ダウンタウンプラス初日を象徴する企画「実のない話トーナメント」とは
11月1日の生配信で幕を開けた『ダウンタウンプラス(DOWNTOWN+)』。
その初日を彩ったのが、奇想天外な企画「実のない話トーナメント」だ。
“より中身のない会話を続けた方が勝ち”という前代未聞のルールのもと、松本人志をはじめとする芸人たちが本気で「つまらない話」に挑むという逆転発想の笑いの実験が展開された。
一見ふざけて見えるが、そこには「トークの瞬発力」や「空気の妙」を楽しむ、松本らしいお笑い哲学が潜んでいる。
本記事では、このトーナメントの仕組みと狙い、そして視聴者が感じ取った“新しい笑い”の形を読み解いていく。
ダウンタウンプラス初日、中心企画は「実のない話トーナメント」
『ダウンタウンプラス(DOWNTOWN+)』の初回生配信では、最初のメイン企画として「実のない話トーナメント」が行われた。
このコーナーはタイトル通り、“中身のない会話”をどれだけ面白く続けられるかを競う、極めてユニークな形式だ。ルールはシンプルで、「内容がある話をしてしまったら負け」。つまり、笑いの基本ともいえる“オチ”や“エピソードの展開”を封印し、いかに会話そのもののリズムや間で笑いを生み出せるかを試すものだ。
出場した芸人たちは、それぞれ独自のスタイルで挑戦。
無意味な単語を連ねたり、話を堂々と逸らしたりと、普段なら“すべっている”と言われかねない会話をあえて極めようとする姿に、視聴者からは「笑いの原点を見せられた気がする」といった声も上がった。
一見ふざけているようで、実際には“何もない会話をどう成立させるか”という、芸人の瞬発力とセンスが問われる企画だったといえる。
この“実のない話”という逆説的なテーマは、松本人志らしい実験精神そのものだ。
彼が長年語ってきた「笑いに正解はない」という哲学を、番組の第一弾で体現した形でもある。
生配信というライブ感の中で、芸人たちが予定調和を排したやり取りを見せたことで、視聴者は“編集されない笑いのリアル”を味わうことができた。
テレビでは成立しにくい企画を、配信という自由な場で成立させた——この一点に、ダウンタウンプラスの方向性がはっきり示されていた。
この企画が示す“ダウンタウンプラスらしさ”
「実のない話トーナメント」は、単なる奇抜な遊び企画ではない。
むしろ、松本人志が長年貫いてきた“笑いの本質を探る実験”の集大成のような構造を持っている。
番組の狙いとして、“編集に頼らない会話の空気”を試す趣旨が示された。
つまり、視聴者が「何も起きていないのに笑ってしまう」瞬間こそ、彼が再び掘り起こしたかったテーマなのだ。
この「編集されない空気」を見せるスタイルこそ、『ダウンタウンプラス』の真髄と言える。
テレビバラエティが構成とテロップで笑いを“作る”方向に進化してきた中で、本番組はその逆を行く。
生配信という予測不能な環境で、芸人の反射神経と場の流れだけで笑いを成立させる。
そこには、松本が『ガキの使いやあらへんで!』や『放送室』で見せてきた“余白の笑い”の再挑戦という意味合いがある。
また、タイトルの「プラス」には、“制約からの解放”という意図も感じられる。
放送コードや時間制限に縛られない場所で、芸人たちが「会話の瞬間芸」を自由に表現できる——。
それがこの配信サービスの存在意義であり、番組全体の方向性を象徴している。
つまり「実のない話トーナメント」は、笑いの“新しい土台作り”そのものであり、松本人志が再び原点回帰したことを示す企画だった。
結果的に、初回から「これぞダウンタウンらしい始まり方だ」と感じた視聴者が多かったのも納得だろう。
派手な仕掛けよりも、芸人同士の会話に潜む“間”と“空気”を笑いに変える。
それは、配信時代に合わせた新しい笑いの提示であり、『ダウンタウンプラス』が今後どの方向に進むのかを予感させる象徴的な一幕だった。
SNS反応とファンの解釈
配信直後、X(旧Twitter)で「#ダウンタウンプラス」がトレンド入り。特に話題を集めたのが、やはりこの「実のない話トーナメント」だった。
X(旧Twitter)上では「こんな発想まだあったのか」「内容がないのに爆笑してしまった」「松本さんが笑ってるのが一番面白い」など、肯定的な反応が相次いだ。
“意味のなさ”を笑いに変えるというコンセプトが、芸人の力量と番組の挑戦心を同時に感じさせたという声が多い。
一方で、「トーナメント形式にしたのが面白い」「シンプルなのに奥が深い」といった分析的な感想も多く見られた。
中には「これ、実は大喜利の裏返しでは?」という意見もあり、ファンの間では“笑いの構造実験”として語られている。
芸人のアドリブ力や、沈黙を恐れない間の取り方に注目する投稿も目立ち、テレビでは見られない“未編集の会話芸”が新鮮だったという声が支配的だった。
さらに注目すべきは、若年層や配信世代からのポジティブな反応だ。
「テレビより自由で面白い」「無駄なテロップがなくてスッキリ見れる」といった感想が散見され、従来のバラエティに飽きた層が新鮮さを感じていることがわかる。
この反応は、松本人志が意図した“新しい笑いのプラットフォーム”が実際に届いている証でもある。
また、初回を見た視聴者の多くが「次も絶対見る」と投稿しており、シリーズとしての継続を期待する声が急増中だ。
番組の方向性に賛否はありつつも、「やっぱり松本の実験は面白い」という評価で一致しているのが印象的だ。
SNS上での盛り上がりが、今後の『ダウンタウンプラス』を支える熱量となっていくことは間違いない。
今後の配信スタイルと次回予告
『ダウンタウンプラス(DOWNTOWN+)』の公式サイトでは、配信スタイルとして「生配信とアーカイブ配信のハイブリッド形式」を明示している。
毎回のメイン企画やトーク部分は生配信で実施され、終了後には一部を編集したアーカイブ版が配信される予定だ。
つまり、視聴者はリアルタイムの緊張感と、後からじっくり見返す“保存型の面白さ”の両方を楽しめる構成になっている。
初回放送を皮切りに、今後は週2〜3回のペースでオリジナル企画が更新される見込み。
配信スケジュールは固定ではなく、月曜には過去作の再配信、水曜と金曜には新作、さらに不定期で生配信イベントを行う形式が想定されている。
この柔軟なスケジュールこそ、テレビでは実現できない“いつでも笑いが生まれる空間”としての利点だ。
次回放送のテーマは現時点で未発表だが、公式Xの告知文からは「新たな芸人×松本人志による即興企画」を示唆する言葉が見られる。
ファンの間では「第2回もトーナメント形式になるのか?」「今度は浜田雅功も登場するのでは」といった予想も飛び交っており、早くも注目度は高い。
今回の「実のない話トーナメント」が示したように、本番組は“笑いの再構築”をテーマに掲げている。
笑いの原点である「会話」と「空気」を徹底的に掘り下げる姿勢は、今後の配信業界全体に影響を与える可能性さえある。
『ダウンタウンプラス』は、まだ始まったばかり——。
次の企画がどんな化学反応を起こすのか、ファンとしても見逃せない展開だ。
まとめ|“笑いの原点”を再び問い直すダウンタウンプラスの挑戦

初回企画「実のない話トーナメント」は、一見すると軽妙な遊びのようでいて、実は『ダウンタウンプラス』という番組そのものの方向性を象徴する挑戦だった。
台本に頼らず、芸人同士の会話と空気だけで笑いを成立させる——それは、松本人志が長年探求してきた“笑いの瞬間芸”の原点に立ち返る試みだ。
SNSでの盛り上がりを見ても、視聴者が求めているのは過剰な演出ではなく「人間味のある笑い」だということがはっきりと見えた。
配信という自由な場を得たダウンタウンが、今後どんな企画で“笑いの再定義”を続けていくのか。
この番組は、ただの新サービスではなく——お笑いという文化そのものの“現在地”を映す、実験の場となりつつある。
出典:DOWNTOWN+公式サイト(https://downtown-plus.com)