
大人気小説のコミカライズ『薬屋のひとりごと』。ここでは ねこクラゲ(作画)×七緒一綺(構成)×日向夏(原作)の ビッグガンガン版 第1巻を取り上げます。 宮廷ミステリーとしての面白さはもちろん、主人公・猫猫(マオマオ)の“観察→仮説→検証”のプロセスが極上の読書体験を生む入門巻です。
発売情報(まず事実)
- 発売日:2017年9月25日
- レーベル/出版社:ビッグガンガンコミックス/スクウェア・エニックス
- 判型・定価:B6判・770円(税込)
- ISBN-13:9784757554894
出典:スクウェア・エニックス公式商品ページ(書誌・価格・ISBN)。
公式導入(ネタバレなし)
花街育ちで薬師の才を持つ少女・猫猫は、後宮で下女として働くうちに
「帝の御子がみな短命」という噂を耳にする。好奇心と知識欲に突き動かされ、
彼女は“つい”原因の推理に踏み出してしまう──。
観察→仮説→検証という薬師的思考で状況を切り開く姿が痛快で、
宮廷を舞台にした人間模様も静かに熱い。
参考映像:アニメPV(コミカライズ版との雰囲気リンク用)
読み味ポイント(この1巻で掴めること)
1. ロジックの気持ちよさ
猫猫は「勘」ではなくデータで動く。匂い、色、体調の変化…些細な兆候から 複数の仮説を立て、もっともらしい解に絞る。推理の“段取り”が視覚的に追える絵作りで、 ミステリーとしての満足感が高い。
2. 宮廷=“密室”の面白さ
後宮という閉じた社会では、噂・習俗・権力が謎解きの変数になる。 事件は派手でなくても、人の立場や思惑が絡み合ってスリルが生まれる。 1巻時点で“人の運命を左右する些細な要素”の怖さがよく分かる。
3. 絵が導く没入感
ねこクラゲの柔らかな線と視線誘導が抜群。濃密な装飾や衣装の描写が “古代中華風”の空気を自然に立ち上げ、説明に頼らず世界を理解できる。
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おすすめ読者層
- ミステリー要素のある時代劇/宮廷ものが好き
- 論理で状況を切り開く主人公を見たい
- アニメから原作コミカライズへ“入口”を探している
混同に注意:もう一つのコミカライズ
『薬屋のひとりごと』は小学館・サンデーGXでも 倉田三ノ路作画の別コミカライズが連載されています。 本記事はスクエニ(ビッグガンガン)版の1巻レビューです。 GX版1巻を探す場合は「猫猫の後宮謎解き手帳」の表記を目印にすると確実。
関連リンク(公式情報)
まとめ
1巻は“猫猫という視点”に惚れる巻。大仕掛けの派手さではなく、些細な違和感を拾い、 仮説を磨いていく知性のカタルシスが詰まっています。まずは試し読み→ 気に入ったら紙かKindleで。ここから長い連載を追う価値ありです。