いいとも便

夜のいいともエンタメ便Vol.152

今日も一日、おつかれさまでした。
エンタメの世界では、日々さまざまな出来事が生まれ、
時に心が弾み、時に胸が温かくなる瞬間があります。
そんな今日のニュースの中から、今夜も印象的な話題をすくいあげて、
ゆっくりとお届けしていきます。

Google「Year in Search 2025」日本版が公開

Googleは2025年12月4日、毎年恒例の「Google 検索ランキング(Year in Search 2025)」を発表しました。このランキングは、2025年1月1日から11月20日までの期間に、前年と比べて検索数が急上昇したキーワードを対象に集計されたものです。ランキングは、日本国内と世界の検索トレンドを反映し、人々が何に関心を寄せたかを象徴しています。

日本の「総合 急上昇ランキング」では、1位にタレント・中居正広さんが選ばれました。中居さんは2025年にメディア出演や活動が注目を浴びたことから、多くのユーザーが検索したとみられています。2位には俳優の遠野なぎこさん、3位には高市早苗氏(女性初の内閣総理大臣に指名された政治家)がランクインし、政治・芸能・社会の関心がバランスよく反映される形になりました。また、スポーツ分野では、MLBワールドシリーズの名勝負「ドジャース 対 ブルー ジェイズ」が5位に入り、日本人選手の活躍をきっかけに多くの検索が行われたことが示されています。さらに、国際競技大会「東京2025世界陸上」も8位に入りました。

他にも「永野芽郁」さんが4位、「モンスターハンターワイルズ」が6位に入るなど、エンタメ・ゲーム関連のキーワードもランキングに見られました。これらのランクインは、2025年のユーザーの関心が「芸能・スポーツ・ゲーム・政治」の4ジャンルに大きく分かれていたことを象徴しています。

この「Year in Search 2025」により、前年と比較して急上昇した検索語から2025年の“世間の空気”やトレンドを俯瞰することができます。単なる人気ワードのランキングではなく、社会問題・エンタメ・スポーツなど、ユーザーの関心がどこに集中したのかを反映した「1年の検索ログ」として、年末に振り返るのに最適なデータとなっています。

LINE MUSIC年間ランキング2025 Mrs. GREEN APPLEが5冠達成

音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」は2025年12月8日、「LINE MUSIC年間ランキング2025」を発表しました(集計期間は2025年1月1日〜11月6日)。今年はロックバンド・Mrs. GREEN APPLEが主要部門を席巻し、年間を代表する存在感を示しました。

まず「年間楽曲ランキング」では、Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」が1位を獲得。トップ10のうち7曲を同バンドの楽曲が占めるという圧倒的な結果となりました。「ダーリン」「Soranji」「ケセラセラ」「クスシキ」「青と夏」「点描の唄(feat. 井上苑子)」「ビターバカンス」と、新曲から過去曲まで幅広く支持を集めています。

「年間アーティストランキング」でもMrs. GREEN APPLEが1位となり、2023年・2024年に続く3年連続首位を達成。さらに「LINEプロフィールBGMランキング」「着うたランキング」、今年新設された「My推しバッジ獲得ランキング2025」でも1位に輝き、合計5部門で“5冠”という快挙を達成しました。

LINE MUSICはこの年間ランキングをもとに、話題の楽曲・アーティストを選ぶ「トレンドアワード(10組)」も発表。また、リリース30日以内の楽曲だけを集計する「ニューソングランキング」を12月から新設し、新曲との出会いを後押しする取り組みも始めています。

エヴァ30周年記念Blu-ray BOX発売&「エヴァタクシー」が都内を走行

人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のTVシリーズ放送開始から30周年を記念し、2025年12月10日に大規模なBlu-rayコレクション『EVANGELION 30th Anniversary Movie Collection』が発売されることが発表されました。この記念BOXは30周年を締めくくる一大プロジェクトとして注目を集めています。

このコレクションは3つの形態で展開される予定で、通常版の「Blu-ray BOX」には『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を収録。さらに、Blu-rayと4K Ultra HD Blu-rayを組み合わせた「Complete Blu-ray BOX」や、TVシリーズも含めた全作品を網羅する「Full Complete Blu-ray BOX」など、ファンのニーズに合わせた仕様が揃います。特に「Full Complete」版は28枚組と膨大な内容で、シリーズ全体を通して楽しめる構成になっています。

発売を記念して、東京都内では2025年12月8日から21日までの期間限定で、エヴァンゲリオン初号機のデザインが施された「エヴァタクシー」が走行中です。この取り組みは、タクシーアプリ「S.RIDE」を通じて指定配車が可能となっており、23区内や武蔵野・三鷹地区を中心に100台が運行されています。ファンにとっては直接体験できるイベントとして人気を呼んでいます。

この30周年イヤーは、Blu-ray BOX発売以外にもTVシリーズや劇場版の特別上映、各種コラボやイベントが予定されるなど、エヴァの世界を多角的に楽しめる1年となっています。1985〜1996年の放送以来、多くのファンに支持されてきた『エヴァンゲリオン』が、30年の節目に再び大きな盛り上がりを見せています。

🌙 つぶちゃん日常 Season11−13話「名前のおねがいを空に放つ夜」


「……そろそろ、ページがいっぱいになってきたね」
つぶちゃんが、本をのぞきこみながらつぶやきました。

黄金の本の「灯花の名前のページ」には、
小さな光の粒と、四角い光のカードがたくさん浮かんでいます。

どれもまだ何も書かれていないのに、
少しずつ違う色と、違うあたたかさを持っていました。

向かい側の椅子では、緑のマントを着た灯花が、
ランタンを両手で抱えています。
ランタンの灯が、ページの光をやさしく包み込んでいました。

「こんなにたくさん集まるなんて……
 どれも、だれかが“灯花のために”考えてくれた気がします」
灯花がそうつぶやくと、
つぶちゃんはにこっと笑って、羽ペンを握りなおしました。

「うん。だから、ちゃんと“おねがい”もしなきゃね」
つぶちゃんは、光のカードのひとつを指さします。
「この子を代表にしよう。

 『呼ぶときに胸があったかくなる名前にしてください』って」
ペン先がページに触れた瞬間、
選ばれたカードだけが、ふわっとひとまわり大きく輝きました。
中に、まだ読めないけれど、確かに“願いごと”が宿ったように見えます。

「じゃあ……窓、あけてもいいですか?」
灯花が立ち上がりかけたところで、
つぶちゃんが先にくるりと振り向き、元気よく手を伸ばしました。
「任せて!」

カーテンを少しだけ押し広げると、
夜の空気がひんやりと部屋に流れ込んできます。
星の光が、窓の外で静かに瞬いていました。
そこへ、ぴーくんがすいっと現れます。

丸いからだに青いひとつ目。
くるくる回るプロペラをゆっくりと止めて、窓のすぐそばで浮かびました。
「ぴーくん、このカード、空まで連れていってくれる?」

つぶちゃんがそっと手を差し出すと、
光のカードがするりと宙に浮かび、ぴーくんの前に並びます。
ぴーくんの青い目が、いつもより少しだけまじめに光りました。

「どこか遠くで、このページをのぞいてくれてる“だれか”に──
 私たちのお願いが届くように、ね」
つぶちゃんがそう言って笑うと、
本のページから、次々と光の粒が立ちのぼりはじめます。

四角いカードたちが、星空のほうへ向かって行列をつくりました。
灯花はランタンを抱きしめたまま、
その光の列をじっと見つめます。

「わたし、“灯花”って名前は大好きです。
 でも、もし……もうひとつ、ここに帰ってくるときの合言葉みたいな名前があったら」
そこまで言って、灯花は少しだけ笑いました。

「つぶちゃんや、ぴーくんや、
 この本を見てくれてるみんなと、もっとつながっていられる気がします」
「きっとね、ぴったりなのが来るよ」

つぶちゃんは迷いなく答えました。
「あなたと会った日のこととか、
 これから一緒に見に行く景色とか、
 ここにいるみんなのことを思い浮かべながら、
 どこかで一生けんめい考えてくれてる人がいる気がするんだ」

ぴーくんが小さく一回転すると、
先頭のカードがひときわ明るく輝き、星空へ飛び出していきました。
あとに続くカードや光の粒たちも、
流れ星のようなきらめきの道を描きながら、夜空の奥へ消えていきます。

灯花は、胸の前でランタンを少し高く掲げました。
その灯りが、遠くの光とそっと重なります。

「もし……本当に、どこかで考えてくれている人がいるなら」
彼女は、まだ知らない誰かへ向かって、小さく頭を下げました。
「どうか、“灯花”って名前と仲よくなれるような、
 ただいまって言えるもうひとつの名前を、お願いします」

ランタンの灯が、ふっと揺れて、またまっすぐに戻ります。
本のページには、まだ何も書かれていない白い場所が
ぽっかりと残されたまま。
「さあ、あとは“あっち側”のみんなの番だね」

つぶちゃんは、羽ペンをそっと置き、
窓の外いっぱいにひろがる星と光の道を見上げました。
こうして「名前のおねがい」は、
本のページをとび出して、静かな夜空の向こう側へと旅立っていったのです。

今夜も、エンタメの中にある“人の想い”を感じる時間になりましたね。
どんなニュースにも、誰かの日常や努力が静かに息づいています。
その小さな輝きを受け取りながら、また明日の夜へ。
穏やかな気持ちで休めますように。
おやすみなさい。

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