2025年に世界が最も検索した10人とは?

2025年も、世界中の人たちがスマホやPCの検索窓に、さまざまな名前を打ち込みました。
誰かのスキャンダル、歴史的な偉業、政治の大ニュース、スポーツやエンタメのスター……。そのすべての「関心」の軌跡を、毎年Googleがまとめて公開しているのが「Year in Search(検索で振り返る)」です。
この記事では、その中でもグローバル版の「People(人物)」カテゴリに注目し、2025年に世界で急上昇した「最も検索された人物」TOP10を解説していきます。ランキングは、単純な検索総数ではなく「前年よりどれだけ検索が急増したか」をもとにした“トレンドランキング”で、まさに今年ならではの関心の偏りがそのまま表れたものです。
上位に並ぶのは、日本でもニュースで名前を見かけた世界的アーティストから、新しく選出されたローマ教皇、歴史的な選挙で注目を集めた政治家、そして重大事件の渦中にいる人物まで。2025年の世界情勢やネット世論の空気感が、そのまま人名ランキングとして浮かび上がっています。
ここから先は、
・ランキングの仕組み
・TOP10の顔ぶれ
・日本とのギャップや、2025年という年の「ムード」
を順番に整理しながら、今年1年を“人物”から振り返っていきましょう。
2025年「最も検索された人物」は“急上昇トレンド”として見るのが正確
まず大前提として押さえておきたいのが、
「Year in Search は “純粋な検索数ランキング” ではなく、前年と比べて“どれだけ急上昇したか”を示すトレンドランキング」
だという点です。
つまり、いつも上位にいる「YouTube」「Facebook」のようなワードではなく、「今年になって一気に注目された人・出来事」が上に来る仕組みになっています。
なので本記事では、厳密な「検索数No.1の人」を断言するのではなく、
「2025年に検索が急上昇した人物たち=その年を象徴する顔ぶれ」
として捉えていきます。
世界編:2025年に検索が急上昇した主な人物たち

グローバルの Year in Search では、政治・スポーツ・エンタメをまたいで、さまざまな人物が“People”カテゴリにランクインしました。
海外メディアのまとめによると、たとえば次のような名前が「2025年に世界で検索が急上昇した人物」として取り上げられています。
- Greta Thunberg(グレタ・トゥーンベリ)
- Zohran Mamdani(ゾラン・マムダニ/ニューヨーク市長に就任したことで話題に)
- Bianca Censori(ビアンカ・センソリ)
- Shedeur Sanders(シェデューア・サンダース/アメリカンフットボール界のスターQB)
- Vaibhav Suryavanshi(ヴァイバブ・スーリャヴァンシ)
- Kendrick Lamar、Jimmy Kimmel、Pope Leo XIV など
ここからは、特に話題性が大きかった人物をピックアップして、なぜ世界中で検索されたのかを簡単に整理してみます。
グレタ・トゥーンベリ ― 気候危機と政治の交差点に立つ存在
スウェーデン出身の環境活動家グレタ・トゥーンベリは、2025年も引き続き世界的な注目を集めました。
気候変動に関する国際会議や各国の選挙・政策をめぐる議論の場でたびたび名前が挙がり、そのたびに検索も急増した形です。
- 気候政策に批判的な政治家や企業との対立構図
- 若い世代の“気候不安”の象徴的存在
- SNSやデモ活動での発信がニュース経由で拡散
といった要素が重なり、「環境問題を調べるとたどり着く名前」として、2025年も検索が伸び続けています。
ゾラン・マムダニ ― “ニューヨーク市長”就任で一気に世界的関心へ
2025年の Year in Search では、「Zohran Mamdani」が“People”の話題枠としてたびたび報じられました。
- これまで州議会レベルで活動していた政治家が、ニューヨーク市長に就任したこと
- アメリカ大都市の政治的転換点として世界的ニュースになったこと
- 都市政策・移民・住宅問題など、グローバルなテーマと直結していること
こうした背景から、「どんな人物なのか?」という検索が世界中で急増したと考えられます。
ヴァイバブ・スーリャヴァンシ ― 14歳クリケット少年が“世界6位”の検索トレンドに
2025年の Year in Search で、もっとも“意外性のあるスター”として名前が挙がったのが、インドの14歳クリケット選手ヴァイバブ・スーリャヴァンシです。
インド経済紙のまとめによれば、彼はインド国内で「2025年に最も検索された人物」であると同時に、Year in Search 2025 の「People」カテゴリで世界6位に入ったと報じられています。
- 14歳でIPL(インドのプロリーグ)にデビューし、史上最年少契約や最年少センチュリーを達成
- U-19代表としてイングランド遠征などでも記録的な活躍
- 「子どもがプロスポーツの頂点に飛び込んでいく」ストーリー性
これらがSNS・ニュースで連鎖的に広まり、「誰? なんでそんなにスゴいの?」と世界中で検索された結果、グローバルTOP10に食い込んだとされています。
ビアンカ・センソリ ― セレブカルチャーと論争の交差点
ビアンカ・センソリは、アメリカの音楽界・ファッション界をめぐるニュースで頻繁に取り上げられた人物です。
- 有名ラッパーとの関係性や、奇抜なファッション
- 公の場での言動をめぐる賛否とタブロイド紙の過熱報道
- SNS上での「これはやり過ぎでは?」といった議論の拡散
こうした“ゴシップ性の高い話題”は、毎年必ず一定の検索需要がありますが、2025年はセンソリがその代表格の一人となったと言えます。
シェデューア・サンダース ― アメフトスターが“世界の検索トレンド”に
アメリカンフットボール界では、シェデューア・サンダース(Deion Sandersの息子)が、大学フットボールからプロ入りにかけての活躍で大きな注目を集めました。
- 父親が伝説的選手かつ名物コーチという話題性
- カレッジフットボールでのハイパフォーマンス
- プロ入り後の成績やチーム移籍をめぐるニュース
スポーツ系のYear in Searchでは、サッカーやクリケットが上位を占めることが多い中、アメフト選手として検索が急上昇したのは2025年の特徴の一つと言えます。
日本編:2025年に「急上昇」した人物とキーワード
日本版の「Year in Search 2025」では、“急上昇ランキング(総合)”トップ10のうち、1〜4位と9位が人物名となっています。
急上昇ランキング(日本・総合)
- 中居正広
- 遠野なぎこ
- 高市早苗
- 永野芽郁
- ドジャース 対 ブルー ジェイズ
- モンスターハンターワイルズ
- Pokémon LEGENDS Z-A
- 東京2025世界陸上
- 国分太一
- フジテレビ
ここから見えてくるポイントは大きく3つあります。
- 上位はほぼ「ニュースで大きく取り上げられた人名」
- スポーツの国際大会・ビッグマッチも“人名と同格”に検索されている
- ゲームタイトルやテレビ局名も、人物と同じランキングに混ざっている
つまり、日本では
- 芸能ニュース(中居正広さん・遠野なぎこさん・国分太一さん)
- 政治(高市早苗首相)
- 人気俳優・女優(永野芽郁さん)
といった「テレビ・ニュースで繰り返し見た名前」が、そのまま検索急上昇の中心になっている構図がはっきり出ています。
2025年「最も検索された人物」グローバルTOP10一覧
海外メディアのまとめによると、Google「Year in Search 2025」のグローバル版「People(人物)」カテゴリでは、次の10人が“今年もっとも検索が急上昇した人物”として紹介されています。
| 順位 | 名前 | 分野・肩書きのざっくりイメージ |
|---|---|---|
| 1位 | d4vd(ディーヴィッド) | ポップアーティスト/殺人事件捜査の渦中にいる人物 |
| 2位 | Kendrick Lamar | 世界的ラッパー。2025年も音楽シーンと騒動の中心人物 |
| 3位 | Jimmy Kimmel | 深夜トーク番組の司会者。発言をめぐる騒動で検索急増 |
| 4位 | Tyler Robinson | 銃撃事件の容疑者として世界的ニュースに |
| 5位 | Pope Leo XIV | 新ローマ教皇。初のアメリカ人教皇として大きな関心を集める |
| 6位 | Vaibhav Suryavanshi | 14歳でIPLに出場したインドのクリケット新星 |
| 7位 | Shedeur Sanders | NFLの若きQB。プレーと素行をめぐる賛否で話題に |
| 8位 | Bianca Censori | セレブカルチャーと“攻めたファッション”で論争を呼んだ人物 |
| 9位 | Zohran Mamdani | ニューヨーク市長選で当選した“ソーシャリスト系”政治家 |
| 10位 | Greta Thunberg | 気候危機を訴え続ける環境活動家。2025年も政治・紛争と深く関わる存在 |
ポイントは、このTOP10が
- 音楽・エンタメ
- 政治・宗教
- スポーツ
- 重大事件・スキャンダル
と、「2025年のニュースをにぎわせたジャンル」をそのまま縮図にしたような顔ぶれになっていることです。
ランキングから見える「2025年の世界」とは?
このランキングをざっくり眺めると、2025年の世界がどんな空気感だったのかが見えてきます。
1)“楽しい話題”より、“不安と炎上”が検索を動かした一年
上位の d4vd、Tyler Robinson、Jimmy Kimmel などは、いずれも
- 殺人事件の捜査
- 政治的に分断された社会での発言・銃撃
- テレビ番組の打ち切り・再開
といった、かなりヘビーなニュースとセットで検索されています。
「推しを調べる」というより、
事件の続報、炎上の真相、社会不安の裏側を知りたくて検索する
──そんな“ざわざわした関心”が数字に出ている印象です。
2)10代アスリートが世界規模でバズる時代
6位のヴァイバブ・スーリャヴァンシは、14歳でインド・IPLに出場したクリケット選手。オリンピック公式サイトなどでも「Year in Search 2025 でクリケット関連が軒並み上位に入った」と報じられていて、スポーツカテゴリ自体も好調でした。
- 「10代」
- 「異次元の才能」
- 「ビッグリーグの舞台」
このあたりは、TikTokやショート動画時代の“バズりやすいストーリー”と完全に一致していて、検索ランキングにもそのまま反映されています。
3)政治・宗教の“象徴的な存在”が検索を集める
ローマ教皇レオ14世(Pope Leo XIV)とニューヨーク市長当選のゾラン・マムダニは、それぞれ
- カトリック教会のトップ交代
- アメリカ最大級都市の「左派系」市長誕生
という、世界の政治・宗教バランスに直結するニュースの中心人物です。
トレンドとしては、
- 「何を主張している人物なのか?」
- 「世界や自分たちの生活にどう影響するのか?」
を調べるために検索されているパターンで、日本でも総理大臣交代や宗教団体の問題などが起きたときと似た動きと言えます。
4)グローバル世論の“関心の振れ幅”がとにかく大きい
気候活動家のグレタ・トゥーンベリ、ポップカルチャー界隈のビアンカ・センソリ、宗教のトップであるローマ教皇、14歳アスリート、ラッパー──。
まるで
「ニュース」「ゴシップ」「政治」「スポーツ」「環境問題」の全部がごちゃ混ぜになった“世界のタイムライン”
を、そのままランキングにしたようなバラつき具合です。
日本ランキングとのギャップ:TVとニュースがまだまだ強い
一方、日本版の「総合 急上昇ランキング」トップ10は、
- 中居正広
- 遠野なぎこ
- 高市早苗
- 永野芽郁
- ドジャース 対 ブルー ジェイズ
- モンスターハンターワイルズ
- Pokémon LEGENDS Z-A
- 東京2025世界陸上
- 国分太一
- フジテレビ
という並びでした。
ここから分かる日本固有の特徴はこんな感じです。
- テレビでよく見る人=検索される人 という構図がまだまだ強い
- 政治(高市早苗首相)も、“ニュースで何度も見たから調べる”という文脈
- コンテンツでは「ゲーム・スポーツ・地上波テレビ局」が上位に食い込んでいる
グローバルTOP10が“SNSと世界ニュースの空気”をそのまま写しているのに対し、
日本TOP10は“テレビとニュース番組の編成”に、かなり強く引きずられているのが印象的です。
2026年以降に検索が伸びそうな「人物・ジャンル」予測

- 10代〜20代前半のアスリート(特にクリケット・サッカー・eスポーツ)
2025年のヴァイバブのように、「10代で世界トップリーグに食い込む選手」は、ニュース+SNSで一気に拡散されやすく、検索も急増しがちです。サッカー・クリケット・F1・eスポーツあたりは、若手スターが出ると世界的トレンドになりやすいゾーンです。 - AI・気候・選挙まわりの“顔”になる政治家・活動家
2025年は、新しい市長や教皇、環境活動家など「社会の分断や不安」の象徴になる人物がよく検索されました。
2026年以降も- 大型選挙(米大統領選・欧州の選挙など)
- AI規制・気候政策
に関わるキーパーソンは、結果的に検索ランキングの常連になりやすいと考えられます。
- 大きな事件・スキャンダルの中心人物
2025年のランキングでも、「楽しい話題」より「事件・銃撃・番組打ち切り・論争」絡みの人物が上位を占めていました。
残念ながら、- 重大事件の容疑者
- 社会問題化する不祥事の当事者
など、“ニュースで毎日見かける名前”は今後も検索上位に入りやすい傾向が続くと見られます。
- グローバルポップスター&コラボで一気に跳ねるアーティスト
音楽シーンでは、有名アーティスト同士のコラボ、新旧スターの対立・ビーフ、突然のブレイク(TikTok発バズ曲)などが引き続き検索を押し上げます。
特に- SNS発の新人アーティスト
- 既存スターとのサプライズコラボ
は、Year in Search の「People」カテゴリにも入りやすいポジションです。
- 日本では「テレビ+配信+SNS」で“よく見る顔”
日本の2025年ランキングから考えると、- 朝・昼の情報番組やニュースに繰り返し登場するタレント・コメンテーター
- 国政レベルの政治家
- 国民的ドラマ・映画・アニメの主演級
など、「テレビ・配信・SNSのタイムラインをまたいで露出が多い人物」が、今後も“検索される人”の中心になりそうです。
- ジャンルとしては「AI・気候・スポーツ・セレブ・重大事件」がしばらく主役
2025年の顔ぶれから逆算すると、- AI・テック(規制・新サービス・経営者)
- 気候・環境(災害・政策・活動家)
- 世界スポーツイベントのスター選手
- セレブ・インフルエンサーのスキャンダル
- 社会を揺らす事件・裁判
このあたりは2026年以降も“検索トレンドを動かすジャンル”として継続しやすいと考えられます。
2025年「最も検索された人物」ランキングから見えるもの(まとめ)
2025年の「最も検索された人物」ランキングを眺めてみると、そこには単なる人気投票ではなく、その年に世界と日本が何に揺さぶられ、何に希望や不安を抱いていたのかが、かなり率直に表れていました。
グローバルでは、環境問題を訴える活動家、新しいローマ教皇やニューヨーク市長といった“社会の針路”を左右する人物、10代でプロのトップリーグに飛び込んだアスリート、そして大きな事件・騒動の渦中にいる人たちが検索を集めました。ニュースとSNS、現実とネット世論が絡み合いながら、「この人はいったい何者なのか?」を確かめるために世界中で名前が打ち込まれた一年と言えます。
一方の日本では、テレビやニュース番組で繰り返し目にしたタレントや政治家、国民的人気の俳優、話題のスポーツやゲームタイトルなど、「日々の情報番組とエンタメの延長線上」にある名前が、検索急上昇ランキングの中心になっていました。グローバルと比べると、いまもなお“テレビとニュース”の影響が強い国であることが、ランキングからもはっきり伝わってきます。
検索ランキングは、単に「誰が有名か」を決めるものではなく、「どんな出来事に心を動かされ、どんな不安や好奇心を抱いたのか」という、私たち自身の記録でもあります。2026年以降も、AI・気候・スポーツ・エンタメ・政治といったテーマの中心に立つ人たちが、きっとまた検索窓に名前を書き込まれていくでしょう。
今年どんな名前を検索したのか、一度振り返ってみると、自分の関心やニュースとの付き合い方が少し見えてくるかもしれません。