- パリにも『ドラゴンボール』テーマパーク?サウジ版との違い・「世界初」はどっち?
- フランスにも『ドラゴンボール』テーマパーク計画|場所はパリ市内ではない
- ただしフランス版には、まだ『ドラゴンボール』の正式許諾がない
- 「サウジに作っていたはず」→その通り、こちらは別の計画
- 世界初のドラゴンボールテーマパークはサウジ版
- サウジ版は50万㎡超・30以上のアトラクション・70m神龍
- ではフランス版にも70mの神龍ができる?
- サウジ版とフランス版の違いを比較
- 同じQiddiyaがなぜフランスにも?
- なぜフランス、しかもセルジー=ポントワーズなのか
- Qiddiya公式の「世界唯一」はどうなる?
- フランス版はいつオープン?チケット価格は?
- サウジ版の開業日はいつ?
- 日本にもドラゴンボールテーマパークはできる?
- まとめ|サウジ版が消えたのではなく、フランスでは別の大型計画が動き始めた
パリにも『ドラゴンボール』テーマパーク?サウジ版との違い・「世界初」はどっち?

フランス・パリ近郊で、『ドラゴンボール』を題材にした新たなテーマパーク構想が動き始めました。
2026年8月24日、フランスとサウジアラビアは、パリ北西部のセルジー=ポントワーズに大規模なレジャー拠点を整備する計画を発表。フランス大統領府は約60億ユーロの投資と2万2000人規模の雇用創出を掲げ、最大3つの大型エンターテインメント施設やホテルなどを含む開発を想定しています。Reutersなどは、その中に『ドラゴンボール』を題材とするテーマパークが含まれると報じました。
ただ、『ドラゴンボール』ファンならここで一つ疑問が浮かぶはずです。
「ドラゴンボールのテーマパークって、サウジアラビアに作っていたのでは?」
その記憶は間違っていません。2024年3月に発表されたサウジアラビア・Qiddiya Cityの計画は現在も別に存在しており、ドラゴンボール公式と東映アニメーションが正式に「世界初」と発表したものです。今回のフランス計画へ移転したわけでも、サウジ版が中止されたわけでもありません。
さらに重要なのが、2026年8月26日時点では、フランス側の『ドラゴンボール』パークについて日本の権利者から正式な使用許諾がまだ得られていないと報じられていることです。
つまり現状を一言で整理すると、
サウジ版は正式にライセンスされた「世界初のドラゴンボールテーマパーク」。一方のフランス版は、大規模開発計画そのものは政府間レベルで前進したものの、『ドラゴンボール』パークとしての最終確定にはまだ重要な手続きが残っている
という段階です。
フランスにも『ドラゴンボール』テーマパーク計画|場所はパリ市内ではない
今回の計画が進められているのは、パリ市内ではありません。
フランスとサウジアラビアが8月25日に公表した共同声明では、イル=ド=フランス地域圏のセルジー=ポントワーズに、Qiddiya Investment Companyが複数のパークを含む大規模複合開発を進める構想が明記されています。
娯楽、レジャー、ホテル、文化、スポーツを組み合わせた一体型の目的地とし、現時点では最大3つの大型エンターテインメント施設などを想定。開発期間全体の投資額は約60億ユーロとされています。
フランス大統領府は8月24日の発表で、より分かりやすく「3つのテーマパーク」「60億ユーロ」「2万2000人の雇用」と説明しています。したがって、60億ユーロという数字はドラゴンボールパーク1施設だけの建設費ではなく、複数の施設やホテルなどを含む開発全体の規模として見る必要があります。
予定地をめぐっては、セルジー=ポントワーズ都市圏のクールディマンシュにある旧テーマパーク「Mirapolis(ミラポリス)」跡地が有力候補として報じられてきました。AFPも正式発表前の8月10日時点で、この場所を候補地として伝えています。もっとも、フランス・サウジ両政府の共同声明は「セルジー=ポントワーズ」としており、最終的な敷地境界などの詳細までは示していません。
そのため「パリにドラゴンボールランドができる」というよりは、パリ北西部の近郊地域で大型テーマパーク群を開発する計画と考えるのが正確です。
もちろん、ディズニーランド・パリの新エリアでもありません。場所も事業主体も別のプロジェクトです。
ただしフランス版には、まだ『ドラゴンボール』の正式許諾がない
今回のニュースで最も注意したいのがここです。
Reutersは8月24日、セルジー=ポントワーズの計画を『ドラゴンボールZ』の世界観に着想を得たテーマパークとして報道しました。フランス国内でも、以前から旧Mirapolis跡地に『ドラゴンボール』関連パークを誘致する構想が報じられていました。
ところが翌25日、フランス紙Le Mondeは、Qiddiyaが進めるフランスの計画について、『ドラゴンボール』のキャラクターやブランドを使用するために必要な日本側権利者の承認を、まだ取得していないと報じました。
これはかなり大きな違いです。
サウジアラビア版では、Qiddiyaと東映アニメーションの長期的な戦略的パートナーシップが正式に発表され、東映アニメーション自身もテーマパーク建設におけるライセンス許諾を自社の役割として説明しています。
一方、フランス版では現段階でそれに相当する正式発表がありません。
したがって、
「フランスに世界2号店のドラゴンボールテーマパーク建設が正式決定した」
とまで言い切るのは早く、現時点では、
「フランスで大規模テーマパーク開発が正式に動き始め、その一施設として『ドラゴンボール』を題材にしたパークが構想されている」
と捉えるのが最も実態に近いでしょう。
「サウジに作っていたはず」→その通り、こちらは別の計画
サウジアラビア版が発表されたのは2024年3月22日です。
Qiddiya Investment Companyが、首都リヤド近郊で開発している巨大都市Qiddiya Cityの中に、『ドラゴンボール』専用テーマパークを建設すると発表しました。
ドラゴンボール公式はこの時、明確に「世界初となる『ドラゴンボール』のテーマパーク」と表現しています。東映アニメーションも同じく「世界初」として発表しました。
Qiddiya自身も現在の公式ページでサウジ版を掲載し続けており、2026年8月時点でも「world's only Dragon Ball Theme Park」と案内しています。
つまり、今回のフランス計画が発表されたからといって、
「サウジ版が中止され、フランスへ計画を移した」
という話ではありません。
東映アニメーションの2025年3月期決算資料でも、サウジアラビアの『ドラゴンボール』テーマパークは「under construction」と記載され、その後に発表された中期経営計画「VISION2030」でもQiddiyaテーマパーク建設が海外戦略の一つとして掲載されています。
少なくとも公開されている公式情報からは、サウジ版がフランス版に置き換えられたとは読み取れません。
世界初のドラゴンボールテーマパークはサウジ版
では、仮にフランス版が正式に実現した場合、「世界初」はどちらになるのでしょうか。
これはサウジアラビア版です。
2024年3月22日の発表時点で、ドラゴンボール公式と東映アニメーションがサウジ版を「世界初」と正式に表現しています。
フランス計画がその後に具体化したとしても、この事実は変わりません。
将来フランス版が正式ライセンスを取得し、実際に建設されれば、複数の地域に『ドラゴンボール』を題材とする大型パークが存在する可能性はあります。しかし、2026年8月26日時点でフランス版を「公式の世界2か所目」と数えるのもまだ早い段階です。
サウジ版は50万㎡超・30以上のアトラクション・70m神龍
サウジ版が注目を集めた最大の理由は、その規模です。
公式発表では敷地面積が50万平方メートル超。7つのドラゴンボールをモチーフにした7エリアで構成され、『ドラゴンボール』から『ドラゴンボール超』までの世界を体験できる計画になっています。
再現される場所として発表されているのは、
- カメハウス
- カプセルコーポレーション
- ビルスの星
など。
アトラクションは30以上を予定し、そのうち5つを大型・先進的なアトラクションとしています。さらにパーク中央には全高約70mの神龍を設置し、その中を大型ジェットコースターが通過する計画です。
テーマホテルやレストランも用意される予定で、単独の遊園地というより『ドラゴンボール』の世界そのものへ滞在する大型リゾートに近い構想です。
ここまで詳細が公表されているのは、あくまでサウジアラビア版です。
ではフランス版にも70mの神龍ができる?
現時点では分かりません。
サウジ版には50万㎡を超える敷地、7エリア、30以上のアトラクション、70mの神龍、ジェットコースター、テーマホテルなど具体的な計画がありますが、フランス版について同じ内容は正式発表されていません。
「同じQiddiyaが手掛けるのだから、フランスにも同じ神龍ができるだろう」と考えたくなりますが、そう決まったわけではありません。
むしろ現在のフランス計画は、『ドラゴンボール』の正式な権利許諾自体がまだ成立していないと報じられている段階です。
したがって、サウジ版のコンセプトアートや70m神龍の情報を、そのまま「フランス版の完成予想図」「フランス版のアトラクション」として扱うのは誤りです。
サウジ版とフランス版の違いを比較
| 項目 | サウジアラビア版 | フランス計画 |
|---|---|---|
| 発表 | 2024年3月22日 | 2026年8月24日 |
| 場所 | Qiddiya City | セルジー=ポントワーズ |
| 位置 | リヤド近郊 | パリ北西部・イル=ド=フランス |
| Qiddiyaの関与 | 開発主体 | 投資・開発を計画 |
| 『ドラゴンボール』正式ライセンス | 東映アニメーションとの提携・許諾を公式発表 | 日本側権利者の許諾は未取得と報道 |
| 「世界初」 | 公式表記あり | なし |
| 面積 | 50万㎡超 | DBパーク単体は未発表 |
| エリア | 7 | 未発表 |
| アトラクション | 30以上 | 未発表 |
| 約70mの神龍 | 計画あり | 未発表 |
| DBテーマホテル | 計画あり | 未発表 |
| 開業日 | 未発表 | 未発表 |
| 現在の位置づけ | 正式発表済みの専用テーマパーク | 大規模開発内で構想されるテーマの一つ |
両者にはQiddiyaという共通点がありますが、2026年8月26日時点では同じ完成仕様の「1号店と2号店」ではありません。
同じQiddiyaがなぜフランスにも?
フランス計画でも、中心となっているのはサウジアラビアのQiddiya Investment Companyです。
フランスとサウジアラビアの共同声明では、Qiddiyaがセルジー=ポントワーズに大規模な複合型レジャー拠点を開発する構想を両国が歓迎するとしています。
背景には、サウジアラビアが国内で培っている大型エンターテインメント開発を海外へ展開したい意向と、フランス側が大規模な海外投資を呼び込みたい事情があります。
フランス大統領府側は、マクロン大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子の間に、日本の漫画・アニメへの関心があることも計画の背景として説明しています。Reutersも『ドラゴンボール』への共通の関心が構想につながったと報じています。
ただし、「2人がドラゴンボール好きだから60億ユーロのパークを作ることになった」と単純化するのは実態とは少し違います。
今回発表されたのはホテル、文化、スポーツ、複数の大型娯楽施設まで含む広域開発であり、『ドラゴンボール』はその中で検討されている大きなテーマの一つです。
なぜフランス、しかもセルジー=ポントワーズなのか
フランスでは日本の漫画・アニメが長年広く親しまれており、『ドラゴンボール』も高い知名度を持つ作品です。
それに加えて、今回の立地には観光地としての狙いがあります。
フランス側の説明として報じられているのは、セルジー=ポントワーズからパリ都市圏へアクセスしやすいこと、そしてフランスを訪れる観光客に複数の大型レジャー施設を巡ってもらえる環境を作ることです。
ただし、ディズニーランド・パリと今回の施設が一体化するわけではありません。
ディズニーランド・パリはパリ東部方面にある別のリゾートで、今回のセルジー=ポントワーズ計画はパリ北西部。運営主体も異なります。
Qiddiya公式の「世界唯一」はどうなる?
ここは2026年8月のニュースを追っていると少し不思議に見える部分です。
Qiddiya Cityの現在の公式ページには、サウジ版について現在も、
“world's only Dragon Ball Theme Park”
という表現があります。
一方ではフランスで『ドラゴンボール』パーク構想が報じられているため、一見すると矛盾しているように見えます。
しかし、現段階では必ずしも矛盾していません。
サウジ版は東映アニメーションとの提携やライセンスを経て正式発表されたパークですが、フランス版はまだ権利者から『ドラゴンボール』の使用許諾を得ていないと報じられています。
つまり現時点では、Qiddiyaがサウジ版を「世界唯一」と案内していても不自然ではありません。
今後フランス版のライセンス契約が成立すれば、この表現が変更される可能性はありますが、それは今後の正式発表を待つ必要があります。
フランス版はいつオープン?チケット価格は?
開業日はまだ発表されていません。
Reutersは建設には数年を要する見通しとしていますが、具体的な開業年は示していません。フランス・サウジ両政府の共同声明にも開業日はありません。
同様に、
- チケット価格
- チケット発売日
- 正式名称
- アトラクション数
- 各パークの面積
- 『ドラゴンボール』以外のテーマ
- 詳細な建設スケジュール
も未発表です。
さらに、『ドラゴンボール』については権利者との契約という大きな条件も残っています。
その意味では、今回の8月24日の発表は「数年後のオープンまで全部決まった」というものではなく、約60億ユーロ規模の大型開発を進める政府間・事業者レベルの枠組みが大きく前進した段階と見るのが適切です。
サウジ版の開業日はいつ?
サウジアラビア版についても、具体的な一般開業日はまだ公表されていません。
Qiddiya Cityには『ドラゴンボール』パーク以外にも、Six Flags Qiddiya CityやウォーターパークのAquarabiaなど複数の施設があります。
Aquarabiaは2026年4月23日に一般開業しましたが、これは『ドラゴンボール』テーマパークとは別施設です。
Qiddiyaの別施設の開業日を、『ドラゴンボール』パークの開業日と混同しないよう注意が必要です。
日本にもドラゴンボールテーマパークはできる?
今回参照したドラゴンボール公式や東映アニメーションの発表では、日本国内にサウジ版と同規模の『ドラゴンボール』専用テーマパークを建設する計画は示されていません。
2024年に正式発表された大型専用パークはサウジアラビアのQiddiya Cityです。
今後さらに海外展開が広がる可能性はありますが、日本版については正式発表が出るまでは別の話として考える必要があります。
まとめ|サウジ版が消えたのではなく、フランスでは別の大型計画が動き始めた
2026年8月24日に発表されたフランス・セルジー=ポントワーズの計画は、約60億ユーロを投じ、複数の大型エンターテインメント施設やホテルなどを整備する非常に大きなプロジェクトです。
その中で『ドラゴンボール』を題材にしたテーマパーク構想が浮上しているのは事実ですが、現時点では日本側の権利者から正式な使用許諾を得ていないと報じられています。
一方、2024年に発表されたサウジアラビア・Qiddiya Cityのパークは、東映アニメーションとの正式な提携のもとで進められている別プロジェクトです。
世界初はサウジ版。
50万㎡超、7エリア、30以上のアトラクション、約70mの神龍といった具体的な仕様も、現段階ではサウジ版の情報です。
フランス版については、「70m神龍がフランスにもできる」「世界2号店が確定した」と先走る段階ではありません。
むしろ次に注目すべきなのは、『ドラゴンボール』の権利者との正式なライセンス契約が成立するのかという点でしょう。
そこが決まれば、フランス版が本当に「もう一つのドラゴンボールテーマパーク」へ進むのか、その全貌がようやく見え始めることになります。