いいとも便

夜のいいともエンタメ便Vol.145

今日も一日、おつかれさまでした。
エンタメの世界では、嬉しいニュースも、思わず考え込む話題も、さまざまな出来事が駆け抜けていきます。
そのひとつひとつが、日常の中に小さな感情の波を生んでくれる――
今夜もそんな“今日を象徴する出来事”を、静かな夜に寄り添うようにお届けします。
どうぞ最後までゆっくりとお付き合いください。

M-1グランプリ準決勝、“ワイルドカード”で滝音が復活

漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2025」で、準々決勝敗退組から準決勝へ復活できる“ワイルドカード”枠に、お笑いコンビ・滝音(さすけ、秋定遼太郎)が選ばれました。大会公式サイトの発表によると、準々決勝で敗退した104組のネタ動画が民放公式配信サービス「TVer」で公開され、視聴者が「一番面白い」と思った組に投票する仕組みで実施。その獲得票数1位となったのが滝音で、12月4日(木)に東京・NEW PIER HALLで行われる準決勝に“返り咲き”ます。

ワイルドカード制度は、準々決勝で涙をのんだ中から視聴者の一票で1組だけが準決勝に復活できる、M-1名物の視聴者参加型システム。2025年大会では過去最多となる1万1521組がエントリーしており、その中で一度は準々決勝で姿を消した滝音が、視聴者投票を足がかりに再び“逆転のチャンス”をつかんだ形です。

滝音はM-1準決勝進出が2年連続4度目。ワイルドカードでの復活は2021年に続き2度目で、同じく複数回ワイルドカード復活を経験している金属バット(2019・2022年)に続く史上2組目の“珍事”としても話題になっています。

準決勝にはすでに真空ジェシカ、ヨネダ2000、ヤーレンズ、ミキ、カベポスターなど計30組が名を連ねており、そこにワイルドカードの滝音が加わって31組が決勝進出を争う構図に。準決勝終了後の12月4日21時30分頃からは、TVerスペシャルライブで決勝進出者発表会見が生配信される予定で、MCは第16代王者・マヂカルラブリーが務めます。決勝および敗者復活戦は12月21日(日)にテレビ朝日系で生放送される予定で、視聴者の一票から復活した滝音が、どこまで勝ち上がるのか注目が集まっています。

明石家さんま、“IMALUと結婚します”発言にカッチーンとした過去

明石家さんまが、過去に「IMALUと結婚します」と公の場で言われた際に“心底カッチーンときた”と語ったエピソードが再び注目を集めている。トーク番組でこの出来事を振り返ったさんまは、当時その発言をした相手を本気で怒りながら見ており、「あのアホ、何を言うとんねんと思った」と強い口調で心情を明かした。表向きは笑いに変えたものの、父親としては決して笑い事ではなかったと強調した形だ。

この「IMALUと結婚します」という発言は、当時テレビ番組内での冗談として行われたもので、芸人同士の“ノリ”の延長線にあった。しかし、娘の名前を使った“結婚宣言”という形だったことで、プライベートの領域にまで踏み込まれたと受け止めてしまったのが大きかったようだ。娘を守りたい父としての感情と、お笑い芸人として“何でも笑いに変える姿勢”の間で葛藤が生まれた瞬間でもあった。

さらにさんまは、「この話を何十年経っても蒸し返されるのが嫌だった」と当時の心境も吐露。IMALU自身もインタビューで「父は昔の話を昨日の出来事みたいに語る」と語ったことがあり、今回のエピソードが長い年月を経ても忘れられていないことが明らかになった。

この告白は、「芸人だから何を言っても笑いで済むのか」という視聴者の議論も呼んでいる。ネタの対象が芸人本人であれば許容できても、家族や子どもにまで及ぶ場合、その線引きが難しくなるという問題が浮き彫りになった。さんまの発言は、芸能界の“笑いのためにどこまで踏み込むべきか”というテーマを改めて投げかける形となり、父としての素顔と芸人としての姿勢が同時に見えたエピソードとして大きな反響を呼んでいる。

🌙 つぶちゃん日常 Season11−6話「名前を呼ぶ練習」

名前を呼ぶたび、
足もとに「これから」の光の道が少しずつ伸びていく。

あの夜から、まだそう日はたっていないのに、
つぶちゃんはすっかり「灯花(とうか)」という名前が
口になじんできた気がしていました。

夕焼けと夜の境目。
家の前の石畳の道を、三つの灯りが並んで歩いていきます。

胸の前には黄金の本。
その横で、灯花はランタンを抱え、
頬をほのかに赤くしながら笑っている。

「ねえ、灯花。」
つぶちゃんが少し弾む声で呼びかける。

「なあに?」
灯花がうれしそうに返事をすると、
ランタンの灯りが、ぽん、と一段階あたたかくなる。

その変化がおもしろくて、
つぶちゃんはもう一度、今度は少しゆっくり呼んでみる。

「灯花。」

ランタンの灯りが、また少しだけ強くなった。
足もとにこぼれた光の粒が、石畳の上で
細い道みたいにつながっていく。

「ね、やっぱり。」
つぶちゃんが笑う。

「名前を呼ぶと、灯りがごきげんになるんだよ。」

灯花は俯きかけて、でもちゃんと顔を上げた。

「……うん。
 呼ばれるたび、ここにいていいんだって思えるの。」

ぴーくんがふたりの間をくるりと一回転し、
青い光で光の道を照らした。

その道が、どこまで続いているのかはまだわからない。
けれど、つぶちゃんも灯花も、
「この先を一緒に歩いてみたい」と
同じ方向を向いていることだけは、はっきりしていた。

そして今夜もまた、
黄金の本の見えないページには、
小さな一行が静かに書き足されていく。

——灯花と歩いた、最初の散歩のこと。

今夜の話題の中にも、笑顔や驚き、そして少しの余韻がありましたね。
エンタメは、ただの情報ではなく、心を少しあたためてくれる灯のような存在です。
明日はどんなニュースが生まれるのか――
その期待を胸に、今夜のエンタメ便はここまで。
おやすみなさい。

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