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ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ 忖度なしレビュー|Switch 2版の評価・良かった点と不満点【2025最新】

目次
  1. ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ 忖度なしレビュー
  2. 作品概要|ドラゴンボール Sparking! ZERO(Switch 2/Switch版)
  3. 良かった点(メリット)
  4. 気になった点(デメリット)
  5. Switch 2版の最適化はどうか
  6. 機種別比較:どのハードで買うべき?
  7. 前作『スパーキング!メテオ』との違い
  8. 忖度なしスコア
  9. 総評まとめ

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ 忖度なしレビュー

2025年11月13日、遂に ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ の Switch 2/Nintendo Switch版が発売されました。本作は、2024年10月に PlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)で登場した完全新作タイトルの家庭用マルチ対応版。膨大なキャラクター数とシリーズ最高水準の演出を携え、原作ファンとアクションゲーマー双方に挑戦状を叩きつける一作です。

本レビューでは、メーカーへの忖度を抜きに、Switch 2版を中心に「ここが刺さった」「ここが厳しい」と鮮明に論じます。購入を迷っているなら、ぜひ最後まで読み進めてください。

作品概要|ドラゴンボール Sparking! ZERO(Switch 2/Switch版)

タイトル:
ドラゴンボール Sparking! ZERO(ドラゴンボール スパーキング ゼロ)

シリーズ:
ドラゴンボールZ Sparking! シリーズ第4作目・17年ぶりの完全新作

ジャンル:
3D対戦アクション

開発:
スパイク・チュンソフト

発売元:
バンダイナムコエンターテインメント

対応ハード:
・Nintendo Switch 2
・Nintendo Switch
・PlayStation 5
・Xbox Series X|S(ダウンロード版のみ)
・PC(Steam/ダウンロード版のみ)

Switch 2/Switch版の発売日:
2025年11月13日(木)

既存機種版の発売日:
・PlayStation 5/Xbox Series X|S版:2024年10月10日(木)
・Steam版:2024年10月11日(金)

Switch 2/Switch版 価格(税込):
・通常版(パッケージ/DL):7,920円
・デラックスエディション(DL):10,670円
・アルティメットエディション(DL):11,660円
・サウンドアルティメットエディション(DL):13,970円

※通常版のメーカー希望小売価格は7,200円(税抜)

プレイ人数:
・オフライン:1〜6人(画面分割対戦。プレイヤー1人につきコントローラー1個が必要)
・ローカル通信:2人
・オンライン:1〜2人(マッチングルールによって1〜8人ロビー参加)

レーティング:
CERO A(全年齢対象)

良かった点(メリット)

圧倒的なスピード感と“吹っ飛び物理”の爽快さ

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ|孫悟空がベジータと激しく戦うバトルシーン

まず最初に驚くのは、攻撃を当てた瞬間の“重量感”と“吹っ飛び方”の気持ち良さです。過去作を遊んでいた人ほど、「これ、まさにスパーキングの進化版だ」と感じられるはず。とくにSwitch 2版では敵を遠くまでぶっ飛ばしたときのカメラ演出が滑らかで、従来より臨場感が段違い。コンボ中の軌道変化も自然で、戦っているだけで快感が得られる作りになっています。

戦闘アニメーションがシリーズ最高レベル

悟空・ベジータ・悟飯・フリーザ・セル・ブロリーなど、主要キャラのモーションはすべて新規作り直し。気弾の発光やオーラの“揺れ”の表現が細かく、近距離で殴り合うとアニメの迫力がそのまま画面に出てくる。Switch 2版では発色が強く、エフェクトが潰れにくいので視認性も良好。純粋に「見て楽しい・触って楽しい」アクションになっています。

原作再現シーンのクオリティが本当に高い

悟飯の覚醒シーン、フリーザとの死闘、ブウ編の名場面……いわゆる“ドラゴンボールらしさ”が丁寧に盛り込まれています。
演出は派手だが安っぽくはなく、カットインの入れ方もアニメに寄せているため、ファンなら間違いなく刺さる出来。名シーンの比率も多いので、「こういうDBゲームを待っていた」と素直に感じられるポイントです。

180体以上のキャラが使える“巨大ボリューム”

シリーズ最多クラスのプレイアブル数で、キャラを眺めているだけで楽しいレベル。
悟空だけでも形態違いが複数あり、セルやフリーザも変身形態で操作感がほどよく変わるため、実験プレイの幅が広い。ただし“キャラ数が多い=全員しっかり作り込まれている”とは言えない部分もあるため、後でデメリット側で触れます。

オンライン対戦の快適さ

Switch 2版の通信安定度はかなり良く、マッチング後のロードが短いのが嬉しいポイント。
ラグも最小限で、アクションゲームとして成立するラインをしっかり確保しています。オンラインをメインに遊びたい人にとっては大きな評価ポイント。

気になった点(デメリット)

1. ストーリーモードの構成が単調で没入しづらい

原作の名場面再現は確かに魅力ですが、シナリオ進行はシンプルすぎる構成が続き、良く言えば“テンポ重視”、悪く言えば“深みに欠ける”。
とくに Switch 2版はロードが速いためテンポは良いものの、シナリオ内容そのものは淡々とバトルを挟む形に留まっており、旧シリーズのような「次が気になる物語体験」という雰囲気は弱いです。

新規ユーザーには問題ないかもしれませんが、かつての スパーキング!メテオ の濃密さに慣れているファンほど「もっとシーンの掘り下げが欲しい」と感じる可能性が高い部分です。

2. キャラ数は多いが“個性の差”が弱く感じる部分がある

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ|破壊神ビルスが紫のオーラをまとい攻撃するバトルカット

180体以上という圧倒的なボリュームは魅力ですが、全キャラが明確な個性を持っているかというと、必ずしもそうではありません。
もちろん悟空やベジータ、フリーザのような主要キャラは丁寧にモーションが作り込まれていますが、サブポジションのキャラになるほど「技構成が似ている」「通常攻撃の感触がほぼ同じ」「強みと弱みが薄い」といった場面が目立ちます。

特に Switch 2版はフレームが安定しているため操作自体は快適ですが、それだけに“差が出るキャラ・出ないキャラ”がハッキリ見えてしまいます。
キャラの多さを売りにする作品ではあるものの、「実際に使うキャラが極端に偏りやすい」という点は人を選ぶ部分です。

3. 新規ユーザーには操作が複雑でハードルが高い

戦闘の爽快感はシリーズトップクラスですが、その一方で“操作の複雑さ”はかなり人を選びます。
攻撃・気弾・ステップ・気力管理・キャンセル・派生コンボ・覚醒技…と、覚えるべき要素が多く、最初の数時間は「何がどう繋がるのか」が分かりづらい作りです。

とくに Switch 2版は処理落ちが少なく動作が滑らかなので、操作が“できる人”はどんどん気持ち良く遊べますが、
その逆に“慣れていない人”は相手のスピードに追いつけず、
「負け方が分からない」「何を覚えればいいのか分からない」という壁にぶつかりやすい。

チュートリアルも最低限で、体系的に技術を身につけられる設計とは言いづらいため、アクション初心者にはやや不親切な印象です。

4. やり込み要素が薄く、長期的なモチベーションにつながりにくい

ストーリーは原作の名場面をしっかりなぞってくれる一方で、クリア後に遊び続けるための“深いやり込み”は控えめです。
キャラ育成はシンプルで、プレイスタイルに応じて能力を尖らせたり、ビルドを組んだりするような要素は限定的。
装備品・特殊スキル・習得ツリーのような長期成長の仕組みはなく、
「キャラ数の多さ=遊びの深さ」につながらない部分が目立ちます。

もちろん“好きなキャラで自由に対戦を楽しむ”という本作の軸はしっかり成立していますが、
RPG的な育成や収集要素を期待して購入すると「物足りない」と感じる可能性が高いです。
特にメテオ時代の“やり込み狂”プレイヤーには、薄味に映る人もいるでしょう。

5. 一部のボス戦で難易度バランスが乱れがち

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ|少年悟空が青龍と共に突撃する新技アニメーション

本作は全体的に戦闘テンポが良く、通常のバトルは遊びやすい部類ですが、
特定のボス戦になると急激に難易度が跳ね上がるケースがあります。

とくに
・ガードをほぼ無視してくる突進技
・理不尽に感じる気力削り
・距離を詰めてくる速度が異様に速いAI
など、プレイヤーが“対策を理解する前に削られる”タイプの事故が起きやすい仕様。

Switch 2版でFPSが安定しているとはいえ、
「負ける理由が分かりにくい」「AIだけ別ゲームの挙動をしている」
と感じてしまう場面があるのは否めません。

アクションが得意なプレイヤーなら楽しめますが、
“原作ストーリーを気軽に追いたいだけ”のユーザーにはややストレスになる難所といえます。

6. Switch(無印)版では処理落ち・解像度低下が目立つ

Switch 2版は快適そのものですが、無印Switch版は明確にパフォーマンス差があります。
とくに
・多段爆発エフェクト
・巨大キャラの登場演出
・高速ダッシュによるカメラ回転
といった負荷の高い場面では、fpsが一気に落ち込むことがあり、動きが引っかかるような印象を受けます。

また、携帯モードでは解像度が大きく落ちるため、気弾やオーラの粒子表現が潰れたり、遠景がぼやけて見えたりする場面もある。
アクションの高精度操作を要求されるゲームだけに、
「Switch(無印)で遊ぶと本来の良さを体感しづらい」という欠点は無視できません。

総合的に見ても、このタイトルは“Switch 2版が本命”であり、Switch無印は妥協版
という評価にならざるを得ない部分です。

Switch 2版の最適化はどうか

1. フレームレートはSwitch/Switch 2ともに30fps固定

まず最初に押さえておきたいのが、どちらも30fps仕様だという点です。
公式の比較情報によると、Nintendo Switch 2版はドック・携帯どちらでも最大30fps、無印Switch版も30fps(一部メニューのみ24fps)と明記されています。

対戦アクションとしては「60fpsで遊びたかった」という声が出るのも当然で、ここはSwitch 2版に期待していたユーザーほど不満を感じやすいポイントです。


2. 解像度と画質はSwitch 2が一段上

一方で、解像度と画質はしっかり差が付いているのも事実です。

  • Switch 2版:TVモードで動的1080p前後、携帯時は動的810p前後
  • Switch版:TV 720p固定/携帯 480p固定

といった形で、内部解像度はSwitch 2版のほうが明らかに高く、公式比較スクリーンショットでも背景ディテールやキャラの輪郭はSwitch 2の方がくっきりしています。

「PS5と同等」とまでは言えませんが、携帯機でここまで出ていれば十分健闘している、という印象です。


3. ロード時間は“体感では快適”レベル

ロード時間については、公式に秒数が出ているわけではありませんが、各種比較記事やユーザーの声をまとめると、

  • PS5版が最も速い
  • Switch 2版は、それに近い水準まで短縮されている
  • 無印Switch版は明確に待ち時間が長い

という傾向です。

「異様に速い」とまでは言えないものの、Switch 2版で遊んでいてストレスを感じるほどの待ち時間ではなく、原作再現バトルやオンライン対戦を周回するうえでテンポが崩れることはありません。


4. 結論:画質はしっかり進化、ただし30fps仕様は割り切りが必要

総合すると、

  • 画質・解像度・HDR対応など、ビジュアル面はSwitch 2版が明確に上
  • ただしフレームレートはSwitch/Switch 2ともに30fpsで頭打ち

というバランスのタイトルです。

忖度なしに言えば、
「携帯機でここまで動くなら十分だけど、次世代機で30fps止まりなのは正直惜しい」
という評価になると思います。

機種別比較:どのハードで買うべき?

本作 ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ は複数機種で発売されており、主に「PlayStation 5/PC/Xbox Series X|S(旧世代次世代機系)版」「Nintendo Switch 2版」「Nintendo Switch(無印)版」という三本柱で比較できます。レビュー視点では「画質・フレームレート・ロード時間・携帯性・コスト」の5観点で各機種の強み・弱みを整理します。

  • PS5/PC/Xbox Series X|S版
    最も高性能ハードで動作仕様も最上位。4K出力・HDR対応・推奨60fps以上の仕様が可能とされており、グラフィックと演出の質が最も高い。反面、ハード自体の価格が高く、持ち運び遊びには向かない。
  • Nintendo Switch 2版
    携帯・据置のハイブリッド機であり、画質・解像度ともにSwitch(無印)版を上回る。レビューでは「1080p前後・810p携帯モード」「30fps仕様」などの表示となっており、画質は高いもののフレームレートで妥協がある点を念頭に置くべき。
  • Nintendo Switch(無印)版
    最も手軽に買える選択肢ではあるが、解像度・画質・フレームレートで明確に性能差がある。720p/480p携帯時・30fps(時にメニュー24fps)という仕様が報告されています。

このように、機種選びは「予算」「遊ぶスタイル(携帯/据置)」「グラフィック/快適性」などによって最適が変わります。以下の表で仕様を整理して、最後に「おすすめ機種」もまとめます。

機種解像度(据置/携帯)フレームレートHDR/4K特徴
PS5/PC/Xbox Series X|S4K対応/高解像度60fps(最も安定)HDR+4K対応画質・快適性すべて最上位
Nintendo Switch 21080p前後(据置)/810p前後(携帯)※動的30fps固定HDR対応/4K非対応画質は高いがfpsは30で頭打ち
Nintendo Switch(無印)720p(据置)/480p(携帯)30fps(一部24fps)HDR非対応最廉価だが性能差が明確

★ 結論:どの機種を買うべき?

  • 最も快適に遊びたい → PS5/PC/Xbox Series X|S
    グラフィック・fps・ロードすべて最強。迷ったらこれ。
  • 携帯・据置の両方で本格的に遊びたい → Switch 2
    画質は高いが30fpsなので、快適性より“自由度”“手軽さ”を重視する人向け。
  • 価格最優先・気軽に遊びたい → Switch(無印)
    ただし解像度・fps・演出は最も劣るため、本作の良さを最大限に味わいたい人には非推奨。

前作『スパーキング!メテオ』との違い

1. 「リメイク」ではなく“17年ぶりの再構築”

まず押さえておきたいのは、本作は『スパーキング!メテオ』のリメイクではなく、
あくまで「スパーキング系譜の完全新作」という立ち位置だということです。

  • バトルシステムは“高速3D対戦”という軸を共有しつつ、
    カメラワーク、コンボのつながり方、必殺技の演出などはほぼ作り直し。
  • モーション、モデル、エフェクトも一新されており、
    メテオの“HDリマスター”を期待すると「全然別物だな」と感じるはずです。

いい意味でも悪い意味でも、
「メテオの延長線」ではなく「2020年代のスパーキング」が欲しかった人向けの作りになっています。


2. 演出・グラフィックは圧倒的進化

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ|超サイヤ人ゴッドSS孫悟空がかめはめ波を放つ瞬間の公式スクリーンショット

ここは素直に“完全勝利”している部分。

  • 旧作では表現しきれなかったオーラの粒子、気弾の残光、光源の揺らぎなどが
    現世代機&Switch 2のスペックを使ってかなりリッチに描かれている。
  • 特に超サイヤ人ブルー系やゴッド系フォームの発光表現は、
    メテオ時代とは比較にならないレベルで「アニメ+現代ゲーム」の中間を狙った質感。

原作再現のカットシーンも増量されており、
“見るドラゴンボールゲーム”としては明らかに今作の方が上です。


3. キャラ数は拡大したが、遊びの“密度”は賛否

メテオといえば「キャラ多すぎでしょ」と言われるほどの参戦数がウリでしたが、
スパーキング!ゼロはそれをさらに上回る180体以上(本編時点)という規模に拡張されています。

ただし問題は“数の増加=個性の増加”になりきれていない点。

  • メテオは当時としては「よくここまで作り分けたな」という評価が多かったが、
    今作では「見た目や必殺技は違うが、操作感は似ているキャラ」も増えている印象。
  • その結果、「キャラ数のインパクトは上、1体あたりの濃さはメテオの方が印象に残る」という感想も出てきそうです。

“図鑑としての楽しさ”は今作が上、
“1キャラごとの思い入れの深さ”はメテオが上、というバランスですね。


4. ストーリーモードの方向性が違う

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ|超サイヤ人孫悟空が瞬間移動を構える名シーン 公式スクリーンショット

メテオのストーリーモードは、
テキスト量や分岐も含めて「ドラゴンボールの歴史をじっくりたどる」スタイルでしたが、
今作はビジュアル重視・テンポ重視の設計です。

  • 名場面を映像とバトルでテンポよく追体験させる方向に寄せた結果、
    “読み物としての厚み”はメテオより薄く感じられる。
  • その代わり、現代のプレイヤーが“サクっと原作をなぞる”には向いている作り。

メテオにあった「じっくり物語を味わう感覚」を求めていると、
どうしても物足りなさが出る部分です。


5. 対戦の手触りは“メテオの正統進化”だが、敷居は上がった

アクション部分だけを切り取ると、

  • 立体的な距離の取り合い
  • ブーストダッシュを絡めた差し合い
  • 覚醒技の撃ちどころの心理戦

といった“スパーキングらしさ”はしっかり受け継がれています。

一方で、

  • 入力受付のタイミング
  • コンボルートの研究余地
  • 覚えるべきシステムの量

が全体的に増えており、
メテオよりも「対戦ゲームとしての敷居」は確実に上がっています。

遊び込むほど面白くなる一方で、
“昔メテオでわちゃわちゃ遊んでいたライト層”には、
ややハードコア寄りに変化した印象を与えるはずです。


6. 総評:メテオの“現代版”ではなく、新しいスパーキングとして見るべき

忖度なしにまとめると、

  • グラフィック・演出・キャラ数 → 今作が圧倒的に上
  • ストーリーモードの厚み・キャラ1体ごとの濃さ → メテオの方が記憶に残る
  • 対戦ゲームとしてのポテンシャル → 今作が上だが、玄人向け寄り

という構図です。

「メテオのリメイクが欲しかった」人にはギャップが出ますが、
「2020年代仕様のスパーキングを新しく始めたい」という人には、
かなりポテンシャルのある一本に仕上がっています。

項目スパーキング!ゼロ
(2024/2025)
スパーキング!メテオ
(2007)
作品位置づけシリーズ第4作・17年ぶりの完全新作シリーズ第3作・PS2/Wii世代の集大成
キャラ数180体以上(本編時点)161体(当時としては最多)
バトル演出現代向けに完全刷新。光源・オーラ・粒子が圧倒的に高品質アニメ調の勢い重視。今なおファンに支持が強い
操作性要素が増えて複雑化。対戦ゲーム寄りの敷居シンプルで直感的。ライト層でも遊びやすい
ストーリーモード映像+バトル中心のテンポ重視型テキスト量が多く、丁寧に回想できる構成
遊びの方向性再現度とアクション性を強化した“現代版スパーキング”ボリュームと遊びやすさを両立した“原点的完成形”
総評(レビュー観点)演出・操作性は大幅進化。ただし敷居は上昇今遊んでも強い完成度。遊びやすさは上

忖度なしスコア

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロ 公式ロゴ|バンダイナムコエンターテインメント 最新ドラゴンボールゲーム

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロは、アクションそのものの完成度が飛び抜けて高く、シリーズの根幹である“ぶっ飛ばしバトルの爽快感”は過去最高と言っていい作りです。攻撃を入れた瞬間の重量感、コンボのキレ、距離を取る・詰めるの立体的な攻防──どれを切り取ってもスパーキング系譜の正統進化であり、17年ぶりの新作として最も期待されていた部分はしっかり達成されています。

一方で、ストーリーモードはテンポ重視に寄った分、メテオ時代にあった“読み物としての厚み”とは方向性が変化しており、プレイヤーによっては物足りなく感じる場面があるのも事実。また、参戦キャラ数が180体以上と膨大である反面、個々のキャラの差別化が薄い部分もあり、「キャラ数=遊びの深さ」に直結しきれない点は賛否が分かれそうです。

Switch 2版については、解像度や画質面は確かに向上しており、携帯/据置どちらでも安定したクオリティで遊べる強みがあります。ただし、フレームレートが30fpsに留まる仕様はどうしても惜しく、アクションのキレを最大限味わいたい人にはやや物足りない部分も残ります。

総じて本作は “アクションゲームとしての完成度は非常に高いが、ストーリー・やり込み・fpsの制限で評価が割れる” タイトルです。
ただし、バトルの気持ち良さは紛れもなくシリーズ最高峰で、原作ファンであれば一度は触っておくべきパワーを持っています。

評価項目スコア
バトル(アクション)9.0 / 10
グラフィック・演出8.8 / 10
ストーリーモード6.5 / 10
キャラクター再現度8.2 / 10
やり込み要素6.0 / 10
最適化(Switch 2版)7.8 / 10
コストパフォーマンス7.5 / 10
総合スコア8.0 / 10
ドラゴンボール Sparking! ZERO

歴代ドラゴンボールゲームでも屈指の迫力を誇る3D対戦アクション最新作。 アニメさながらの演出と超高速バトル、豊富なキャラクターで 「かめはめ波」の撃ち合いを思い切り楽しめる決定版タイトルです。

価格・在庫は変動します。購入の際は各ショップの最新情報をご確認ください。

総評まとめ

ドラゴンボールZ スパーキング!ゼロは、シリーズ特有の“ぶっ飛ばしアクション”を現代向けに最大限ブラッシュアップしたタイトルであり、アクションゲームとしての完成度は確かに高い一方で、ストーリーややり込み部分には課題が残る、いわゆる“尖った良作”です。

バトルの手触りは文句なくシリーズ最高レベル。攻防のスピード感、コンボの気持ちよさ、エフェクトの迫力は17年ぶりの最新作としての進化を実感でき、対戦ゲームとして遊び込むほどに本作の魅力が際立っていきます。主要キャラの表情・演技・モーションも美しく、原作再現カットのクオリティは単純にファンとして嬉しくなる仕上がりです。

その一方で、ストーリーモードの構成は簡潔で、メテオのように“読み物として濃く楽しめる”感覚は控えめ。参戦キャラ数はシリーズ最大規模でありながら、キャラごとの個性差が薄い部分も見られ、数のインパクトがそのまま“遊びの深さ”につながりきっていない点は気になるところです。

Switch 2版は解像度や画質こそ向上しているものの、フレームレートが30fpsに留まるため、アクションのキレを最大限求めるプレイヤーには物足りなさも残ります。それでも、携帯機でこのクオリティを実現している点は十分評価でき、遊び方の自由度という意味では強みも大きいです。

総じて本作は、
「ストーリーよりもバトルを楽しみたい人」に強く薦められる作品です。
アクション部分の進化は本当に素晴らしく、シリーズの魂を現代に引き継いだ一作と言えます。一方で、物語性ややり込み要素を重視するプレイヤーは、期待とのギャップを感じる可能性があります。

ハマる人には深く刺さり、遊び方次第で“神ゲー”として成立する。
まさにそんな一本でした。

©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

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