- Clair Obscur: Expedition 33 忖度なしレビュー|刺さる人がハッキリ分かれるRPG
- Clair Obscur: Expedition 33 の作品概要・基本情報
- Clair Obscur: Expedition 33 の良かった点|“戦闘の手触り”で引っ張るタイプ
- Clair Obscur: Expedition 33 の気になった点|戦闘の面白さと引き換えに“人を選ぶ”部分もある
- Clair Obscur: Expedition 33ならではの評価ポイント
- このRPG、何が近い?|具体タイトルで“プレイ感”を例える(ネタバレなし)
- 物語の雰囲気は?|ネタバレなしで“ノリ”だけ説明
- アップデートで変わった点(難易度・快適性・追加要素)※実装済み
- 忖度なしスコア(調整版)|“戦闘の手触り”と世界観の独自性で、2025年RPGでも上位
- 総評
Clair Obscur: Expedition 33 忖度なしレビュー|刺さる人がハッキリ分かれるRPG
『Clair Obscur: Expedition 33』は、ターン制RPGにリアルタイム要素を組み合わせた戦闘が特徴のシングルプレイRPGです。対応機種はPS5/Xbox Series X|S/PC。世界観はベル・エポック風の幻想的な雰囲気を軸にしつつ、戦闘の手触りやテンポ、システムのクセで評価が割れやすいタイプでもあります。この記事では話題性だけで持ち上げず、「戦闘が気持ちいいか」「テンポは快適か」「合わない人はどこで躓くか」を軸に、忖度なしで正直に整理していきます。
Clair Obscur: Expedition 33 の作品概要・基本情報
『Clair Obscur: Expedition 33』は、ベル・エポック期フランスに着想を得た幻想世界を舞台にしたターン制RPGです。特徴は、通常のコマンド選択に加えて回避・パリィなどの入力が絡む「リアクティブターン制バトル」。ターン制の戦略性と、リアルタイムの手触りを同居させて“戦闘の没入感”を押し上げる設計になっています。
物語の核は「ペイントレス」と呼ばれる存在が年に一度“呪いの数字”を描き、その年齢にある人々が消えていくという世界の異常。主人公たちは第33遠征隊として、死の連鎖を断ち切るために彼女の討伐へ向かいます。
基本データ
- タイトル:Clair Obscur: Expedition 33
- 対応機種:PS5/Xbox Series X|S/PC(Windows/Steam/Epic Games Store)
- 発売日:2025年4月24日
- ジャンル:ターン制RPG(リアクティブターン制バトルを採用)
- プレイ人数:1人
- メーカー:Kepler Interactive/Sandfall Interactive
- CERO:Z(18歳以上のみ対象)
- 対応言語(PS公式):音声=英語/フランス語、字幕=日本語を含む複数言語
Clair Obscur: Expedition 33 の良かった点|“戦闘の手触り”で引っ張るタイプ
- ターン制なのに、回避・パリィ・カウンターで「自分の腕」が介入する戦闘が強い
本作は公式に「リアクティブターンベースRPG」として案内されていて、敵の攻撃に対してリアルタイムで回避・パリィ・カウンターを行う設計が明言されています。ターン制RPGの読み合いに、アクションの緊張感を足して“眠くならない戦闘”に寄せているのが最大の武器です。 - ビルド要素(装備・ステータス・スキル・シナジー)で、戦闘の攻略幅が出る
公式情報として、装備・ステータス・スキル・キャラ間のシナジーでプレイスタイルに合わせたビルドを作れる、と説明されています。単にコマンドを選ぶだけじゃなく「どう育てて、どう噛み合わせるか」で気持ちよさが変わるタイプ。 - ベル・エポック風の世界観が“独特の絵”になっていて、没入感が強い
公式が「ベル・エポックに着想を得た世界」と明記しており、いわゆる定番ファンタジーとは違う空気を最初から出してきます。世界観で引っ張れるRPGは強く、ここに惹かれる人は開始数分で掴まれやすい。 - “毎年、彼女が人々を消す”という設定が強く、目的がブレにくい
「ペイントレスが“死の数字”を描く」→「遠征隊がそれを止める」という骨格が公式に提示されていて、物語の推進力が最初から明確。RPGでよくある“序盤の目的がぼやける期間”が短いタイプです。 - 外部評価(受賞・ヒット・アップデート継続)込みで、長く追いかける価値が出ている
セガ公式の告知で、TGAでの受賞や世界累計販売本数、無料大型アップデートの情報が継続的に出ています。発売で終わりではなく、遊びの更新が続く前提の作品として扱いやすい。
Clair Obscur: Expedition 33 の気になった点|戦闘の面白さと引き換えに“人を選ぶ”部分もある
- 回避・パリィ前提の難度が高く、ターン制RPGのつもりで入るとしんどい可能性
本作はリアクティブ要素が売りですが、そのぶん「パリィ/回避の受付がシビア」「難易度スライダーが欲しい」といった声が実際に出ています。 - “反応の猶予”はパッチで調整された=初期〜時期によって体感が変わる
Story難易度で回避/パリィの猶予を広げる調整が入ったと報じられており、アップデート前提で触り心地が変化するタイプです。今から書くなら「今のバージョンでどう感じるか」を前提にした方が安全。 - 視認性・可読性の面で、環境や人によって遊びにくさが出やすい
強いビジュアル表現ゆえに、視覚依存が高く読み取りづらいという指摘があります。刺さる人には芸術的だけど、疲れやすい人には負担になり得るポイント。 - 年齢制限相当の表現がある(日本でもCERO Z)
ストア側でもレーティングが高い(CERO Z相当)扱いで、暴力・流血などの強い表現が含まれると明記されています。家族同居でのプレイや配信・ブログ掲載では注意が必要です。 - ビルドや仕様の“想定外”が後から修正されることがある
パッチで一部の効果が意図しない数値になっていた件などが修正された報告があり、攻略・評価は「初期の噂」ではなく、現行の仕様で判断する必要があります。
Clair Obscur: Expedition 33ならではの評価ポイント
- ターン制なのに“操作が上手いほど得をする”戦闘設計
本作はターン制RPGをベースにしつつ、敵の攻撃に合わせて回避やパリィなどのリアルタイム操作を求める「リアクティブターン制」を売りにしています。つまり、単にコマンドを選ぶだけではなく、プレイヤーの反応で被ダメージや展開が変わるタイプ。ターン制の戦略性に、アクション的な緊張感を足した設計なので、ここが刺さる人には“戦闘が眠くならないRPG”になります。 - 物語の目的が最初から明確で、引きが強い
世界では「ペイントレス」と呼ばれる存在が年に一度“数字”を描き、その年齢の人々が消えていく——という異常が起きています。主人公たちは第33遠征隊として、その連鎖を止めるために討伐へ向かう。目的が序盤からハッキリ提示されるので、RPGでありがちな「何を目指してる話だっけ?」になりにくく、物語の推進力が強いのが特徴です。
この作品は、上の2点がそのまま“好みの分かれ目”にもなります。
ターン制の落ち着きより手触りを重視する人、明確な目的で一気に引っ張られる物語が好きな人ほど、評価が上がりやすいです。
このRPG、何が近い?|具体タイトルで“プレイ感”を例える(ネタバレなし)
先に断っておくと、これは「システムが完全に同じ」という話ではなく、あくまで“遊んだときの感触”の話です。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、ターン制RPGを土台にしつつ、敵の攻撃に合わせて回避・パリィなどのリアルタイム操作が求められるのが最大の特徴。
そのため、近いのは「王道コマンドRPG」よりも、次の系統です。
1) 『SEKIRO』系の“パリィ気持ちいい”感(ただし戦闘はターン制)
本作の戦闘は、タイミングよく回避・パリィできるほど被害を抑え、反撃のチャンスを作れる設計が前に出ています。
この“相手の攻撃を受け流して主導権を取る快感”は、アクション寄りの作品でいえば『SEKIRO』の気持ちよさに近い部分があります。
ただし勘違いしてほしくないのは、操作感が同じではなく、気持ちよさの方向が似ているという点です。
2) 『ペルソナ』などの「ターン制RPG」…の上に“反応”が乗るイメージ
ベースはターン制なので、行動順やリソース管理、ビルドを組み立てていく楽しさはコマンドRPGの文脈です。
ただ、敵のターン中に「避ける・弾く」が入ってくるせいで、見た目以上にプレイヤーの体感は忙しい。
「ターン制RPGの戦略性+アクションの緊張感」を同時に欲しい人に刺さります。
3) 『スーパーマリオRPG』『ペーパーマリオ』の“アクションコマンド”をもっと濃くした感じ
昔ながらのターン制でも、入力タイミングでダメージが変わる“アクションコマンド”型があります。
本作はそれを、回避・パリィ・カウンターまで含めて濃くした方向性。
「コマンド戦闘=見ているだけになりがち」を嫌う人に、かなり相性が良いです。
物語の雰囲気は?|ネタバレなしで“ノリ”だけ説明

『Clair Obscur: Expedition 33』の物語は、明るい冒険譚というより、最初からどこか切迫していて、静かな哀しさがまとわりつくタイプです。舞台はベル・エポック期フランスに着想を得た幻想世界「ルミエール」。そこでは年に一度、「ペイントレス」と呼ばれる存在が“数字”を描き、その年齢の人々が消えてしまう――という理不尽な死の循環が続いています。
主人公たちは第33遠征隊として、その循環を断ち切るために旅に出るわけですが、ここでのポイントは「世界を救う」よりも先に、「止めないと明日も誰かが消える」という切実さが物語の背骨になっていること。だから会話や演出のテンションも、軽妙さで押すというより、覚悟や喪失感、そして“残された時間”の重みを軸に進んでいきます。
要するに、雰囲気は「美しいけど、甘くない」。
世界観の美術は華やかでも、物語の味は大人向け寄りで、読後感(プレイ後感)も簡単にはスッキリさせない方向です。ここが刺さる人には、序盤から一気に引っ張る力があります。
アップデートで変わった点(難易度・快適性・追加要素)※実装済み
本作は発売後も継続的にアップデートが入り、体験の印象が変わるレベルで「遊びやすさ」と「コンテンツ」が更新されています。レビュー内では、少なくとも下記3点を押さえておくと、読者に誤解が出ません。
- Ver 1.3.0(2025年6月10日 実装)|ストーリーモードの救済を強化
最も易しいストーリーモードで、パリィ/回避の受付時間が40%増。さらに被ダメージが10〜50%減少する調整が入り、反応要素が苦手でも進めやすくなりました。 - Ver 1.4.0(2025年7月30日 実装)|快適性(リトライ周り)を大幅改善
敗北後にすぐ再挑戦できる「Battle Retry(即リトライ)」を追加。加えて、ルミナコスト表示の明確化、会話のオート再生など、細かいストレスが減るQoLがまとまって入っています。 - “Thank You” 大型無料アップデート(2025年12月12日 配信開始=実装済み)|新エリア+追加要素
感謝を込めた無料の大型更新が12月12日から配信開始。新しいプレイアブル環境(新エリア)を含む追加要素が入り、さらに高難度向けの要素(エンドレスタワーのボス戦など)やフォトモードなども実装されています。
※本記事の評価は、上記アップデート反映後(現行バージョン)を前提にしています。
忖度なしスコア(調整版)|“戦闘の手触り”と世界観の独自性で、2025年RPGでも上位
『Clair Obscur: Expedition 33』は、ターン制の戦略性にリアルタイム操作(回避・パリィ等)を混ぜた戦闘が核で、刺さる層には「戦闘だけで引っ張れる」強さがあります。世界観の個性と物語の引きも強く、好みの分かれ目(反応前提の設計)を理解したうえでハマるなら、総合評価は上位で妥当。
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 戦闘の快感(リアクティブターン制の手触り・没入感) | 9.6 / 10 |
| 戦略性(ビルド・シナジー・弱点管理の幅) | 9.0 / 10 |
| テンポ(戦闘テンポ/ダレにくさ/遊びの密度) | 8.9 / 10 |
| 物語の引き(設定の強さ・目的の明確さ・引っ張り) | 9.1 / 10 |
| 世界観・ビジュアル(独自性・雰囲気・没入感) | 9.4 / 10 |
| 間口の広さ(反応力要求・好みの分かれ目の強さ) | 8.3 / 10 |
| 総合満足度(刺さる層への強さ/完成度の高さ) | 9.3 / 10 |
| 総合スコア | 9.2 / 10 |
戦闘の手触りと世界観の独自性が抜けて強く、合う人にとっては2025年のRPGでも上位に入る一本です。
ベル・エポック風の幻想世界で、第33遠征隊が“ペイントレス”討伐へ挑むターン制RPG。回避・パリィなど操作が絡む「リアクティブターン制バトル」で、戦略と緊張感を両立した一本。
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総評

『Clair Obscur: Expedition 33』は、ベル・エポック風の幻想世界と、「年に一度“数字”を描いて、その年齢の人々を消す存在(ペイントレス)」という強烈な設定を軸に、最初から目的が明確なまま走れるシングルプレイRPGです。遠征隊として“33”の年に連なる死を止めに行く、という骨格が序盤から提示されるので、物語の推進力が落ちにくい。
評価の核はやはり戦闘です。ターン制の読み合いに、回避・パリィなどのリアルタイム操作を噛ませる「リアクティブターン制」だからこそ、1回の戦闘が“作業”になりにくい。うまく反応できた時の気持ちよさが、RPGの戦闘体験としてかなり強い部類に入ります。ここにハマる人なら、攻略を進めるほど面白さが増していくタイプです。
一方で、忖度なしに言うと「人を選ぶ」点もそのまま残ります。反応前提の設計なので、落ち着いてコマンド選択だけで戦いたい人には合いにくい。実際、Story難易度で回避/パリィの受付を広げる調整が入ったという話もあり、遊びやすさの調整は続いています。だからこそ、今から触る人は“現行バージョンの手触り”を前提に評価すべきです。
総合すると、これは「ターン制RPGの戦略性は好き。でも戦闘の緊張感も欲しい」という層にとって、2025年でも指折りの当たり。世界観・物語の引き・戦闘の快感が揃っていて、刺さる人には文句なしに強い一本です。反応要素が好みに合うなら、忖度なしで9点台を付けていい完成度だと思います。
権利表記
© Sandfall Interactive. Published by Kepler Interactive.
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