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JC・JK流行語大賞2025まとめ|5部門ランキングと意味・由来を徹底解説

JC・JK流行語大賞2025とは?女子中高生1,000人が選ぶ5部門のトレンド指標

2025年のJC・JK流行語をスマホでチェックする女子学生たちのイラスト。若者トレンドの会話やSNS文化を象徴する画像。

「JC・JK流行語大賞」は、女子中高生の“リアルな感覚”をそのまま切り取ることを目的にしたトレンドアワードで、Z世代マーケティング会社・AMFが2017年から毎年発表しているランキングです。

2025年版は、全国の女子中学生・女子高校生約1,000人を対象にしたアンケート結果と、トレンドウォッチを専門に行う「JCJK調査隊」の選考を組み合わせて、2025年1月〜11月のムーブメントを集計。ヒト・モノ・コンテンツ・コトバに加え、今年から「BeReal.部門」が新設され、合計5部門のランキングとして発表されています。

ヒト部門では、恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』から人気に火がついた長浜広奈のように、「同世代の代表」として支持される人物が上位にランクイン。 モノ部門ではシール帳やLABUBU、トゥントゥントゥンサフールなど、“かわいい”と“シュールさ”が同居するアイテムが目立ちました。

コンテンツ部門の「Love Type16」や、ChatGPTを使って自分そっくりのドット絵アバターを作る「ピクセルキャラ」加工など、診断系コンテンツと生成AIを組み合わせた遊び方が広く浸透しているのも2025年の特徴です。 コトバ部門では「〇〇で今これ」「スピ活」など、しんどさや願掛けを“ネタ”として共有する言い回しが支持され、BeReal.部門では「江戸走り」や「えぐしゅぎ」のような、一瞬のノリを切り取るミームがトレンドになっています。

総評として主催のAMFは、2025年のJC・JKトレンドを「エンタメもAIで」「嫌なことであればあるほどバズる」一年だったと振り返っています。 宿題や悩み相談だけでなく、AI音楽やAI加工を使って“遊びの相棒”にしてしまう姿勢と、テストや部活のつらささえも「〇〇でしぬう」「〇〇で今これ」で笑いに変えて共有するメンタリティが、今年の女子中高生カルチャーを象徴していると言えます。

JC・JK流行語大賞2025|5部門ベスト5まとめ

まずは、JC・JK流行語大賞2025の「全体像」をサッと把握できるように、5部門それぞれのベスト5を一覧で整理します。

ヒト部門(人物トレンド)

  1. 長浜広奈(タレント)
  2. M!LK(アーティスト)
  3. 高市早苗(政治家)
  4. ガミックス(YouTuber)
  5. iLife!(アイドルグループ)

・1位の長浜広奈は、恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』をきっかけに“おひな様”としてブレイクした同世代スター。JC・JKから見た「身近なカリスマ」の象徴です。
・2位のM!LKは「イイじゃん」など、日常で使える前向きワードを量産したグループとして支持を獲得。
・3位に日本初の女性首相となった高市早苗が入っているのも、ニュースと推しカルチャーが地続きになっている今の感覚をよく表しています。

モノ部門(モノ・アイテム)

  1. シール帳
  2. めじるしアクセサリー
  3. LABUBU
  4. カンケンリュック
  5. トゥントゥントゥンサフール

・1位のシール帳は、平成世代が懐かしむ文化がZ世代・α世代で「平成女児ブーム」として再燃した形。透明なシール帳にぷくぷくシールを詰めるのが2025年流です。
・トゥントゥントゥンサフールは、不気味かわいい木製キャラ+AI音楽がセットになったネットミームで、「気持ち悪いのにクセになる」感覚がウケています。

コンテンツ部門(アプリ・エンタメ)

  1. Love Type16
  2. ピクセルキャラ
  3. ナルトダンス
  4. 横揺れダンス
  5. ぷくぷく界隈

・1位のLove Type16は“恋愛版MBTI”とも呼ばれる診断コンテンツ。診断結果のスクショや「忠犬ハチ公」などキャラ性の強いタイプ名が、恋バナの共通言語になりました。
・2位のピクセルキャラは、自分の写真をもとにドット絵アバターを生成するAI加工。韓国発のトレンドが、ファッション系インフルエンサー経由で日本に広がった流れです。

コトバ部門(ことば・言い回し)

  1. 〇〇で今これ
  2. 自認○○
  3. スピ活
  4. 〇〇でしぬう
  5. メロい

・1位の「〇〇で今これ」は、「テストなのに寝坊して遅刻して今これ」など、今のヤバい状況をそのままネタにして共有するフレーズ。ストーリーズやショート動画のテキストで多用されています。
・「自認○○」は、自分で先にボケてしまう“セルフツッコミ文化”の象徴。「自認レゼ」「自認マリーちゃん」など、他人からラベリングされる前に自分で名乗るノリが支持されています。

BeReal.部門(新設・リアルな日常ネタ)

  1. 江戸走り
  2. リムレスメガネ
  3. えぐしゅぎ
  4. おもちポーズ
  5. もっちゅりん(ミスド新作)

・1位の江戸走りは、横向きで半身になって走るネタ走法。TikTokやYouTubeショートで総再生2.7億回超のバズを記録し、「BeReal.の通知が来た瞬間にみんなで江戸走りをする」という遊び方まで定着しました。
・2位のリムレスメガネは、K-POPアイドル発の“ナードかわいい”アイテム。Y2Kファッションとの相性もよく、顔まわりのアクセ感覚で取り入れられています。

2025年のJC・JKトレンドを一言でいうと?

2025年JC・JK流行語を「ヒト・モノ・コンテンツ・コトバ」に分類して説明する女子学生のイラスト。若者言葉ランキングの構造を示す場面。

2025年のJC・JK流行語大賞を主催するAMFは、今年の傾向を
「エンタメもAIで」「嫌なことであればあるほどバズる」
という2つのキーワードでまとめています。

診断コンテンツ、AI加工、ミーム文化、自虐まじりの言い回し──。
5部門のランキングを眺めると、「楽しいこと」だけでなく「しんどさ」「不安」さえも笑えるネタに変えて、SNSで共有してしまう姿がくっきり見えてきます。

ここからは、その特徴を3つのポイントで整理してみましょう。


AI加工が“生活インフラ”レベルで当たり前に

コンテンツ部門を見ると、1位の「Love Type16」、2位の「ピクセルキャラ」など、診断やアバター生成のような“AI+自己表現系”コンテンツが上位を占めています。

  • Love Type16
    → 恋愛版MBTIのような診断で、「忠犬ハチ公」「裏切られた前世姫」など、ちょっと大げさで笑えるタイプ名がSNSの共通言語に。
  • ピクセルキャラ
    → 自分の写真やイメージをもとに、ドット絵アバターをAIで生成する加工。韓国発トレンドがインフルエンサー経由で日本に広がりました。

ここ数年で「写真を盛る」だけだった加工は、

  • 自分そっくりのドット絵を作る
  • ミームキャラに自分の顔をはめる
  • AI音楽に合わせてネタ動画を作る

といった方向へ拡大。

同じくモノ部門に入った「トゥントゥントゥンサフール」も、AI生成の楽曲と“気味が悪いけどクセになる”キャラクターの組み合わせが話題になった存在で、AIとミーム文化の相性の良さを象徴しています。


「しんどさ」も自分ツッコミでネタ化する

コトバ部門のランキングを見ると、上位はほとんどが“自虐+共有”タイプのワードです。

  • 〇〇で今これ
    → 「テスト前なのに全然勉強してなくて今これ」「部活の大会明日なのにケガして今これ」など、ピンチな状況をストーリーで共有するときの定番フレーズ。
  • 自認○○
    → 「自認レゼ」「自認マリーちゃん」など、自分で先にボケてしまうセルフツッコミ系の言い回し。
  • 〇〇でしぬう
    → 宿題、テスト、部活、恋愛など、どれだけしんどくても“かわいい嘆き”に変換する表現。

どれも「つらい・しんどい」を直接言うのではなく、

  • ちょっと笑える言い方に変える
  • 絵文字やスタンプとセットで軽く見せる
  • 友達同士で“わかる”と共感する

というコミュニケーションの仕方が前提になっています。

AMFが上半期のトレンド分析で「自分ツッコミ職人化」「セルフ診断カルチャー」といったキーワードを挙げていたように、
“自分で自分をネタにする”スタイルが、2025年もそのまま年間のJC・JKカルチャーを貫いた形です。


推しもニュースも同じタイムラインに並ぶ時代

ヒト部門では、恋リア出演者の長浜広奈やボーイズグループM!LKと並んで、日本初の女性首相となった高市早苗が3位にランクインしています。

  • 恋愛リアリティ番組の出演者
  • スクール行事で使われる楽曲のアーティスト
  • 政治ニュースの中心人物

この3者が、TikTokやXのタイムライン上ではほぼ同列に流れてくる──
そんな「情報のフラットさ」が、2025年の特徴と言えます。

一方で、大人向けの「新語・流行語大賞」では、高市首相は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」というフレーズで年間大賞を受賞しました。

同じ人物でも、

  • 大人世代 … 政治・経済・働き方の象徴としての“言葉”
  • JC・JK … TikTokやニュースで見かける“推しに近い存在”

という、まったく違う文脈で受け止められているのが面白いところです。


大人世代には伝わりにくい?要注意ワード5選

ここからは、ランキング上位ワードの中でも、
「意味を知らないままだと会話についていきづらい」
大人世代要注意ワードを5つピックアップして、簡単に解説します。

〇〇で今これ(コトバ部門 1位)

  • 意味:
    いま自分が置かれている“わりとピンチな状況”を、画像や動画+一言で共有するときの定番フレーズ。
  • 使い方イメージ:
    「テスト前なのに寝落ちして今これ」「締切3分前で今これ」など。

ニュース的な事件ではなく、日常の小さなトラブルを“実況中継”する感覚に近く、「ドン引きネタ」よりも「わかる〜」と共感してもらえるラインで使われます。

自認○○(コトバ部門 2位)

  • 意味:
    「自称○○」の2025年版。自分で先にボケるセルフツッコミ。
  • 例:
    「自認レゼ(恋愛がうまくいかない人)」「自認マリーちゃん(病み寄りヒロイン)」など。

他人からレッテルを貼られる前に、自分で「私、自認○○なんで」と言ってしまうことで、つらさも笑いに変えてしまうのがポイントです。

江戸走り(BeReal.部門 1位)

  • 意味:
    横向きで半身になって走る、江戸時代風の“ネタ走り”。
  • 流行のきっかけ:
    TikTok・YouTubeショートで総再生2.7億回超えのバズを記録し、「江戸走り界隈」と呼ばれるほど一大ミームに。

BeReal.の通知が来た瞬間に、その場にいた友達全員で江戸走りをして写真を撮る、
という“儀式”のような遊び方も定着しています。

ぷくぷく界隈(コンテンツ部門 5位)

  • 意味:
    ぷっくり立体的な“ぷくぷくシール”やシール帳が好きな人たちの界隈。
  • 背景:
    モノ部門1位の「シール帳」と連動していて、平成世代の記憶にある“シール交換文化”が、Z世代/α世代でアップデートされた形と考えるとイメージしやすいです。

トゥントゥントゥンサフール(モノ部門 5位)

  • 意味:
    不思議な木のキャラクター+ループするAI音楽がセットになったおもちゃ・コンテンツ。
  • 特徴:
    「ちょっと不気味」「でも目が離せない」という“違和感の心地よさ”がウケており、動画サイトやSNSで「気づいたら何回も見てる」「頭から離れない」と話題になりました。

JC・JK流行語大賞2025と「新語・流行語大賞」/検索ランキングの違い

同じ2025年を切り取ったランキングでも、「JC・JK流行語大賞」と「新語・流行語大賞」「Google検索ランキング」では、見えてくる景色がかなり違います。

大人向け「新語・流行語大賞」とのギャップ

2025年の「現代用語の基礎知識選 T&D保険グループ 新語・流行語大賞」では、年間大賞に高市早苗首相の

働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相

というフレーズが選ばれました。トップテンにも「緊急銃猟/クマ被害」「戦後80年/昭和100年」「トランプ関税」「二季」「ミャクミャク」など、社会問題や政治・経済・国際情勢に関わる言葉が多く並んでいます。

一方、JC・JK流行語大賞のランキング上位は、

  • 推しや恋リア出演者(長浜広奈、M!LK)
  • 不思議かわいいキャラやぬいぐるみ(LABUBU、トゥントゥントゥンサフール)
  • 診断コンテンツやAI加工(Love Type16、ピクセルキャラ)
  • 日常の“しんどさ”をネタ化する言葉(〇〇で今これ、自認○○ など)

といった、“生活・遊び・推し活”に直結するワードが中心です。

同じ高市首相ひとつを取っても、

  • 新語・流行語大賞…「女性首相としての歴史的意義」「働き方・政治の文脈」
  • JC・JK流行語大賞…「ニュースやSNSで見かける存在」「推しやインフルエンサーと同じタイムラインにいる人」

という、まったく違う角度から見られているのが分かります。

Google検索ランキングとの共通点と違い

Googleが発表した「検索で振り返る 2025」では、

  • 中居正広
  • 遠野なぎこ
  • 高市早苗
  • 永野芽郁
  • ドジャース 対 ブルージェイズ

など、“実際にニュースで何度も名前を聞いた人・出来事”が急上昇ワードとして並びました。

ここでは、

  • 社会全体が気になった話題
  • テレビやニュースで大きく取り上げられたトピック

が、そのまま検索行動として表現されています。

これに対してJC・JK流行語大賞は、

  • 同じ人物・出来事がランクインすることはあっても
  • 「どの切り口で」「どう楽しんでいるか」にフォーカスしている

のが大きな違いです。

たとえば、

  • Google検索ランキング…「高市早苗」「ドジャース 対 ブルージェイズ」といった固有名詞がそのまま並ぶ
  • JC・JK流行語大賞…「Love Type16」「江戸走り」「〇〇で今これ」といった“遊び方・受け止め方”がランキングに出てくる

というように、
“ニュースの見出しになる言葉”と
“タイムラインで回ってくる言葉”の差が、そのままランキングの差になっているイメージです。


まとめ ─ JC・JK流行語大賞2025から見える「10代女子のいま」

2025年のJC・JK流行語大賞をあらためて振り返ると、女子中高生のカルチャーには、いくつかのはっきりした特徴が見えてきます。

  1. AIは「怖いもの」ではなく、完全に“遊びの道具”になっている
    • 恋愛診断のLove Type16や、ドット絵アバターを作るピクセルキャラなど、AIを前提としたコンテンツが自然に暮らしの一部になっている。
    • 「AI音楽+不思議なキャラ」のトゥントゥントゥンサフールのように、AI発のミームを笑いながら楽しむ感覚も広がっている。
  2. しんどさや不安も、“自分ツッコミ”で笑いに変えるメンタル
    • 「〇〇で今これ」「〇〇でしぬう」「自認○○」といった言葉は、テスト・部活・恋愛などのストレスを、そのままネガティブに吐き出すのではなく、少しだけ笑いのフィルターを通して共有するためのもの。
    • 「嫌なことであればあるほどバズる」という主催者コメントどおり、つらさをネタに変えて乗り越えようとする空気が感じられます。
  3. 推し・ニュース・ミームが、同じタイムラインにフラットに並ぶ
    • 長浜広奈やM!LKと、高市首相のような政治家が同じヒト部門ランキングに入っているのは、恋リアも政治ニュースも、同じSNSのタイムライン上で消費されている時代ならでは。
    • 「江戸走り」や「ぷくぷく界隈」のようなミームも含めて、あらゆる情報が、同じノリで共有されているのが2025年の特徴です。

大人から見ると、「意味が分からない」「何が面白いのかピンと来ない」言葉も多いかもしれません。
それでも、その裏側には、

  • 勉強や将来への不安を抱えつつ
  • 推しや友達との時間を大事にして
  • それでも笑って日常を回していきたい

という、いまの10代女子ならではの感覚がしっかり詰まっています。

JC・JK流行語大賞は、単なる「若者言葉一覧」ではなく、
女子中高生のリアルな気分や価値観を測る“温度計”のような存在です。

2025年版のランキングをきっかけに、
自分たちの学生時代と比べてみたり、子ども世代と話すネタにしたり、
あるいは新しいサービスやコンテンツのヒントにしたり──

それぞれの立場から、この“10代のリアル”をのぞいてみると、
2025年の日本が少し違って見えてくるかもしれません。

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