スペースコブラ:The Awakening 忖度なしレビュー(結論:これは「コブラを遊びたい人」向けの2Dアクション)

『スペースコブラ:The Awakening』は、アニメ「スペースコブラ」序盤のエピソードをベースにした2D横スクロールアクションです。Switch/PS5のダウンロード版は2025年10月に配信が始まっていて、12月にはパッケージ版も発売されています。
このゲームの判断軸はシンプルで、「アニメの世界観や台詞回し、キャラクターたちの空気感をゲームとして追体験したいか」が刺さるかどうか。逆に、アクションゲームとしての気持ちよさや快適性(テンポ、リトライのしやすさ、遊びやすさ)を最優先にする人は、合う・合わないが出やすいタイプです。
この記事では、まず購入前に迷いやすいポイント(通常版とゴールドエディションの違い、Switch/PS5での選び方、どんな遊びができるのか)を押さえたうえで、良かった点と気になった点を整理し、最後に忖度なしの総合評価へつなげます。
基本情報/作品概要(スペースコブラ:The Awakening)
『スペースコブラ:The Awakening』は、アニメ「スペースコブラ」を題材にした2D横スクロールアクションです。内容は“序盤のエピソード(最初の12話)をベース”として案内されており、完全新作ストーリーというより「コブラの世界観の入口」をゲームで追体験するタイプ。軽妙なセリフ回しやヒーロー像を楽しみつつ、ステージクリア型のアクションとして遊ぶ作品です。日本ではテヨンジャパンが展開し、Switch/PS5でプレイできます。
基本データ
- タイトル:スペースコブラ:The Awakening
- ジャンル:2D横スクロールアクション
- 対応機種:Nintendo Switch/PlayStation 5
- プレイ人数:1~2人
- レーティング:CERO B(12歳以上対象)
- 開発:Magic Pockets
- 国内展開:テヨンジャパン
- 発売日(日本)
- ダウンロード版:2025年10月9日
- パッケージ版:2025年12月18日
- 価格(税込)
- 通常版:3,850円
- デジタルゴールドエディション:4,450円
通常版とゴールドエディションの違い
- 通常版:本編をそのまま遊びたい人向け
- デジタルゴールドエディション:ストア説明上、ボーナスミッションなど追加要素を含む上位版。最初から“追加分込み”で遊びたい人向け
対応言語(ストア表記)
- 日本語/英語/フランス語/韓国語/中国語(簡体字)/中国語(繁体字)
ボイス
- 日本語ボイス収録として案内あり(主要キャスト情報の掲載あり)
良かった点(スペースコブラ:The Awakening)

1)原作の「コブラらしさ」を“見て終わり”にせず、ゲーム体験として噛み砕いている
本作は、原作の代表的な冒険(「キャプテン・ネルソンの財宝」)を軸に物語が展開し、あの世界観を「ステージを進み、敵を突破し、ボスを倒す」体験に落とし込んでいます。単にキャラを借りただけの雰囲気ゲーではなく、コブラの軽妙さやヒーロー像を“進行のテンポ”の中に置いているのが強み。コブラを知らない人にとっても「この主人公、格好いいけど余裕があってズルい」という魅力が伝わりやすい作りです。
2)日本語音声&アニメ要素で、作品世界への没入感が強い
日本語テキストと日本語ボイスが収録されているだけでなく、アニメシーンがゲーム内に登場し、OPソングやBGMも“おなじみの楽曲”が流れる作りになっています。ここはキャラゲーとしての満足度に直結する部分で、コブラ、レディ、ジェーン、クリスタルボーイといった面々を「声」と「演出」で追えるのが大きい。原作ファンがまず求める“空気感”を、映像・音の両面で取りに来ているのは素直に評価できます。
3)コブラの武装・ガジェットを使う“らしさ”が攻略要素になっている
サイコガンを中心に、武器やガジェットを使って切り抜ける設計が明示されていて、コブラというキャラクターの特徴がそのままアクションの個性になっています。横スクロールアクションは「ジャンプして撃つ」だけの単調さに落ちがちですが、本作は“コブラの道具立て”を前提にしているぶん、攻略の選択肢を用意できているのが良いところ。
4)本編以外の遊びが用意されていて、飽きの逃げ道がある
メインストーリー以外にも、アーマロイド・レディ/ジェーン/ドミニクといったキャラクターで遊べるステージが用意されています。さらにローカル協力プレイ用ステージも別枠で用意されており、2人でタイムアタックやお宝集めができるのもポイント。本編を進めるだけで単調に感じた場合でも、遊び方を切り替えられる“逃げ道”が最初からあるのは、レビューでちゃんと加点できる部分です。
気になった点(スペースコブラ:The Awakening)
1)操作のキレが甘く、狙い撃ちが思い通りにいかない場面がある
海外レビューでは、移動が「ルーズに感じる」、射撃も「狙った位置に当たっている感覚が薄い」といった指摘が出ています。横スクロールの撃ち合いは“手触り”が気持ちよさを左右するので、ここが合わないとプレイ全体の満足度が下がりやすいのが痛いところです。
2)ボス戦が長引きやすく、難易度が急に跳ねると言われている
同じくレビュー側では「ボス戦がやたら長い」「そこで難易度が跳ね上がる」という評価があり、ステージ進行のテンポを損ねる要因として挙げられています。ボスに入るたびに“別ゲーのような負荷”がかかるタイプだと、アクションが得意な人でも疲れやすく、原作のノリを楽しむ前に消耗してしまいがちです。
3)Switch版は処理落ち・スタッターの報告があり、快適性に差が出やすい
プラットフォーム差を具体的に触れているレビューでは、PS5は比較的スムーズに動く一方で、Switch版は敵が多い場面などで目立つスローダウンがある、と明言されています。携帯機で遊べるメリットは大きい反面、フレームレートの落ち込みに敏感な人は注意が必要です。
4)進行不能など“致命的な不具合”に当たったという体験談が複数見つかる
日本語圏のプレイ記録では、進行不能を含む不具合に遭遇したという報告が複数ありました。個体差・環境差はあるものの、「当たりを引くと時間が溶ける」タイプの不具合は、キャラゲーとしての没入感を一気に壊します。購入前に、現時点のアップデート状況や最近の報告を確認しておく価値は高いです。
5)コントローラー割り当ての違和感(デモ時点での指摘)があった
体験版・デモ段階の話として、ボタン配置が直感的でない/割り当てが噛み合っていない、という声も出ています。製品版で改善されている可能性はある一方、“操作に慣れるまでがストレス”になり得るポイントとして覚えておきたい部分です。
このゲームならではの魅力と評価(スペースコブラ:The Awakening)

原作アニメ序盤「第1話〜第12話」を“遊べる形”に固定した、コブラ入門の決定版になっている
本作は「スペースコブラ」の序盤(第1話〜第12話)をベースにした内容だと明記されており、最新ゲームとしての完全新作よりも「コブラの世界観とキャラの魅力を、最初から整理して追体験できる」立ち位置がはっきりしています。コブラに初めて触れる人でも“入口で迷いにくい”のが、このゲームの強みです。
「勇気とユーモア」というコブラの核を、アクションゲームのテンポに乗せているのが売り
公式説明では、シリーズの精神(勇気・ユーモア、コブラらしい決め台詞や空気感)を残すことが強調されています。つまり評価の物差しは「アクションとしての新しさ」より、「コブラのノリを気持ちよく浴びられるか」。ここに価値を感じる人にとっては、同ジャンルの一般的な横スクロールとは目的が違う“作品体験寄り”の一本になります。
協力プレイは“本編丸ごと”ではなく、ローカル協力用ステージを別に用意する割り切り型
本作はローカル協力プレイ用のステージが別枠で用意され、2人でタイムアタックやお宝集めを楽しめる、と公式に案内されています。ここは誤解しやすいですが、「物語を最初から最後まで2人で進めるゲーム」というより、“協力で遊ぶためのモードが別にある”設計。短時間で繰り返し遊べる遊び場がある、という点で評価できます。
通常版とゴールドの差分が明快で、追加ミッションの位置づけがはっきりしている
ゴールドエディションは「本編+限定ボーナスミッション『死のルーレット』+限定衣装『スモーキングスキン』」というセット内容が、公式・ストアで明記されています。特典が曖昧な“おまけ”ではなく、追加ミッションという遊べる中身が最初から提示されているのは、エディション選びのストレスが少ないポイントです。
日本語音声を含む多言語対応が明記されていて、国内向けの作り込みを狙っている
国内向けは日本語音声収録を強く打ち出しており、PS Store側でも音声・表示言語に日本語を含むことが確認できます。キャラものは“声”が没入感を左右するので、ここを明言しているのは安心材料です。
機種別比較(Switch版/PS5版)
現時点で「確実に言える機種差」は、主に“見え方(携帯モード)”と“評価の集まり方”です。Switch版はレビューで「フレームレート面の動作は概ね良好」としつつ、携帯モードでは解像感が低く、セルアニメ調の絵がやや鈍って見える(=遊べるが画として損をする)という指摘があります。
その一方でPS5版については、メタクリティックのレビューまとめではPS5の方がレビュー本数が集まっており、記事執筆時点のメタスコアはPS5版が70点、PC版が65点と整理されています(Switch版は規定レビュー数不足でスコア判定が付いていない)。
つまり、Switch版は「どこでもコブラ」を優先する人に強く、代わりに携帯時の画のシャープさは割り切りが必要。PS5版は「評価・検証情報が集まりやすい土台」があり、購入前に第三者レビューで不安点を潰しやすい、という差が出ています。
| 機種 | 特徴・メリット | 注意点・制約 |
|---|---|---|
| Steam(PC) | ・ストアのユーザーレビュー数が多く、購入前に評判を把握しやすい ・PC環境次第で高解像度・高フレームレートを狙える ・キーボード/パッドなど入力環境を選べる | ・快適性はPC性能・設定に左右されやすい ・不具合報告が出た場合、環境差で再現条件が分かれやすい |
| PlayStation 5 | ・据置機として安定した環境で遊びやすい ・大画面でアニメ調の演出や雰囲気を楽しみやすい ・第三者レビュー(メディア評)が比較的集まりやすく、検討材料が多い | ・携帯性がない(外で遊ぶ用途には向かない) ・本体が必要で導入コストがかかる |
| Nintendo Switch | ・携帯できる「どこでもコブラ」が最大の魅力 ・スキマ時間に少しずつ進めやすい ・TV/携帯の切り替えが気軽 | ・携帯モードでは解像感が落ちやすい、という指摘がある(絵のシャープさは割り切りが必要) ・快適性(処理落ち・スタッター等)に敏感な人は注意して選びたい |
忖度無しスコア(スペースコブラ:The Awakening)
本作は「コブラを浴びる体験」としての強みがはっきりしていて、序盤(第1話〜第12話)ベースの構成、日本語音声やアニメ映像を絡めた演出、エディション差分の明確さは素直に加点できます。一方で、操作の手触りやボス戦の負荷、Switch版の快適性、進行不能を含む不具合報告など“ゲームとしての安定感”に不安材料が残るのも事実で、ここが人を選ぶポイントです。
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 原作再現・世界観(序盤12話ベースの体験/キャラの空気感) | 8.5 / 10 |
| 演出・音(アニメ映像の投入/日本語音声の没入感) | 8.0 / 10 |
| アクションの手触り(操作のキレ/狙い撃ちの気持ちよさ) | 6.0 / 10 |
| 難易度・ボス設計(理不尽さ/長期戦になりやすさ) | 6.0 / 10 |
| 快適性(安定性/ロード・テンポ/Switchの処理落ち懸念) | 5.5 / 10 |
| 遊びの幅(キャラ別ステージ/ローカル協力用ステージの存在) | 6.5 / 10 |
| コストパフォーマンス(通常版とゴールドの選びやすさ/価格納得感) | 6.5 / 10 |
| 総合スコア | 6.7 / 10 |
原作の空気感を“遊べる形”で味わえるのが最大の魅力。一方で操作感と快適性に不安が残るので、コブラ愛で押し切るか、アクション重視で様子見するかが分かれ目になります。
伝説的SFヒーロー「コブラ」が現世代機でよみがえるPS5タイトル。 シネマティックな演出と宇宙を舞台にしたアクションで、 原作ファンはもちろん、初めて作品に触れるプレイヤーも楽しめる一本です。
価格・在庫・特典内容などは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
総評(スペースコブラ:The Awakening)

『スペースコブラ:The Awakening』は、2Dアクションとして“誰にでもおすすめできる快適作”ではありません。評価がハッキリ割れる理由は、強みが「操作の気持ちよさ」よりも「コブラの世界を遊ぶ体験」に寄っているからです。序盤(第1話〜第12話)をベースにした構成、アニメ映像の組み込み、日本語音声の用意、そしてゴールドエディションの追加ミッションが明確に提示されている点は、原作ファンにとって大きな安心材料です。コブラの軽口や余裕、あの雰囲気を“ゲームとして追体験したい”人なら、価格以上に刺さる瞬間がちゃんとあります。
一方で、アクション部分は「手触りが合うかどうか」で満足度が大きく変わりやすく、ボス戦の負荷やテンポ面で気になる声が出ているのも事実。さらに、Switch版については快適性の面で注意喚起が必要で、処理落ち・スタッターを指摘するレビューや、進行不能を含む不具合に当たったという体験談も見つかります。携帯できるメリットは強い反面、安定性や見え方に敏感な人が“Switch一択”で突っ込むと後悔しやすいタイプです。
結論としておすすめの買い方はシンプルです。原作ファンで「コブラを遊びたい」が最優先なら、通常版でも満足しやすく、追加ミッションまで最初から触りたい人はゴールドを選べば迷いません。逆に、横スクロールの完成度や快適性を最重視する人、Switchでの安定動作に敏感な人は、アップデート状況と最近の評価を確認してから決めるのが安全です。コブラという作品への思い入れが“加点”になるゲームであり、その熱量がある人ほど評価が上振れしやすい――この一点が、本作のいちばん正確な着地点だと思います。
© BUICHI TERASAWA / ART TEKNIKA・TMS
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