- 10月24日は “世界を結ぶ平和と協力の日”
- 国連デー(United Nations Day/国連)
- 世界開発情報デー(World Development Information Day/国連)
- 世界ポリオデー(World Polio Day/国際)
- 国際テナガザル・デー(International Gibbon Day/国際)
- ワールド・オリガミ・デイズ(World Origami Days/10月24日〜11月11日)
- 軍縮週間(Disarmament Week/国連|10月24日〜30日)
- グローバル・メディア情報リテラシー週間(Global Media and Information Literacy Week/UNESCO・国連|10月24日〜31日)
- 文鳥の日(日本・民間制定)
- まとめ
10月24日は “世界を結ぶ平和と協力の日”

10月24日は、世界が同じ方向を見つめる一日です。
「国連デー」は、戦後の混乱を経て国際社会が再び手を取り合った日の記念。国家の枠を越え、人権・平和・発展という普遍的な価値を再確認する日でもあります。
同日に制定された「世界開発情報デー」は、情報と知識が貧困を減らし、未来を形づくる力であることを伝えます。
さらに「世界ポリオデー」は、感染症の根絶を目指す世界的な取り組みを象徴し、人類が協力して病を克服してきた歩みを思い出させます。
世界情勢が複雑に揺れる今だからこそ、10月24日は“地球規模の視点”を静かに見つめ直す日です。
国連デー(United Nations Day/国連)
10月24日は、国際連合が正式に動き出した日を記念する「国連デー」です。第二次世界大戦の反省から「多国間で話し合い、紛争を防ぐ」という発想が制度として形になり、平和と安全、人権、開発、人道支援といった柱が整えられていきました。世界が不安定な局面に直面するたび、各国が集い、合意と行動の糸口を探る――その出発点を思い起こす日でもあります。
国連デーは華やかな祝祭というより、「協調の仕組みを点検する」ための節目です。安全保障理事会や総会の決議、平和維持活動、難民・飢餓・保健・教育を担う専門機関の連携、そして人権条約のモニタリング。どれも時間がかかり、時に不完全ですが、各国と市民社会が関与し続けることでしか前へ進めません。
同時に、気候変動やパンデミック、デジタル空間のルールづくりのように、国境を越える課題は増えています。国連は万能ではありませんが、異なる価値観や利害を調整する「場」を提供し、最小公倍数の合意を積み上げる役割を担い続けています。10月24日は、世界を結ぶこの“場”の意味を静かに確かめ、私たちそれぞれの立ち位置から国際協力にどう関わるかを考える日です。
世界開発情報デー(World Development Information Day/国連)
毎年10月24日は、開発課題に関する情報と理解を広げ、国際協力を後押しするための記念日です。1972年に国連総会で制定され、貧困削減や保健、教育、環境、ジェンダー平等といったテーマを、人びとが自分事として捉えられるよう“情報の力”に光を当ててきました。
背景にあるのは、政策や支援の質は「どんな情報に基づき、どう共有されたか」で大きく変わるという現実です。統計や調査、現場からの知見が正しく流通すれば、資源は優先度の高いところに届き、重複や取りこぼしを減らせます。逆に、情報が偏ったり届かなければ、支援は的を外し、格差を固定化してしまいます。
インターネットと携帯端末の普及で、開発の現場は大きく変わりました。遠隔医療やモバイル送金、気候・災害の早期警戒、オープンデータや市民参加型の監視など、情報技術は課題解決の基盤になっています。同時に、偽情報やヘイト、プライバシー保護といった新しい課題も生まれ、メディア・情報リテラシーの重要性が高まっています。
世界開発情報デーは、数字やニュースの“奥行き”に目を向け、誰も取り残さない情報環境とは何かを問い直す日です。現場の声とエビデンス、そして尊厳への配慮――この三つをつなぐ努力が、持続可能な発展の土台を静かに強くしていきます。
世界ポリオデー(World Polio Day/国際)
毎年10月24日は、ポリオ根絶への歩みを確認する日です。ワクチンの普及と各国の協力で患者数は大幅に減りましたが、野生ポリオウイルスが常在する地域はなお限られて残り、紛争や移動、予防接種の中断がリスクを高めます。だからこそ、定期接種と補完的な一斉予防接種、そして下水の環境監視など“見えないところの警戒”が続いています。
取り組みの柱は三つ。第一に、子ども一人ひとりへワクチンを確実に届けること。第二に、発生探知を早めるサーベイランス体制を保つこと。第三に、うがいや手洗い、衛生設備の改善など、感染症全般に効く公衆衛生を底上げすることです。近年は、ワクチン由来株の拡がりに対応した新型の経口ワクチンの導入や、接種記録のデジタル化など、現場の工夫も進んでいます。
この日は、成果を祝うだけでなく“最後の一歩”に必要な資金と関心を集める日でもあります。国や地域、学校や職場、自治体や企業が小さな行動を積み重ね、根絶という歴史的なゴールへと近づいていく——10月24日は、その意思を静かに確かめる節目です。
国際テナガザル・デー(International Gibbon Day/国際)
10月24日は、東南アジアを中心に暮らすテナガザルの保全に光を当てる日です。歌うような大きな声と、長い腕で枝から枝へ移るスピード。熱帯林の上層(キャノピー)を巧みに移動する暮らしぶりは、森林の健全さを映す“バロメーター”とも言われます。
近年、彼らのすみかは急速に細切れ化しています。森林転換や違法伐採に加え、ペット目的の捕獲や取引の問題も重なり、地域によっては個体数の減少が顕著です。群れで暮らすテナガザルは、つがいと家族単位のなわばりを守りますが、林冠が途切れると移動や採食、子育てが難しくなり、世代をまたぐ影響が生まれます。
この日は、保護区の拡充や生息地の連結(コリドー整備)、違法取引の抑止、レスキューセンターからの適切な野生復帰など、現場の取り組みが共有されます。観光や地域の産品を通じた“森に還元する仕組み”を育てること、企業がサプライチェーンで森林への影響を減らすことも、保全の重要な柱です。
身近なところでは、認証材や持続可能な原料を選ぶこと、野生動物を“買わない・触れない・持ち帰らない”という基本を守ることが、遠い森と確かにつながります。テナガザルの歌声が響く森は、人の暮らしにとっても水や気候を支える基盤。10月24日は、その循環を思い出すための小さな合図です。
ワールド・オリガミ・デイズ(World Origami Days/10月24日〜11月11日)
10月24日から11月11日までは、折り紙の魅力と学びを世界に広げる「ワールド・オリガミ・デイズ」の期間です。折り紙団体や美術館、学校、図書館が連携し、展示やワークショップ、オンライン配信を通じて、子どもから大人まで誰もが参加できる催しが各地で行われます。期間の起点は、折り紙普及に尽力した人物の誕生日に由来し、終点は日本の「折り紙の日」に重ねられているのが特徴です。
折り紙は、単なる遊びにとどまりません。紙一枚から立体を生み出すプロセスは、数学の思考(対称性・角度・展開図)、デザイン、工学、さらには医療の器具設計や宇宙・ロボット分野の折りたたみ構造にも応用が広がっています。手指を動かし、順序立てて形を完成させる体験は、集中力や空間認知、達成感を育て、世代や言語の壁を越えて共有できるのも魅力です。
この期間は、難しい作品に挑むだけでなく、鶴や箱、風船などの基本形を丁寧に折り直す良い機会でもあります。色や紙質を変えるだけで印象はがらりと変わり、贈り物の飾りや季節の飾りにも活躍します。学校や地域の集まり、オンラインの“折ってみた”企画など、身近な場で小さく始めるほど、折り紙が持つ“静かな対話の時間”が広がっていきます。
軍縮週間(Disarmament Week/国連|10月24日〜30日)
毎年10月24日から始まる「軍縮週間」は、核・通常兵器・新興技術をめぐる軍縮の意義を社会全体で考えるための国連の取組期間です。第二次大戦後の国際秩序づくりの流れを受け、1978年の国連特別総会で毎年の実施が呼びかけられ、以後この週に合わせて各地でセミナーや展示、教育イベントが行われてきました。
軍縮は単に兵器を減らすだけではありません。偶発的衝突のリスク低減、検証可能な合意、透明性の確保、輸出管理や資金の流れの監督、人道的観点の徹底など、多層の取り組みが重なって初めて機能します。核兵器をめぐる国際的議論に加え、自律型兵器やサイバー、宇宙空間といった新領域でもルールづくりが求められています。
この一週間は、ニュースの見出しだけでなく“具体の仕組み”に目を向ける好機です。地域の講座やオンライン配信を覗き、条約や宣言の背景、検証手段や教育の役割に触れてみる——そんな小さな学びが、武力ではなく対話に寄りかかる国際社会を支える力になります。
グローバル・メディア情報リテラシー週間(Global Media and Information Literacy Week/UNESCO・国連|10月24日〜31日)
毎年10月24日から31日までは、メディアと情報の扱い方を世界規模で学び合う一週間です。フェイク情報や偏った言説が拡散しやすい時代に、情報の出どころを確かめ、事実と意見を見分け、責任ある発信につなげる力を社会全体で底上げすることが目的とされています。
2025年は、特別会議(Feature Conference)が2025年10月23日〜24日(現地)にコロンビア・カルタヘナで開催され、テーマは「Minds Over AI ― デジタル空間におけるMIL」。AI時代の検索・要約・生成とどう向き合うか、教育現場・報道機関・プラットフォーム・市民社会が具体策を持ち寄ります。各国・自治体・学校・図書館・NPOが、この一週間に合わせて講座やワークショップ、教材公開を行うのも恒例です。
この週間のねらいは、単に「疑ってかかる」ことではありません。一次情報をたどる習慣、異なる視点を比較する態度、データや画像・音声の改変可能性を理解する知識、そして著作権やプライバシーに配慮した表現の作法まで——“読む・調べる・考える・伝える”を一連の実践として身につけることにあります。家庭や職場、学校や地域でできる小さな学び直しが、健全な情報環境を静かに支えます。
文鳥の日(日本・民間制定)
10月24日は「文鳥の日」。秋にヒナが出回る時期にあたり、数字の“1024”にまつわる語呂や連想も重ねて、文鳥の魅力や正しい飼い方を広く伝えようという趣旨で設けられました。公的機関の制定ではありませんが、愛好家や関連企業・書店の企画をきっかけに、毎年この日に合わせた発信や催しが続いています。
文鳥は、江戸期から親しまれてきた小鳥で、つやのある羽、通るさえずり、手乗りで人に慣れやすい性質が魅力です。反面、温度・湿度管理や日照、換羽期の栄養など、体の小ささゆえの配慮が欠かせません。軽い不調が大事に至りやすいこと、爪・くちばし・羽の状態や呼吸音、排泄の様子に“早めに気づく”ことが要になります。
近年は、保温器具や照明、止まり木やケージ配置の工夫、体重管理アプリなど、家庭でできるケアの幅が広がりました。生体の購入時は、信頼できるショップやブリーダーを選び、終生飼養を前提に健康状態や雛の育ちを確認するのが基本です。野外では決して放さない・触れない・持ち帰らないというルールも、野生生物と人の双方を守るために大切です。
この日は、写真やスケッチ、好きな仕草のメモを残してみるのも一案。小さな命と向き合う時間は、季節の変化や室内環境、家族の生活リズムへの気づきを運んできます。日々の観察と小さな手入れの積み重ねが、文鳥との穏やかな暮らしを支えます。
まとめ
10月24日は、国際協調と公共の福祉に軸足を置いた記念日が並ぶ一日でした。
国連デーと世界開発情報デーは、対話とデータに支えられた国際協力の“土台”を思い出させ、世界ポリオデーは「最後の一人まで」という公衆衛生の意思を映します。
あわせて、テナガザルの森に目を向ける国際テナガザル・デー、手と頭を動かして学び合うワールド・オリガミ・デイズ、戦禍を遠ざける軍縮週間、情報との向き合い方を磨くグローバルMIL週間――どれも“人が安心して生きる条件”を静かに広げる取り組みです。
遠いテーマも、身近な行動に落とせます。ニュースの数字の出所を確かめる、ワクチンや衛生の基本を見直す、森林に還元する買い物を選ぶ、家で折り紙を一つ折って心を整える。小さな実践の積み重ねが、明日の平和と健康への確かな投資になります。