12月25日はどんな日?世界の祝祭と、日本の時代が切り替わった日が重なる一日

12月25日はクリスマス。イエス・キリストの降誕を記念する日として、世界の多くの地域で祝われています。日付が12月25日になった経緯には諸説がありますが、4世紀ごろにこの日付が広く定着していったことが知られています。
そして日本の12月25日は、もう一つ大きな歴史の節目でもあります。1926年12月25日に大正天皇が崩御され、同日に改元の詔書が発せられて「昭和」が始まりました。年末の一日に“世界の祝祭”と“日本の時代の区切り”が重なるのが、12月25日の面白さです。
昭和改元の日
1926年(大正15年)12月25日、大正天皇の崩御にともない皇位継承が行われ、元号が「昭和」に改められました。昭和元年は12月25日から12月31日までの短い期間でもあります。古い写真や当時の出来事を少し眺めてみる、家にある「昭和っぽい物」を一つ探してみるなど、ゆるく時代に触れる日にするのもおすすめです。
スケートの日
「スケートの日」は、1982年に日本スケート場協会が制定したとされ、1861年12月25日に函館でブレーキストンがスケートをした、という話が由来として紹介されることがあります。今日はリンクへ行けなくても、動画でフォームや基本動作を眺める、冬の運動を一つ決める(散歩でもOK)、次の休日に滑りに行く候補を探す——くらいの軽さで楽しめます。
行憲紀念日(台湾の憲法記念日)
台湾では12月25日が「行憲紀念日(憲法記念日)」に当たり、中華民国憲法がこの日から施行されたことを記念する日です。憲法は1947年1月1日に公布され、同年12月25日に施行されています。
身近な過ごし方なら、憲法や基本的人権をやさしく解説した記事を1本読む/ニュースを見るときに「ルールの根っこ」を意識してみる/家族や友人と“社会の約束ごと”について雑談してみる、が手軽です。
クアイド=アザム・デー(ジンナー生誕の日/パキスタンの祝日)
12月25日は、パキスタン建国の父ムハンマド・アリー・ジンナーの誕生日を記念する「クアイド=アザム・デー(Quaid-e-Azam Day)」で、同国の公休日として毎年行われます。名称の「クアイド=アザム」は“偉大な指導者”を意味し、国家として功績をたたえる日です。
過ごし方は、パキスタンの歴史をざっくり知る/国旗や式典の意味を調べてみる/世界の「建国に関わった人物の記念日」を比べてみる、がネタにしやすいです。
未来を担う水素電池の日(日本記念日協会認定)
12月25日は、日本記念日協会の認定記念日に「未来を担う水素電池の日」が掲載されています。エネルギーの次世代技術として注目される「水素電池」を知るきっかけの日として、12/25に紐づく記念日です。
過ごし方は、蓄電池と何が違うのかを1分で調べる/“脱炭素”のニュースを1本だけ読む/身近な電池(モバイルバッテリー等)から「電気の貯め方」を意識してみる、が手軽です。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)打ち上げの日(2021年)
2021年12月25日、NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、仏領ギアナの宇宙センターからアリアン5ロケットで打ち上げられました。宇宙の初期の姿や系外惑星などを観測する“次世代の大型宇宙望遠鏡”として、宇宙科学の大きな節目になった日です。
今日は、打ち上げ映像を数分だけ見る/宇宙の「見える・見えない(赤外線)」を軽く調べる/夜空を見上げて“観測される側”の気分を味わう、がおすすめです。
ゴルバチョフ大統領辞任の日(1991年)
1991年12月25日、ミハイル・ゴルバチョフがソ連大統領を辞任し、ソ連解体へ向かう決定的な区切りとして語られる日です。冷戦終結期の世界史を象徴する出来事として、年末の「歴史の転換点」になっています。
今日は、ニュースの「国家の枠組みが変わる」意味を短く整理する/1991年の出来事を年表で1分だけ見る/世界地図で“当時と今”を比べてみる、が話題にしやすいです。
ワシントンのデラウェア川渡河(1776年12月25日夜)
1776年12月25日夜、ジョージ・ワシントン率いる大陸軍がデラウェア川を渡り、翌26日のトレントン奇襲につながる作戦を開始しました。独立戦争の流れを変えた行動として、12月25日の歴史的出来事の代表格です。
今日は、「なぜクリスマスの夜に?」を短く調べる/地図で川と行軍ルートを見てみる/“逆転の一手”を自分の生活で一つ考える、が気軽です。
喜劇王チャールズ・チャップリンの命日(1977年)
サイレント映画の時代から世界的スターとして活躍したチャールズ・チャップリンは、1977年12月25日に亡くなりました。クリスマスの日に訃報が伝えられたこともあり、映画史の“区切り”として覚えられやすい出来事です。今日は好きな一本(『モダン・タイムス』など)を軽く見返すだけでも、1日がちょっと特別になります。
まとめ
12月25日は、クリスマスとして世界中で祝われる一方、日本では昭和改元の日としても記憶される、特別な意味をもつ一日です。宗教行事としての祝祭性と、歴史の大きな転換点が同じ日付に重なっているのが、この日の大きな特徴といえます。
また、世界に目を向けると、台湾の憲法施行を記念する行憲紀念日、パキスタンの建国の父ジンナーの誕生日、冷戦終結を象徴するゴルバチョフ辞任、宇宙史に残るジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げなど、政治・科学・文化の節目が数多く並びます。
祝う気持ちと振り返る視点の両方を持てるのが12月25日。どれか一つの出来事をきっかけに、今年を静かに振り返ってみると、年末の一日が少し深みのある時間になります。