9月18日は何の日?
9月18日は、日本ならではのユニークな記念日がいくつも重なっています。
ビタミンたっぷりの「かいわれ大根の日」、沖縄の方言を守り伝える「しまくとぅばの日」、そして秋の味覚を代表する「松茸の日」。
いずれも身近な暮らしや文化に根ざしたテーマで、日常を少し彩ってくれる日付です。
さらに歴史を振り返れば、1931年の満州事変のように日本史の転換点となった出来事もありました。
そして世界に目を向けると、国際同一賃金デーや世界竹の日など、国際社会にとっても重要な意味を持つ日。
今回は、日本を中心に9月18日の記念日や出来事をまとめ、最後に世界の動きもあわせて紹介します。
かいわれ大根の日

9月18日は「かいわれ大根の日」。1986年に「日本かいわれ協会」(現在の日本スプラウト協会)が制定しました。
日付の由来は、数字の「8」と「1」を並べると、双葉を伸ばしたかいわれ大根の姿に見えることから。9月は同協会が設立された月でもあり、業界のシンボルとしてこの日が選ばれました。
かいわれ大根は大根の芽を育てたスプラウトで、栄養価が高く、ビタミンCやβカロテン、食物繊維が豊富に含まれています。見た目は小さくても健康面で頼もしい存在で、サラダや味噌汁の具、丼の薬味など幅広い料理に使われます。
実はこの記念日ができた背景には、当時の生産量の少なさや認知度の低さがありました。毎日の食卓にもっと身近に取り入れてほしいという生産者の願いが込められているのです。今ではスーパーで当たり前のように並び、価格も安定しているかいわれ大根。9月18日はその歩みを思い出しながら、料理にちょっと添えてみるのも良いかもしれません。
しまくとぅばの日
9月18日は、沖縄県が条例で定めた「しまくとぅばの日」です。
「しまくとぅば」とは、沖縄の言葉(琉球諸語)のこと。那覇や首里の方言だけでなく、宮古や八重山など地域ごとに違いがあります。かつては家庭や地域で当たり前に話されていましたが、世代の変化とともに話す人が減り、消滅の危機にあるといわれています。
沖縄県は2006年に「しまくとぅば県民運動推進条例」を制定し、毎年9月18日に普及啓発活動を行うようにしました。日付は「く(9)・とぅ(10)・ば(8)」の語呂合わせから選ばれたものです。
学校や地域イベントでは、しまくとぅばでのスピーチコンテストや演劇が開かれ、子どもから大人まで言葉を体験できる機会が作られています。日常生活で使う人が少なくなっても、文化の根幹として伝え残していこうという思いが、この記念日に込められています。
沖縄を訪れたときに「はいさい」「にふぇーでーびる」といった挨拶を耳にしたことがある人も多いでしょう。しまくとぅばの日は、そんな温かい響きを未来へ受け継ぐ大切さを思い出させてくれる日です。
松茸の日

9月18日は「松茸の日」。日本特有の秋の味覚である松茸に親しんでもらおうと、1987年に日本特用林産振興会が制定しました。ちょうど松茸の出荷が本格的に始まる時期にあたり、秋の味覚を代表する存在としてふさわしい日付とされています。
松茸は古くから日本人に愛されてきた高級食材で、独特の香りと歯ごたえが魅力です。松茸ご飯、土瓶蒸し、焼き松茸など、食卓に並ぶだけで季節感が一気に深まります。近年は国内産が減少し、輸入品が主流になっていますが、それでも「秋の贅沢」として特別な位置づけを保ち続けています。
この記念日が生まれた背景には、国産松茸の減少を受け、消費者にもっと親しんでもらい、林産資源としての価値を広めたいという思いがありました。9月18日を迎えるたびに、「今年は松茸を味わえるだろうか」と少しそわそわするのも、この食材ならではかもしれません。
世界初のカップヌードル発売(1971年9月18日)
1971年9月18日、日清食品が世界初のカップ麺「カップヌードル」を発売しました。発売の舞台となったのは東京・新宿の百貨店。ガラス張りのカップに入った麺は当時としてはとても斬新で、試食販売には多くの人が列をつくったといわれています。
カップヌードルが画期的だったのは、麺・スープ・具材がすべて一つの容器に収められ、お湯を注ぐだけで完成するという手軽さでした。従来のインスタントラーメンは鍋で煮る必要がありましたが、カップヌードルは容器がそのまま器になり、忙しい人や若者に大ヒット。わずか数年で国民食と呼ばれるほど広まりました。
また海外への輸出も早くから行われ、アメリカをはじめ世界各国に浸透。現在では100を超える国と地域で販売され、インスタント食品の代名詞となっています。9月18日は、日本の食文化が世界へ羽ばたいた記念日としても意味深い日なのです。
世界の9月18日
日本の記念日や出来事に注目したあとは、世界に目を向けてみましょう。
国際同一賃金デー(International Equal Pay Day)
9月18日は、国連が制定した「国際同一賃金デー」です。
この日は、性別や人種による賃金格差をなくし、同じ価値のある仕事には同じ賃金を支払うべきだという理念を再確認するための国際デー。2019年の国連総会で決議され、毎年各国でイベントやシンポジウムが行われています。
世界全体で女性の賃金は男性よりも平均で約2割低いとされ、いまも課題は続いています。9月18日は、社会の公平さについて改めて考えるきっかけになる日です。
世界竹の日(World Bamboo Day)
同じく9月18日は「世界竹の日」としても知られています。2009年に「World Bamboo Organization(世界竹機構)」が制定した国際デーで、持続可能な資源としての竹の価値を広めることが目的です。
竹は成長が早く、建築資材や食材、工芸品に活用されてきました。環境保全や気候変動対策の面でも注目され、世界各地で竹の文化や利用法を伝えるイベントが開催されています。
日本でも竹は昔から身近な存在ですが、改めてその魅力を世界と共有する日になっています。
チリ独立記念日(Fiestas Patrias)
1810年9月18日、南米チリでスペインからの独立を求める最初の政府組織「第一国家評議会」が発足しました。この日が独立運動の始まりとなり、現在も「独立記念日」として国民の祝日になっています。
チリでは9月18日と翌19日を合わせて「Fiestas Patrias(祖国祭)」と呼び、盛大なパレードや伝統舞踊クエカ、民族衣装での祝祭が行われます。
国民が一体となって祖国の誕生を祝うこの日付は、チリにとって最も重要な祝日のひとつです。
まとめ
9月18日は、日本では「かいわれ大根の日」「しまくとぅばの日」「松茸の日」といった暮らしや文化に直結する記念日が重なり、さらに1971年にはカップヌードルの発売という大きな出来事もありました。
一方で世界に目を向ければ、国際同一賃金デーや世界竹の日、チリ独立記念日など、社会課題から国の誕生まで多様な意味を持つ日付でもあります。
同じカレンダーの日でも、地域によってまったく異なる価値や歴史が宿っていることは、とても興味深い発見です。
今日という日をきっかけに、身近な食卓や文化、そして世界の動きに少しだけ思いを巡らせてみるのも良いかもしれません。