- 漫画で次巻が出るまで最長は何年?『ベルサイユのばら』は40年4か月空いた
- 結論|最有力は『ベルサイユのばら』10巻→11巻の40年4か月
- ただし「漫画史上1位」と断定するには条件がある
- 今回は何を「次巻」として数えるのか
- 11巻は復刻版ではなく、本当に新しい漫画だった
- なぜ40年後に突然『ベルばら』が動き出した?
- 11巻の後は14巻まで刊行された
- ほかの「次巻が出るまで長かった漫画」と比べると?
- 『ポーの一族』も40年ぶりなのに、なぜ同じ記録ではない?
- 『NANA』『ガラスの仮面』の方が長く待っているのでは?
- 「50年ぶり復活」なら、もっと長い漫画もあるのでは?
- 40年後に「11巻」が出たこと自体が異例だった
- まとめ|確認できる主要商業漫画では『ベルサイユのばら』が最有力
漫画で次巻が出るまで最長は何年?『ベルサイユのばら』は40年4か月空いた

漫画の最新刊を何年も待った経験がある人なら、一度は気になる疑問があります。
「前の巻から次の巻まで、漫画史上もっとも長く空いた作品は何なのか?」
10年近く新刊が出ない作品も珍しくありません。ところが実際に調べていくと、その数字をはるかに上回る作品があります。
現在確認できる主要な商業漫画の中で、最有力となるのが池田理代子さんの『ベルサイユのばら』です。
10巻が発売されたのは1974年。そして、その次となる11巻が発売されたのは2014年でした。
その間、40年4か月。
しかも「昔の本を復刻した11巻」ではありません。新たに描かれたエピソードを収録した、正式な『ベルサイユのばら 11』です。
結論|最有力は『ベルサイユのばら』10巻→11巻の40年4か月
集英社の公式書誌を確認すると、『ベルサイユのばら 10』の紙版発売日は1974年4月25日です。
そして次の『ベルサイユのばら 11』は2014年8月25日に発売されています。
『ベルサイユのばら』の巻間隔
第10巻:1974年4月25日発売
↓
40年4か月
↓
第11巻:2014年8月25日発売
日数にすると14,732日です。
集英社も『ベルサイユのばら』50周年を振り返る公式記事の中で、オリジナルの最終10巻から40年を経て再始動し、2014年にエピソード編11巻が発売されたと説明しています。
つまり「10巻の次に11巻が出た」という巻数上の連続性については、出版社公式の資料から確認できます。
ただし「漫画史上1位」と断定するには条件がある
ここで先に重要な注意点があります。
この記事では『ベルサイユのばら』を「現在確認できる主要な商業漫画では最有力」としています。
「日本で出版されたすべての漫画を調べても絶対に史上1位」とまでは断定できません。
理由は単純で、出版社を横断して「各漫画の前巻から次巻までの日数」を集計した公的なランキングが存在しないためです。
大手出版社のコミックスだけでも膨大な数があり、さらに古い貸本漫画、小規模出版社の作品、特殊な出版形態まで含めれば、すべてを完全に網羅して最長を証明するのは現実的ではありません。
一方、『ベルサイユのばら』の40年4か月という間隔そのものは公式書誌で確認できる事実です。
今回は何を「次巻」として数えるのか
このテーマがややこしいのは、「○十年ぶりに復活した漫画」がすべて同じ条件ではないことです。
そこで今回は、次の条件で比較します。
- 同じ漫画作品である
- 既刊のX巻からX+1巻へ巻数が続いている
- その次巻が実際に商業出版されている
- 紙版の発売日を基準にする
逆に、復刻版、完全版、新装版、文庫版、電子化、合本版、別タイトルの続編、記念読切などは同じ記録には含めません。
また、現在も次巻が出ていない作品は「待っている期間」を計算することはできますが、「前巻から次巻まで何年だったのか」はまだ確定していないため、記録としては別に考えます。
11巻は復刻版ではなく、本当に新しい漫画だった
「40年後に11巻」と聞くと、昔の作品を再編集して番号を付け直しただけではないかと思うかもしれません。
しかし『ベルサイユのばら 11』は違います。
集英社公式書誌によると、11巻にはアンドレ、ジェローデル、フェルゼン、アランらを描いた新作エピソード4編が収録されています。
つまり、1974年の10巻をそのまま刷り直した本でも、過去原稿をまとめただけの復刻版でもありません。
著者も同じ池田理代子さん。そして巻数も正式に「11」を引き継いでいます。
その後は12巻、13巻、14巻まで続いており、11巻だけが記念企画として特殊な番号を与えられたわけでもありません。
10巻から40年4か月を経て発売された正式な11巻。池田理代子さんによる新作エピソード4編を収録したマーガレットコミックス版です。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
なぜ40年後に突然『ベルばら』が動き出した?
ここでも「40年間休載していた」と考えると少し違います。
『ベルサイユのばら』は、連載が途中で止まったまま40年間待たされていた作品ではありません。
集英社によると、再始動のきっかけになったのは『マーガレット』創刊50周年でした。
2013年4月発売の『マーガレット』の別冊付録に、アンドレを主役とした新作短編が掲載されます。これをきっかけとして、約40年ぶりの新シリーズ「エピソード編」が始まりました。
翌2014年、それらの新作エピソードを収録した単行本が『ベルサイユのばら 11』として発売された、という流れです。
| 年 | 動き |
|---|---|
| 1974年4月 | 『ベルサイユのばら』10巻発売 |
| 2013年4月 | 『マーガレット』創刊50周年を機に新作短編を発表 |
| 2014年8月 | 新作を収録した11巻発売 |
したがって正確には、「40年間の休載」ではなく、「オリジナル最終10巻から、再始動後の11巻まで40年空いた」と表現するのが適切です。
11巻の後は14巻まで刊行された
驚くのは、40年ぶりに1冊だけ出して終わったわけではないことです。
11巻の翌年となる2015年7月24日には12巻が発売されました。集英社も12巻を、約40年の時を経て再び動き出した「エピソード編」の2冊目と説明しています。
さらに13巻が2017年1月25日、14巻が2018年3月23日に発売。
14巻は集英社公式書誌で「エピソード編の集大成」と位置づけられています。
| 巻 | 発売日 |
|---|---|
| 10巻 | 1974年4月25日 |
| 11巻 | 2014年8月25日 |
| 12巻 | 2015年7月24日 |
| 13巻 | 2017年1月25日 |
| 14巻 | 2018年3月23日 |
こうして並べると、10巻と11巻の間だけ時間の流れがおかしく見えるほどです。
ほかの「次巻が出るまで長かった漫画」と比べると?
長い空白を経て続刊が出た有名作品も比較してみます。
| 作品 | 巻 | 空白期間 | 今回の条件 |
|---|---|---|---|
| ベルサイユのばら | 10巻→11巻 | 40年4か月 | 対象 |
| 究極超人あ~る | 9集→10集 | 約31年 | 対象 |
| 男坂 | 3巻→4巻 | 約29年3か月 | 対象 |
| ポーの一族 | 40年ぶりの新作 | 約40年 | 巻番号の連続ではないため別枠 |
小学館は『究極超人あ~る』10集について、1987年の9集発売から31年ぶりの新刊と公式に案内しています。10集の発売日は2018年8月9日です。
車田正美さんの『男坂』もかなり長く、第3巻は1985年7月10日、第4巻は2014年10月3日。こちらも約29年3か月が空いています。
どちらも普通の漫画ではまず見ない間隔ですが、それでも『ベルサイユのばら』の40年4か月には届きません。
『ポーの一族』も40年ぶりなのに、なぜ同じ記録ではない?
ここで気になるのが、萩尾望都さんの『ポーの一族』です。
小学館は2016年に発表された新シリーズを「40年ぶり」と案内しており、2017年には『ポーの一族 ~春の夢~』として単行本化されています。
期間だけを見れば『ベルサイユのばら』とほとんど変わりません。
ただし『春の夢』は、旧コミックスの「○巻の次に○+1巻」という形で発売された単行本ではありません。
その後も『ユニコーン』『秘密の花園』『青のパンドラ』など、新しいタイトルを持った単行本として展開しています。
つまり『ポーの一族』は「新作が発表されるまで約40年」という意味では極めて長い作品ですが、今回調べている「前巻から正式な次巻までの間隔」とは種類が違います。
『NANA』『ガラスの仮面』の方が長く待っているのでは?
長く続刊が出ていない漫画として、まず思い浮かぶ人が多いのが『NANA』や『ガラスの仮面』でしょう。
『NANA』は21巻で止まったまま
『NANA』の最新刊21巻は、集英社公式書誌では2009年3月13日発売です。
2026年10月7日時点でも、集英社のコミックス一覧で確認できる最新刊は21巻で、22巻は発売されていません。
そのため、すでに17年以上「次巻を待っている」状態ではありますが、22巻が実際に発売されるまでは「21巻→22巻の発売間隔」は確定しません。
現在の休載状況や22巻については、『NANA』は完結してる?連載再開・21巻・22巻の現在で詳しく整理しています。
『ガラスの仮面』も50巻がまだ出ていない
『ガラスの仮面』49巻は2012年10月5日発売。
こちらも2026年10月時点で50巻の発売日は正式発表されていません。
すでに14年以上が経過していますが、やはり50巻が刊行されるまでは「49巻→50巻の間隔」という確定記録にはなりません。
50巻や連載の現在地については、『ガラスの仮面』はいまどうなっている?49巻以降と50巻の状況で確認できます。
つまり、ここでは「もっとも長く待たれている漫画」と「実際に次巻が発売されるまで長かった漫画」は別と考える必要があります。
「50年ぶり復活」なら、もっと長い漫画もあるのでは?
検索すると、「50年ぶりに復活」「半世紀ぶりに刊行」といった漫画も見つかります。
ただし、この数字だけで『ベルサイユのばら』を上回ったとは判断できません。
古い作品では、数十年後に「完全版」「復刻版」「新装版」として再刊されるケースがよくあります。
たとえば1970年代作品を2020年代に完全版1巻から出し直したとしても、それは旧版最終巻から50年後に「次巻」が出たわけではありません。
同じ理由で、別タイトルの続編が数十年後に始まったケースや、単発の記念読切も今回の記録とは分けています。
40年後に「11巻」が出たこと自体が異例だった
漫画は長く読み継がれることがあります。
昔の作品がアニメ化されたり、完全版として復刊されたり、数十年後に続編が作られたりすることもあります。
しかし『ベルサイユのばら』が面白いのは、1974年に出た「10巻」の続きとして、2014年にそのまま「11巻」が現れたことです。
10巻を買った当時の読者が、40年後に書店へ行くと、その隣に続きの番号が付いた新刊が並ぶ。
単なる「懐かしの名作復活」とは少し違う、不思議な時間のつながりがあります。
まとめ|確認できる主要商業漫画では『ベルサイユのばら』が最有力
「漫画史上もっとも長く次巻が出なかった作品は?」という疑問を、同じ作品の連続した巻番号という条件で調べると、現在確認できる主要な商業漫画では『ベルサイユのばら』10巻→11巻が最有力です。
10巻は1974年4月25日、11巻は2014年8月25日。
空白は40年4か月、14,732日。
しかも11巻は復刻ではなく、新たに描かれたエピソードを収録した正式な続刊でした。
一方、「漫画史上絶対に1位」と証明できる公式ランキングはありません。古い作品や小規模な出版まで含めた全漫画を完全に網羅することも難しいため、そこだけは分けて考える必要があります。
それでも、1974年に止まった巻数が2014年に「11」として再び動き出した事実は十分に異例です。
漫画の世界では、ときには「次の巻」が世代をまたいでやって来ることがあります。