描いています。大きな敵との戦いよりも、「過去の自分とどう向き合うか」という内面的な成長物語に焦点を当てており、そこに本作ならではの静かな熱があります。
f編(フューチャー編)が生む“物語の完結”
リマスター版でも収録されている「f編(フューチャー編)」は、PS3版で初めて追加されたアフターストーリー。
本編では描ききれなかったアスベルたちの“その後”が丁寧に描かれ、ファンからも非常に評価が高い要素です。
単なる後日談ではなく、ソフィという存在の意味、アスベルが抱える「守る」というテーマの真の答えが語られるため、ここまでプレイして初めて物語が完成するとも言われています。
感情を動かす“テイルズらしさ”
グレイセス f のストーリーは、派手な展開よりも会話劇の積み重ねが中心。
しかし、テイルズシリーズ特有の“スキット(キャラクター同士の掛け合い)”が非常に豊富で、プレイヤーが自然にキャラを好きになっていく導線が緻密に設計されています。
時に茶目っ気たっぷりで、時に胸に刺さる――この「人間らしい会話の温度」こそ、シリーズファンが何度も遊びたくなる理由でしょう。
🖥 機種別のプレイ感 ─ PS5・Switch・PCの違い
据え置き前提で快適性最優先ならPS5/PS4が無難。体感ロードは短く、動作も安定しやすいです。解像度は基本1080p級・60fps想定で、4K出力は前提ではありません(将来的な更新で変わる可能性はあります)。パッド前提の設計とも相性が良く、初見・復帰どちらにも勧めやすい選択肢です。
携帯性と手軽さを重視するならSwitch。ドック/携帯の二形態を柔軟に切り替えられ、スリープからの再開も速いのが強みです。長時間の携帯モードではわずかな発熱や処理落ちを感じる場合がありますが、短いセッションを積み重ねる遊び方には最適です。
チューニングを楽しみたいならPC(Steam)。マシン性能次第で高リフレッシュレート設定などの拡張余地があり、キーバインドやパッド設定も細かく詰められます。一方で、初期設定やデバイス周りは環境依存の調整が必要になることがあるため、PCゲームに慣れている方向けです。
| 機種 | 向いている人 | 主なメリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| PS5/PS4 | 据え置きで快適に遊びたい | 安定動作・短いロード/パッド前提で遊びやすい | 解像度は基本1080p級・60fps想定。4Kは非想定(将来変更の可能性あり) |
| Switch | 手軽さ・携帯性を重視 | 携帯/据え置きの切替が自在/スリープ復帰が速い | 長時間携帯での発熱・ごく軽い処理落ちを感じる場合あり |
| PC(Steam) | 自分で最適化したい | 高リフレッシュレート等の拡張余地/操作や画質を細かく調整可 | 初期設定・入力周りは環境依存で調整が必要なことがある |
❓リマスターの特徴:Q&Aでサクッと把握

Q. リマスターで良くなった点は?
A. 快適性が中心です。代表的にはオートセーブの導入、バトル/移動のテンポを損なわない遭遇オフ(ランダムエンカウント無効化)などのQOL追加、描画の安定化と読み込みの短縮。遊び直しやすさが大幅に向上しています。
Q. 変わっていない部分は?
A. 物語やイベント構成は当時のまま。キャラクターモデルやカットシーンは世代相応の“味”が残っています。リメイクではなく“リマスター”なので、演出の方向性やカメラ挙動まで大改造……という類ではありません。
Q. 難易度はどれから始めるべき?
A. まずはノーマル推奨。戦闘に慣れてきたら途中で上げてもOKです(本作は“操作理解が進むほど楽しい”タイプ)。序盤はガード→ステップ→反撃の基礎練習を。
Q. 追加要素は“新シナリオ”が増えたの?
A. 物語面の目玉は従来どおり“f編(アフターストーリー)”の収録。新規大ボリュームのストーリーが増えたというより、QOLが整って本編+f編を通しで遊びやすくなったという理解が正確です。
Q. 旧版からのデータ引き継ぎは?
A. 原則として“本作内で完結”。過去機種のセーブをそのまま使うような設計ではありません(最初から快適にやり直せるのがリマスターの利点)。
Q. 初心者がつまずきやすいポイントと解決策は?
A. 「装備の更新が遅れがち」「称号のセット忘れ」「アーツ派生を覚え切れていない」の3つが定番。ショップに立ち寄る頻度を上げる、称号で成長方針を明示、よく使う連携だけでも“指の型”にする――で一気に安定します。
Q. f編はやる価値ある?どのタイミングで開放?
A. 本編クリア後に解放。アスベル/ソフィの“答え”が語られるため、ここまで遊んで物語が完成します。戦闘のやり込み要素としても手応えあり。
Q. 機種選びの最終判断は?
A. 据え置き快適性ならPS、携帯性ならSwitch、設定を詰めたいならPC。プレイ環境の優先度で決めるのが失敗しません。
改善ポイント一覧(リマスター版)
【公式で明言された主な追加・改善】
- オートセーブの導入(こまめに自動保存され、やり直しが容易)
- エンカウント無効(遭遇オフ)オプションの追加
- 画質の向上と描画安定化(高解像度化/表示の滑らかさ改善)
- 目的地アイコン・ルート案内の強化(次に向かう場所が把握しやすい)
- グレードショップの“初回プレイからの利用”に対応
- 一部UIの見やすさ・操作性の調整(設定項目の拡充 など)
【実機プレイ/レビューでの報告が多い改善】
- 読み込みの短縮・動作の安定(機種差あり)
- 1080p/60fps想定の動作傾向(携帯機は表示条件により変動あり)
- バトルの再挑戦・やり直しがしやすい導線
- PC版:入力デバイスやキーバインドの調整自由度が高い(環境依存)
【そのままの部分(リマスターの前提)】
- 物語・イベント構成の大枠は当時のまま
- キャラクターモデルや一部カットシーンの雰囲気は世代相応
- リメイクではないため、演出方向の“作り直し”は非対象
注:機種ごとの表示解像度やフレームレートは環境や設定で体感差があります。本文の「機種別の違い」と合わせて参照してください。
🧩 シリーズ内での立ち位置 ─ 戦闘で頂点、物語で安定
『テイルズ オブ グレイセス f』は、シリーズ全体で見ても“戦闘特化型”として語られることが多い作品です。
『シンフォニア』が王道RPGとしての完成度を示した作品だとすれば、グレイセスfは「テイルズのアクション性を極めた到達点」。
そして『エクシリア』が演出面や物語のダイナミズムを強調した転換期の作品――この三作で、テイルズの進化系譜が一望できます。
物語面では、『シンフォニア』ほど重厚ではないものの、“人間関係の温度”が丁寧に描かれており、プレイヤーが自然にキャラへ感情移入できる構成。
アクション面では、グレイセスfがいまだにファンの「基準」として語られるほどの完成度を維持しています。
特に、敵の動きを読みながら瞬時に攻撃へ転じる駆け引きの深さは、以降のシリーズにも多大な影響を残しました。
戦闘を楽しむタイプのプレイヤーにとっては、“ここからテイルズを再定義した一作”と言っても過言ではありません。
一方、物語のテンポや演出重視派には『エクシリア』や『ベルセリア』が合う――つまり、グレイセスfは「戦闘の快感を軸にシリーズを理解できる作品」なのです。
🔢 忖度なしスコア(2025リマスター版時点)
十数年ぶりの再登場ながら、その完成度はいまでも第一線級。
戦闘はシリーズ屈指の練度を誇り、リマスターで快適性も格段に向上しています。
一方で映像面の古さや物語テンポの荒さは残りますが、遊びの芯の強さがすべてを上回る一本。
“リマスターで終わらない価値”を感じさせる作品です。
| 項目 | スコア | 短評 |
|---|---|---|
| 戦闘 | 9.5 / 10 | SS-LMの読み合いとキャンセル快感が頂点級 |
| 物語/キャラ | 7.8 / 10 | 王道で温度は高いが序盤の緩さで好みが分かれる |
| 快適性/QoL | 8.6 / 10 | オートセーブ/遭遇オフ等でテンポ改善(機種差あり) |
| ボリューム | 8.3 / 10 | 本編+f編で満足度高い。育成の掘りごたえも |
| ビジュアル/サウンド | 7.4 / 10 | 向上は実感できるが世代相応の粗さは残る |
| コスパ | 8.2 / 10 | 現行環境で快適に再体験できる価値。セール期は◎ |
| 初心者おすすめ度 | 8.0 / 10 | 難易度可変で導入しやすいが会話量は好みが出る |
| 総合 | 8.6 / 10 | “戦闘の完成度で選ぶなら買い”。2025年でも強く推せる |
※ 表示解像度・fps・ロード体感は機種や環境で差があります。詳細は本文「機種別の違い」を参照。
10年経ってもなお光るテイルズ屈指の戦闘。リマスターで甦った名作を、今こそ。
🧠 総評|“いま”遊ぶ価値はここにある

10年以上の時を経て蘇った『テイルズ オブ グレイセス f』は、シリーズの「戦闘の基準点」として改めてその存在価値を証明しました。
リマスターによって快適性が加わり、ロード時間の短縮やエンカウントオフ機能など、プレイテンポを阻害していた要素がほぼ解消。
もともと完成度の高かったアクション性が、現行機でもストレスなく楽しめる形に仕上がっています。
物語は直球の王道。
派手な演出や重厚な群像劇を期待するよりも、“人を守るとは何か”をテーマにした素朴な感情ドラマとして味わうのが正解です。
f編を含めて一本の長い旅として完結する構成は、いま遊んでも古びません。
会話の温度、仲間の絆、スキットのやり取り――どれもシリーズらしい温もりを持っています。
過去にプレイした人には、
「懐かしさではなく“再発見の心地よさ”」が。
初めて触れる人には、
「これがテイルズの原点的な面白さなのか」という新鮮さが。
どちらにも確かな手応えがあります。
“戦闘の完成度で選ぶなら、いま遊んでもグレイセスf”。
シリーズ30周年を迎えた今だからこそ、この言葉の重みが際立ちます。
テイルズを改めて好きになれる一本として――
2025年の今、最も“手に取る意味のあるリマスター”です。
