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東京ゲームショウ2025(TGS2025)公式メインビジュアル解説:テーマは「遊びきれない、無限の遊び場」—制作は“ざしきわらし”氏

TGS2025の顔を飾る「公式メインビジュアル」公開、その意味をやさしく解説

東京ゲームショウ2025(TGS2025)の公式メインビジュアルが公開されました。テーマは 「遊びきれない、無限の遊び場(Unlimited, Neverending Playground[s])」。制作はイラストレーターのざしきわらし氏で、このビジュアルは会期までの告知や会場各所のキービジュアルとして展開されます。まずは公式発表の事実関係を押さえたうえで、初心者にもわかりやすく“この1枚の見どころ”をひも解いていきましょう。

公式サイトやリリースでは、メインビジュアルとあわせてオフィシャル動画の公開も告知されています。2025年のTGSは規模面でも“過去最大クラス”が予告されており、象徴となるこのアートは「国境も世代も越えて広がる“遊び場”」という今年のメッセージを視覚的に体現したもの。まずは“テーマと言葉の意味”“作者の起用理由”“どんな要素が描かれているのか”という3ステップで見ていきます。

メインビジュアルの概要

TGS2025の公式メインビジュアルは、青系のクールトーンを基調に、赤やオレンジの差し色を散りばめた鮮やかな配色が印象的です。描かれているのは特定のゲームキャラクターではなく、誰もが自分を重ねられるような人物像や、コントローラーやヘッドセットといった多様なデバイス。さらに浮遊するアイコンやUIが加わり、まるで現実と仮想が溶け合う“無限の遊び場”を表現しています。中央の主役から対角線へ視線を誘導する構図や、奥行きを意識したレイヤー表現は、公式ポスターやサムネイルとしても映える設計。ひと目で「今年のTGSが目指す方向性」が伝わるデザインになっています。

制作者・ざしきわらし氏とは?

今回のメインビジュアルを手がけたのは、イラストレーターのざしきわらし(Zashiki Warashi)氏です。ポップでありながらも繊細な色彩感覚と、どこか“物語性”を感じさせる世界観づくりで知られ、ゲームやアニメ関連のビジュアルを中心に幅広く活動してきました。国内外のイベントや広告でも作品が採用されており、SNSを通じてグローバルに支持を集めるアーティストの一人です。TGS2025のテーマ「Unlimited, Neverending Playground」を体現するにあたり、“世代や国籍を超えて楽しめる表現力”を持つ彼の起用は必然的だったといえるでしょう。公式アートを通じ、ゲーム文化の広がりを視覚的に伝える重要な役割を担っています。


テーマ「Unlimited, Neverending Playground」に込められた意味(約600字)

英語の直訳は「限りなく、終わりなき遊び場」。ここで言う“遊び場”は、子どもの公園ではなくゲームという文化圏そのものを指します。ポイントは三つ。

まずボーダレス。国や言語、年齢、ハードの違いをまたいで、誰でも参加できること。ビジュアルに特定のIPや国籍を感じさせにくい人物像が置かれているのは、見る人が自分を重ねやすくするためです。

次に拡張性。据置機・PC・モバイル・クラウド、そして配信やeスポーツまで、遊び方は連鎖的に広がっています。画面上のUIやホログラム風の表現は、現実と仮想が溶け合う“拡張された遊び場”を象徴します。

最後は循環する楽しさ。Neverending(終わらない)は、メーカーが作って終わりではなく、ユーザーが発信し、コミュニティが育て、クリエイターへ還っていく往復運動を意味します。アップデートやMOD、ファンアートやコスプレといった二次創作も、この循環の一部。TGSが「展示+体験+発信」のハブであることを、今年のテーマは明確に示しています。

つまりこのスローガンは、遊びの入口が増え続け(Unlimited)、楽しさがコミュニティを通じて途切れず循環する(Neverending)という、2025年のゲームシーンの姿を一言で表したものなのです。

公式ビジュアルから見える“ゲーム業界の今”

今年のメインビジュアルは、単なる「かっこいい一枚」ではなく、いまのゲーム業界が向かう方向を要約した図解でもあります。まず目に入るのは、特定のIPや国籍・年齢を想起させない人物像。これは、ゲームの主役が“誰でもない=誰でもなれる”というボーダレス化の象徴です。海外出展や多言語配信が当たり前になった現在、イベントの顔も“普遍記号”へと更新されました。

次に、UIやホログラム、コントローラー/ヘッドセットなどの“道具”が散りばめられている点。タイトル単体の魅力だけでなく、据置・PC・モバイル・クラウド、さらに配信プラットフォームやeスポーツまで、遊びの入口が多層化している現実を示します。プレイする人、見る人、作る人、支える人――関与の仕方が多様だからこそ、画面上に複数のレイヤーが共存しているわけです。

また、青系を基調にした広がりのある色面と、対角線へ視線を導く構図は“継続性”と“拡張”のイメージを与えます。一本買って終わりではなく、アップデート、イベント、二次創作、MOD、コミュニティ運営へと楽しさが循環する“Neverending”な時代。ビジュアルの粒子感やグロー表現は、その連鎖を光の軌跡として可視化しています。

最後に、多様性とアクセシビリティ。誰でも入りやすい色設計と文字組(サンセリフの明快さ)は、国際イベントの必須条件。大会場・オンラインを横断する「見やすさ/伝わりやすさ」まで含めてデザインされている点に、ゲームが“作品”であると同時に“場(Playground)”でもあるという2025年の解を読み取れます。

まとめ

TGS2025の公式メインビジュアルは、単なるポスターではなく、いまのゲーム体験を象徴する“宣言”です。青系を基調にした広がり、UIやデバイスが示す多層的な遊び方、誰もが自分を重ねられる人物像──これらが「Unlimited, Neverending Playground(終わりなき遊び場)」というテーマを視覚化しています。
今年のTGSは、国境や世代、プラットフォームの垣根を越えて“遊びの入口が増え続ける”時代に合わせ、イベントそのものを大きなプレイグラウンドとして提示。来場して体験する人も、配信で見る人も、創作で参加する人も、同じ輪の中に入れる設計です。
次章では、このメッセージと呼応する海外出展の拡大に注目し、「どの国・スタジオが何を見せに来るのか」を具体的に整理していきます。

1枚のビジュアルが、ゲームの未来を語り出す──TGS2025の顔は“終わりなき遊び場”でした

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