面白い漫画を探すなら|隠れた良作・個性派作品を紹介【つぶログ】

まだ知らない、面白い漫画に出会える場所。
漫画を探す時間も楽しいものに。つぶログ漫画案内所では、話題作から少し個性的な良作まで、あらすじと読みどころを短く紹介します。ランキングではありません。今の気分に合う作品を、本棚を眺めるように探してください。
収録:14作品/5ジャンル(作品情報の確認基準日:2026年10月19日)。作品名で探すときは、ブラウザの「ページ内検索」(Macは⌘+F、WindowsはCtrl+F)も利用できます。
作品名から探す(全14作品)
作品ごとに複数のテーマが重なりますが、このページでは探しやすさを優先して主な本棚に一度だけ配置しています。掲載誌は原則として作品の掲載先を記載し、Web発の作品はその旨を表示しています。
SF・不思議
宇宙人、地球の危機、不思議な空間。少し変わった発想から物語に入りたい人へ。
COSMOS
田村隆平 / 月刊サンデーGX
嘘を見抜ける高校生が出会うのは、宇宙人を専門に扱う保険会社。事故やトラブルの相手が地球外生命体でも、必要なのは事情を聞き、責任を調べ、現実的な解決策を考えること。そんな仕事の視点が、SFをぐっと身近にする。壮大な宇宙戦争よりも、会話や謎、ちょっと変わったお仕事ものが好きな人向け。派手な戦闘が続く作品を期待すると、読み味はかなり違う。
惑星のさみだれ
水上悟志 / ヤングキングアワーズ
ある朝、大学生の雨宮夕日の前にしゃべるトカゲが現れ、「地球を守ってほしい」と頼んでくる。ところが、守るべき姫・朝日奈さみだれの願いは、普通の救世主とは少し違う。地球の危機という大きな話を、隣人との距離感や個人的な気持ちから始めるのが面白い。正義のヒーローものに飽きた人、少しひねった青春群像を読みたい人へ。
つらねこ
熊倉隆敏 / 青騎士
町の御神木から遠くへ行けない少女・知里。そんな彼女が、六尺先生との出会いをきっかけに、不思議な通り道「ネドコ」から外の世界をのぞき始める。知らない景色に少しずつ触れる冒険で、怪異めいたものも日常と地続きに現れる。説明しきらない不思議さや、寄り道を楽しむ漫画が好きなら気になるはず。明快なルールと速い展開を求める人には、独特のペースが合わないかもしれない。
魔法・ファンタジー
「普通の主人公」ではないところから始まる、三者三様の冒険。
レダの魔術師
天津ゆかり / 青騎士
里子に出されては孤児院に戻ってくる少年オルニアが、妖精に導かれて異端の魔術師と出会う。魔力を見いだされた途端、周囲の目は変わるが、魔術師にも思惑がある。選ばれなかった少年が「選ばれる側」になったからといって、すぐ自由になれるわけではないのが引っかかる。魔法の力比べだけでなく、身分や立場の変化が絡む物語が好みなら候補に入れたい。
魔男のイチ
西修(原作)・宇佐崎しろ(作画) / 週刊少年ジャンプ
この世界の魔法は、習得する技ではなく「狩る」生き物。魔女たちが試練を越えて魔法を手に入れるなか、山暮らしの狩人・イチが思わぬ形で飛び込んでくる。面白さの入口は、狩猟の知恵と魔法のルールがぶつかるところ。敵の種類や攻略法を知るのが楽しい人、ゲーム的な発想のファンタジーが好きな人に向く。静かな旅物語を求めるなら、勢いのある作風は好みを分けそう。
不滅のあなたへ
大今良時 / 週刊少年マガジン
主人公は、人間でも動物でもなく、地上に投げ込まれた一つの「球」。石、苔、狼へと姿を変え、出会いを通して世界を知っていく。最初から目的や性格を持つ主人公に慣れていると、この始まり方自体が新鮮だ。生きることや他者との関わりを長い時間で描く物語が好きな人に。別れや喪失に触れる場面もあるため、終始明るい冒険を求める人は、その点を知っておきたい。
青春・恋愛・創作
恋、ゲーム、漫画制作。それぞれ違う方法で人とつながる物語。
キラキラとギラギラ
嵐田佐和子 / ハルタ
少女漫画風の姫路ルルが転校した先は、生徒がみんな劇画タッチで描かれる獄門高校。再会した幼なじみまで、まるで別の作品に出てきそうな顔つきだ。一ページに異なる画風が同居する見た目の面白さと、二人の恋愛がちゃんと同時進行するのが持ち味。漫画の絵柄やお約束そのものを楽しみたい人におすすめ。見た目のギャップが笑いの中心なので、その発想が合うかは試し読みで確かめたい。
ハイスコアガール
押切蓮介 / 月刊ビッグガンガンほか
1991年のゲームセンター。ゲームが大好きな矢口ハルオは、優等生の大野晶に対戦で負けてしまう。言葉数の少ない二人の関係が、対戦や一緒に遊ぶ時間を通して変わっていく。懐かしいアーケードゲームがたくさん登場するけれど、ゲームに詳しくなくても、共通の遊びを持つ楽しさは伝わる。レトロゲーム好きには特に相性がいい。序盤の騒がしいギャグは好みが分かれるところ。
ルックバック
藤本タツキ / 少年ジャンプ+
学級新聞に漫画を描く藤野と、絵を描くことが好きな京本。二人の少女が、同じ「描くこと」を通じて出会う長編読切だ。才能への自信や、他人の絵を見たときの気持ちが、創作を続ける二人の距離を変えていく。漫画を描く人だけでなく、何かに打ち込んだ経験のある人に届きやすい題材。一冊で読める反面、軽い学園コメディとは違い、重い出来事にも触れる作品だ。
日常・仕事・人間ドラマ
大きな事件よりも、いつもの場所で起きる小さな変化に惹かれる人へ。
ホテル・メッツァペウラへようこそ
福田星良 / ハルタ
雪の降るフィンランドの小さなホテルに、事情を抱えた日本人青年ジュンが現れる。彼を迎えたのは二人の老紳士。三人の共同生活は、親切にされて終わりではなく、食事や接客、働くことへ少しずつつながっていく。きれいな雪景色と、生活の厳しさが同じ画面にあるのも特徴。仕事を通じて居場所を得ていく話が好きな人に。ほのぼの一辺倒ではなく、登場人物の過去にも関心が向く作品だ。
本なら売るほど
児島青 / ハルタ
街の古本屋「十月堂」には、本を探す人も、手放したい人もやってくる。同じ一冊でも、持ち主が変われば意味が変わる。店に出入りする人々を通して、本と生活の距離を描く連作だ。本が人生を必ず良い方向に変える、と簡単に決めつけないところが読みどころ。古書店の空気が好きな人や、身近な人の事情を描く短い物語が好きな人に。派手な事件や謎解きより、会話と選択を見せるタイプ。
夜は猫といっしょ
キュルZ / Web発・コミックエッセイ
フータと猫のキュルガの毎日を、短いエピソードで描くコミックエッセイ。何もない場所を急に見つめたり、思いがけない格好で寝たり。人間には不思議な行動も、猫にはいつもの日常なのかもしれない。大きな筋を追わず、気になるところから少しずつ読めるのがうれしい。動物の動きを観察するのが好きな人や、短時間で読める漫画を探している人にぴったり。
歴史・知的探究
知識が武器になる作品。ただし、どちらも時代の厳しさを描く場面がある。
ヒストリエ
岩明均 / 月刊アフタヌーン
舞台は古代ギリシア周辺。のちにアレクサンドロス大王の書記官となるエウメネスの少年時代と、彼が身につけていく知性を追う。力で押し切る英雄ではなく、何を見て、どう考え、どう立ち回るかに興味を持たせる主人公だ。古代史を知らなくても、人物の判断を追う楽しさがある。歴史と人間の駆け引きが好きな人向け。物語は長く、また暴力や身分差を描く場面もある。
チ。―地球の運動について―
魚豊 / ビッグコミックスピリッツ
15世紀ヨーロッパを思わせる世界で、天体の動きについての考えを追う人々を描く。面白さの中心にあるのは、答えを知ること以上に、危険を承知で「確かめたい」と思う気持ち。地動説をめぐる題材だが、史実の再現そのものではなくフィクションとして読むのがよい。知的好奇心が物語を動かす漫画を求める人に。思想をめぐる迫害や暴力の描写がある点には注意。
次の一冊を選ぶヒント
まずは気になる設定から一作。短く試すなら『ルックバック』、完結済みのシリーズをまとめて読むなら『惑星のさみだれ』や『キラキラとギラギラ』、落ち着いた日常を読みたい日は『本なら売るほど』や『夜は猫といっしょ』がおすすめです。各作品のレビューから、さらに詳しい読みどころも確認できます。
ほかの作品も探したい方は、つぶログのマンガレビュー一覧もどうぞ。
更新履歴:初版・14作品を収録。作品の連載・刊行情報は変更される場合があります。