今日は何の日

今日は何の日【10月30日】初恋の日・香りの記念日・たまごかけごはんの日

10月30日は “香りと記憶をたぐり、食卓の温もりを味わう日”

木枯らしの気配が近づくこの頃、ふとした香りが思い出を連れてきます。台所から立ちのぼる湯気、通学路でかいだ金木犀、ページをめくるたびに漂う古本の匂い。どれも心のどこかにしまってあった景色を、やさしく呼び戻してくれるものですね。

そんな10月30日には、恋のはじまりをそっと讃える日があり、まちの文化としての香りを掲げる日があり、そして日本の朝ごはんを象徴する一椀を祝う日があります。肩の力を抜いて、身近なものの良さをもう一度感じてみたくなる記念日たちです。

今日の予定に大げさなことはいりません。小さな湯気を立てる、短い詩を読む、鼻腔をくすぐる香木を焚く。そんな一手間が、暮らしを少しだけあたたかくしてくれます。

初恋の日(島崎藤村ゆかり・日本記念日協会認定)

明治の詩人・島崎藤村が小諸で過ごした縁にちなみ、宿「中棚荘」が提唱した記念日。恋をテーマにした文学賞「初恋はがき大賞」などの催しが続き、1999年に日本記念日協会の認定を受けています。藤村の詩「初恋」を口ずさむと、胸の奥の瑞々しさがよみがえります。内閣府+1

いまの意味は、過去の思い出を飾ることだけではありません。たとえば、大切な誰かに短い言葉を手書きで送ってみる。はにかむ気持ちのまま、丁寧に伝える。そんな所作が、日々のコミュニケーションをやわらかくしてくれます。小諸の観光映像やコラボ楽曲に触れるのも、町に息づく文学の温度を感じる小さな入口です。


香りの記念日(石川県七尾市)

由来(制定年・制定団体・背景)
1992年10月30日、石川県で開かれた第7回国民文化祭「世界の香りフェア in 能登」(会場:七尾市)をきっかけに、七尾市が翌1993年に毎年10月30日を「香りの記念日」として制定しました。市の公的資料でも「毎年10月30日を香りの記念日として制定」と明記があり、制定の発端となった1992年の催しとあわせて位置づけられています。

現在の意義(地域文化・暮らしの視点)
七尾市では香り文化を地域資源として発信し、関連イベントやシティプロモーションも継続。暮らしの中で香りを使い分けるだけでも気分は整います。朝は柑橘系でリズムをつくり、夜は白檀や能登ヒバの穏やかな香りで深呼吸。今日は部屋の一角を“香りの定位置”にして、日々の切り替えをやさしく支えてみませんか。


たまごかけごはんの日(島根県雲南市)

2005年10月30日に雲南市で第1回「日本たまごかけごはんシンポジウム」が催されたことにちなみ、同実行委員会が提唱した記念日。以後、秋の恒例行事として受け継がれ、素朴な一杯を通じて人と人がつながる場が育まれてきました。

いまの意味は、食卓の原点を見直すこと。炊きたての白飯に、生卵をとろりと落とし、醤油を一筋。黄身だけ、泡立て白身、だし醤油…作法は自由です。忙しい朝でも、湯気とともに「いただきます」を丁寧に言う。そんな一口が、心の余白を作ってくれます。公式チャンネルの動画で雰囲気をのぞいてから、今朝の作り方を決めてみませんか。


食品ロス削減の日(日本/法定記念日)

10月は「食品ロス削減月間」、そして10月30日は「食品ロス削減の日」。これは「食品ロスの削減の推進に関する法律」に基づくものです。家庭や外食での“もったいない”を減らすため、国・自治体・企業・市民が一緒に取り組む日として位置づけられています。

いまの意味は、今日の買い物と保存をいつもより丁寧にすること。買いすぎない、先に使う「手前どり」、冷蔵庫の在庫を確かめる。ほんの少しの意識で、未来に残る資源が増えていきます。消費者庁や環境省の動画は、明日からの実践のヒントになります。


まとめ

今日の記念日は、どれも「暮らしの感覚」をやさしく整えてくれます。恋の記憶を言葉にしてみる。地域に受け継がれた香りに耳を澄ます。湯気の立つ一杯に感謝をこめる。そして、食べ物を大切にいただく——そんな小さな選択が、日常の手触りを豊かにしてくれます。

深呼吸をひとつ。台所や机の上に、今日だけの小さな儀式を置いてみましょう。きっと、明日を少し楽しみにできるはずです。

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