
協力プレイは“定番”から“主役”へ
2人でコントローラーを握って遊んだファミコンの頃から、アーケードの協力アクション、MMORPGや『モンハン』シリーズまで――協力プレイはゲームにおける定番の楽しみ方でした。
ところが近年、その「定番」が再び脚光を浴びています。配信文化やクロスプレイの普及により、協力プレイはただの選択肢ではなく、ゲームデザインの中心に据えられる要素になりつつあるのです。
では、なぜ2025年に入って「協力プレイ」がこれほど注目されているのでしょうか?
本記事ではその歴史を振り返りながら、トレンド化の理由と今後の展望を解説していきます。
協力プレイの歴史

ファミコン時代から始まった“2人の冒険”
協力プレイの原点は、家庭用ゲーム機ブームの始まりと共にありました。『マリオブラザーズ』や『ダブルドラゴン』など、2人で並んで同じ画面を共有しながら遊ぶスタイルは、ファミコンやアーケードゲームにおいて定番の楽しみ方でした。当時は一緒に遊ぶこと自体が大きな魅力であり、ゲームセンターでは見知らぬ人と自然に協力する光景も珍しくありませんでした。
オンラインの夜明けとMMORPG
2000年代に入ると、PCを中心にインターネット接続環境が整い、協力プレイは“オンライン”という新しい形に進化します。『ラグナロクオンライン』や『FF11』などのMMORPGは、協力が前提となる大規模な冒険を実現し、「仲間と一緒に攻略する」ことがゲーム体験の中心となりました。ここで協力プレイは、単なる追加要素ではなく、ゲームジャンルそのものを定義する要素へと昇格していきます。
コンシューマ機ではドリームキャストのPSOがスマッシュヒットするなど、協力ゲームのネットゲームが続々と登場し始めた時期です。
協力が“文化”となったモンスターハンター

日本国内で特に大きなインパクトを与えたのが『モンスターハンター』シリーズです。PSP時代には“モンハン持ち”という言葉が生まれるほど、友達同士で集まって遊ぶ文化が定着しました。モンハンは「協力プレイ=みんなで一緒に狩る」体験を一般層にも広め、後の作品に大きな影響を与えています。
定番から“オプション”へ
一方で2010年代に入ると、オープンワールドやシングルプレイ重視の大作が台頭し、協力プレイは「おまけ要素」「サブコンテンツ」として扱われる傾向が増えました。もちろん人気ジャンルとして残り続けていましたが、当時は“トレンド”というよりも“選択肢のひとつ”という位置づけだったのです。
なぜ今“協力プレイ”がトレンドなのか?

オンライン環境の成熟とクロスプレイの普及
かつては同じハードや同じ場所にいないと協力できなかったゲームも、今ではスマホ・PC・家庭用機の垣根を越えて一緒に遊べる時代になりました。クロスプレイの普及により、どこにいても誰とでも気軽に協力できることが、協力プレイをより身近なものにしています。
SNS・配信文化との相性
TwitchやYouTube、さらにはVTuber文化の拡大により、「誰かと一緒にワイワイ遊ぶ様子」がエンタメとして広く消費されるようになりました。ソロプレイの実況よりも、仲間と一緒に盛り上がる配信のほうが視聴者を引き込みやすく、協力プレイは“配信映え”する要素として定着しています。
ソロプレイ疲れと社交性需要
近年は大作オープンワールドなど、ソロで膨大な時間を費やす作品が主流となり、プレイヤーの中には「ひとりで遊ぶのはちょっと疲れる」という声も増えてきました。そんな中、協力プレイは**短時間でも誰かと楽しめる“社交の場”**として選ばれるようになっています。
協力を前提としたゲームデザインの進化
昔は「協力プレイ=おまけ」だったのが、今はゲームそのものが協力を軸に設計されています。『It Takes Two』のように協力が必須の作品や、『Among Us』『フォールガイズ』のようにソーシャル要素を前面に出したゲームは、協力がゲームの本質そのものになっています。これにより、協力プレイが単なるモードではなく「作品の核」として評価されるようになりました。
代表的な協力プレイ作品

モンスターハンターシリーズ
協力プレイといえば真っ先に名前が挙がるのが『モンスターハンター』。特にPSP時代は“モンハン持ち”という独自の文化を生み、友人同士で集まって狩りに出るのが定番の遊び方となりました。現在もオンラインマルチでの協力要素はシリーズの核にあり、協力プレイの象徴的存在です。
Minecraft(マインクラフト)
サンドボックス型ゲームの代表格。仲間と協力して建築したり、冒険したりする自由度の高さが魅力です。教育現場でも活用されるなど、「協力=創造」という新しい形を世界中に浸透させました。
Among Us(アモングアス)
“宇宙人狼”として爆発的な人気を得たタイトル。協力しながらタスクをこなしつつ、裏切り者を探す駆け引きが話題となりました。オンラインでのコミュニケーションがゲームの本質となり、配信文化との親和性も抜群です。
It Takes Two
2人協力プレイ専用タイトルとして高い評価を受け、The Game AwardsのGOTYも受賞。アクションやパズルの仕掛けがすべて協力を前提に作られており、「協力しなければ進めない楽しさ」を体現した作品です。
フォールガイズ(Fall Guys)
カジュアルなバトルロイヤルゲームですが、ステージごとに仲間と協力して進む要素が盛り込まれています。明るくポップなデザインと、手軽に参加できる協力感が世界中で人気を博しました。
その他の注目タイトル
- 『スプラトゥーン』シリーズ(ナワバリバトルの協力感)
- 『FF14』などのMMORPG(役割分担型の協力プレイ)
- 近年のローグライク系インディー作品(協力探索モードを搭載する流れ)
協力プレイは特定のジャンルにとどまらず、アクション・サンドボックス・ソーシャルゲーム・MMORPGと、あらゆるゲームジャンルで主役級の要素として取り入れられています。
今後の協力プレイの展望

AIによる新しい協力体験
近年のAI技術の進歩により、プレイヤーとNPCの協力プレイがより自然になってきています。将来的には、AI仲間がプレイヤーのプレイスタイルを学習して支援してくれるなど、「人と遊んでいるような体験」を一人でも味わえる可能性があります。これにより、協力プレイの敷居はさらに下がっていくでしょう。
VR・メタバースでの拡張
VRやメタバース空間での協力体験も今後の注目ポイントです。仮想空間で仲間と一緒に探索したり、巨大な敵に挑んだりする体験は、“まるで現実で冒険しているかのような協力感”を生み出します。VRの普及が進めば、協力プレイはより没入型のエンターテインメントへと進化していくでしょう。
協力が主役の作品がさらに主流に
これまで「シングル主体+協力モード」という作品が多かったですが、今後は『It Takes Two』のように協力そのものを主役に据えた作品が増えていくと考えられます。ストーリー進行や謎解き、バトルまで、すべてが「協力して初めて成立する」というデザインが定着すれば、ゲームのジャンルそのものがさらに多様化していくでしょう。
eスポーツや配信文化との融合
協力プレイは配信で盛り上がりやすいため、今後はeスポーツ的な展開や「協力実況イベント」といった新しい形態のエンタメにも広がる可能性があります。視聴者参加型の協力ゲームイベントは、ファンとの一体感を作り出す強力なコンテンツとなるでしょう。
まとめ

協力プレイは、ファミコン時代から当たり前に存在してきたゲームの楽しみ方でした。しかし2025年の今、オンライン環境の成熟、SNS・配信文化の浸透、ソロプレイ疲れの反動、そして協力前提のゲームデザインの進化が重なり、改めて大きなトレンドとして注目される存在になっています。
『モンスターハンター』や『Minecraft』のような定番から、『Among Us』『It Takes Two』といった近年の新しいヒット作まで、協力プレイはジャンルを超えて拡張し続けています。今後はAIやVR、メタバースといった新しい技術との融合により、さらに多様で没入感のある協力体験が生まれていくでしょう。
ゲームの楽しみ方は常に進化していますが、「誰かと一緒に遊ぶ楽しさ」は、これからも変わらず多くのプレイヤーを惹きつけ続けるはずです。
協力プレイって、ゲームの中だけじゃなくて人生でも大事なことだよね〜。ひとりじゃ大変でも、仲間がいれば楽しさも2倍!