9月19日は何の日?

9月19日は、日本の暮らしや歴史に深く関わる記念日が並ぶ日です。
1870年、一般の人々が初めて苗字を持つことを認められた「苗字の日」、先祖や故人を偲んで心の整理を促す「遺品整理の日」、そして多様な意見を尊重し平和を忘れない思いを込めた「いけんの日」。
どれも日常や社会に直結するテーマで、普段の生活を見つめ直すきっかけになります。
さらに世界では、ユーモラスに「海賊のように話そう!」と楽しむユニークな記念日も制定されています。
同じ一日が、日本と世界で異なる意味を持つのは、とても興味深いですね。
苗字の日
9月19日は「苗字の日」。1870年(明治3年)、明治政府が太政官布告を出し、一般庶民にも苗字を名乗ることが許されたのがこの日です。
それまで苗字は武士や貴族に限られており、多くの人々は名(下の名前)だけで暮らしていました。しかし近代国家として戸籍制度を整備する流れの中で、全国民に苗字を持たせる必要が生じたのです。
とはいえ、当初は「名乗ってもよい」という任意の布告でした。そのため多くの庶民は「苗字があると年貢を多く取られるのでは」と警戒し、すぐには普及しませんでした。本格的に義務化され、全国民が苗字を持つようになったのは1875年のことです。
今では日本人にとって苗字は当たり前の存在ですが、150年前まではごく限られた特権でした。9月19日は、自分の苗字の由来やルーツに思いを馳せるきっかけにしてみるのも面白いかもしれません。
遺品整理の日
9月19日は「遺品整理の日」。大阪府箕面市の一般社団法人・遺品整理士認定協会が制定しました。
日付は「9・19」を「ありがとう(Thank you=サンキュー)」と読む語呂合わせにちなみ、また秋のお彼岸の時期にあたることから選ばれています。
遺品整理という言葉には、少し重い響きを感じる人もいるかもしれません。ですが本来は、故人の持ち物を片づけながら思い出を振り返り、残された家族が新しい一歩を踏み出すための大切な作業です。近年は高齢化の進行もあり、専門の業者や整理士の活動が社会的に注目されるようになっています。
9月19日は、身近な人の遺品だけでなく、自分自身の暮らしや持ち物を見直すきっかけの日でもあります。「もしも」のときに残された人が困らないよう、少しずつ身の回りを整える。そんな前向きな意味を込めて、この記念日が広がっているのです。
いけんの日(9月19日)
9月19日は「いけんの日」とも呼ばれています。
これは2015年9月19日に、当時の国会で安全保障関連法案が可決・成立したことに由来しています。日本社会で大きな議論を呼び、今も賛否が分かれるテーマです。
この日をきっかけに「いけん」という言葉に「異見」「意見」「違憲」といった複数の意味を重ね合わせ、さまざまな立場の意見を尊重しようという思いから記念日として提唱されました。名前の響きに込められたユーモアとメッセージ性が特徴で、民主主義において対話や意見交換が欠かせないことを思い起こさせます。
9月19日は、単なる歴史の一日ではなく「人々がどのように社会や政治に関わるのか」を考えるきっかけの日です。自分の意見を持つこと、他人の考えに耳を傾けること。その大切さを改めて意識できる日といえるでしょう。
世界の9月19日
国際海賊のように話そうの日(International Talk Like a Pirate Day)
9月19日は、世界的にユーモラスな記念日として知られる「国際海賊のように話そうの日」です。
1995年、アメリカ・オレゴン州の2人の友人が冗談半分で「この日は海賊の言葉で話そう」と言い出したのが始まりでした。その後コラムニストに紹介されて一気に広まり、SNS時代になってからは世界中で楽しまれるようになりました。
この日は、普段の会話を「Arrr!(アール!)」や「Ahoy, matey!(やあ、仲間!)」といった海賊風の言葉に置き換えて楽しむのがルール。オンラインゲームやチャット、イベント会場などでも海賊語が飛び交い、パロディ精神にあふれた一日になります。
日本では大規模なイベントは少ないものの、SNSで「#TalkLikeAPirateDay」のハッシュタグが毎年登場します。ちょっとした遊び心を日常に取り入れる、ユーモアあふれる国際デーと言えるでしょう。
その他の世界の出来事
9月19日は、歴史上でもいくつかの出来事がありました。
例えば1796年、アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが「告別演説」を発表したのもこの日です。独立を成し遂げた国の初期を支えたワシントンは、政党政治や外国との関係に慎重であるべきだと訴え、後世に大きな影響を与えました。
また、20世紀以降では国際政治や地域紛争に関わる出来事も多く、国際社会にとって節目の日になることもあります。こうした歴史的背景を振り返ると、同じ日付でも世界各地でまったく異なる意味が込められていることがわかります。
まとめ
9月19日は、日本では「苗字の日」「遺品整理の日」「いけんの日」といった、人々の暮らしや歴史、社会を見つめ直す記念日が並ぶ日です。
自分のルーツを考えたり、大切な人を偲んだり、民主主義のあり方に思いを巡らせたりと、日常と深く結びついたテーマが揃っています。
一方で世界に目を向ければ、「海賊のように話そうの日」といったユニークな記念日や、歴史的な節目となる出来事もあり、まったく違う色合いを見せてくれます。
同じ日付でも国や地域によって意味が変わるのは、とても興味深いことです。
今日という日をきっかけに、身近な歴史や文化を振り返り、少し世界にも目を向けてみる。9月19日はそんな小さな発見を与えてくれる日かもしれません。