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ハチミツ二郎、左足を膝上から切断──壮絶な闘病と“再起”への道

命を懸けた決断。『足を切る』その先にも希望はある──

東京ダイナマイトのハチミツ二郎(50)が、左足を膝上から切断する手術を受けたことが明らかになった。
有吉弘行がラジオ番組で唐突に発表したこのニュースは、芸能界とファンに衝撃を与えている。

しかしこれは、突如として訪れた出来事ではない。彼は過去にも急性心不全、敗血症性ショック、腎機能不全といった幾重もの試練を経験してきた。
今回の決断は、痛みと恐怖を伴いながらも、生きるため・新たに歩むための選択だった。

この記事では、「なぜ切断に至ったのか」「その直前の闘病軌跡」「義足・再起の可能性」を、関係者発言も交えながら丁寧に追う。

死線を超えて、笑顔を取り戻すまで──

東京ダイナマイトのハチミツ二郎さん(50歳)が、足を膝上から切断する手術を受けていたことが、2025年10月5日、有吉弘行さんのラジオ番組で明らかになった。

唐突とも思える発表だった。「ハチミツ二郎さんが足を切りました」という有吉さんの一言は静かな衝撃を伴い、リスナーの耳に重く響いたという。

その背後には、ただの事故や一時の治療では語れない、長年にわたる苦悶と決断の物語がある。
この先を読む読者のために、まず彼を形づくった“闘病の軌跡”から振り返ってみたい。

幾度も挑まれた死線と闘いの日々

コロナ感染と意識不明の時間

2021年。新型コロナウイルスに感染したハチミツ二郎さんは、重症化し、8日間の意識不明の状態に陥った。目覚めたとき、彼の体には首からの医療チューブが繋がれており、人工透析が開始されていたという。

彼自身も後に語っている。「意識がないうちに透析が始まっていた」。この一言に込められた衝撃は、延命処置という名の“不可逆の治療”が、彼の人生を根底から変えた瞬間だった。

透析は“始めたらやめられない”治療だ。これ以降、肉体の自由と将来への不安が、彼の生活を制約する大きな壁となった。

腎移植と失敗、そして敗血症の危機

2023年、母親をドナーとする腎移植手術を受けたものの、残念ながら成功には至らなかった。

その後、左大腿部(脚の太もも~会陰部あたり)に膿瘍(内膿瘍)ができ、敗血症性ショックを起こす事態にまで至った。これにより命の危険が迫る中、彼は何度も入退院を繰り返しながら、舞台にも立ち続けてきた。

舞台へ上がるときだけは、“漫才師”としての魂が彼を支えたという。肉体の苦痛と戦いながらも、ステージに立つことをやめなかった彼の姿勢には、多くの人が胸を打たれた。

家族、子育て、シングルファーザーとして

もともと離婚歴があり、現在は12歳の娘を育てながらの生活。

X(旧Twitter)で報じた内容によれば、今年5月のラジオ出演時には、「8歳からシングルファーザー」と語っている。

人工透析を行いながら、毎日食事を作り、自ら食材を買いに出かける姿、弁当作りのこだわり(「野菜を入れず、好きなものだけ」など)もファンの間で語られている。

入院と手術直前の状態

本人は9月7日、自身のSNSで「入院中」であることを明らかにしていた。

この入院中に“重大な手術”を受けたとの報告が、10月1日のブログ更新でなされた。

これらの経緯を見れば、膝上切断は突発的な事故やケガによるものではない。「命を守るための選択」の結果であった可能性が高いだろう。

切断という決断──生きるための選択

9月下旬。ハチミツ二郎さんは、長期入院中の病院で“重大な手術”を受けたと報告した。
「もう26日目。大きな手術もしました」――彼のブログに綴られたその一文は、静かで淡々としていながらも、読む者の胸を打つ重さを持っていた。
(出典:本人ブログ「TKD-AMB」2025年10月1日投稿

しかし、その「大きな手術」が何を意味していたのかが世に知れたのは、数日後のことだった。
有吉弘行さんがラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(10月5日放送)で、「ハチミツ二郎さん、足を切りました」と言葉にしたのだ。
会話のトーンは軽妙でも、その内容は重く、スタジオには短い沈黙が流れたという。
(出典:日刊スポーツ


敗血症との闘い、そして膿瘍による壊死

ハチミツ二郎さんが今回の手術に至った背景には、左大腿内部の膿瘍(のうよう)がある。
この膿瘍が進行し、細菌が血液中に侵入して敗血症性ショック
を引き起こした。
敗血症は全身の臓器を蝕み、処置が遅れると死に至る危険な病だ。

特に彼の場合、透析治療で免疫が低下しており、感染のリスクが高かった。
そのため、感染を根絶するには「壊死した部位の切除」しか選択肢が残されていなかった可能性がある。

医師たちの判断と本人の意志によって、左脚の膝上切断が行われたのは9月下旬。
「命を守るための切断」――この言葉が、まさに現実となった瞬間だった。


芸人仲間からの支えと有吉の“言葉の意味”

このニュースに最初に触れたのは、有吉弘行さんだった。
彼は10年来の交流があり、二郎さんがどれだけ病気と戦い続けてきたかを知る数少ない人物だ。
あえて“笑いの現場”で「足を切った」と明かした背景には、「彼のことを忘れないでほしい」という思いがあったのかもしれない。

同放送内で有吉さんは、冗談を交えつつも「本当にすごい。頑張ってる」と語っている。
それは芸人仲間としての最大限のエールだった。
(出典:文化放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』2025年10月5日放送より

他の芸人仲間からも、SNSを通して次々と励ましのコメントが寄せられている。
「二郎さんの笑顔がまた見たい」「必ず帰ってきてほしい」――
彼の人生と芸を知る仲間たちの言葉は、どれも温かいものだった。


シングルファーザーとしての思いと娘への手紙

彼には、ひとり娘がいる。
ラジオ番組やブログでは、娘への思いを何度も綴ってきた。
「俺は、あの子に弁当を作り続けたい」「病気なんかに負けてられない」
そんな言葉の裏にあるのは、父親として生き抜く決意だ。

今回の手術によって、日常生活はこれまで以上に厳しいものになる。
それでも、娘に“笑っている父親”を見せたい――。
彼の選択には、そんな覚悟が滲んでいる。


義足とリハビリ、そして“舞台復帰”への希望

手術後、ハチミツ二郎さんはリハビリを始めていると見られる。
膝上切断の場合、義足の装着には通常より長い訓練期間が必要だ。
しかし、人工透析との併用リハビリは決して不可能ではない。

「もう一度、ステージに立つ」
彼がかつて語ったその言葉が、再び現実になる日を、ファンたちは静かに待っている。


終章へ向けて

闘病、切断、リハビリ、再起。
それはひとつの「悲劇」ではなく、生き抜く物語だ。

お笑い芸人としてのハチミツ二郎さんは、笑いを届けるためにステージに立ち続けた。
これからは、その「生きる姿」そのものが、人々に勇気を与えるステージになるのかもしれない。

本人の言葉と、支える声たち

「切り抜き禁止」という静かな訴え

10月1日、ハチミツ二郎さんは自身のブログ『TKD-AMB』を更新した。
そこに綴られた言葉は、短く、静かで、どこか覚悟を感じさせるものだった。

「入院してます。もう26日目。大きな手術もしました。
なので切り抜きは禁止です。」

この一文は、彼の“プライド”と“静かな願い”を象徴している。
誰かに注目されたいわけではなく、憐れみも求めていない。
ただ、自分の人生を自分の言葉で語りたい――。
それが、芸人としての矜持でもある。

彼はこれまでも病気をネタにせず、過剰に悲壮感を漂わせることもなかった。
「笑わせることが自分の生き方」と語ってきたその姿勢は、病床にあっても変わらない。


芸人仲間・ファンからの声

手術の報が伝わるやいなや、芸能界やファンの間で大きな反響が広がった。

同じ芸人仲間の間では、SNS上で「信じられない」「絶対に戻ってきてほしい」という声が相次いだ。
彼を知る人たちは皆、共通して“強さ”を語る。
「二郎さんは痛みにも笑いを忘れない人」「あの人は、何度でも立ち上がる」――。

ネット上でも、「あの人の漫才をまた見たい」「生きていてくれて本当によかった」といったコメントが相次ぎ、
彼のこれまでの歩みが、どれほど多くの人に届いていたかを物語っている。


娘の存在が支える“再起の原動力”

どんな苦難の中でも、ハチミツ二郎さんの中心にあるのは「娘の存在」だ。
2025年の春ごろには、SNSで娘との日常や、作った弁当の写真を投稿していた。
「好きなものだけ入れてあげたい」「朝5時に起きてでも作る」――その言葉に、父としての愛情があふれていた。

彼にとっての“再起”とは、ステージに戻ることだけではない。
それは、娘の前で「笑って立つ」こと。
そのために、義足のリハビリにも真剣に取り組む姿勢が見える。


義足と新しい人生

膝上切断後のリハビリは長く険しい。
義足装着には筋力・バランス・歩行訓練が欠かせない。
さらに彼の場合、透析治療との両立という制約がある。

それでも、芸人・人間・父親として再び立ち上がる姿は、多くの人に希望を与えるだろう。
過去にも「死の淵」から何度も帰ってきた男だ。
2021年のコロナ感染時には、集中治療室で意識を失いながらも、「戻ってこい」と願う声に応えるように目を覚ました。
その生命力と精神力が、今回も彼を支えている。


最後に──生きること、笑うこと

ハチミツ二郎という芸人は、決して派手なタイプではない。
けれど、その生き様には、どんなドラマよりも深い“人間の強さ”がある。

足を失っても、彼は芸を失ってはいない。
むしろ、その経験が新しい言葉を生み、新しい笑いの形をつくるだろう。

「生きて、笑って、またステージに立つ」
その日が来るまで、多くの人が彼を見守り、祈り続けている。

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出典メモ(一次情報)

  • 本人ブログ『TKD-AMB』(2025年10月1日投稿)
  • 日刊スポーツ(2025年10月6日付)
  • スポニチアネックス(2025年5月27日掲載)
  • 文化放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(2025年10月5日放送)
  • テレビ朝日・芸トピほか報道各社

※本記事は公式報道および本人ブログの公開情報に基づいて構成しています。SNS投稿等の無断転載は行っておりません。

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