- アニメ『幻想水滸伝』はゲームのどれが原作?『II』との違い・主人公リリュウ・初代との関係を整理
- アニメ『幻想水滸伝』の原作は1998年の『幻想水滸伝II』
- なぜタイトルは『幻想水滸伝II』ではない?
- ゲーム『幻想水滸伝II』とアニメ『幻想水滸伝』は何が違う?
- 主人公「リリュウ」はゲームの公式名ではない
- 「リリュウ」という名前にはちゃんと理由がある
- 小説版の「リオウ」とリリュウは別
- 主人公は名前だけでなく「人格の見え方」も変わる
- ゲームを一場面ずつそのままアニメ化するわけではない
- 108星はどうなる?
- 分岐やエンディングはどのルートになる?
- 初代『幻想水滸伝』を知らなくても見られる?
- 『II』は初代から3年後|同じ世界だから再登場人物もいる
- キャラクターデザインもゲーム版の絵をそのまま動かすわけではない
- KONAMI自身がアニメ制作へ深く関わっている
- 『STAR LEAP』やHDリマスターとは別の作品
- 2026年10月放送|第1話は60分拡大スペシャル
- アニメとゲーム、初めてならどちらから入る?
- まとめ|タイトルは『幻想水滸伝』でも、描くのは『II』
アニメ『幻想水滸伝』はゲームのどれが原作?『II』との違い・主人公リリュウ・初代との関係を整理

2026年10月から放送されるTVアニメ『幻想水滸伝』。
タイトルだけを見ると、1995年に発売されたシリーズ第1作『幻想水滸伝』をアニメ化するようにも見えます。
しかし、今回のアニメで描かれるのは初代ではなく、1998年発売の『幻想水滸伝II』の物語です。
KONAMIが2025年3月に発表した時点でも、企画は「『幻想水滸伝II』TVアニメ化」として始動していました。現在の正式タイトルは『幻想水滸伝』ですが、リリュウ、ジョウイ、ナナミ、ルカ・ブライト、ハイランド王国、ジョウストン都市同盟など、物語を構成する人物と舞台は『II』をベースにしています。
そしてゲームを知っている人にとって、もう一つ目立つ違いがあります。
ゲームでは自分で名前を付けていた主人公が、アニメでは「リリュウ」という一人のキャラクターになっていることです。
「なぜ『II』なのにタイトルにIIがないのか」「リリュウとは誰なのか」「初代を遊んでいなくても見られるのか」。
アニメを見る前に知っておくと分かりやすいところから整理していきます。
アニメ『幻想水滸伝』の原作は1998年の『幻想水滸伝II』
『幻想水滸伝II』は1998年12月17日にPlayStationで発売された、シリーズ第2作のRPGです。物語の舞台は第1作から3年後。前作と同じ世界にありながら、新しい土地と新しい主人公を中心に物語が始まります。
主人公と幼なじみのジョウイは、ハイランド王国のユニコーン少年兵部隊に所属する少年兵です。
ハイランド王国とジョウストン都市同盟は長く争っていましたが、物語開始時には休戦協定が成立していました。故郷へ帰れるはずだった主人公とジョウイは、そこから再び大きな戦乱へ巻き込まれていきます。
2026年アニメの導入も、この『II』の構図を受け継いでいます。
アニメ公式では、デュナン地方北東部のハイランド王国、その少年兵部隊に所属するリリュウとジョウイから物語が始まると紹介されています。
つまり今回のアニメは、初代で描かれた帝国との戦いをもう一度映像化する作品ではありません。
『幻想水滸伝II』の物語を、TVアニメとして再構成する作品です。
なぜタイトルは『幻想水滸伝II』ではない?
ここは気になるところですが、タイトルから「II」が外れた具体的な理由は明らかにされていません。
2025年3月の発表では「『幻想水滸伝II』TVアニメ化決定」。
その後に発表されたアニメの正式タイトルが『幻想水滸伝』です。
制作スタッフは、ゲームを知らない人にも届く新しい入口にしたいという考えを語っています。ただし、それを「IIを外した理由」として公式に説明しているわけではありません。
そのため、
「初代からアニメ化するからIIを消した」
「シリーズを最初から再構築するために改題した」
と考えるのは誤りです。
現時点では、
タイトルは『幻想水滸伝』、原作となるゲームは『幻想水滸伝II』
と分けて覚えておくのが一番分かりやすいでしょう。
ゲーム『幻想水滸伝II』とアニメ『幻想水滸伝』は何が違う?
大枠の物語は『II』を土台にしていますが、ゲームをそのまま映像へ置き換えるわけではありません。
| 項目 | ゲーム『幻想水滸伝II』 | アニメ『幻想水滸伝』 |
|---|---|---|
| 作品形態 | RPG | TVアニメ |
| 主人公 | プレイヤーが命名 | リリュウ |
| 主人公の反応 | 選択肢で決める場面がある | 一人の人物として発言・行動 |
| ジョウイ/ナナミ | 登場 | 登場 |
| 108星 | プレイヤーが各地で仲間を集める | 具体的な描き方は未発表 |
| 本拠地・戦争 | ゲームシステムとして存在 | 物語・映像表現として再構成 |
| 分岐 | 条件や選択で変化する部分がある | 採用する展開は未発表 |
| キャラクターデザイン | 石川史 | 原案を基にアニメ用に再構築 |
特に大きいのが主人公です。
ゲームではプレイヤー自身が名前を付け、場面によって選択肢を選びます。
アニメではその部分を視聴者に委ねられないため、主人公にも名前、性格、発言が必要になります。
そこで生まれたのが「リリュウ」です。
主人公「リリュウ」はゲームの公式名ではない
ゲーム版『幻想水滸伝II』を遊んだ人の中には、
「主人公ってリリュウという名前だったっけ?」
と思った人もいるはずです。
ゲーム本編には、現在のアニメのような固定名はありません。
プレイヤーが自由に名前を決めます。
シリーズIP監修の崎山高博氏も、ゲームではプレイヤーそれぞれが付けた名前が正しいという考えを示しています。
一方、アニメではジョウイやナナミが主人公を呼ぶ必要があります。
主人公だけいつまでも「彼」「お前」で通すわけにはいきません。
そこでTVアニメ用の名前として、新たに、
リリュウ(Riliu)
が設定されました。
アニメ公式では、リリュウはゲンカクに引き取られ、ナナミやジョウイとともに育った少年。仲間思いで、心優しく穏やかな性格として紹介されています。
したがって「ゲーム主人公の正式名がリリュウに決定した」という理解ではありません。
アニメ版の主人公名がリリュウです。
「リリュウ」という名前にはちゃんと理由がある
リリュウという名前は、既存の名前を少し変えただけではありません。
KONAMI側はアニメ用の名前を考える際、まずナナミ、ジョウイと並べたときになじむことを意識しました。
さらに『幻想水滸伝』には、東洋的な文化と西洋的な文化が混ざり合った独特の世界があります。その雰囲気に合う響きも条件になりました。
そこで候補につながったのが、「驪龍頷下の珠」という言葉です。
命懸けで求めなければ得られないほど貴重なもの、という意味につながる言葉から「リリュウ」という音を取り、英字表記もRiliuに決まりました。
この経緯を知ると、「ゲームに昔からあった設定をアニメで掘り起こした」のではなく、映像作品として主人公を成立させるために新しく付けた名前だと分かります。
小説版の「リオウ」とリリュウは別
もう一つ混同しやすい名前があります。
リオウです。
過去に刊行された小説版『幻想水滸伝II』では、主人公に「リオウ」という名前が付けられていました。今回のアニメ制作でも、その存在は当然認識されています。
ただし、
ゲーム版=リオウ
だったわけではありません。
整理すると、ゲームではプレイヤーが命名し、小説ではリオウ、2026年のTVアニメではリリュウです。
媒体ごとに、物語を成立させるための名前が設定されてきたわけです。
主人公は名前だけでなく「人格の見え方」も変わる
これはアニメ化で避けられない違いです。
ゲームでは、主人公の反応をプレイヤーが選ぶ場面があります。
同じイベントでも、何を選んだかによって「自分の主人公」の印象は少しずつ変わります。
声を出して会話が進むTVアニメでは、それができません。
リリュウがどう考え、何を言い、誰にどう応えるのかを、一つの物語として決める必要があります。
制作陣もこの違いを強く意識しており、ゲームとアニメでは文脈がまったく違うと説明しています。主人公一人を取っても、ゲームではプレイヤーごとの選択で反応が変わるものを、アニメでは一本のストーリーとして完成させなければならないからです。
リリュウに「仲間思いで、心優しく穏やか」という輪郭が与えられているのも、そのためでしょう。
ゲーム主人公を別人へ変更したというより、プレイヤーが埋めていた部分をアニメ側が具体化すると考えた方が自然です。
ゲームを一場面ずつそのままアニメ化するわけではない
『幻想水滸伝II』は、一本道の映像作品として作られたゲームではありません。
本筋の物語以外にも、108星を探すこと、本拠地を成長させること、通常戦闘、一騎打ち、大規模な戦争、各地での寄り道など、「プレイヤーが遊ぶ時間」を含めて作品が成立しています。
これをそのままTVアニメへ移すことはできません。
KONAMI側も、ゲームの内容をすべてアニメで表現しようとすれば、どれだけ尺があっても足りないと説明しています。
そのため、原作の物語を尊重しながら、核になる部分を抽出し、アニメとして再構成する方針です。
ここは「原作通りか、改変か」という二択で考えない方が分かりやすいところです。
同じ出来事を扱う場合でも、ゲームではプレイヤーが移動し、戦い、選ぶ。
アニメでは登場人物の会話や行動として一本につなげる。
物語の素材が同じでも、見せ方は変わります。
108星はどうなる?
『幻想水滸伝』といえば、108人の仲間を集めるシステムを思い浮かべる人も多いでしょう。
アニメ公式のイントロダクションにも、「108の星」という言葉は明確に残っています。
一方で、ゲームと同じように108人全員の加入条件を一つずつ描き、同じ順番で仲間にしていくとは発表されていません。
ゲームではプレイヤーが寄り道して出会う人物もいます。
そこまで含めて映像へ移すには大きな整理が必要になるため、アニメでどの人物をどのようにつないでいくかは、ゲーム経験者にとっても大きな注目点になりそうです。
分岐やエンディングはどのルートになる?
『幻想水滸伝II』には、プレイヤーの行動や条件によって変わる展開があります。
当然、一本のTVアニメではどこか一つの流れとして物語を進める必要があります。
ただし、アニメがゲームのどのルートや結末を採用するのかは発表されていません。
「特定のエンディングを正史として映像化する」
「アニメオリジナルの結末になる」
といった情報もありません。
ゲーム未経験でこれからアニメを見るなら、このあたりは検索しすぎない方がいいでしょう。『幻想水滸伝II』は結末だけでなく、そこへ至る過程自体に大きな意味を持つ作品です。
初代『幻想水滸伝』を知らなくても見られる?
ここははっきり答えられます。
初代未プレイでも、アニメから見始めて問題ありません。
『幻想水滸伝II』は第1作から3年後の続編ですが、新しい主人公と新しい戦争を中心に始まります。
リリュウ、ジョウイ、ナナミという3人の関係も、この作品の中で描かれます。
さらに制作側自身が、これまで『幻想水滸伝』を知らなかった人にも見てもらい、シリーズへ触れる入口にしたいと話しています。
初代をクリアしていないと、主人公たちの置かれた状況が理解できないような続編ではありません。
ただし、初代を知っていると意味が増える人物は確実にいます。
『II』は初代から3年後|同じ世界だから再登場人物もいる
『II』は初代の3年後を描いた正真正銘の続編です。
そのため、前作を経験した人物も再び登場します。
アニメで発表されている人物だけでも、ビクトール、フリック、ルック、アップルなど、初代から続く顔ぶれが確認できます。
ビクトール役は小西克幸さん、フリック役は中村悠一さん。ルックは村瀬歩さん、アップルは青山吉能さんが演じます。
初代を知っている人なら、彼らが以前どんな戦いを経験した人物なのかまで理解できます。
知らない人は、まずアニメに登場する人物として見ればいい。
この差です。
初代は予習必須ではない。けれど、遊んでいれば世界が一本につながって見える。
『II』と初代の関係は、そのくらいがちょうどいいでしょう。
キャラクターデザインもゲーム版の絵をそのまま動かすわけではない
主人公の名前だけでなく、キャラクターの映像化にも再構築が入っています。
ゲーム版『幻想水滸伝II』のキャラクターデザインは石川史氏。
アニメでは、
ゲームキャラクターデザイン:石川史
アニメーションキャラクター原案:鈴木新
アニメーションキャラクターデザイン:山内遼
という体制です。
1998年のイラストをそのままトレースして動かすのではなく、ゲームの人物像を踏まえながら、TVアニメの芝居やアクションで動かせるキャラクターへ落とし込んでいます。
ゲームを知っている人にとっては、「似ているかどうか」だけでなく、静止画だった表情や仕草がどう一人の人物としてつながるのかも、今回のアニメならではの違いになります。
KONAMI自身がアニメ制作へ深く関わっている
今回のアニメは、KONAMIが原作使用を許諾して外部へ任せるだけの企画ではありません。
制作・プロデュースを担当するのはKONAMI animation。『幻想水滸伝II』は、同スタジオにとって初のTVアニメシリーズとして発表されました。
シリーズIP側も、ゲームをそのまま再現できないアニメという媒体で、どうすれば『幻想水滸伝』の良さを伝えられるかというところから制作へ関わっています。
だからといって「原作完全忠実」が保証されているわけではありません。
むしろ制作陣が重視しているのは、ゲームの物語を守りながら、アニメとして成立させることです。
声優についても、過去のドラマCD出演者を候補に含めながら検討し、一部は続投、一部は新たなキャストを起用する方針が取られています。
同じものをもう一度再現するだけではなく、2026年のTVアニメとして一つの『幻想水滸伝』を作る姿勢が、このあたりにも表れています。
『STAR LEAP』やHDリマスターとは別の作品
2026年は『幻想水滸伝』関連の展開が重なっているため、ここも少し分かりにくくなっています。
8月7日に配信された『幻想水滸伝 STAR LEAP』は、シリーズの正史として新しく描かれる別のゲームです。アニメ『幻想水滸伝』が『STAR LEAP』を映像化しているわけではありません。
また、2025年発売の『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』には、第1作と『II』の両方が入っています。
こちらも「HDリマスター2作品をまとめてアニメ化する」という意味ではありません。
ゲームのHDリマスター=I+II
2026年TVアニメ=IIがベース
です。
アニメをきっかけにゲームへ興味を持った場合は、HDリマスターなら初代から『II』へ続けて遊べるため、前作とのつながりまで自分で体験できます。
2026年10月放送|第1話は60分拡大スペシャル
TVアニメ『幻想水滸伝』は、2026年10月からTOKYO MX、関西テレビ、BS朝日ほか全国32局で順次放送されます。
第1話は60分拡大スペシャルです。
「60分」は放送枠としての案内なので、本編映像がCMを除いて丸々60分あるという意味ではありません。
さらにTV放送に先駆け、8月21日から全国10劇場で第1話~第3話の2週間先行プレミアム上映が始まりました。
上映されているのはTVアニメの第1~3話で、別編集の劇場版ではありません。
10月の本放送前に、物語の序盤をまとめて見られる機会という位置づけです。
アニメとゲーム、初めてならどちらから入る?
これは、どんな体験を求めるかで変わります。
物語を映像として追いたいなら、アニメからで問題ありません。
リリュウという一人の主人公を中心に、ジョウイやナナミとの関係を一本のドラマとして見られます。
一方、自分で主人公へ名前を付け、108星を探し、寄り道をし、選択肢を選びながら物語へ入りたいならゲームです。
そして初代とのつながりまで最初から味わいたいなら、HDリマスターで『I』→『II』と遊ぶのが一番分かりやすいでしょう。
どれが正解というより、同じ物語でも体験する場所が違います。
アニメでは、ゲームでプレイヤー自身が担っていた主人公の判断や移動を一本のドラマとして見る。
ゲームでは、自分がその世界へ入り込んで選ぶ。
アニメ化で一番変わるのは、案外そこなのかもしれません。
『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』は、シリーズ第1作と、2026年TVアニメの原作となる『幻想水滸伝II』をまとめて収録。グラフィックや背景表現をHD化し、オートセーブや倍速バトルなど遊びやすさも強化されています。アニメから『II』に興味を持った人はもちろん、初代から3年後へ続く物語や再登場人物まで自分で追いたい人にもおすすめです。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
まとめ|タイトルは『幻想水滸伝』でも、描くのは『II』
2026年10月から放送されるTVアニメ『幻想水滸伝』。
正式タイトルに「II」はありませんが、アニメ化されるのは1998年発売のシリーズ第2作『幻想水滸伝II』です。
舞台は初代から3年後。
ハイランド王国の少年兵だった主人公とジョウイを中心に、『II』の物語が始まります。
ゲームでプレイヤー自身が名前を付けていた主人公には、アニメのためにリリュウ(Riliu)という名前が設定されました。
これはゲーム主人公の唯一の公式名を決め直したものではありません。
ゲームではプレイヤーが付けた名前、小説版ではリオウ、TVアニメではリリュウ。それぞれの媒体で物語を成立させるための名前です。
そしてアニメは、ゲームをそのまま一場面ずつ再現する作品でもありません。
ゲームの選択肢、108星、本拠地、戦争、分岐を抱えた『幻想水滸伝II』から物語の核を取り出し、一本のTVアニメとして組み直していきます。
初代を遊んでいなくても、リリュウとジョウイの物語から見ることはできます。
そのうえでビクトールやフリックたちの過去まで知りたくなれば、第1作へ戻る。
「タイトルは『幻想水滸伝』なのに、なぜ『II』なのか」への答えは、意外とシンプルです。
2026年のアニメはシリーズ第1作からやり直す作品ではなく、『幻想水滸伝II』をアニメという別の形で描き直す作品です。