毎日を支える“あたりまえ”に目を向ける11月10日

11月10日は、生活の中では見えにくいけれど、ないと困るものに光が当たる日です。
トイレは衛生と安心の基本。
技能は、誰かの手が社会を動かしているという事実の象徴。
エレベーターは、人の移動と都市の時間を支える静かな仕組み。
乾燥が始まる季節に、手をいたわるハンドクリームの日も重なります。
どれも「普段は意識しないけれど、整っていると生活が軽くなるもの」。
今日は、暮らしを支える土台をそっと見直す日です。
技能の日(11月10日)
厚生労働省は、11月を「人材開発促進月間」、その中の11月10日を「技能の日」と定めています。由来は、1970年11月10日に東京でアジア初の「技能五輪国際大会(国際職業訓練競技大会)」開会式が行われ、日本の技能の力を世界に示したこと。今日も各地で技能継承や表彰(現代の名工 等)を通じて、ものづくりやサービスを支える人々の価値を伝え続けています。
トイレの日(11月10日)
1986年、日本トイレ協会が「11(いい)・10(トイレ)」の語呂合わせで制定。公衆トイレ環境の整備や衛生意識の向上を広める趣旨で、関連シンポジウムや表彰などの啓発が続いています。
今日は“暮らしの衛生”を一歩アップデート。外出先で最寄りの多機能トイレ位置を地図アプリで確認し、家庭では便座・レバー・ドアノブまで含めた拭き掃除をルーティン化。洗面と同様に「触れる順番」を意識して、掃除→手洗い→ペーパータオルor清潔なタオルの順にすると再汚染を防げます。職場や学校でも、混雑時間帯を避ける・行列ができにくい導線を共有するなど“使い方のマナー設計”まで見直すと、みんなが快適になります。
世界平和のための世界科学デー(11月10日)
ユネスコが2001年に制定した国際デーで、「科学が社会にもたらす恩恵を広く共有し、平和のために活用する」という理念を掲げています。科学は技術力だけでなく、教育、医療、環境保全、災害対策など、人々の暮らしを守るための基盤となる力です。
この日は、科学者だけの記念日ではありません。
私たち一人ひとりが「信頼できる情報を選ぶ」「環境問題に関心を持つ」「新しい知識を学ぶ」など、小さな行動を選び取るきっかけの日でもあります。
今日できる行動のヒントとして、身近な話題をひとつ選び、公式機関の資料や信頼性の高いニュースソースから“根拠のある情報”を調べてみるのがおすすめです。
情報を疑うことは不信ではなく、平和に向けた思考の第一歩になります。
いい音楽の日(11月10日)
「いい(11)音(10)」の語呂にちなみ、オルゴールの文化と技術を伝えるために、長野県・下諏訪の「日本電産サンキョー(現ニデック)オルゴール記念館 すわのね」などが制定し、日本記念日協会に登録された記念日です。静かに鳴る一曲から“音楽のある生活”を見直すきっかけにしよう、という趣旨。
オルゴールは19世紀にスイスで発展し、日本では諏訪地方の精密加工技術と結びついて世界トップシェアを担ってきました。今日は、作業や家事の前に一曲だけ流して呼吸を整える、作業がひと区切りついたら音を止めて耳の余韻を味わう――そんな“小さなリズム”を一日の中に置いてみてください。音が生活の速度を静かにチューニングしてくれます。
ハンドクリームの日(11月10日)
「手(11)をと(10)う=労わる」という語呂合わせから、保湿ケア商品を扱う企業によって制定され、日本記念日協会に登録されています。季節の変わり目は、空気が乾燥することで手の皮脂が奪われやすく、小さなささくれやひび割れが痛みに変わることもあります。今日をきっかけに、手を“消耗品”ではなく“働きを支える相棒”として扱う視点を持つ日です。
手は、日常のあらゆる行動に関わりながらも、自分で「いたわって」と言葉にできません。まずは、家事や作業が一段落したタイミングで、手首→甲→指→爪まわりへと円を描くように塗り広げてください。力は入れず、温度が移る程度で十分。習慣としては、1日1回で良いので「決まった時間に塗る」ほうが続きます。寝る前だと特に効果が出やすいです。
エレベーターの日(11月10日)
1890年(明治23年)11月10日。
東京・浅草の「凌雲閣(りょううんかく)」という塔で、日本で初めての電動エレベーターが一般向けに運転を開始しました。
この出来事を記念して、一般社団法人・日本エレベーター協会が記念日として制定しています。
当時のエレベーターは現在のものとは大きく違い、木製の箱に人が乗り込み、巻き上げ式でゆっくり上昇するものでした。観光客は「空中散歩」と呼び、街並みを上から眺められる貴重な体験として人気を集めました。
しかし、運行には技術的な不安定さもあり、後の改修や安全基準の見直しへとつながったことでも知られています。
現代では、エレベーターは安全装置・地震時管制運転・非常連絡システムなど、多段階の安全機能が標準化されています。
今日できる一歩として、
・エレベーター内での「立ち止まって待つ姿勢」
・閉ボタン連打をしない
・降りる人を先に通す
といった基本動作を丁寧にしてみると、日常の移動が少し穏やかになります。
11月10日のまとめ
11月10日は、暮らしを支える「見えない手間」や「積み重ね」に目を向ける日が多く揃っています。
トイレの衛生を守ること、技能を継承すること、エレベーターの安全を支える技術、手や肌を労わる習慣、日々の音に耳を澄ます時間。
どれも派手ではありませんが、生活の質を静かに底上げしてくれるものばかりです。
今日は、何かひとつだけ、丁寧にする行動 を選んでみてください。
・ハンドクリームを夜に1回だけ塗る
・エレベーターで降りる人を先に通す
・家事の前に一曲だけ音楽を聴く
小さな積み重ねは、毎日の気持ちのやわらかさにつながっていきます。