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ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ 忖度なしレビュー・評価|S.T.A.L.K.E.R. 2はPS5・PC・Xboxで買うべきか?

ストーカー2 忖度なしレビュー結論──ゾーンの空気は唯一無二、でも快適さより“覚悟”が求められるFPS

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』ガスマスク姿のストーカーと放射能汚染地帯を描いた公式キービジュアル

S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ)は、ウクライナのゲームスタジオ GSC Game World が手がけるサバイバルホラーFPSで、原発事故によって立ち入り禁止区域となった「チョルノービリ」の“ゾーン”を舞台にしたオープンワールド作品です。国内向けにはセガがサブパブリッシングを担当し、PC・Xbox Series X|Sに続いて、ついにPS5版も発売されました。

一歩フィールドに出れば、そこは常に死と隣り合わせ。ミュータントが徘徊し、アノマリーと呼ばれる超常現象があちこちで発生し、放射能汚染まで気にしなければならない。弾薬や回復アイテムは潤沢ではなく、銃も使い込めば劣化していく。いわゆる「爽快系FPS」とは真逆の方向に振り切ったゲームデザインで、プレイヤーには慎重な立ち回りとリソース管理、そして何度も死に戻る覚悟が求められます。

その一方で、ゾーンの空気感は他に代えがたい魅力があります。どんよりした空と崩れた建物、風に揺れる草木の音、遠くで鳴る銃声や犬の遠吠え──派手な演出に頼らなくても、画面の端々から「ここは本当に危険な場所だ」と伝わってくる。PS5版ではトリガーの負荷変化や細かな振動表現も加わり、銃のリロードや足音の一つひとつまで手触りが増しているのもポイントです。

忖度なしに言えば、「ゾーンにどっぷり浸かりたい」「多少の不便やバグがあっても独特のサバイバル体験を味わいたい」という人には強く刺さる作品です。逆に「安定動作とわかりやすさを最優先したい」「ストレスより爽快感を求めたい」という人には、今でも人を選ぶ一本だと感じました。この記事では、そのあたりの“向き・不向き”を含めて、ストーカー2が本当に自分に合ったゲームなのかを、できるだけ具体的に掘り下げていきます。

ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ 作品概要

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ)』は、原発事故後のチョルノービリ立入禁止区域“ゾーン”を舞台にしたサバイバルホラーFPSです。食料・弾薬・装備劣化・放射能・アノマリー(異常現象)など、生存のための管理が常に求められ、緊張感の中で探索を続ける独特のプレイフィールが特徴です。Unreal Engine 5によるフォトリアル表現とシミュレーションAIにより、“世界が生きている”感覚を重視した作品となっています。

基本情報

  • 作品名:S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ)
  • ジャンル:サバイバルホラーFPS
  • 開発:GSC Game World(ウクライナ)
  • パブリッシャー(日本):セガ
  • 主な対応ハード:PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam・Epic・Microsoft Store)
  • プレイ人数:1人(今後マルチプレイヤーモード追加予定)
  • CERO:Z(18歳以上対象)
  • 価格帯:スタンダード版 約7,950円〜(エディションによって変動)
  • 形式:シングルプレイ主体(DLCとアプデで継続展開予定)
  • エンジン:Unreal Engine 5

ストーカー2 忖度なしレビュー

良かったところ

・圧倒的な“ゾーンの空気”の再現度

本作最大の魅力は、何よりも雰囲気づくり。派手な演出を使わずに不安と緊張を積み上げていく設計が見事で、草木の揺れや建物の軋み、遠くの銃声、夜の静寂など、すべてが「ここは生き延びるだけで精一杯の場所」であることを思い知らせてくる。敵を倒す爽快感ではなく、“生きて帰ること”そのものに価値があるゲームデザインが、他のFPSとは決定的に違う個性になっている。

・探索が怖いのにやめられない中毒性

マップの隅々まで危険がある一方で、探索すれば装備・素材・アーティファクト(貴重品)が見つかり、装備の充実につながっていく。この“ハイリスク&ハイリターン”の設計が非常に中毒性が高く、あと1回・もう1回と探索を繰り返したくなる。慎重に物資を抱えて安全地帯へ戻れた時の達成感が強く、死んで失った時の喪失感すら含めてゲーム性が成立している。

・銃撃戦の手触りが重く、生々しい

撃ち合いは決して派手ではないが、だからこそ重く感じられる。銃のリロード・跳ね上がり・照準の揺れ・遮蔽の使い方・弾薬の節約、それぞれを丁寧にやらないとすぐに不利になる。敵も真正面から突っ込んでこないため、索敵と判断の速さが重要。安っぽい“爽快系FPS”とは対極にあり、銃撃戦を「静かで死に近い瞬間」として描くゲーム性は唯一無二と言っていい。

・音響演出が恐ろしいほどの没入感に寄与

足音の距離・方向・環境の反響、風切り音、建物の金属音、遠くの怒号や銃声──視覚よりも“聴覚”で危険を察知させる設計が徹底していて、イヤホン・ヘッドホンでプレイするほど緊張感が倍増する。PS5ではトリガーの負荷変化や細かい振動も加わり、銃の重さや呼吸の乱れまで伝わってくるようなフィードバックがある。

・世界がプレイヤー抜きでも動き続けるA-Lifeシステム

マップ上では、敵勢力・ミュータント・NPC・派閥がプレイヤーの視界外でも行動を続けているため、同じ場所に向かっても毎回状況が違う。誰が生きていて、どこで戦闘が起きるかが固定されていないため、決定的な“作業感の排除”に成功している。一本道のイベント消化ではなく“ゾーンで生きる”感覚を演出する、非常に有効な仕組みになっている。

気になったところ

・パフォーマンスはだいぶ改善されたが、まだ“荒さ”は残る

最新の1.7アップデートで、PC/Xboxともにフレームレートと安定性はかなり良くなり、「ようやくおすすめできるレベルになった」と評価されるまで持ち直しています。
ただ、それでもシーンによってはフレームの落ち込みやストリーミングの引っかかりが残っていたり、環境によってはクラッシュ報告も続いている状況です。特にPC版はスペック差が激しいこともあり、「快適」と「ギリギリ」を行ったり来たりする印象があります。

・バグや進行不具合は大幅減少したものの“ゼロ”ではない

アップデートのたびにクラッシュやクエストの不具合はかなり潰されてきており、1.7では90件以上のクラッシュ原因や多数のAI・クエスト関連バグが修正されています。
それでも、特定条件で発生する進行不能バグや、NPCの挙動がおかしくなるケースなどは完全には消えておらず、「たまにやらかすゲーム」であることには変わりません。長時間プレイを前提としたゲームだけに、このあたりの不安定さは、人によってはかなりストレス要因になり得ます。

・敵の硬さと修理コストのバランスがキツめ

一部の敵は「ちょっと撃ちすぎでは?」と感じるくらい耐久力が高く、難易度と相まって弾薬の消費が激しくなりがちです。また、武器・防具の修理費用も高めに設定されており、「せっかく戦闘を頑張っても、修理費で赤字」という状況になりやすいバランスです。
サバイバルとしての緊張感には繋がっている一方で、「探索や戦闘のリターンが渋すぎる」と感じるプレイヤーも少なくないはずで、ここは好みが分かれるポイントだと思います。

・UIと説明不足で、とっつきやすさはかなり低い

インベントリや装備画面、ステータス表示などのUIは情報量が多いわりに視覚的な整理があまり得意とは言えず、初見では何が重要なのか判別しづらい部分があります。チュートリアルも必要最低限で、「とりあえず触って覚えてね」スタイルに近いため、シリーズ初体験の人ほど最初の数時間で投げたくなる可能性があります。
世界観の“わかりにくさ”も含めて好きになれる人には刺さりますが、「最低限のガイドは欲しい」というタイプには不親切寄りです。

・コンソール版でも“パッチ前提”で、物理版ユーザーにはやや不満

PS5版は、発売時点での1.7パッチ適用を前提に調整されており、レビューワーが事前プレイしていた素のバージョンは「技術的にかなり厳しい」と評されていました。
ディスク版であっても大型アップデートのダウンロードが必須な構造で、「パッチを当てないとまともに遊べない」「将来的な保存性」という観点では不安が残ります。物理版を“完全版パッケージ”として期待している人にとっては、ここも気になるポイントになるはずです。

機種別比較:PS5/Xbox Series X|S/PC どれで遊ぶべき?

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』プリピャチの廃墟となった広場を高所から見下ろす風景スクリーンショット

PS5版(+PS5 Pro)

・いま一番“安心して勧めやすい”コンソール版

  • パフォーマンス
    • 通常PS5
      • パフォーマンスモード:おおむね60fps維持(2K前後の解像度)。街エリアなど負荷の高い場面で一時的に50fps台前半まで落ちるが、体感はかなり安定していると評価されています。
      • クオリティモード:4K解像度・30fpsでほぼロック。
    • PS5 Pro
      • 開発側コメントでは「4K/60fps対応で、PC版の“High設定”に近いクオリティ」とされており、画質・フレームレートともコンソール中トップクラスの仕上がり。
  • 演出・操作まわり
    • DualSenseのアダプティブトリガーやスピーカー対応で、武器ごとに引き金の重さや振動が変わるなど、PS5専用のフィードバックが入っているのが強み。ラジオやシステム音がコントローラーから鳴る演出もあり、没入感はPS5が頭一つ抜けています。
  • 総評(PS5)
    • 「他機種の1年分のパッチを踏まえて出た“完成度の高い版”」と評されており、コンソールで選ぶなら現状は PS5版が最もバランスが良い と言って差し支えないです。

Xbox Series X|S版

・Game Pass込みで“コスパ最強”なコンソール版

  • パフォーマンス
    • Series X(パフォーマンスモード):
      • 初期バージョンは40〜50fps台まで落ちるシーンが多く厳しい出来でしたが、1.7までのパッチで大きく改善。現在は約99%のプレイ時間で60fps維持、人口密集エリアなど一部のみ50fps台に落ちる程度まで持ち直しています。
      • クオリティモードは30fpsロックで、PS5とほぼ同等の挙動。
    • Series S:
      • 解像度と描画設定はSeries Xより抑えめですが、1.7でフレームレートと安定性が全体的に底上げされており、「画質よりプレイできるかどうか」を重視するなら十分実用レベルとされています。
  • 特徴
    • Xbox Game Pass対応タイトルのため、サブスク加入者なら追加出費なしで遊べるのは大きなメリット。
    • ただし、DualSenseのような専用フィードバックはないので、「没入感演出」よりも「コスパ重視」「既にSeries X|Sを持っている人向け」の選択肢。
  • 総評(Xbox)
    • パッチ前提ではあるものの、1.7以降は 60fps狙いで快適に遊べるレベルに到達
    • すでにSeries X|S+Game Pass環境があるなら、コスパ面では最強クラス。一方で「これからハードごと買う」前提なら、PS5/PS5 Proとの差別化はやや薄めという印象です。

PC版

・最高画質とMod前提ならベストだが、要求スペックはかなり高め

  • パフォーマンス
    • パッチ1.7でCPUボトルネック時の平均fpsが約26%改善し、フレームタイムも大きく安定。以前のように「楽しむにはfpsキャップ必須」とまでは言われなくなりました。
    • それでも、最高設定やレイトレースONではかなり重く、ハイエンドGPU(RTX 4070クラス以上)を前提にしたチューニングという評価が多いです。中堅クラスのGPUでは設定を落として60fpsを狙う形になります。
  • 特徴
    • 解像度・設定・フレームレートを自分好みに細かく調整でき、将来のアップグレードにも対応しやすい。
    • Mod対応や細かいキーバインドなど、「STALKERシリーズをPCゲームとして育ててきた文化」と相性が良いのもPC版。
  • 総評(PC)
    • 十分なスペックのPCがあるなら、もっとも“伸びしろ”のあるバージョン
    • 逆に、推奨ギリギリ〜それ未満の環境だと、コンソール版よりも快適さで負ける可能性が高いので要注意です。
項目PS5 / PS5 ProXbox Series X|SPC版
パフォーマンス
(パッチ1.7以降)
パフォーマンスモードでおおむね60fps前後。
クオリティモードは4K/30fps安定。
PS5 Proは4K/60fpsを狙った最適化が公表されている。
Series Xはパフォーマンスモードでほぼ60fps維持、
重い場面のみ一時的に低下。
Series Sは解像度を落として安定性重視。
パッチ1.7で平均fps・フレームタイムが大幅改善。
ただし高設定やRTはハイエンドGPU前提で、
設定調整は必須。
安定性 最新パッチ適用でクラッシュ頻度はかなり減少。
コンソールではもっとも安定との評価が多い。
初期版より大幅に改善し、現行パッチでは実用レベル。
まれにクラッシュ報告はある。
以前より大きく安定したが、環境依存でクラッシュ報告は残る。
ドライバや設定次第で体感が変わりやすい。
画質 UE5ベースで高品質。
PS5 ProはPC版のHigh設定に近いとされる。
4K/30 or 60fpsモードを選択可能。
Series XはPS5と同等クラスの画質設定。
Series Sは解像度と描画を抑えた代わりに軽量寄り。
解像度・描画設定・フレームレートを細かく調整可能。
環境次第でコンソール以上の画質・fpsも狙える。
操作・フィードバック DualSenseのアダプティブトリガー/ハプティック対応。
銃の重さや反動が手応えとして伝わりやすい。
標準コントローラーで安定した操作感。
特別なフィードバック演出は少なめ。
マウス+キーボード/パッドを選択可。
エイム精度やキーバインドを自分好みに調整できる。
特徴 日本版はセガが販売を担当。
コンソール版では「完成度の高い版」として評価されがち。
リリースから約1年間はXbox Game Pass対象だったが、
2025年11月にラインナップから外れ、
現在は通常購入が前提。
Mod対応や将来的なアップデートに柔軟。
録画・配信・カスタム設定など“PCゲーム的な遊び方”がしやすい。
必要な環境 PS5本体 or PS5 ProがあればOK。 Xbox Series X|S本体。
セールや値引きと組み合わせれば比較的安く始められる。
推奨スペック以上のゲーミングPC推奨。
ミドル〜ハイエンドGPUと十分なメモリが欲しい。
向いているプレイヤー コンソールで安定して遊びたい人。
雰囲気重視+快適さも一定ライン欲しい人。
すでにXbox環境を持っている人。
セールや値引きで安く買いたいコスパ重視の人。
ハイスペPC持ち、今後もPCでゲームを遊び続ける人。
画質・fps・Modまでこだわりたい人。
忖度なしおすすめ度 コンソール勢なら最有力候補。 Xbox本体を持っていて、STALKER 2が気になっている人には十分おすすめ。 スペックさえあればベスト版。
そうでなければコンソール版の方が安定しやすい。

忖度なしスコア

S.T.A.L.K.E.R. 2は、間違いなく唯一無二の体験ができる作品だ。
ゾーンの空気、重たい静寂、突発的な銃撃戦、理不尽なアノマリー——すべてが生々しく、ただのFPSではなく“生存者として世界に放り込まれた感覚”を味わわせてくる。特に雰囲気の完成度は突出しており、序盤から引き込まれてしまう没入感は、近年のサバイバル作品の中でも頭ひとつ抜けていると感じた。

一方で、作品の魅力の裏返しでもある“とっつきにくさ”も強く残っている。
ストーリーは徐々に理解できる構成で丁寧さよりもリアリティを優先しており、目的地やシステムの説明も最小限。慣れるまで何度も死ぬし、資源は常に不足しているし、敵は硬く、弾薬や修理費の負担はシビア。緊張感と達成感を楽しめる人にとっては最高だが、快適さや親切さを求める人には容赦ない難度だ。

技術面は現時点(パッチ1.7)で大きく改善されたのは間違いないが、それでも“完璧に仕上がった”とは言えない。
パフォーマンス向上やクラッシュ減少はしっかり体感できるものの、環境差で快適さが大きく変わりやすく、UIも見やすいとは言い難い。いまだ荒削りな部分が残っているのは事実で、ここが評価を分けるポイントになる。

つまりこのゲームは、万人向けではない。
ただし“ハマる人にとっては神ゲーになるタイプ”の作品であり、一度ゾーンの世界観を理解し始めた頃から、探索も戦闘も物資管理もすべてが中毒的に面白くなる。“遊ばされる”のではなく“生き延びている”と感じられるゲームはそう多くない。

欠点を抱えたまま、それでも圧倒的に光っている。
これが、忖度なしに見たS.T.A.L.K.E.R. 2の姿だ。

項目スコアコメント
世界観・雰囲気10 / 10空気感・音・光・ロケーションの作り込みが圧倒的。没入感は近年トップクラス。
ストーリー・キャラクター8 / 10説明少なめで理解に時間は要するが、入り込めた瞬間の熱量は非常に高い。
ゲームプレイ(探索・戦闘・育成)8 / 10サバイバルの緊張感は極上。だが敵の硬さ・弾薬・修理コストは好みが割れる。
パフォーマンス・安定性6.5 / 101.7で大幅改善も、環境差のブレとまれなクラッシュは依然ゼロではない。
UI・快適さ・遊びやすさ6 / 10とっつきにくさは群を抜く。慣れれば良さが出るが、慣れるまでが長い。
総合スコア8.1 / 10荒削りだが特別な体験を提供する“ハマる人には唯一無二の神ゲー”。

S.T.A.L.K.E.R. 2は、快適さや分かりやすさよりも“ゾーンに生きる体験”を徹底的に追求した作品。
パフォーマンスやUIに粗さは残るものの、雰囲気と没入感の完成度は群を抜いており、ハマる人にとっては他のFPSでは代替できないほど強烈な魅力を持ったタイトルです。

S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(PS5版)
S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(PS5版)

チェルノブイリ立入禁止区域「ゾーン」を舞台にしたオープンワールドサバイバルFPS。

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価格・在庫は変動します。購入の際は各ショップの最新情報をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 今回のストーカー2は、昔の作品の移植やリマスターですか?

A. いいえ、今回の『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、過去作の移植やリマスターではなく「完全新作」です。
2007〜2009年にかけて発売された『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ(Shadow of Chernobyl/Clear Sky/Call of Pripyat)の世界観を受け継いだ続編ですが、ストーリー・マップ・ゲームエンジンは一から作り直されています。


Q. 旧作をプレイしていなくても楽しめますか?

A. シリーズの設定や用語にニヤリとできる場面はあるものの、物語自体は今回の主人公とゾーンを軸にした独立した構成になっているため、「ストーカー2から入る」前提でも問題ありません。旧作の細かいストーリーを知らなくても遊べますが、世界観にハマったら後から過去作を触ると、よりニヤリとできるタイプのつながり方です。


Q. 難易度はどのくらい? FPSがあまり得意でなくても大丈夫?

A. 一般的な「気持ちよく撃ちまくる系FPS」と比べると、かなり難しめです。敵の攻撃力が高く、弾薬や回復アイテムも潤沢ではなく、アノマリーや放射能汚染など理不尽寄りの事故死も多め。難易度設定は用意されていますが、そもそものゲームデザインがシビア寄りなので、「じっくり慎重に進めるサバイバル」が好きな人向けと言えます。


Q. どの機種で遊ぶのがおすすめですか?

A. コンソールで遊ぶなら、現時点ではPS5版がもっともバランス良く遊びやすい印象です。パフォーマンスや安定性がパッチでかなり改善されており、DualSenseのトリガーや振動演出も加わります。ハイスペックPCを持っているなら、画質・フレームレート・設定の自由度という意味でPC版も選択肢になりますが、要求スペックは高めなので、自分の環境と相談する必要があります。


Q. ホラー要素はどのくらいありますか? 怖すぎないか心配です

A. いわゆる「ジャンプスケア連発」のホラーではなく、静かな不安や緊張感で攻めてくるタイプです。暗い施設内での探索や、得体の知れない音・アノマリーにじわじわ追い詰められるような怖さはありますが、ゴア表現だけを前面に出した作品ではありません。「ホラー映画は苦手だけど、重い空気感のサバイバルゲームは好き」という人なら、ギリギリ楽しめるラインだと思います。

総評

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』夕焼けに染まる観覧車と荒廃した街並みを描いたゲーム内スクリーンショット

S.T.A.L.K.E.R. 2は、良くも悪くも「快適な現代FPS」の真逆にいる作品だと感じました。
最新パッチでパフォーマンスやクラッシュはかなり改善されたとはいえ、UIの不親切さや難易度の高さ、資源管理のシビアさなど、遊び手を選ぶ要素は今もはっきり残っています。ただ、その欠点を補って余りあるほど、ゾーンの空気感とサバイバル体験の密度が突出しているのも事実です。

世界観・雰囲気はほぼ満点級で、緊張感ある探索や重たい銃撃戦がつながった先に、ほかでは味わえない没入感があるゲームでした。「多少荒くてもいいから、唯一無二の世界に浸りたい」と思えるかどうか──そこで評価が大きく分かれる、尖った一本だと思います。

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