ソニックレーシング クロスワールド 忖度無しレビュー

「ソニックレーシング クロスワールド」がついに発売されました。
ソニックの名を冠したレースゲームはこれまでにも色々ありましたが、今回は“クロスワールド”という新しい仕掛けがウリ。走っている最中に突然コースが変わる——そんな派手な演出に、わくわくしながらコントローラーを握った人も多いはずです。
ただし、ここは「忖度無しレビュー」。
良かった部分はしっかり褒めつつも、「うーん、これは人を選ぶな」と思った点も正直に書きます。ファンだからこそ見過ごせない部分、初心者がつまずきそうな部分も包み隠さず伝えていきます。
結論からいえば、“派手でテンポの良いカオスを楽しみたい人には最高。逆に、自分の技術で勝ちたい人には少しモヤモヤするかもしれない” という作品です。
※2025年10月25日更新・発売から1か月の所感を追記しました。オンラインの体感や遊び続けて見えた“良かった点/気になった点”を簡潔に補足しています(点数評価は据え置き)。
良かった点
- ソニックらしいスピード感を軸にしたレース体験が健在で、ファンなら一走目からワクワクできる。
- コースやBGMの演出がシリーズ愛にあふれており、懐かしさと新鮮さが両立している。
- クロスワールドシステムによる「世界観をまたぐ演出」は目新しく、他タイトルにはない遊び心がある。
- マルチプレイは操作感も安定しており、フレンドとの対戦・協力で盛り上がりやすい。
惜しいところ・改善して欲しいところ
- 操作ゲージの判定が細かく、初心者にとってはストレスになりやすい。
- 一部の機種(特にSwitch)ではフレームレートが不安定で、快適さに差が出る。
- コラボキャラは現時点で「ボイスなし」の仕様となっており、演出面の盛り上がりに欠ける。
- メニューやUIのレスポンスがやや遅く、ロード体験をもう少し改善してほしい。
コラボ要素(客演キャラクター等)の魅力と注意点
主なコラボ参戦例とDLC形式
- ソニックレーシング クロスワールドでは、コラボキャラクター、車両、コース がシーズンパスや個別DLCとして順次追加されると公式に案内されています。
- 例として、Mega Man(ロックマン)/Proto Man のDLCが発表されています。
- 他にも、Minecraft、SpongeBob、Pac-Man、TMNT、Avatar Legends といったブランドとコラボする構想が取り沙汰されています。
だから、「派手な見た目」「話題性」「異なるファン層を引き込む力」が、コラボの大きな魅力になります。
無音(ボイスなし)仕様という制約
- 一方で、コラボキャラクターにはセリフがない(無音) という仕様が、開発者から明言されています。これはライセンス・スケジュール・制作コストの都合などが理由です。
- 具体的には、Takashi Iizuka 氏は「非ソニック系キャラクターにはボイスを付けない」と述べており、既存のソニックキャラクター同士の掛け合い制作に注力した、という説明があります。ただし将来的な対応の可能性は完全には否定されていない。
- この仕様は、ファンから「せっかくのキャラクターなのにしゃべらないのは寂しい」「演出に厚みが出ない」といった批判の声も挙がっています。
コラボキャラクターの追加は、本作の目玉要素のひとつ。
ただし、これらキャラには セリフ(音声)がないという仕様 が開発側から明言されており、演出面では「静かな付き人」として扱われることになります。クロスオーバーの華やぎと、声なしゆえの物足りなさ、その落差をどう消化するかが、コラボの面白さの鍵になるでしょう。
総評
“速さで世界を突き抜ける”というソニックの気持ちよさを、レースの途中で景色ごとひっくり返すクロスワールドで体験に落とし込んだ——その一点だけでも、今年のレースゲームの中で強く記憶に残る作品です。初見の驚き、わちゃわちゃした盛り上がり、短時間で何戦も回したくなるテンポ。ここは素直に楽しい。
一方で、展開の振れ幅が大きい分、実力や研究の積み上げが“勝敗にきれいに反映される”瞬間はやや少なめ。ド派手な演出と読み合いの解像度、その天秤が人を選ぶのは確かです。競技性を最優先する人ほど、もう一歩のチューニングを望むはず。
カスタマイズは“触るほど馴染む”良さがあって、中長期の遊び方に光が見えます。最初の導線がもう少し親切なら、ここで離脱する人を減らせるだろうな、という惜しさも同時に残りました。
要するに、本作は“カオスを楽しむ派”に向けた快作。フレンドと笑いながら遊ぶ夜は、きっと最高です。逆に、1/100秒を詰める孤独なタイムアタックの快感を求めるなら、相性は要検討。
それでも、新しい“驚きの作り方”に挑んだ姿勢は評価したい。アップデートで視認性や導線が磨かれたら、評価はもう一段上がる余地があります。今の時点でも、派手で賑やかなレースが好きなら十分おすすめです。
こんな人におすすめ
- 持ち寄りプレイの機会が多い人(Switchのローカル通信で集まりやすい)。
- 派手な演出と“予測不能”の盛り上がりを楽しみたい人。
- フレンドとワイワイ遊びたい人(クロスプレイ対応で集まりやすい)。
- マシンのカスタマイズを試行錯誤して、自分の走りに合わせて調整するのが好きな人。
- 短時間で1戦ずつ回すテンポ感を求める人(スキマ時間に遊びたい)。
- ソニックの世界観やコラボの賑やかさが刺さる人。
- 滑らかさ重視の60fpsで気持ちよく走りたい人(PS5/Series/PCのパフォーマンス設定向き)。
忖度なしの点数評価
最終的に「ソニックレーシング クロスワールド」をどう評価するか。
忖度なしでつけるなら、5点満点中 “4.0” 前後が妥当。
クロスワールドという仕掛けは、初見の驚きもリプレイ性も兼ね備えた素晴らしいアイデアです。カスタマイズの奥深さやクロスプレイの遊びやすさも、長く遊ぶ基盤になり得る魅力があります。派手な演出も“ソニックらしさ”を強調する要素としてうまく機能しています。
ただし、その一方でランダム性が強めに働くことで、実力を突き詰めたい層には物足りなく映るのも事実。DLCの提示タイミングや、導線の不親切さも、発売直後の今だからこそ余計に気になるポイントでした。
とはいえ、ゲーム全体としては「派手でカジュアルに楽しめる快作」であることに間違いはありません。友人と一緒に盛り上がるなら、現行のレースゲームの中でもトップクラスに楽しい体験を提供してくれるはずです。
総合評価:★★★★☆(4.0/5.0)
おすすめ度は高め。ただし「腕前で勝ちたい人」は一度体験版や配信を確認してからでも遅くない、というスタンスです。
ソニックレーシング クロスワールド|機種ごとの違い比較表
| 項目 | PS5 | PS4 | Xbox Series X|S | Xbox One | Nintendo Switch | Nintendo Switch 2(予定) | PC(Steam / Epic) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| フレームレート(公式) | 解像度優先:30fps 動作優先:60fps | 30fps | 解像度優先:30fps 動作優先:60fps | 30fps | 30fps | 発売予定あり(2026年初頭の物理版) ※解像度・fpsは未発表 | 最小:1080p / Low / 30fps 目安 推奨:1080p / High / 60fps 目安 |
| 解像度 / 出力(公式) | 4K/30 または 1080p/60 | 最大 1080p | 4K/30 または 1080p/60 | 最大 1080p | TV接続:最大 1080p | 物理版はフル収録カートリッジ予定 (デジタルは先行) | PC設定に依存(任意に調整可) |
| プレイ人数 | ローカル 1–4人 オンライン 最大12人 | ローカル 1–4人 オンライン 最大12人 | ローカル 1–4人 オンライン 最大12人 | ローカル 1–4人 オンライン 最大12人 | ローカル 1–4人 ローカル通信 最大8人 オンライン 最大12人 | オンライン 最大12人(予定) | ローカル 1–4人 オンライン 最大12人 |
| クロスプレイ | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応予定 | 対応 |
| 備考 | — | PS4⇄PS5 無料アップグレード対応 | Smart Delivery 対応 | — | 持ち寄りに強い(ローカル通信8人) | Switch版→Switch 2版アップグレードパス予定 | 最小要件にAVX対応CPU必須の注記あり |
発売から1か月で見えたこと(2025年10月追記)
発売から約1か月。結論から言うと、初期レビュー時に感じた「疾走感と手触りの良さ」はそのまま、短時間で気軽に走って気分転換できる“ライト~中量級の楽しさ”が安定していました。一方で、レース結果に運要素が絡む比重は依然として高く、競技性を最優先する層には評価が伸びにくい――この構図も変わっていません。
オンラインはピーク帯なら対戦が成立しやすく、野良でも数戦続けて走れる体感。気持ちよく遊べる場面が増えたのは事実ですが、UI導線のわかりづらさやロードの間延びは、ときどきテンポを切らす要因になります。また、アイテムの刺さり方次第でレース展開がガラッと変わるため、逆転劇の面白さと、理不尽に感じる瞬間の紙一重感はそのまま。ここは好みが割れるポイントです。
一か月続けて見えてきた“良い変化”としては、コース理解が進むほどミスのリカバリー手段やショートカットの活かし方が見えてきて、短時間でも「成長実感」を持ち帰りやすいこと。キャラ/マシンの特性差も把握できてくるので、ソロでサクッと走るだけでも“前回より上手く走れた”が積み上がります。逆に、長時間ぶっ通しで没入したい人には、イベントや報酬の回しが単調に映るタイミングがあるのも事実。長期的に遊ぶなら、フレンドとボイスチャットで“わちゃわちゃ”走る、日課で2~3レースだけ回す、といった付き合い方が心地よいです。
機種差は、元記事の比較どおり“どこで遊ぶかより誰と遊ぶか”が満足度を左右します。携帯性重視でスキマ時間に1~2レースの人は携帯できる環境が強いですし、据え置きの快適さで腰を据えて遊ぶなら家庭用/PCの安定感が活きます。総じて、発売直後の印象を大きく覆す要素はなく、長所は素直に楽しめ、短所は相変わらず気になる――そのバランスは変わっていません。
締めの一言
「ソニックレーシング クロスワールド」は、ソニックらしいスピード感に“クロスワールド”という派手な仕掛けを加えた、まさに新しい挑戦の一作でした。
遊んでみると「おおっ!」と声が出る瞬間が確かにあって、そこは本当に楽しい。
ただし同時に、“人を選ぶゲーム”でもあります。ガチな競技性を求める人には少しもどかしい部分があり、逆にワイワイ遊びたい人にとっては最高の時間になる。
だからこそ、このゲームは「自分が何を求めて遊ぶか」で評価が大きく変わる作品だと思います。
私自身は、派手さとカオスを笑いながら楽しめる夜の一戦――それこそがこのゲームの一番の輝き方だと感じました。
結論:カオスを笑えるなら神ゲー、安定を求めるなら別の選択肢を。
