9月24日は「清掃の日」や「畳の日」など暮らしに密着した記念日

9月24日は、私たちの日常や暮らしに深く結びついた記念日が多く集まっています。1971年に廃棄物処理法が施行されたことにちなむ「清掃の日」、伝統的な住まいの文化を見直す「畳の日」、さらには医療に関わる「歯科技工士記念日」など、多方面から生活を支えるテーマが並びます。
また、鉄道利用者にとって身近な「みどりの窓口記念日」や、国家制度に関わる人事院勧告制度の発足記念もこの日にあたり、社会的な広がりを感じられる一日です。
さらに世界に目を向けると、絶滅危惧種ゴリラの保護を訴える「世界ゴリラの日」や、南アフリカで文化や伝統を祝う「ヘリテージデー」などが行われています。日本と世界それぞれの特色を知ることで、9月24日という日がより豊かに見えてくるでしょう。
清掃の日
9月24日は「清掃の日」です。1971年9月24日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(いわゆる廃棄物処理法)」が施行されたことを記念して制定されました。この法律は、ごみ処理や環境衛生を整備するための基盤となった重要なものです。
清掃の日は、ただごみを片づける日というだけではありません。私たちの生活に欠かせない「環境を守る」という意識を広げる役割を担っています。家庭ごみの分別やリサイクル活動、地域の清掃ボランティアなど、身近な行動の一つひとつがこの日の趣旨につながっています。
近年はプラスチックごみやフードロスの問題など、環境への影響がより注目されるようになりました。清掃の日をきっかけに、身近な生活習慣を見直すことが、持続可能な未来につながっていくのです。
畳の日(9月24日)
9月24日は「畳の日」。制定したのは全国畳産業振興会で、畳の良さを見直してもらうことを目的に設けられました。実は畳の日は年2回あり、4月29日(当時のみどりの日)と9月24日(清掃の日・環境衛生週間の初日)に設定されています。
9月24日が選ばれた背景には、「衣替え前に畳を上げ、部屋も心もすっきり整えよう」という呼びかけがあります。畳は日本の住文化を支えてきた床材で、住宅材・敷物としての魅力を社会に伝える狙いも込められています(日本記念日協会に登録)。
また、原料のい草は湿度が高い時は水分を吸い、乾燥時は放出して室内の空気をほどよく保つといった特性が知られています。香りのリラックス感も含め、和室の心地よさを形づくる要素です。
季節の節目に畳を掃き、風を通す――そんな小さな手入れが、暮らしの質を静かに底上げしてくれます。
歯科技工士記念日(9月24日)
9月24日は「歯科技工士記念日」。公益社団法人 日本歯科技工士会(JDTA)が2005年に制定し、1955年9月24日の同会創立に由来します。歯科技工士という専門職の役割を知ってもらい、口腔の健康を支える仕事への理解を広げるのが目的です。
背景には、1955年に公布された「歯科技工士法」の存在があります。資格や業務の範囲を定め、医療の質向上に寄与するための骨格を整えた法律で、今日の歯科技工の基盤になりました。入れ歯や詰め物、矯正装置など、見えにくいところで生活の質を支える“縁の下の力持ち”――この日をきっかけに、そんな職能に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。
みどりの窓口記念日(9月24日)
9月24日は「みどりの窓口記念日」。1965年9月24日、国鉄(現JR)が全国の主要駅(約150駅)や日本交通公社の窓口で、コンピュータを用いた指定券発売窓口「みどりの窓口」を一斉に開設したことに由来します。翌10月1日の大幅ダイヤ改正に備え、予約業務の近代化を進めた一手でした。
背景には、国鉄の座席予約システム MARS の導入があります。従来の台帳+電話連絡という手作業を、中央装置と回線で結んだオンライン処理へ。1965年秋には新幹線も扱える MARS102 が稼働し、全国152駅のみどりの窓口で本格運用が始まりました。日本のIT・交通史に刻まれる転換点です。
その後は指定席券売機や「話せる指定席券売機」への置き換えが進み、窓口の縮小・終了も見られますが、複雑なきっぷや観光案内では今も頼れる存在。人が対面で支える“移動の安心”という価値は、半世紀を経ても色あせません。
人事院勧告制度(9月24日との関係もふくめて)
公務員の「人事院勧告」は、国家公務員の労働基本権が制約されている代わりに、民間の賃金水準など“社会一般の情勢”に合わせて処遇を保つための仕組みです。法的根拠は国家公務員法28条。人事院が毎年、国会と内閣に報告・勧告することが定められています。
制度としての確立は、1948年11月30日に国会で可決された国家公務員法の改正(同年12月3日公布)で、人事院が発足し、「情勢適応の原則」に基づく給与勧告制度が導入されたのが起点です。一次資料として当日の衆参両院本会議議事録が確認できます。
一方、ネット上では9月24日を「人事院勧告制度発足の日」と紹介する記述が見かけられますが、公的な一次資料ではその日付を裏づける根拠は確認できません。むしろ9月24日と関係が深い出来事としては、1982年9月24日に給与関係閣僚会議が当年の人事院勧告を凍結すると決定したケースが記録に残っています(いわば“逆方向”の歴史的出来事)。
つまり、「勧告制度そのもののスタート」は1948年の法改正が公式の根拠。9月24日は制度発足日としては裏取りが難しく、1982年の凍結決定日として歴史的に意味のある日、という整理が正確です。
ブルボン・プチの日(毎月24日)
毎月24日は「ブルボン・プチの日」。おなじみの細長い“プチ”シリーズをもっと楽しんでもらおうと、メーカーのブルボンが制定し、日本記念日協会の認定も受けています。公式の告知では、毎年6月24日を「プチクマの日」と併せて記念日に設定したことが示されています。
日付は“24(プチ)”の語感に加え、ラインアップの多彩さ(24種にちなむという解説もあり)で覚えやすいのがポイント。季節限定の味や地域色のあるフレーバーも多く、ちょっとした差し入れやおやつの話題づくりにぴったりです。
月に一度の小さなお楽しみ。きょうはどの“プチ”にしようか――そんな会話が生まれるのも、この記念日の醍醐味ですね。
地蔵菩薩の縁日(毎月24日)
毎月24日は、子どもや旅人の守り仏として親しまれる地蔵菩薩の縁日。月に一度、功徳がより大きくなる日とされ、赤いよだれかけや毛糸の帽子を新調したり、お花やお菓子を供えたりして手を合わせます。
地蔵菩薩は、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)すべての衆生を救うと説かれ、道ばたや辻、寺町の辻々に立つお地蔵さんは、地域の“見守り役”。交通安全や子どもの成長、亡くなった幼子の冥福を祈る存在として、今も生活に根づいています。
とくに8月24日は「地蔵盆」として西日本を中心に大きな行事になる土地も多く、子どもたちがお菓子をもらったり、町内で読経や飾り付けをしたりと、地域の年中行事として受け継がれてきました。
9月24日もその“毎月の縁日”にあたり、通りすがりに手を合わせるだけでも心が落ち着くもの。忙しい日々の合間に、道端のお地蔵さんへ小さな花を供える――そんな所作が、季節の移ろいと人のつながりを静かに思い出させてくれます。
世界ゴリラの日(9月24日)
9月24日は「世界ゴリラの日」。2017年の初開催で、ダイアン・フォッシー財団が運営するカリソケ研究センター設立50周年に合わせて始まった国際的な啓発デーです。目的は、ゴリラとその生息する森林を守る取り組みを世界規模で後押しすること。
ゴリラは東ゴリラと西ゴリラの2種に大別され、多くの亜種が絶滅の危機にあります。密猟や森林破壊、感染症が主な脅威です。一方、保全活動の成果でマウンテンゴリラの個体数は増加傾向にあるという朗報も。観光や調査の際は距離を保つ・接触を避けるなど、配慮が徹底されています。
今日できる小さな一歩は、信頼できる保全団体の情報に触れ、寄付や発信で“森を守る輪”に加わること。9月24日は、人と自然の共生を具体的な行動に変える日でもあります。
南アフリカ・ヘリテージデー(9月24日)
9月24日は、南アフリカの祝日「ヘリテージデー(Heritage Day)」です。1996年に制定された比較的新しい祝日で、人種や文化の違いを超えて、すべての国民が自国の多様な伝統を祝い合う日とされています。
南アフリカは「虹の国」と呼ばれるほど多民族・多文化社会。アフリカ系、ヨーロッパ系、インド系、マレー系といった多様な人々が共存しています。かつてアパルトヘイトという人種隔離政策を経験した国だからこそ、文化や言語、宗教の違いを尊重することが、この祝日の大きな意義になっています。
ユニークなのは「ブラアイ・デー(Braai Day)」という別名でも親しまれていること。ブラアイとはバーベキューの意味で、この日は家族や友人と集まり、屋外で肉を焼いて分け合うのが恒例行事です。国民的な食文化を楽しむことで、文化の多様性を“おいしさ”を通じて分かち合う日になっています。
ヘリテージデーは、南アフリカが歩んできた過去を振り返りつつ、未来への希望を形にする祝日。9月24日は、世界にとっても「多様性を尊重することの大切さ」を考えるきっかけになる日です。
まとめ
9月24日は、私たちの暮らしや社会に直結した記念日が数多く重なる一日です。廃棄物処理法の施行にちなんだ「清掃の日」や、日本の伝統住文化を見直す「畳の日」、医療を支える「歯科技工士記念日」、鉄道史に残る「みどりの窓口記念日」など、それぞれの分野で大切な意味を持っています。
さらに「人事院勧告制度」にまつわる出来事や、毎月恒例の「プチの日」「地蔵菩薩の縁日」といった身近な習慣も、この日を彩っています。
一方で世界に目を向ければ、絶滅危惧種の保護を訴える「世界ゴリラの日」や、多文化共生を祝う南アフリカの「ヘリテージデー」があり、人類と自然、そして社会の多様性を考えるきっかけを与えてくれます。
こうして見てみると、9月24日は日常と地球規模のテーマが同居する不思議な日。小さな習慣から大きな社会課題まで、身近なところから意識を広げてみると、新しい気づきが生まれるかもしれません。