12月9日は何の日?主な記念日と今日のテーマ

12月9日は、「地球感謝の日」「障害者の日」「マウスの誕生日」など、社会課題からIT、環境、文学まで幅広いテーマの記念日が集まる日です。2002年に制定された地球感謝の日は、1年の締めくくりにあたる12月と「ちきゅう(9)」の語呂合わせから生まれたもので、あらゆる命の源である地球に感謝し、その思いを周囲に伝えることを呼びかけています。
また、国連の「障害者の権利宣言」採択などを背景に設けられた障害者の日は、現在は法令上の名称としては使われないものの、障害者週間(12月3〜9日)の最終日として、共生社会やバリアフリーについて考える大切な日として位置づけられています。さらに、1968年のデモンストレーション「The Demo」を記念した「マウスの誕生日」や、文豪・夏目漱石の命日である「漱石忌」、腐敗防止を訴える「国際腐敗防止デー」なども重なり、テクノロジーと表現、政治・行政の透明性に思いを巡らせるきっかけにもなる日です。
今日は、地球環境や福祉、IT・文学といった多彩なトピックの中から、気になる記念日を一つ選んで由来を知り、身近な行動につなげてみると、いつもの12月9日が少しだけ印象深い一日に変わっていくはずです。
地球感謝の日
12月9日は「地球感謝の日」。日本記念日協会認定の記念日で、2002年に青木稚華(あおき・ちはる)氏が提唱したとされます。12月が一年の締めくくりの月であることと、「9」が地球の“球”を連想させることから、この日付が選ばれました。ダレトク雑学トリビア+1
あらゆる命の源である地球に「ありがとう」を伝え、環境や資源の大切さを改めて考えるきっかけとなる日です。地球温暖化や気候変動、生物多様性の危機など、地球規模の課題が深刻化するなかで、一人ひとりが暮らしと環境のつながりを意識することが重視されています。
今日は、マイボトルやエコバッグを使う、照明や暖房をこまめに切る、近所を少し歩いて自然の様子を観察するなど、身近な「小さなエコ」を一つ取り入れてみるのも良さそうです。
障害者の日(日本)
12月9日は、日本では「障害者の日」として位置付けられてきた日です。1975年12月9日に国連総会で「障害者の権利宣言」が採択されたことを受け、国際障害者年であった1981年に、当時の総理府・厚生省などによって日本独自の記念日として定められました。その後の障害者基本法でもこの日が明記され、現在は12月3日〜9日の「障害者週間」と合わせて広く啓発が行われています。
この日は、障害のある人の権利や社会参加について理解を深め、共生社会の実現に向けた取り組みを考える日とされています。国や自治体、関連団体がシンポジウムや作品展示、啓発キャンペーンなどを展開し、「障害=特別なこと」ではなく、誰もが暮らしやすい社会づくりを目指す機会になっています。
今日は、身近なバリアを一つ探してみる、障害者週間のイベント情報をチェックする、手話や点字などコミュニケーション手段に触れてみるなど、まずは「知る」一歩から始めてみるのも良いかもしれません。
国際腐敗防止デー(国連)
12月9日は、国連が定める「国際腐敗防止デー(International Anti-Corruption Day)」です。2003年10月に「国連腐敗防止条約(United Nations Convention against Corruption)」が採択され、同年12月9日にメキシコ・メリダで署名が開始されたことを記念して設けられました。以降、毎年この日に、汚職や腐敗の問題について啓発する各種キャンペーンが世界中で行われています。
腐敗は、公務員や企業関係者による贈収賄・横領などを通じて、公共サービスの質低下や経済格差の拡大、民主主義の基盤の弱体化など、社会に深刻な影響を与えるとされています。国連や各国政府、企業、市民団体が連携し、コンプライアンス教育や情報公開の強化、通報制度の整備など、具体的な対策を進めるきっかけとなる日です。
私たち個人レベルでも、ニュースや公的機関の発信を通じて腐敗問題について学んだり、自分が関わる組織で「おかしい」と感じたことをそのままにしない姿勢を意識したりすることが、より健全な社会づくりにつながります。
マウスの誕生日
12月9日は「マウスの誕生日」。2018年に「IT25・50」シンポジウム実行委員会が制定し、日本記念日協会にも登録されています。日付は、アメリカの発明家ダグラス・エンゲルバートが1968年12月9日に行った伝説的なデモ「The Demo」で、世界で初めてマウスやウィンドウ、ハイパーテキストなどを披露したことに由来します。
それまで専門家しか触れなかったコンピュータを、多くの人が直感的に操作できるツールへと変えたマウスは、その後のパーソナルコンピュータやインターネット文化の基盤になりました。この日をきっかけに、コンピュータと人間の関わり方やITの歴史に思いを馳せる日とされています。
今日は、いつも使っているマウスを掃除してみたり、ショートカットや設定を見直して作業効率を上げてみるのも良さそうです。マウス誕生の背景や歴史を解説した記事や動画をチェックして、身近なデバイスの奥深さに触れてみるのもおすすめです。
しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の日
12月9日は「しそ焼酎『鍛高譚』の日」。焼酎などを手がけるオエノンホールディングス株式会社(母体は合同酒精株式会社)が制定し、日本記念日協会に登録されている公式な記念日です。日付はロングセラー商品であるしそ焼酎「鍛高譚」が発売された1992年12月9日にちなんだもの。2017年の発売25周年に合わせて記念日化されました。
「鍛高譚」は北海道白糠町・鍛高地区の赤シソを使った、香りを楽しむカジュアルな焼酎ブランド。名前はアイヌ語の「タンタカ」(カレイ科の魚)と、物語を意味する「譚」を組み合わせたもので、ラベルに描かれる民話が由来になっています。
今日は20歳以上の方なら、しそ焼酎をソーダ割りや水割りでゆっくり味わったり、しそ料理と合わせて香りのマリアージュを楽しむのも良さそうです。お酒が飲めない場合は、しそジュースや大葉を使った料理で「しその香り」を意識してみるのも一つの楽しみ方です。飲酒の際は節度を守り、飲酒運転は絶対に避けましょう。
えのすいクラゲの日(毎月9日)
毎月9日は「えのすいクラゲの日」。神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館が制定し、日本記念日協会に認定されている記念日です。日付は「クラゲ」の「ク(9)」という語呂合わせに由来し、同館が2011年1月から毎月9日に実施しているクラゲ採集プログラムにちなんでいます。
相模湾でのクラゲ調査に一般参加者が同行し、自然環境や生物多様性について学ぶこのプログラムを通して、クラゲや海の環境に関心を持ってもらうことが目的。館内では「クラゲファンタジーホール」や「クラゲサイエンス」といった展示もあり、幻想的な水槽と研究的な解説の両面からクラゲの世界に触れられます。
今日は、水族館に足を運んでクラゲのゆったりした動きに癒やされたり、自宅からクラゲの動画を眺めてリラックスするのも良い過ごし方です。海や生き物の環境問題についてのニュースや記事を読むきっかけにするのもおすすめです。
漱石忌(日本)
12月9日は「漱石忌」。明治から大正にかけて活躍した国民的作家・夏目漱石の命日にあたり、文学ファンの間でその業績をしのぶ日とされています。1916年(大正5年)12月9日に東京で亡くなったことから、この日が「漱石忌」と呼ばれるようになりました。
漱石は『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』など、日本近代文学を語るうえで欠かせない作品を数多く残しました。近代化の進む日本社会の中で、人間の孤独や自我、夫婦や家族の問題といった普遍的なテーマを描き続けたことから、今もなお多くの読者に読み継がれています。ゆかりの地には記念館や文学碑もあり、命日前後には関連イベントが行われることもあります。
今日は『こころ』など代表作を読み返してみたり、漱石の生涯や時代背景を紹介する動画を観てみるのも良さそうです。文学が好きな人同士で、お気に入りの漱石作品を語り合うきっかけにしてみても良いでしょう。
開高忌(日本)
12月9日は、昭和を代表する作家・開高健の命日でもあり、「開高忌(かいこうき)」あるいは「悠々忌」と呼ばれています。1989年(平成元年)12月9日に58歳で亡くなったことから、この日が忌日として知られるようになりました。
開高健は、広告代理店のコピーライターとして働きながら小説を書き始め、『裸の王様』で芥川賞を受賞。戦後の日本社会における「組織と個人」をテーマにした作品や、ベトナム戦争のルポルタージュ「ベトナム戦記」、釣りと旅を題材にした『オーパ!』など、行動派作家らしい骨太な文章で知られます。その業績を伝える記念館や企画展も開かれており、命日前後には特集番組やイベントが組まれることもあります。
今日は、開高健のエッセイやルポを一編でも読んでみたり、ドキュメンタリー動画で人物像に触れてみるのもおすすめです。お酒や料理の描写に定評がある作家なので、ゆっくり一杯飲みながら文章を味わうのも、この日に合った過ごし方と言えそうです。
パソコン検定の日(毎月9日/日本)
毎月9日は「パソコン検定の日」。パソコン検定などの各種試験を実施している一般財団法人・全日本情報学習振興協会が制定し、日本記念日協会にも登録されている記念日です。検定試験が受験者の実力にふさわしい「級(9)」を判定することから、毎月9日が選ばれました。
この日は、ビジネスや日常生活に欠かせないパソコンスキルの重要性をあらためて見直してもらうことを目的としています。タイピングや表計算、文書作成など、検定を通じて実践的なスキルを身につけることで、仕事の効率化や就職・転職時のアピールにもつながるとされています。
今日は、日商PC検定などの過去問動画を見ながら、自分のスキルレベルをチェックしてみたり、エクセルやワードの便利機能を一つだけ覚えてみるのも良さそうです。将来受けてみたい検定をリストアップして、学習計画を立てるきっかけにしてみても良いでしょう。
衣服の日(日本)
12月9日は「衣服の日」と呼ばれることがあります。12月9日を「12(い)」「9(ふく)」と読む語呂合わせから生まれた記念日で、同じ語呂にちなんで1月29日も「衣服の日」とされる場合があります。ただし、主に民間サイトで紹介される語呂合わせ記念日で、日本記念日協会のような公的な登録ではない点には注意が必要です。
衣服の日は、日ごろ何気なく身につけている服に目を向け、ファッションの楽しさや機能性、文化的な背景を考えてみるきっかけとされています。衣服は防寒や保護だけでなく、自己表現やマナーの一部としても大きな役割を持っており、時代や社会の移り変わりを映す鏡でもあります。
今日はクローゼットの中身を見直し、あまり着ていない服を整理して寄付やリサイクルに回してみたり、ファッションの歴史を扱った動画を見ながら、自分のスタイルについて考える時間をつくってみるのも良さそうです。お気に入りの一着を丁寧にお手入れする日と決めても良いでしょう。
ラマの日(National Llama Day/海外)
12月9日は「ラマの日(National Llama Day)」として紹介されることがあります。ラクダ科の動物・ラマへの親しみと感謝を込めてアメリカなどで広まった、ユニークな“動物系記念日”の一つです。正式な国際デーではなく、「ふわふわで愛らしいラマを楽しもう」という趣旨のポップな記念日としてSNSや各種サイトで取り上げられています。
ラマは南米アンデス地方原産の家畜で、荷物運搬や毛の利用など、人間の暮らしを支えてきた動物です。おだやかな性格で、セラピー動物として病院や福祉施設を訪問する取り組みもあり、動物園や牧場では人気者になっています。
今日は、ラマやアルパカの違いを紹介する動画を見てみたり、動物園の公式チャンネルで配信されているラマの様子をのぞいて、ちょっと癒やしの時間を持つのも良さそうです。動物好きの友人と「推し動物」を語り合うきっかけにもなりそうな記念日です。
まとめ
12月9日は、地球環境・福祉・IT・文学・国際社会まで、多彩なテーマが重なる一日です。地球への感謝を呼びかける「地球感謝の日」、障害者週間の締めくくりとなる「障害者の日」、IT文化の節目となった「マウスの誕生日」など、現代の暮らしや価値観に深く関わる記念日が多く並びます。さらに、夏目漱石や開高健といった日本文学を代表する作家の命日、クラゲやペイストリー、クレープなど“生活に寄り添う”毎月記念日も重なり、知的好奇心から日常の楽しみまで幅広く触れられるのが12月9日の特徴です。
どれか一つでも気になる記念日をきっかけに、環境、社会、多様性、文化、暮らしの小さな習慣などについて改めて考えてみたり、朝の会話やSNSで話題を共有してみると、今日という日が少しだけ豊かで特別な一日に変わっていくはずです。