9月21日は何の日?

9月21日は、日本で「敬老の日」「ファッションショーの日」、さらに自然の猛威を伝える「室戸台風」の記憶が残る日です。
敬老の日には、年を重ねた人々を敬い、感謝の気持ちを表す風習が各地で息づいています。
ファッション文化を祝うファッションショーの日は、創造性やデザインに触れる機会を思い出させてくれます。
そして1934年の室戸台風は、西日本に甚大な被害を与え、気象対策や防災意識の大切さを教えてくれた出来事です。
さらに世界では、国連が定めた「国際平和デー」がこの日にあたり、紛争の停止や非暴力のメッセージを世界中に発信する日でもあります。
敬老の日(年によって9月21日)
「敬老の日」は、毎年9月の第3月曜日。そのため、年によっては9月21日が敬老の日に当たります(例:2020年など)。
趣旨は「多年にわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う」こと。
もともとは1947年、兵庫県多可町で始まった「としよりの日」が原点。
その後、1966年に国民の祝日として制定され、2003年から「ハッピーマンデー制度」により現在の“第3月曜”へ移行しました。
身近な人に「いつもありがとう」を伝えるのも立派なお祝い。
電話一本でも、写真を添えたメッセージでも、少しの心遣いが何よりの贈り物になります。
ファッションショーの日(9月21日)
9月21日は「ファッションショーの日」。1927年のこの日、東京・銀座の三越呉服店で日本初の本格的なファッションショーが開かれたことに由来します。モデルがランウェイを歩き、観客の前で洋装を披露するスタイルは当時としては非常に斬新で、大きな話題を呼びました。
それまで「呉服店」は和装中心でしたが、昭和初期には西洋の文化が広がり、洋装を取り入れる人々が増えていました。ファッションショーは単なる販売促進だけでなく、新しい文化の象徴として受け止められ、日本のファッション史にとって記念すべき一歩となりました。
今では全国各地や世界中で開かれるファッションショー。最新トレンドを発信する場であると同時に、人々に「着ることを楽しむ心」を思い出させてくれるイベントです。9月21日は、洋服の魅力や自己表現の力を改めて感じる日かもしれません。
室戸台風(1934年9月21日)
1934年9月21日、日本に襲来した「室戸台風」は昭和初期を代表する大災害の一つです。中心気圧は911ヘクトパスカルという非常に強い勢力で高知県室戸岬に上陸。その後、近畿地方を直撃し、特に大阪・神戸を中心に甚大な被害をもたらしました。
記録によると、死者・行方不明者は合わせて約3,000人、全半壊した家屋は9万戸以上とも言われます。大阪湾沿岸では高潮が発生し、工場地帯や住宅地が広範囲に浸水しました。当時の都市インフラはまだ脆弱であり、被害は一層拡大したのです。
この災害をきっかけに、日本では気象観測や防災体制の強化が進められました。気象庁の台風命名規則や防潮堤整備の必要性が広く認識されるようになったのも、室戸台風の教訓の一つです。
9月21日は、日本が自然災害とどう向き合い、どう備えるかを考える節目の日でもあるのです。
世界アルツハイマーデー(9月21日)
9月21日は「世界アルツハイマーデー」。1994年に国際アルツハイマー病協会(ADI)が制定し、世界保健機関(WHO)も賛同して毎年啓発活動が行われています。目的はアルツハイマー病や認知症に対する理解を深め、患者や家族への支援を社会全体で考えること。
日本でも「認知症の人と家族の会」や自治体が中心となり、この日を機に講演会やシンポジウム、オレンジライトアップといった活動が広がっています。認知症は誰にとっても身近な課題であり、特に高齢化社会を迎える日本にとって重要なテーマです。
「物忘れが増えたらすぐに不安…」と感じる人も少なくありませんが、早期発見とサポートがあれば本人も家族も安心して暮らすことができます。9月21日は、病気に対する誤解や偏見をなくし、支え合える社会を築くための一歩を考える日なのです。
国際平和デー(9月21日)
9月21日は「国際平和デー(International Day of Peace)」。1981年に国連総会で制定され、2001年からは毎年9月21日を「世界的停戦と非暴力の日」と定め、全ての国と人々に対して戦闘行為の停止を呼びかけています。
この日は国連本部で平和の鐘が鳴らされ、世界各地でも黙祷や平和行進、教育イベントが実施されます。武力紛争やテロが絶えない現代においても、国際平和デーは「一日でも戦闘を止めよう」という強い願いを込めた日です。
日本でも、広島や長崎などの被爆地をはじめ、学校や市民団体が平和をテーマにした講演や展示を行い、次の世代に戦争の悲惨さと平和の大切さを伝え続けています。9月21日は、国や地域を越えて「平和とは何か」を考えるきっかけとなる日なのです。
まとめ ― 敬いと記憶、そして平和を考える日
9月21日は、日本では高齢者を敬う「敬老の日」や、文化を彩る「ファッションショーの日」、さらには1934年の室戸台風という自然災害の記憶が重なる日です。日常や暮らしに根ざした出来事から、防災への教訓まで幅広く思い出させてくれます。
一方で、世界に目を向ければ「世界アルツハイマーデー」や「国際平和デー」といった、人類共通の課題と願いに結びつく記念日が位置づけられています。健康や認知症への理解、戦争や暴力のない世界を目指す活動は、私たちの日常とも無関係ではありません。
普段は何気なく過ぎていく一日も、歴史や国際的な視点を重ねると多くの意味を持つことに気づかされます。9月21日は、人を敬い、過去を学び、未来への平和を考えるきっかけとなる一日なのです。