スーパー野田ゲーPARTY&WORLD 忖度なしレビュー|“お笑いネタ×ミニゲーム38本”の第一印象

マヂカルラブリー・野田クリスタルさんが手掛ける「野田ゲー」シリーズが、ついにNintendo Switchのパッケージソフトとして登場しました。それが、2025年12月4日に発売された『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』です。
本作は、配信専用だった『スーパー野田ゲーPARTY』(2021年)と『スーパー野田ゲーWORLD』(2022年)を1本にまとめたオールインワンパッケージで、収録ゲーム数は合計38本。ジャンルはパーティーゲーム、対応プラットフォームはNintendo Switch、価格は税込3,000円、CEROレーティングはA(全年齢対象)となっています。
中身のイメージとしては、「テレビやネットのノリをそのままミニゲームにした“カオスなお笑いパーティーゲーム集」というのが近いです。『PARTY』側には「つり革」「将棋II」といった尖ったアイデアのローカル対戦ゲーム、『WORLD』側にはオンライン対戦強化・最大20人で遊べるミニゲームなどが詰め込まれており、ひとりでやり込むことも、家族や友人同士でワイワイ遊ぶことも想定された構成になっています。
パッケージ版として1本差し込めば、「とりあえずこれ入れとけばなんとかなる」タイプの“飲み会用ソフト”としても機能しそうな位置づけです。
本記事では、2025年12月5日時点のプレイ状況(オフライン複数人プレイ+一部オンライン対戦を発売直後に体験した段階)をベースに、「パーティーゲームとしてどれくらい盛り上がるか」「ひとり用としても楽しめるか」「ネタの“内輪感”や人を選びそうなポイント」「38本入り3,000円という価格バランス」を中心に、ネタバレなしで忖度なしの第一報レビューを行っていきます。オンライン人口や長期的なやり込み寿命については、今後のアップデートやプレイヤー数の推移で評価が変わる可能性が高いため、現時点ではあくまでファーストインプレッションとして触れるに留め、しばらく遊んだあとにスコアや所感を追記していくスタイルで更新していきます。
スーパー野田ゲーPARTY&WORLD 作品概要・基本情報
『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』は、マヂカルラブリー・野田クリスタルさんが開発/総監督を務める「野田ゲー」シリーズ2作を1本にまとめたパッケージソフトです。2021年配信の『スーパー野田ゲーPARTY』と、2022年配信の『スーパー野田ゲーWORLD』を収録したオールインワン版で、ジャンルは“パーティーゲーム”。舞台や世界観は作品ごとにバラバラで、「つり革」「将棋II」のようなネタ系ゲームから、オンライン対戦対応タイトルまで、とにかくバラエティ重視のラインナップになっています。
メーカー公式や各ショップの紹介文では「収録ゲーム38本! 面白いゲーム3割強!!」とアピールされており、クラウドファンディング発の手作り感と、テレビ・お笑い文化のノリを詰め込んだ“カオス系パーティーゲーム集”として位置付けられています。オフラインでは最大4人、オンラインでは最大20人までの対戦に対応するゲームも含まれているため、家族や友人とのローカル対戦から、ネット越しの大人数対戦まで幅広く遊べる設計です。
なお、本作に収録されているミニゲームは、過去に配信専用ソフトとして発売された『スーパー野田ゲーPARTY』(2021年)と『スーパー野田ゲーWORLD』(2022年)に収録されていたタイトルがベースになっており、2025年12月4日時点では新規ゲーム自体の追加は告知されていません。すでにDL版2作品を購入・プレイ済みのユーザーにとっては、「内容はほぼ同じで、それらを1本のパッケージにまとめた版」という位置づけになりますが、パッケージ派のユーザーや、まとめて遊びたい人には分かりやすい“オールインワン版”と言える構成です。
基本情報(スペック)
- タイトル:スーパー野田ゲーPARTY&WORLD
- タイトル(カナ):スーパーノダゲーパーティー&ワールド
- ジャンル:パーティーゲーム
- 対応プラットフォーム:Nintendo Switch(パッケージソフト)
- プレイ人数:1〜4人(オフライン)、対応タイトルはオンライン最大20人まで
- 発売日:2025年12月4日(木)
- 価格:3,000円(税込・メーカー希望小売価格)
- レーティング:CERO A(全年齢対象)
- 開発・総監督:野田クリスタル
- 発売元:吉本興業株式会社
- 収録ゲーム数:公式紹介文では「全38本」
- 主な特徴:
- 『スーパー野田ゲーPARTY』(ネタ系ミニゲーム集)+『スーパー野田ゲーWORLD』(オンライン強化版)を収録
- 一部タイトルはオンライン対戦・世界ランキング対応
- クラウドファンディング支援者のイラスト・音声素材などを多数使用した手作り感のある演出
- 初回生産特典:野田クリスタル直筆サインがもらえるチャンス付き、特製シリアルナンバー入りネームカード封入
スーパー野田ゲーPARTY&WORLDのよかった点|“3割強”どころか当たり枠かなり多め
1つ目の長所は、とにかく「内容量と価格のバランス」が分かりやすく優秀なところです。
本作は『スーパー野田ゲーPARTY』(収録16本)と『スーパー野田ゲーWORLD』(収録20本)の2作を1本にまとめたパッケージで、合計38本のミニゲームが収録されています。
それでいて希望小売価格は税込3,000円。大作ソフトと比べても手を出しやすい価格帯で、単純な“遊びの数”という意味ではかなり密度の高い1本です。
2つ目の長所は、パーティーゲームとしての“ジャンルのバラつき”です。
『PARTY』側は「つり革」「将棋II」など、シンプルな操作で誰でも遊べるローカル対戦寄りのネタゲームが中心。『WORLD』側は、「邪道バース」(イカサマ有りのカードゲーム)、「ナガイアス」(横スクロールシューティングを1画面に詰め込んだようなステージ)、「信 〜NOBU〜」(千鳥ノブ主演アクション)、「無理して集まらなくていいよ どうぶつの国」(動物を撮影する一人称視点ゲーム)など、オンライン対戦やランキング対応のタイトルが揃っています。
アクション、レース、カードゲーム、クイズ、パズル、写真撮影系まで、遊び方が被りにくい構成なので、「今日はどれで遊ぶ?」とメンバー全員で選ぶ時間そのものがコンテンツになります。
3つ目の長所は、「ローカルでもオンラインでもとりあえずこれ1本あればなんとかなる」万能感です。
『WORLD』由来のタイトルは、オンライン対戦と世界ランキングに対応し、遠くのフレンドともわいわい遊べる設計になっています。
一方で、本作全体としてはオフライン最大4人に対応しており、Joy-Conおすそわけ前提のSwitchとの相性も良好。家に1本置いておけば、家族・友人が集まったときに「とりあえず野田ゲー入れよう」で場を温められるタイプのソフトです。
4つ目として、“クラファン×お笑い”ならではの手作り感も、ハマる人には大きな魅力です。
両タイトルともクラウドファンディングで制作されており、支援者のイラストや音声素材が多数ゲーム内に使われています。
商業タイトルとしての洗練されたビジュアルではない代わりに、「みんなで作った感」「文化祭の出し物をそのままパッケージ化したような空気」が強く、テレビやネットのお笑い文化が好きな人ほどニヤニヤしながら遊べる仕上がりです。
最後に、パッケージそのものが持つ“ネタ性”もプラス要素として挙げておきたいところ。
公式のインタビューや記事では、あえて大作RPG風のイラストでパッケージを作り、「中身とのギャップを楽しんでほしい」という狙いが語られています。
店舗で並んだときのインパクトも強く、ソフト単体だけでなく「箱ごと話題になる」タイプの作品として、コレクション欲を刺激されるユーザーにはかなりおいしい1本と言えます。
スーパー野田ゲーPARTY&WORLDの気になった点|内輪ノリ・バラつき・人を選ぶポイント
まず大前提として、「野田ゲー」という企画そのものがかなり人を選ぶノリだという点は外せません。
クラウドファンディングやお笑い番組、配信などを追いかけてきた層には“元ネタ”が分かる仕掛けが多い反面、そうした文脈を知らない人からすると「なぜこれが面白いのか」が伝わりにくいミニゲームも混ざっています。テレビやネットのお笑い文化に明るくない人が、パッケージの見た目だけで買うと、笑いどころを掴むまでに少し時間がかかるかもしれません。
次に、ミニゲームごとのクオリティ差が大きいこと。
公式キャッチコピーが「面白いゲーム3割強!!」と自虐している通り、38本すべてが“長く遊べる完成度の高いゲーム”ではありません。ルールを読んだ瞬間にオチが分かる一発ネタ系や、数回遊べば満足してしまうごく小粒なゲームも含まれていて、
- 「せっかく38本もあるのに、実際はよく遊ぶゲームが限られる」
と感じる人もいるはずです。遊ぶメンバーの好み次第で“当たり/ハズレ”の線引きも違ってくるので、そこをどう捉えるかで評価が分かれそうです。
ゲームデザインの面では、説明不足ぎみのタイトルもちらほらあります。
遊び方そのものはシンプルなものが多い一方で、ルール説明画面やチュートリアルが最小限に抑えられているゲームでは、「最初の1〜2回は何が起きているのか分からないまま終わる」こともあります。パーティーゲームとしてテンポ重視なのは長所ですが、ゲームによっては
- “最初の1回目は完全にお試し”
になりがちで、初見の人を一気に巻き込むにはややハードルを感じる部分もありました。
オンライン要素についても、仕様としては魅力的ですが、長期的な評価はこれからの部分が大きいです。
『WORLD』由来のタイトルにはオンライン対戦やランキング機能が用意されていますが、こうしたモードはプレイヤー人口や時間帯によって快適さが大きく変わります。発売直後の短い期間だけでは、
- どのゲームが継続的に人が集まるのか
- マッチングの待ち時間や回線状況がどの程度安定しているのか
までは判断しきれません。オンラインを軸にやり込みたい人にとっては、「現時点ではまだ様子見が必要」というのが正直なところです。
そして、“パッケージ詐欺”をあえて狙った世界観も、好みが分かれるポイントです。
有名RPG風のイラストとタイトルロゴからは、どうしても“長編RPG”を連想してしまいますが、実態はミニゲーム集です。昔のゲーム文化を知っている層にはニヤリとできる仕掛けである一方、情報なしでジャケ買いした人の中には
- 「RPGだと思って買ったら、全然違うタイプのゲームだった」
と戸惑うケースも出そうです。事前に「中身はお笑い寄りミニゲーム集」と理解しているかどうかで、満足度が大きく変わる設計になっていると感じました。
スーパー野田ゲーPARTY&WORLDならではの魅力|“文化祭ノリ”をまるごとパッケージした一本
『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』の一番おもしろいところは、「ゲームの出来」よりも「企画と空気感」まで含めて体験させてくるところだと思います。
まず、クラウドファンディング発のプロジェクトとして生まれた経緯も含めて、いい意味で“文化祭ノリ”がそのまま残っています。支援者のイラストや音声、アイデアがそのままゲーム内に入り込んでいて、「ちゃんと遊べるゲーム」でありつつも、ところどころに手作り感や“素人っぽさ”が顔を出します。普通の商業タイトルだと削ぎ落とされてしまうこうした部分が、野田ゲーではむしろ味として残っているのが独特です。
次に、「お笑いのネタをゲームとして成立させる」ことに本気で取り組んでいる点も、この作品ならではです。
千鳥ノブのツッコミをそのままアクションゲーム化したような『信 〜NOBU〜』や、カードゲームの“イカサマ”を正面からシステムに組み込んだ『邪道バース』など、発想だけ聞くと単なる一発ネタで終わりそうな題材を、きちんとルールとして形にしているタイトルがいくつもあります。テレビやバラエティ番組で一度見たようなノリが、そのままプレイヤー自身の操作と笑いに直結する感覚は、他のパーティーゲームではなかなか味わえません。
さらに、今回それらを2作分まとめて「Switchのパッケージソフト」として出したことで、作品自体に“ゲーム文化へのラブレター”っぽさが強く出ています。
有名RPG風の重厚なパッケージデザインと、中身のカオスなミニゲーム集とのギャップは、ファミコン〜PS初期あたりの「ジャケットだけやたら壮大で、中身はよく分からないゲーム」という体験を、令和のコンソールにわざと持ち込んだような仕掛けです。昔のゲームショップの棚を知っている世代なら、「こういうの、昔ほんとにあったよな」とニヤリとできるはずです。
結果として、『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』は
「完成度の高いミニゲーム集」ではなく、
「お笑いとゲームとクラファン文化がごった煮になった“イベントそのもの”をソフト1本に封じ込めた作品」
として楽しむのが、いちばんハマる遊び方だと感じました。
スーパー野田ゲーPARTY&WORLD 忖度なしスコア(暫定)
38本のミニゲームを一本に詰め込んだ“ごった煮パーティーソフト”としては、アイデアとバリエーションの豊かさはかなり高く、価格帯を考えると「元は取りやすい」部類に入ると感じました。
一方で、グラフィックや音まわり、ゲームごとの完成度にはバラつきがあり、「お笑いとクラファン文化のノリを楽しめるかどうか」で評価が大きく変わるタイトルでもあります。パーティーゲームとしては、ノリの合うメンバーと遊ぶ前提なら盛り上がりは十分狙える仕上がりで、長時間じっくり遊ぶ“1本のゲーム”というより、飲み会・配信・集まりの場を盛り上げる“ネタ箱”として買うと満足度が高いタイプだと思います。
なお、この評価は発売直後に遊んだ時点での暫定スコアであり、オンライン人口や長期的なやり込み具合が見えてきた段階で、今後も見直していく前提です。
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| ゲーム内容・アイデア | 8.0 / 10 |
| グラフィック・演出 | 6.0 / 10 |
| サウンド・ボイス表現 | 6.0 / 10 |
| 操作性・遊びやすさ | 7.0 / 10 |
| パーティーゲームとしての盛り上がり | 8.0 / 10 |
| コスパ・ボリューム | 8.0 / 10 |
| 総合スコア(暫定) | 7.5 / 10 |
38本のバリエーションとアイデアの豊かさ、税込3,000円という価格を考えるとパーティーゲームとしてはかなりお得な一本という印象です。一方で、グラフィックやサウンド、各ミニゲームの完成度にはバラつきがあり「野田ゲーらしいノリ」を楽しめるかどうかで評価が大きく変わるタイトルでもあります。スコアは発売直後時点での暫定評価のため、オンライン人口や長期的なやり込み状況に応じて今後も見直していきます。
38本の中には当たり外れこそあるものの、アイデアの豊かさとネタ性は強く、価格以上の“企画力の面白さ”が光る内容でした。純粋な完成度だけを見ると粗さも残りますが、パーティーゲームとしては十分盛り上がれるポテンシャルを持ち、野田ゲー特有のノリを理解して遊ぶ前提なら満足度は高めです。
芸人・マヂカルラブリー野田クリスタルさん発の「野田ゲー」シリーズを まとめて楽しめるパーティタイトル。バカバカしくも中毒性の高いミニゲームが多数収録されており、 友だちや家族とワイワイ盛り上がれる一本です。
価格・在庫・特典内容は変動します。購入の際は各ショップの最新情報をご確認ください。
総評|“ゲームの出来”より“場の空気”を楽しむ一本

『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』は、いわゆる“完成度の高いミニゲーム集”を期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが、「お笑いとクラファン文化がごった煮になったネタ箱」として見ると、かなりユニークで替えの利かない一本です。38本のうち、長く遊べる当たりゲームもあれば、数回遊べば満足してしまう一発ネタも混ざっていて、そのアンバランスさも含めて“野田ゲーらしさ”になっていると感じました。
パッケージの見た目は大作RPG風でありながら、中身はカオスなミニゲーム集というギャップも含めて、「昔のゲーム売り場にあったパッケージ詐欺的タイトル」を令和のSwitchで再現したような存在です。真面目にストーリーや世界観を味わうゲームではなく、友だちや家族とツッコミ合いながら遊ぶことで完成するタイプのソフトで、「今日はちょっと変なゲームで笑いたい」という日に差し込みたくなります。
向いているのは、お笑いが好きな人、配信や宅飲みで“ネタになるゲーム”を探している人、ゲームの出来よりもその場の空気や企画性を重視するタイプのプレイヤーです。逆に、1本のゲームを腰を据えてやり込みたい人や、内輪ノリや手作り感が苦手な人にはやや厳しいかもしれません。忖度なしに言えば、「ゲームとしての完成度で選ぶソフトではなく、“場を盛り上げるツール”として1本持っておくとおいしいタイプの作品」というのが、現時点での正直な評価です。
【権利表記】
Nintendo Switch は任天堂の商標です。
『スーパー野田ゲーPARTY&WORLD』の名称・画像・映像の権利は
吉本興業・カヤックおよび関係各社に帰属します。