今日という日を、備えと縁、日常の小さな彩りで満たそう

11月5日は、自然の脅威を知り、備えを整える「津波防災の日/世界津波の日」、人と人とのつながりを祝う「縁結びの日」、そして語呂合わせで食卓に笑顔を招く「いいりんごの日」と、多様なテーマが交差する特別な一日です。
星空の無い夜、暗闇の中で一筋の光を頼りに避難した古の教訓、日々の人間関係に宿る“ご縁”、ありふれた果実の中に潜む小さな豊かさ——。それぞれの視点を通じて、「今日という日をどう過ごすか」を考えるきっかけにしてみませんか?
これから4つの記念日にまつわる由来と、今だからこそ活かしたいヒントを見ていきましょう。
津波防災の日(日本/内閣府・法定の啓発日)
1854年11月5日の安政南海地震で語り継がれる「稲むらの火」を由来に、東日本大震災を教訓として2011年に「津波対策の推進に関する法律」で制定された啓発日。国・自治体・学校・企業・地域が、避難経路の確認や訓練、ハザードマップの再点検など“自助・共助・公助”を実地で見直す日として位置づけられています。
いざという時に命を守るカギは「より高く・より早く・より遠く」へ。沿岸部では地震の長短に関わらず、強い揺れや長い揺れ、あるいは「すぐに海面が引く」「サイレンや津波警報」など異常を感じたら即時避難。家族の集合場所、垂直避難先、夜間・豪雨時の代替ルートまで事前に決めておくと判断が速くなります(政府・気象庁の教材や動画が実践のヒントになります)。
いいりんごの日(11月5日)
青森県が2001年に制定した記念日。語呂合わせの「いい(11)・りんご(5)」にちなみ、旬の味を楽しみつつ生産地への理解を深める狙いがあります。制定主体としては青森県および一般社団法人青森県りんご対策協議会の取り組みが周知されています。
りんごは食物繊維やポリフェノール、カリウムなどを含み、健康・美容面での利点が幅広く紹介されています。各団体はPR動画やイベント等で消費喚起を進めています。
行動ヒント:皮ごと食べるレシピを試す/産地表示を見て選ぶ/保存法を見直す(冷暗所での保管や早めの下処理)など、今日から実践できる小さな一歩を。加えて、地域の動画で生産現場のストーリーに触れてみるのもおすすめです。
世界津波の日(国連/11月5日)
2015年の国連総会決議で制定された国際デー。日付は、1854年の安政南海地震で住民を避難に導いた「稲むらの火」の教訓に由来し、日本の提案を含む形で採択されました。目的は、津波リスクへの理解と備え(教育・訓練・減災計画)を世界規模で促進し、仙台防災枠組(2015–2030)の実践を後押しすること。各国で学校防災や避難訓練、沿岸のハザード評価などが行われ、国際協力の重要性が発信されています。
行動ヒント:旅行や出張で沿岸部へ行く際は、現地の津波避難場所・標識を事前に確認。スマホの緊急速報の受信設定を見直し、家族の集合場所と代替ルート(夜間・豪雨時)も決めておくと安心です。
縁結びの日(11月5日)
語呂の「いい(11)ご(5)えん」にちなみ、島根県(当時の「神話の国 縁結び観光協会」→現・島根県観光連盟)が制定した記念日。旧暦10月は全国の神々が出雲に集う「神在月」とされ、良縁祈願の風習とも親和性が高い日です。恋愛や結婚に限らず、仕事・学び・地域とのつながりなど“人と人との結び”を見直す契機として位置づけられています。
行動ヒント:
・今年お世話になった人へ近況メッセージを1通送る
・名刺や連絡先の棚卸し(滞っていた連絡を再開)
・地元の縁結び神社や寺社で感謝参拝、御礼詣り
かき揚げの日(11月5日)
香川県三豊市の冷凍食品メーカー「味のちぬや」が制定し、日本記念日協会に認定された記念日。日付は、かき揚げがうどん・そばに添えられることが多いことから、カレンダー上で「めんの日」(11月11日)の真上・同じ曜日に当たる11月4日(近接の5日表記で周知される例もあり)を基準に広報されてきました。目的は、サクサク食感と具材の美味しさを広く楽しんでもらうこと。
行動ヒント:旬の野菜で“皮ごと”かき揚げに挑戦/塩で素材の甘みを味わう/テイクアウトや産地支援も活用。揚げ油は少量フライパンでも可、衣は混ぜすぎないのがコツ。
まとめ
11月5日は、「津波防災/世界津波の日」を軸に、命を守る備えを見直す日でありながら、「縁結びの日」「いいりんごの日」「かき揚げの日」といった身近な喜びやつながりも思い出させてくれる一日でした。大きなテーマと日常の彩りが並ぶことで、私たちの暮らしは“備え”と“楽しみ”の両輪で回っていると実感できます。
今日できる小さな一歩は具体的です。避難ルートの再確認と家族の安否連絡の決め事、そして感謝のメッセージを一通。台所では旬のりんごやかき揚げを味わって、季節の恵みを身体で受け取る。たったこれだけでも、明日の安心と心の潤いは確かに増えます。
平和や文化、良縁、食のよろこび——どれも一人では完結しません。誰かと分かち合うことで意味が深まります。気になったテーマをひとつ選び、今日の行動へ。小さな実践が、来月・来年の自分と地域を少しずつ強く、やさしくしていきます。