10月23日は “科学と通信、そして日常の小さな発見” の日

10月23日は、数字が物語を語る一日。
6.02×10^23にちなむ「化学の日」は、見えない世界の法則が私たちの暮らしを支えていることを教えてくれます。
同じく「電信電話記念日」は、人と人を結ぶ通信の原点に思いを馳せる日。
線が街をつなぎ、言葉が遠くへ届いた瞬間から、社会の速度は変わりました。
そして「じゃがりこの日」。
研究室や通信網のような大きな発明ではないけれど、日常にある“おいしい工夫”が、今日を少し楽しくしてくれる——そんな発見もまた、暮らしの科学です。
化学の日(日本)
10月23日は「化学の日」。数の並び 6.02×10^23(アボガドロ定数)にちなみ、2013年に日本の学協会が連携して制定しました。目に見えない分子・原子の世界を入り口に、材料、医薬、エネルギー、環境、食、そして情報技術まで――化学が社会基盤を支えていることを学び直す日です。
背景にあるのは、「ミクロの理解がマクロの課題解決につながる」という発想です。電池や触媒、半導体、バイオマテリアル、CO₂の回収・再資源化など、私たちが直面するエネルギー・環境・医療のテーマは、いずれも分子設計や反応制御の精度に支えられています。安全性評価や倫理、サステナビリティの視点を重ねることで、研究と社会実装の距離を縮めていく動きが広がっています。
この日は、研究機関や大学、企業、科学館が一般公開や体験イベントを行い、学生や子どもたちが研究者と対話できる機会が増えます。教室や家庭でも、身の回りの現象――たとえば発泡、発色、におい、ぬれやすさ、冷たさ・温かさ――を“なぜ?”から見つめ直すだけで、化学の眼は育ちます。専門知が社会に開かれ、生活者の疑問が研究のヒントに戻っていく循環をつくることが、この記念日のねらいです。
電信電話記念日(日本)
10月23日は「電信電話記念日」。1950年に当時の電気通信省が定めたもので、1869年10月23日に東京—横浜間の公衆電信線の敷設が着手された出来事に由来します。遠くの相手へ“即時に要点が届く”という通信の原点が、この日に形をとり始めました。
電信は、情報が“人の移動速度”に縛られていた時代を終わらせ、政治・経済・報道・防災のすべてを加速させました。その後、電話、海底ケーブル、衛星通信、光ファイバー、携帯電話へと技術は連なり、いま私たちが当たり前に使うインターネットやスマートフォンの基盤となっています。
一方で、通信は“つながれば終わり”ではありません。災害時のバックアップ回線、停電対策、公衆Wi-Fiや公衆電話の役割、緊急通報の確実性、個人情報や認証の安全など、見えないところに多くの仕組みと努力が重ねられています。通信網が社会のライフラインであるほど、冗長化とセキュリティ、誰も取り残さない設計が欠かせません。
今日できる小さな行動ヒント
- 家族の“連絡手段の二枚看板”を確認(通話/メッセージ、モバイル/固定の組み合わせ)。
- スマホの緊急速報・災害用伝言の設定を見直し、充電・モバイルバッテリーの定位置を決める。
- 自宅の通信機器(ONU・ルーター)の再起動手順と設置環境(放熱・ホコリ)をチェックする。
じゃがりこの日(日本・企業制定)
10月23日は、スナック菓子「じゃがりこ」を手がける企業が定めた記念日です。由来は、1995年10月23日に新潟県で先行発売が始まったこと。カップ入りで持ち運びやすく、棒状の生地を高温で揚げて“カリッ”とした食感を出す設計が支持を集め、翌年以降に全国へ広がりました。商品名は“じゃがいも”と“カリカリ”の語感を掛け合わせたネーミングに由来します。
この日には、発売当時のパッケージや復刻フレーバー、限定コラボなど、年ごとに趣向を変えたキャンペーンが行われることがあります。地域限定フレーバーやご当地コラボも多く、旅行や土産需要と結びついて“その土地ならでは”の味を楽しめるのが特色です。スナックでありながら、食感と香りの再現に技術が注がれており、温度・時間・配合の微調整で軽快な噛み心地を生み出すのが開発の要とされています。
定番のサラダ・チーズ・じゃがバターに加え、季節や地域に合わせた期間限定の展開が続くことで、長いブランドでも“新しさ”が維持されてきました。カップの形状や個包装がない構造は、シェアしやすさや片手で食べやすい利便性を意識したもの。10月23日は、身近なおやつの裏にある開発の工夫や、地域の食文化とのつながりに目を向けるきっかけになります。
まとめ
10月23日は、見えない世界と見える暮らしがつながる一日でした。
「化学の日」は分子のスケールで社会課題を解く視点を、「電信電話記念日」は人と人を結ぶ基盤の大切さを思い出させます。そこへ“おいしい工夫”が日常を彩る「じゃがりこの日」が加わり、研究室から街角、食卓までが一本の線でつながります。
今日の気づきを小さく実践に。身近な現象を一つ“なぜ?”で掘り下げ、家族の連絡手段を点検し、好きなおやつの裏側にある技術や地域の物語に触れてみる――そんな三つの小さな行動が、明日の安心と好奇心をそっと育ててくれます。