12月11日は何の日?主な記念日と今日のテーマ

12月11日は、日本の生活に身近な記念日から国際的な記念日までがぎゅっと詰まった一日です。日本では、日本OTC医薬品協会が「胃に(12)いい(11)」の語呂合わせから制定した「胃腸の日」、1957年に戦後初の百円硬貨が発行されたことに由来する「百円玉記念日」などが知られています。どちらも日本記念日協会に登録された公式な記念日で、年末に向けて体とお金の使い方を見直すきっかけになる日です。
世界的には、国連総会が2003年から毎年12月11日に実施している「国際山岳デー(International Mountain Day)」があり、山岳地域の環境や暮らしの重要性に目を向ける日とされています。また、1946年12月11日に設立された国連児童基金の誕生を記念する「ユニセフ創立記念日(UNICEF Day)」もこの日で、子どもの権利と命を守る活動に思いを寄せる日として世界各地で取り上げられています。
さらに、日本発の環境啓発プロジェクトにちなむ「THINK SOUTHの日」など、地球環境や極地探検のメッセージを未来へ引き継ごうとする記念日もあり、自然・健康・お金・子ども・地球環境と、実に多彩なテーマが重なっているのが12月11日の特徴です。今日の話題作りや雑学ネタとして、気になる記念日から一つずつ掘り下げてみてはいかがでしょうか。
胃腸の日
12月11日は「胃腸の日」。日本大衆薬工業協会(現・日本OTC医薬品協会)が2002年に制定し、日本記念日協会にも登録されている公式な記念日です。日付は「い(1)に(2)いい(11)=胃に良い」の語呂合わせから来ており、1年を振り返って酷使しがちな胃腸をいたわるきっかけにしてほしいという思いが込められています。
この日は、胃腸薬の正しい使い方や、暴飲暴食を控えること、ストレスや睡眠不足の改善など、胃腸の健康管理の大切さを広く伝える日とされています。忘年会シーズンにあたることもあり、製薬会社や自治体が特設サイトやキャンペーンを行うこともあります。
今日は、揚げ物やアルコールを少し控えめにしたり、消化にやさしいおかゆやスープを取り入れてみるのも良さそうです。胃もたれが気になっている人は、この機会に生活リズムや食習慣を見直し、胃腸に「お疲れさま」を伝える一日にしてみてください。
百円玉記念日
12月11日は「百円玉記念日」。1957年(昭和32年)のこの日、日本で初めて百円硬貨(百円玉)が発行されたことに由来します。それまで流通していたのは板垣退助の肖像が描かれた百円紙幣で、この百円硬貨は戦後初の銀貨として登場しました。
当時の百円硬貨は、銀60%・銅30%・亜鉛10%の合金で、表には鳳凰、裏には旭日と桜花が描かれていました。その後、1959年には図柄が稲穂に変更され、1967年には現在の白銅(銅75%・ニッケル25%)製で桜三輪のデザインの百円硬貨へと移行します。銀価格の高騰が材質変更の理由とされ、現在もこの白銅の百円玉が日常的に使われています。
今日は財布の中の硬貨をじっくり眺めて、発行年やデザインの違いを観察してみるのも面白そうです。古い硬貨に興味がわいたら、貨幣博物館や造幣局のサイトを覗いてお金の歴史を学んでみるのも良いきっかけになります。
国際山岳デー(International Mountain Day/国連)
12月11日は、国連が定めた「国際山岳デー(International Mountain Day)」です。2002年の国連総会決議に基づき、2003年から毎年この日に実施されている国際デーで、山岳地域の環境保全や、そこに暮らす人々の生活の重要性に世界的な関心を集めることを目的としています。
山岳地域は生物多様性の宝庫であり、下流域を含む多くの人々に水や食料、エネルギーを供給する重要な存在です。一方で、気候変動や過度な観光開発、森林伐採などによって、氷河の後退や土砂災害リスクの増大といった課題にも直面しています。国際山岳デーでは毎年テーマが設けられ、各国の団体やコミュニティがシンポジウムやイベント、啓発キャンペーンを実施しています。
今日は、登山やアウトドアの写真を振り返ったり、山岳環境や気候変動をテーマにしたドキュメンタリーを観てみるのも良さそうです。近くの低山ハイキングに出かけるのが難しい場合でも、山を守る活動を行う団体の情報に触れたり、エコな暮らし方を意識する一日にしてみてはいかがでしょうか。
ユニセフ創立記念日
12月11日は「ユニセフ創立記念日」。1946年12月11日、国連総会が第二次世界大戦で被害を受けた子どもたちを支援するため、国際連合児童基金(UNICEF)を設立したことに由来します。当初は「国際児童緊急基金」として発足し、その後1953年に恒久的な機関となりました。
現在ユニセフは、世界190以上の国と地域で、保健・栄養・教育・水と衛生・保護など、子どもの権利を守るための活動を幅広く展開しています。ワクチン支援や学校整備、紛争・災害時の緊急支援など、その活動は「子どもの生きる・学ぶ・守られる権利」を支えるものです。寄付や募金だけでなく、ユニセフの情報を学ぶことも大切な参加の形と言えます。
今日は、ユニセフや日本ユニセフ協会のサイトを覗いて活動内容を知ったり、家族で世界の子どもたちの状況について話してみるのも良さそうです。身近なところでの募金やチャリティイベントをチェックしてみるのも一つのきっかけになります。
THINK SOUTHの日
12月11日は「THINK SOUTHの日」として紹介されることがあります。これは、1989年に行われた「国際南極横断隊(Trans-Antarctica Expedition)」が、南極点に到達した日付にちなんだものとされています。この遠征は6カ国の隊員が約6,400kmを犬ぞりで横断したプロジェクトで、南極の自然環境や地球温暖化への関心を高める契機となりました。
その精神を受け継ぐ形で、日本ではアウトドアブランド「THE NORTH FACE」を展開する企業などが中心となり、南極横断隊の偉業を未来につなげる環境啓発プロジェクト「THINK SOUTH FOR THE NEXT」を展開しています。トークイベントや映像作品を通じて、極地から見た地球環境の変化や、次世代へ残すべき自然について考えるきっかけを提供しているのが特徴です。
今日は、この機会に南極や地球環境問題に関するドキュメンタリーを観たり、アウトドアや自然との付き合い方を見直してみるのも良さそうです。日々の節電やプラスチック削減など、小さなアクションを一つ決めてみるのも、環境への第一歩になります。
沢庵忌
12月11日は「沢庵忌」。安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した臨済宗の僧・沢庵宗彭(たくあん そうほう/1573〜1646)の命日(旧暦12月11日)にちなむ日です。現在の暦では1646年1月27日とされますが、今日は「沢庵禅師の命日」として紹介されることが多くなっています。
沢庵は、徳川家光とも深く関わった高僧で、剣豪・柳生宗矩に禅の教えを説いたことで知られ、「不動智神妙録」などの著作を通じて「剣禅一如」の思想に大きな影響を与えました。また、大根の漬物「たくあん漬け」の名の由来になった人物ともされており(起源には諸説あり)、禅僧でありながら庶民の食文化とも結びついた存在です。
今日は、たくあんや漬物を味わいながら、質素な食事のありがたさに思いを巡らせてみたり、沢庵の残した禅の言葉やエピソードを紹介する本・記事を読んでみるのも良さそうです。「心を静める」「執着を手放す」といった禅の考え方は、現代のストレスケアにも通じるヒントを与えてくれます。
おかあちゃん同盟の日(毎月11日)
毎月11日は「おかあちゃん同盟の日」。岐阜県羽島市の市民団体「世界おかあちゃん同盟」が制定し、日本記念日協会にもいったん登録された記念日です(のちに協会での登録は終了)。2011年3月11日の東日本大震災で、多くの人が「人とのつながり」や「支え合い」の大切さを痛感したことがきっかけとなりました。
おかあちゃん同盟は、「おかあちゃんが幸せだと家庭も子どもたちも幸せになる」という考えのもと、母親たちが集い、語り合い、学び、交流しながら支え合うコミュニティづくりを目指しています。毎月11日という日付には、震災の記憶を風化させず、命や家族、平和について思いを巡らせる日であってほしいという願いが込められています。
今日は、身近なお母さんに「いつもありがとう」と声をかけたり、育児や家事を少しだけ代わってあげるのも良さそうです。自分自身が「おかあちゃん」の立場なら、頑張りすぎていないかを振り返り、信頼できる人と気持ちを共有してみるのも一つの過ごし方です。防災や子どもの安全について家族で話し合うきっかけの日にするのも、この記念日の趣旨に合った行動と言えます。