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漫画雑誌の発行部数ランキング2026|少年・青年・少女・女性誌を最新データで比較

2026年4~6月、『週刊少年ジャンプ』の紙版は1号平均98万5,000部となり、現行の公表記録で初めて100万部を下回りました。

では現在、紙版で最も大きな印刷規模を持つ漫画雑誌は何なのでしょうか。

漫画雑誌の部数は『週刊少年ジャンプ』『週刊少年マガジン』『週刊少年サンデー』などの週刊少年誌を中心に語られがちです。しかし、男性向け、少女向け、女性向けまで範囲を広げると、月刊誌や月2回刊にも1号10万部を超える雑誌があります。

本記事では、一般社団法人日本雑誌協会が公表した印刷証明付き部数を基に、少年・男性・少女・女性向けコミック誌を横断して比較します。

総合ランキングの基準は、全カテゴリーを同じ条件で比べられる2026年1月~3月の1号平均印刷部数です。

2026年4~6月の数字が判明している主要誌については、異なる期間の数字を総合順位へ混ぜず、記事後半の「最新動向」で別に整理します。

目次
  1. 漫画雑誌発行部数ランキングの集計基準
  2. 2026年漫画雑誌発行部数総合ランキング
  3. 総合ランキングから分かる5つの特徴
  4. 少年向け漫画誌発行部数ランキング
  5. 男性向け漫画誌発行部数ランキング
  6. 少女向け漫画誌発行部数ランキング
  7. 女性向け漫画誌発行部数ランキング
  8. 前期から部数が増えた・減った漫画雑誌
  9. 2026年4月~6月に判明した最新動向
  10. 紙の漫画雑誌が減少している理由
  11. 紙版でも比較的残りやすい漫画雑誌の特徴
  12. ランキングから分かること・分からないこと
  13. 漫画雑誌の発行部数に関するよくある疑問
  14. まとめ

漫画雑誌発行部数ランキングの集計基準

本記事で「発行部数」と表現している数字は、厳密には紙版の1号あたり平均印刷部数です。

2026年1月~3月の期間中に発売された各号について、平均で何部印刷されたかを示しています。

実際に売れた部数ではない

印刷部数は、書店、コンビニ、通販などで実際に購入された冊数を示す実売部数ではありません。

紙の雑誌には返品があるため、印刷されたすべての冊数が購入されたとは限りません。一方で、一冊を家族や友人と共有することもあるため、販売部数と実際に読んだ人数も一致しません。

このランキングには、次の数字も含まれていません。

  • 電子版の販売数や購読者数
  • 漫画アプリやウェブ版の利用者数
  • 単行本の売上
  • 掲載作品ごとの人気
  • 雑誌を実際に読んだ人の総数
  • 出版社の売上や利益

紙版の印刷部数が減っていても、電子版や漫画アプリで作品を読む人まで同じ割合で減っているとは限りません。

日本の全漫画雑誌を網羅した順位ではない

対象は、日本雑誌協会が2026年1月~3月の印刷証明付き部数を公表した漫画誌です。

現在刊行されているすべての漫画雑誌が含まれているわけではありません。

公表値を確認できない雑誌を過去の部数や推定値で補うと、期間や算定方法の異なる数字が混在します。そのため、本記事では同じ条件で確認できた48誌だけを掲載しています。

ランキングに名前がないことは、発行部数が少ないことや、刊行を終了していることを意味しません。

本文では日本雑誌協会の正式分類を使用

日本雑誌協会による漫画誌の分類は、次の4種類です。

  • 少年向けコミック誌
  • 男性向けコミック誌
  • 少女向けコミック誌
  • 女性向けコミック誌

一般に青年誌と呼ばれる雑誌も、本記事では日本雑誌協会の正式分類に合わせて男性向けコミック誌として集計しています。

週刊誌と月刊誌では数字の意味が異なる

1号平均印刷部数は、「一度の発売で平均何部印刷されたか」を比べる数字です。

週刊誌は年間およそ50回、月2回刊はおよそ24回、月刊誌はおよそ12回発売されます。

したがって、1号平均が同じ10万部でも、年間に印刷される総部数は同じではありません。

本記事の順位は、一度の発売における紙版の規模を比較したものです。年間の総発行部数や売上順位としては扱えません。

正確値と千部単位の公表値を区別

日本雑誌協会の個別ページなどで1部単位まで確認できる雑誌は、その正確値を掲載しています。

例として、『週刊少年ジャンプ』は100万4,167部、『週刊ヤングジャンプ』は21万7,182部、『月刊少年マガジン』は9万5,500部です。

一方、公式資料のグラフ上で千部単位に丸めて表示されている雑誌は、表示されている単位のまま掲載しています。

『週刊少年マガジン』の28万3,000部、『月刊コロコロコミック』の21万部、『ビッグコミックオリジナル』の16万3,000部などは、1部単位まで判明した数字としては扱いません。

前期比についても、千部単位の数字から算出した割合には「約」を付けています。

2026年漫画雑誌発行部数総合ランキング

総合ランキングは、日本雑誌協会の第72回公表分となる2026年1月~3月の1号平均印刷部数で統一しています。

前期比は、2025年10月~12月との比較です。

総合ランキング1~25位

順位雑誌名出版社分類刊行頻度1号平均印刷部数前期比
1週刊少年ジャンプ集英社少年向け週刊100万4,167部1万8,333部減(1.8%減)
2週刊少年マガジン講談社少年向け週刊28万3,000部1,000部減(約0.4%減)
3週刊ヤングジャンプ集英社男性向け週刊21万7,182部3,203部減(1.5%減)
4月刊コロコロコミック小学館少年向け月刊21万部3,000部減(約1.4%減)
5ビッグコミックオリジナル小学館男性向け月2回刊16万3,000部2,000部減(約1.2%減)
6ヤングマガジン講談社男性向け週刊13万3,000部5,000部減(約3.6%減)
7コミック乱リイド社男性向け月刊12万9,000部2,000部減(約1.5%減)
8週刊少年サンデー小学館少年向け週刊12万部横ばい
9ビッグコミック小学館男性向け月2回刊10万9,000部2,000部減(約1.8%減)
10月刊少年マガジン講談社少年向け月刊9万5,500部1,500部減(1.5%減)
11りぼん集英社少女向け月刊9万2,500部7,500部減(7.5%減)
12ジャンプスクエア集英社少年向け月刊9万1,000部横ばい
13コミック乱ツインズリイド社男性向け月刊8万7,000部横ばい
14グランドジャンプ集英社男性向け月2回刊8万5,000部2,000部減(約2.3%減)
15ちゃお小学館少女向け月刊7万2,500部2,500部減(3.3%減)
16モーニング講談社男性向け週刊6万7,000部1,000部減(約1.5%減)
17最強ジャンプ集英社少年向け隔月刊6万5,000部2万2,000部減(約25.3%減)
18ビッグコミックスピリッツ小学館男性向け週刊4万部横ばい
19LaLa白泉社少女向け月刊3万9,000部2,000部減(約4.9%減)
20花とゆめ白泉社少女向け月2回刊3万6,000部5,000部減(約12.2%減)
21別冊マーガレット集英社少女向け月刊3万2,000部1,000部減(3.0%減)
22ヤングアニマル白泉社男性向け月2回刊3万部2,000部減(約6.3%減)
23office YOU集英社女性向け月刊3万部横ばい
24BE・LOVE講談社女性向け月刊2万9,000部横ばい
25ビッグコミックスペリオール小学館男性向け月2回刊2万6,000部横ばい

総合ランキング26~48位

順位雑誌名出版社分類刊行頻度1号平均印刷部数前期比
26Cocohana集英社女性向け月刊2万6,000部横ばい
27アフタヌーン講談社男性向け月刊2万1,000部2,000部減(約8.7%減)
28Kiss講談社女性向け月刊2万1,000部横ばい
29なかよし講談社少女向け月刊2万350部1,650部減(7.5%減)
30コロコロイチバン!小学館少年向け月刊2万部2,000部増(約11.1%増)
31ウルトラジャンプ集英社少年向け月刊1万9,000部1,000部増(約5.6%増)
32デザート講談社女性向け月刊1万9,000部横ばい
33フラワーズ小学館女性向け月刊1万8,000部横ばい
34プチコミック小学館女性向け月刊1万7,000部横ばい
35MELODY白泉社女性向け隔月刊1万6,000部横ばい
36少年サンデー超(スーパー)小学館少年向け月刊1万5,000部2,000部増(約15.4%増)
37Cookie集英社女性向け隔月刊1万4,000部横ばい
38別冊フレンド講談社少女向け月刊1万1,000部横ばい
39マーガレット集英社少女向け月2回刊1万1,000部横ばい
40ベツコミ小学館少女向け月刊1万部2,000部増(約25.0%増)
41Cheese!小学館少女向け月刊9,000部横ばい
42別冊少年マガジン講談社少年向け月刊8,333部667部減(7.4%減)
43ゲッサン小学館少年向け月刊8,000部横ばい
44Sho-Comi小学館少女向け月2回刊8,000部横ばい
45月刊少年シリウス講談社少年向け月刊7,000部横ばい
46サンデージェネックス小学館少年向け月刊6,000部1,000部減(約14.3%減)
47LaLa DX白泉社少女向け隔月刊6,000部1,000部減(約14.3%減)
48月刊!スピリッツ小学館男性向け月刊3,000部横ばい

※出典:一般社団法人日本雑誌協会「印刷証明付部数」第72回公表分。算定期間は2026年1月~3月。前期比は2025年10月~12月との比較。

2026年1月~3月の紙版1号平均印刷部数では、『週刊少年ジャンプ』が100万4,167部で2位以下を大きく引き離しています。

総合ランキングから分かる5つの特徴

週刊少年ジャンプが突出している

総合1位の『週刊少年ジャンプ』は100万4,167部、2位の『週刊少年マガジン』は28万3,000部です。

両誌の差は72万1,167部に達します。

2位の『週刊少年マガジン』と4位の『月刊コロコロコミック』を合計しても49万3,000部で、『週刊少年ジャンプ』の半分に届きません。

紙版の1号平均という条件では、現在も『週刊少年ジャンプ』がほかの漫画誌を大きく引き離しています。

ただし、この差は電子版、漫画アプリ、単行本を含めた総読者数の差ではありません。紙の雑誌として一度に印刷される規模の違いです。

10万部以上は9誌、5万部以上は17誌

1号平均印刷部数が10万部以上だったのは、総合1位から9位までの9誌です。

内訳は少年向け4誌、男性向け5誌で、少女向けと女性向けには10万部以上の雑誌はありませんでした。

5万部以上まで広げると、総合17位の『最強ジャンプ』までが該当します。

18位の『ビッグコミックスピリッツ』は4万部であり、総合順位では17位と18位の間に2万5,000部の差があります。

上位誌と呼ばれる雑誌の中でも、100万部、20万部台、10万部台、5万部台では規模が大きく異なります。

総合TOP10の半数は男性向けコミック誌

総合TOP10の内訳は、少年向け5誌、男性向け5誌です。

男性向けでは、3位の『週刊ヤングジャンプ』を筆頭に、『ビッグコミックオリジナル』『ヤングマガジン』『コミック乱』『ビッグコミック』が入りました。

漫画雑誌の上位は週刊少年誌だけで構成されているわけではありません。

特に『ビッグコミックオリジナル』は月2回刊、『コミック乱』は月刊でありながら総合TOP10に入っています。若年層向けの週刊誌とは異なる読者層を持つ雑誌にも、大きな紙版印刷規模が残っています。

月刊誌と月2回刊も上位に入っている

総合TOP10は、週刊誌5誌、月刊誌2誌、月2回刊3誌で構成されています。

月刊誌では『月刊コロコロコミック』が21万部で4位、『コミック乱』が12万9,000部で7位です。

月2回刊では『ビッグコミックオリジナル』が16万3,000部で5位、『ビッグコミック』が10万9,000部で9位に入りました。

一度の発売における規模では、月刊誌や月2回刊が複数の週刊誌を上回る例があります。

ただし、年間の発売回数まで考慮すると結果は変わります。この総合順位から年間の総印刷部数を推測することはできません。

上位誌は複数の出版社に分かれている

総合TOP10に入った雑誌数は、小学館が4誌、講談社が3誌、集英社が2誌、リイド社が1誌です。

小学館は少年向けの『月刊コロコロコミック』『週刊少年サンデー』に加え、男性向けの『ビッグコミックオリジナル』『ビッグコミック』が入りました。

講談社は『週刊少年マガジン』『ヤングマガジン』『月刊少年マガジン』、集英社は『週刊少年ジャンプ』『週刊ヤングジャンプ』が入っています。

ただし、これはTOP10に含まれる雑誌数を数えたものです。

刊行頻度が異なる各誌の1号平均を合計しても、年間の販売量や出版社別の正式な市場シェアにはなりません。

カテゴリー別首位は、少年向けが『週刊少年ジャンプ』、男性向けが『週刊ヤングジャンプ』、少女向けが『りぼん』、女性向けが『office YOU』です。

少年向け漫画誌発行部数ランキング

少年向けコミック誌では、『週刊少年ジャンプ』が100万4,167部で首位です。

2位に『週刊少年マガジン』、3位に月刊の『月刊コロコロコミック』、4位に『週刊少年サンデー』が続きました。

少年向けコミック誌全14誌

順位総合順位雑誌名出版社刊行頻度1号平均印刷部数前期比
11週刊少年ジャンプ集英社週刊100万4,167部1万8,333部減(1.8%減)
22週刊少年マガジン講談社週刊28万3,000部1,000部減(約0.4%減)
34月刊コロコロコミック小学館月刊21万部3,000部減(約1.4%減)
48週刊少年サンデー小学館週刊12万部横ばい
510月刊少年マガジン講談社月刊9万5,500部1,500部減(1.5%減)
612ジャンプスクエア集英社月刊9万1,000部横ばい
717最強ジャンプ集英社隔月刊6万5,000部2万2,000部減(約25.3%減)
830コロコロイチバン!小学館月刊2万部2,000部増(約11.1%増)
931ウルトラジャンプ集英社月刊1万9,000部1,000部増(約5.6%増)
1036少年サンデー超(スーパー)小学館月刊1万5,000部2,000部増(約15.4%増)
1142別冊少年マガジン講談社月刊8,333部667部減(7.4%減)
1243ゲッサン小学館月刊8,000部横ばい
1345月刊少年シリウス講談社月刊7,000部横ばい
1446サンデージェネックス小学館月刊6,000部1,000部減(約14.3%減)

※算定期間は2026年1月~3月。前期比は2025年10月~12月との比較。

週刊少年ジャンプと2位以下の差が大きい

少年向け首位の『週刊少年ジャンプ』は100万4,167部。2位の『週刊少年マガジン』は28万3,000部で、その差は72万1,167部です。

3位の『月刊コロコロコミック』は21万部、4位の『週刊少年サンデー』は12万部となっており、少年向け上位でも雑誌ごとの規模には大きな開きがあります。

ただし、『週刊少年ジャンプ』の数字は紙版だけを対象としたものです。電子版や漫画アプリで作品を読む人、単行本だけを購入する人は含まれません。

紙版の1号平均では突出しているものの、掲載作品へ接触する読者全体の差を示した数字ではありません。

月刊コロコロコミックが週刊少年サンデーを上回る

少年向け3位は、月刊誌の『月刊コロコロコミック』です。

1号平均21万部で、『週刊少年サンデー』の12万部を9万部上回りました。総合ランキングでも4位に入っています。

さらに、『月刊少年マガジン』は9万5,500部、『ジャンプスクエア』は9万1,000部です。少年向け上位6誌は、週刊誌3誌と月刊誌3誌に分かれました。

少年向け漫画誌の規模を考える際は、週刊少年誌だけでなく、児童向け漫画やホビー情報を扱う雑誌、長編作品を中心とした月刊誌も含めて見る必要があります。

7位と8位の間に4万5,000部の差

7位の『最強ジャンプ』は6万5,000部、8位の『コロコロイチバン!』は2万部です。両誌の間には4万5,000部の差があります。

少年向けは、上位7誌と8位以下で印刷規模が大きく分かれる結果となりました。

一方、前期比では『最強ジャンプ』が2万2,000部減となったのに対し、『コロコロイチバン!』『ウルトラジャンプ』『少年サンデー超』は増加しています。

ただし、四半期ごとの部数は付録や特集、発売号の構成などの影響を受ける可能性があります。今回の増減だけで、長期的な上昇や下降を断定することはできません。

公表14誌のうち10誌が月刊

少年向け14誌の刊行頻度は、月刊誌が10誌、週刊誌が3誌、隔月刊が1誌です。

部数や知名度では週刊少年誌が目立ちますが、公表誌の数では月刊誌が大半を占めています。

月刊誌には、『月刊コロコロコミック』のように漫画とホビー情報を組み合わせた雑誌もあれば、『月刊少年マガジン』『ジャンプスクエア』『ゲッサン』のように連載漫画を中心とする雑誌もあります。

同じ少年向け分類でも、対象年齢、掲載内容、付録の有無、刊行頻度はさまざまです。部数順位だけで、各誌が担う役割まで同一視することはできません。

男性向け漫画誌発行部数ランキング

一般に「青年誌」と呼ばれる雑誌は、日本雑誌協会の分類では男性向けコミック誌に含まれます。

男性向けでは、『週刊ヤングジャンプ』が21万7,182部で首位。月2回刊の『ビッグコミックオリジナル』、週刊の『ヤングマガジン』が続きます。

男性向けコミック誌全13誌

順位総合順位雑誌名出版社刊行頻度1号平均印刷部数前期比
13週刊ヤングジャンプ集英社週刊21万7,182部3,203部減(1.5%減)
25ビッグコミックオリジナル小学館月2回刊16万3,000部2,000部減(約1.2%減)
36ヤングマガジン講談社週刊13万3,000部5,000部減(約3.6%減)
47コミック乱リイド社月刊12万9,000部2,000部減(約1.5%減)
59ビッグコミック小学館月2回刊10万9,000部2,000部減(約1.8%減)
613コミック乱ツインズリイド社月刊8万7,000部横ばい
714グランドジャンプ集英社月2回刊8万5,000部2,000部減(約2.3%減)
816モーニング講談社週刊6万7,000部1,000部減(約1.5%減)
918ビッグコミックスピリッツ小学館週刊4万部横ばい
1022ヤングアニマル白泉社月2回刊3万部2,000部減(約6.3%減)
1125ビッグコミックスペリオール小学館月2回刊2万6,000部横ばい
1227アフタヌーン講談社月刊2万1,000部2,000部減(約8.7%減)
1348月刊!スピリッツ小学館月刊3,000部横ばい

※算定期間は2026年1月~3月。前期比は2025年10月~12月との比較。

男性向けでは5誌が10万部以上

男性向け首位の『週刊ヤングジャンプ』は21万7,182部で、総合ランキングでも3位です。

10万部以上は、『週刊ヤングジャンプ』『ビッグコミックオリジナル』『ヤングマガジン』『コミック乱』『ビッグコミック』の5誌でした。

この5誌には、週刊誌が2誌、月2回刊が2誌、月刊誌が1誌含まれています。

男性向け上位は特定の刊行頻度に偏っておらず、異なる読者層や発売形態を持つ雑誌が並びました。総合TOP10の半数を男性向けが占めたことからも、紙版漫画誌の上位を少年誌だけで捉えられないことが分かります。

月2回刊の雑誌が上位層を形成

『ビッグコミックオリジナル』は16万3,000部で男性向け2位、『ビッグコミック』は10万9,000部で5位です。

同じ月2回刊では、『グランドジャンプ』が8万5,000部、『ヤングアニマル』が3万部、『ビッグコミックスペリオール』が2万6,000部となっています。

男性向け13誌のうち、月2回刊は5誌で最も多く、週刊誌と月刊誌がそれぞれ4誌です。

週刊誌が上位を独占するのではなく、月2回刊が紙版市場の一角を担っている点は、男性向けコミック誌の特徴といえます。

コミック乱は月刊で12万9,000部

『コミック乱』は月刊誌でありながら12万9,000部となり、男性向け4位、総合7位に入りました。

同じリイド社の『コミック乱ツインズ』も8万7,000部で男性向け6位です。

漫画雑誌の部数を考える際は、大手出版社の週刊誌だけでなく、特定のジャンルや読者層へ継続的に作品を届けている月刊誌にも目を向ける必要があります。

『コミック乱』が総合TOP10に入ったことは、紙版漫画誌の上位が若年層向けの媒体だけで構成されていないことを示しています。

1号平均と年間規模は分けて考える

男性向けでは、週刊、月2回刊、月刊の雑誌が上位に混在しています。

たとえば、月2回刊の『ビッグコミックオリジナル』は1号平均で『ヤングマガジン』を上回りますが、年間の発売回数は週刊誌の方が多くなります。

月刊の『コミック乱』も1号平均では複数の週刊誌を上回っていますが、この順位から年間の総印刷部数まで上位と判断することはできません。

男性向けランキングは、一度の発売でどの程度の紙版が印刷されているかを比較する資料です。媒体全体の売上や年間規模を示す順位ではありません。

少女向け漫画誌発行部数ランキング

少女向けコミック誌では、『りぼん』が9万2,500部で首位です。

2位は『ちゃお』の7万2,500部、3位は『LaLa』の3万9,000部。過去の異なる期間の数字は使用せず、2026年1月~3月に統一しています。

少女向けコミック誌全12誌

順位総合順位雑誌名出版社刊行頻度1号平均印刷部数前期比
111りぼん集英社月刊9万2,500部7,500部減(7.5%減)
215ちゃお小学館月刊7万2,500部2,500部減(3.3%減)
319LaLa白泉社月刊3万9,000部2,000部減(約4.9%減)
420花とゆめ白泉社月2回刊3万6,000部5,000部減(約12.2%減)
521別冊マーガレット集英社月刊3万2,000部1,000部減(3.0%減)
629なかよし講談社月刊2万350部1,650部減(7.5%減)
738別冊フレンド講談社月刊1万1,000部横ばい
839マーガレット集英社月2回刊1万1,000部横ばい
940ベツコミ小学館月刊1万部2,000部増(約25.0%増)
1041Cheese!小学館月刊9,000部横ばい
1144Sho-Comi小学館月2回刊8,000部横ばい
1247LaLa DX白泉社隔月刊6,000部1,000部減(約14.3%減)

※算定期間は2026年1月~3月。前期比は2025年10月~12月との比較。

りぼんが首位、ちゃおが2位

少女向け首位の『りぼん』は9万2,500部、2位の『ちゃお』は7万2,500部です。両誌の差は2万部となりました。

3位の『LaLa』は3万9,000部で、『ちゃお』との差は3万3,500部です。少女向けでは、上位2誌と3位以下の間に大きな開きがあります。

ただし、『りぼん』『ちゃお』と、『LaLa』『花とゆめ』『別冊マーガレット』では、想定する読者層や作品の傾向が同一ではありません。

同じ少女向け分類でも、部数差をそのまま雑誌や作品の優劣として見ることはできません。

上位5誌は総合21位以内

少女向け上位5誌は、総合11位の『りぼん』から総合21位の『別冊マーガレット』までに入っています。

上位5誌のうち、『花とゆめ』だけが月2回刊で、残る4誌は月刊です。

6位の『なかよし』は2万350部。7位の『別冊フレンド』と8位の『マーガレット』は1万1,000部となっており、上位5誌、6位、7位以下で印刷規模が分かれています。

少女漫画は電子コミックや漫画アプリでも広く読まれているため、紙版雑誌の順位だけでジャンル全体の読者規模を判断することはできません。

増加したのはベツコミ

少女向け12誌のうち、公表値が前期を上回ったのは『ベツコミ』です。

8,000部から1万部となり、増加部数は2,000部、増加率は約25.0%でした。

ただし、数値は公式資料で千部単位に表示されたものです。1部単位まで判明した厳密な増加率ではなく、公表された表示値上の変化として見る必要があります。

また、一四半期の増加だけで長期的な回復傾向に入ったとは判断できません。今後の公表値も含めて推移を確認する必要があります。

りぼんとなかよしは減少率が同じ

『りぼん』は10万部から9万2,500部へ7,500部減、『なかよし』は2万2,000部から2万350部へ1,650部減となりました。

減少部数は異なりますが、増減率はいずれも7.5%減です。

一方、『LaLa DX』は1,000部減ながら、7,000部から6,000部への変化であるため、減少率は約14.3%となります。

小規模誌は少ない部数の変化でも割合が大きくなりやすく、大規模誌は減少部数が多くても割合が小さくなることがあります。前期比は、部数と割合を分けて確認することが重要です。

女性向け漫画誌発行部数ランキング

女性向けコミック誌では、『office YOU』が3万部で首位となりました。

2位は『BE・LOVE』の2万9,000部、3位は『Cocohana』の2万6,000部です。

女性向けコミック誌全9誌

順位総合順位雑誌名出版社刊行頻度1号平均印刷部数前期比
123office YOU集英社月刊3万部横ばい
224BE・LOVE講談社月刊2万9,000部横ばい
326Cocohana集英社月刊2万6,000部横ばい
428Kiss講談社月刊2万1,000部横ばい
532デザート講談社月刊1万9,000部横ばい
633フラワーズ小学館月刊1万8,000部横ばい
734プチコミック小学館月刊1万7,000部横ばい
835MELODY白泉社隔月刊1万6,000部横ばい
937Cookie集英社隔月刊1万4,000部横ばい

※算定期間は2026年1月~3月。前期比は2025年10月~12月との比較。

首位から4位までの差は9,000部

女性向け首位の『office YOU』は3万部で、2位の『BE・LOVE』との差は1,000部です。

3位の『Cocohana』は2万6,000部、4位の『Kiss』は2万1,000部。首位から4位までの差は9,000部に収まっています。

少女向けでは『りぼん』『ちゃお』と3位以下の間に大きな差がありましたが、女性向け上位は比較的近い範囲に並びました。

ただし、女性向け漫画は電子コミックや単行本で作品単位に読む人も多く、紙版雑誌の差を市場全体の読者数の差として扱うことはできません。

9誌すべて公表値上は横ばい

女性向けの9誌は、2025年10月~12月と2026年1月~3月を比較すると、すべて公表値上では横ばいでした。

ただし、『Kiss』を除く8誌は千部単位で表示された数字です。

前期と同じ表示値であっても、千部未満の細かな増減までなかったことを意味しません。正確には、確認できる公表単位では変化が見られなかったという結果です。

部数の推移を分析する際は、数値が1部単位の正確値なのか、千部単位の表示値なのかを区別する必要があります。

月刊7誌、隔月刊2誌で構成

女性向け9誌のうち、『office YOU』から『プチコミック』までの7誌が月刊です。

『MELODY』と『Cookie』は隔月刊となっています。

女性向けでは、首位でも3万部である一方、公表された9誌すべてが1万部以上です。1誌だけが突出するのではなく、1万4,000部から3万部までの範囲に複数の雑誌が並びました。

刊行頻度や対象読者、掲載作品は異なりますが、紙版として一定規模を持つ女性向けコミック誌が複数存在しています。

掲載されていない雑誌の順位は判断できない

このランキングは、日本雑誌協会が2026年1月~3月の印刷証明付き部数を公表した女性向けコミック誌を対象としています。

現在刊行されている女性向け漫画誌のすべてが掲載されているわけではありません。

公表値のない雑誌については、同じ条件で正確な順位を決められません。過去の部数や推測値を加えれば、算定期間の異なるランキングになります。

ランキングに掲載されていないことは、部数が少ないことを意味しません。公表対象となった雑誌内での順位として見る必要があります。

前期から部数が増えた・減った漫画雑誌

2025年10月~12月と2026年1月~3月を比較すると、公表値が増加した雑誌は4誌、減少した雑誌は23誌、横ばいは21誌でした。

前期比を見る際は、実際に何部変化したかを示す「増減部数」と、元の印刷部数に対してどの程度変化したかを示す「増減率」を分けて考える必要があります。

規模の小さい雑誌は、1,000部や2,000部の変化でも増減率が大きくなりやすいためです。

増加部数上位

順位雑誌名分類前期2026年1~3月増加部数
1コロコロイチバン!少年向け1万8,000部2万部2,000部増
1少年サンデー超(スーパー)少年向け1万3,000部1万5,000部2,000部増
1ベツコミ少女向け8,000部1万部2,000部増
4ウルトラジャンプ少年向け1万8,000部1万9,000部1,000部増

増加部数では、『コロコロイチバン!』『少年サンデー超』『ベツコミ』が2,000部増で並びました。

公表値が前期を上回った4誌のうち、3誌が少年向け、1誌が少女向けです。男性向けと女性向けには、公表値上で増加した雑誌はありませんでした。

ただし、4誌はいずれも千部単位で表示された数字です。1部単位まで確認された厳密な増加量ではなく、公表された表示値を比較した結果として見る必要があります。

減少部数上位

順位雑誌名分類前期2026年1~3月減少部数
1最強ジャンプ少年向け8万7,000部6万5,000部2万2,000部減
2週刊少年ジャンプ少年向け102万2,500部100万4,167部1万8,333部減
3りぼん少女向け10万部9万2,500部7,500部減
4ヤングマガジン男性向け13万8,000部13万3,000部5,000部減
4花とゆめ少女向け4万1,000部3万6,000部5,000部減

最も減少部数が大きかったのは、『最強ジャンプ』の2万2,000部減です。

『週刊少年ジャンプ』も1万8,333部減となりましたが、前期の印刷部数が100万部を超えているため、減少率は『最強ジャンプ』ほど大きくありません。

反対に、規模の小さい雑誌は減少部数が少なくても、増減率では上位に入ることがあります。市場へ出る紙版の減少量を見る場合は部数差、各誌自身への影響を見る場合は増減率が参考になります。

増加率上位

順位雑誌名分類増加部数増加率
1ベツコミ少女向け2,000部増約25.0%増
2少年サンデー超(スーパー)少年向け2,000部増約15.4%増
3コロコロイチバン!少年向け2,000部増約11.1%増
4ウルトラジャンプ少年向け1,000部増約5.6%増

増加部数が同じ2,000部でも、前期の規模が最も小さかった『ベツコミ』は約25.0%増となりました。

『少年サンデー超』は約15.4%増、『コロコロイチバン!』は約11.1%増です。

増加率が高いことは注目すべき変化ですが、一四半期の数字だけで長期的な上昇へ転じたとは判断できません。付録や特集、掲載作品、発売された号の構成などによって、一時的に印刷部数が動く可能性もあります。

減少率上位

順位雑誌名分類減少部数減少率
1最強ジャンプ少年向け2万2,000部減約25.3%減
2サンデージェネックス少年向け1,000部減約14.3%減
2LaLa DX少女向け1,000部減約14.3%減
4花とゆめ少女向け5,000部減約12.2%減
5アフタヌーン男性向け2,000部減約8.7%減

減少率でも、『最強ジャンプ』が約25.3%減で最上位となりました。

『サンデージェネックス』と『LaLa DX』は、ともに7,000部から6,000部への変化です。減少部数は1,000部ですが、元の規模が小さいため約14.3%減となります。

一方、『週刊少年ジャンプ』は1万8,333部減で減少部数2位ですが、減少率は1.8%です。

**増減部数と増減率では、変化の大きさを測る基準が異なります。**どちらか一方だけで各誌の状況を判断しないことが重要です。

一四半期の変化だけでは長期傾向を判断できない

今回の前期比は、2025年10月~12月と2026年1月~3月という、連続する二つの四半期を比較したものです。

漫画雑誌の印刷部数は、付録、記念企画、応募キャンペーン、掲載作品の展開、合併号を含む発売構成などの影響を受ける可能性があります。

増加した雑誌が今後も同じペースで伸びるとは限らず、減少した雑誌が同じ割合で減り続けるとも限りません。

また、千部単位で公表された雑誌では、表示上は横ばいでも、千部未満の変化が含まれている可能性があります。長期的な動向を判断するには、複数年にわたる推移を確認する必要があります。

2026年4月~6月に判明した最新動向

総合ランキングとカテゴリー別ランキングは、全対象誌を同じ条件で比較できる2026年1月~3月の数字に統一しています。

一方、日本雑誌協会は2026年8月5日、次の算定期間となる2026年4月~6月の印刷証明付き部数を公表しました。

ここでは、直近の変化を確認しやすい主要4誌を別枠で比較します。

主要4誌の1号平均印刷部数

雑誌名2026年1~3月2026年4~6月増減
週刊少年ジャンプ100万4,167部98万5,000部1万9,167部減
週刊少年マガジン28万3,000部28万1,000部2,000部減
月刊コロコロコミック21万部21万3,333部3,333部増
週刊少年サンデー12万部12万部横ばい

※2026年1月~3月と4月~6月の1号平均印刷部数を比較。

週刊少年ジャンプが現行公表記録で初の100万部未満

『週刊少年ジャンプ』は、2026年1月~3月の100万4,167部から、4月~6月には98万5,000部となりました。

日本雑誌協会が現在の方式で印刷証明付き部数を公表している記録では、初めて100万部を下回っています。

紙版漫画雑誌の象徴的存在が100万部を割ったことは、大きな節目といえます。ただし、98万5,000部は紙版の1号平均印刷部数です。

電子版の購読者、『少年ジャンプ+』などの漫画アプリ利用者、単行本で掲載作品を読む人は含まれていません。

全盛期から現在までの推移や100万部を下回った背景については、「週刊少年ジャンプが100万部を下回る|紙版98万5000部になった理由と全盛期との比較」で詳しく整理しています。

マガジンは微減、コロコロは微増

『週刊少年マガジン』は28万3,000部から28万1,000部となり、前の四半期から2,000部減少しました。

『月刊コロコロコミック』は21万部から21万3,333部へ増え、主要4誌の中では唯一、前期を上回っています。

『週刊少年サンデー』は12万部で変わらず、公表値上では横ばいでした。

ジャンプとマガジンは減少、コロコロは増加、サンデーは横ばいとなっており、主要少年誌がすべて同じ方向へ動いているわけではありません。一つの雑誌の変化だけで、少年向け漫画誌全体の傾向を判断することはできません。

主要4誌だけで最新総合ランキングは作れない

2026年4月~6月の数字は、2026年1月~3月より新しい情報です。

しかし、主要4誌だけを最新値へ置き換え、ほかの雑誌を1月~3月のまま残せば、異なる算定期間が同じ順位表に混在します。

条件の違う数字を並べた順位は、正確な総合ランキングとはいえません。

そのため、本記事の総合順位とカテゴリー別順位は2026年1月~3月に統一し、4月~6月の主要誌は最新動向として分けました。全カテゴリーを横断した順位を更新する際は、同じ期間の公表値をそろえる必要があります。

紙の漫画雑誌が減少している理由

2025年の国内コミック市場は、紙と電子を合わせて6,925億円でした。

このうち電子コミックは5,273億円で、全体の76.1%を占めています。紙のコミックスとコミック誌を合わせた市場は1,652億円で、電子が漫画市場の中心となっていることが分かります。

紙の漫画雑誌が減少している背景には、漫画を読む場所や購入方法の変化が重なっています。

電子コミックへの移行

電子コミックは、スマートフォンやタブレットがあれば、書店へ行かなくても購入できます。

収納場所を必要とせず、発売後すぐに読めることや、過去の巻へ簡単に移動できることも利点です。

2025年の電子コミック市場は前年比2.9%増となった一方、紙のコミックスとコミック誌を合わせた市場は14.0%減でした。漫画市場全体では1.7%減となりましたが、電子コミックは引き続き成長しています。

**紙の漫画雑誌の減少は、漫画そのものが同じ割合で読まれなくなったことを意味しません。**読者の一部が、紙から電子へ読む場所を移していると考える必要があります。

漫画アプリの普及

かつて連載漫画を定期的に読む代表的な方法は、週刊誌や月刊誌を購入することでした。

現在は出版社の公式漫画アプリやウェブサービスが増え、雑誌を毎号購入しなくても連載を追える作品が数多くあります。

無料公開された話をきっかけに作品を知り、続きを読むために課金する方法や、気に入った作品だけ単行本を購入する読み方も一般的になりました。

紙の雑誌が担ってきた「新しい作品をまとめて届ける役割」の一部は、漫画アプリやウェブ媒体へ移っています。

作品単位で読む人が増えた

漫画雑誌は、一冊に複数の連載作品を収録しています。

目当ての作品だけでなく、知らなかった作品と偶然出会えることが大きな魅力です。一方、電子ストアや漫画アプリでは、読みたい作品や話数を選んで購入できます。

特定の一作品を目的に雑誌を購入していた読者にとっては、その作品だけを電子版や単行本で読む方が、費用や保管場所の面で都合がよい場合があります。

作品への関心が失われたのではなく、雑誌一冊ではなく、読みたい作品へ直接お金を支払う方法が選ばれやすくなったという変化です。

書店やコンビニの雑誌売り場が縮小している

紙の漫画雑誌は、書店やコンビニの売り場に並ぶことで、読者の目に触れてきました。

雑誌売り場が縮小すれば、店舗に置かれるタイトル数や冊数が限られます。表紙を見て新連載や付録に気づき、予定していなかった雑誌を手に取る機会も減少します。

書店のない地域では、雑誌を購入するための移動自体が負担になる場合もあります。電子版は店舗の有無に左右されにくいため、紙から電子へ移る理由の一つになります。

読者の好みだけでなく、紙の雑誌を身近に購入できる環境の変化も、印刷部数へ影響する要素です。

看板作品の完結や購読動機の変化

漫画雑誌を購入する理由は、読者によって異なります。

雑誌全体が好きな人もいれば、特定の連載、付録、応募企画を目的に購入する人もいます。

長く雑誌を支えてきた作品が完結すると、その作品を最大の目的としていた読者は、毎号購入する理由を失う可能性があります。

ただし、個別誌の部数減少を、特定作品の完結だけで説明することはできません。価格、連載構成、電子版の利用、付録、刊行頻度など、複数の条件が影響します。

現在は、毎号購入する、気になる号だけ購入する、作品だけ電子で読むといった形に、購読方法が細分化しています。

紙版でも比較的残りやすい漫画雑誌の特徴

紙の漫画雑誌を取り巻く環境が変わっても、電子版では完全に置き換えにくい価値は残っています。

特に、漫画を読むこと以外にも一冊を購入する理由がある雑誌は、紙版を選ぶ動機を作りやすいと考えられます。

ただし、特定誌の部数を維持している理由を、付録や企画だけに断定することはできません。

紙でしか手に入らない付録がある

カード、ポスター、シール、小冊子、組み立て付録など、実物として残る付録は紙版ならではの価値です。

漫画を読む目的だけでなく、収集したり遊んだりするために雑誌を購入する読者もいます。

特に児童向け雑誌では、漫画、ホビー情報、付録が一つの商品として組み合わされています。電子版で同じ体験を完全に再現することは難しく、紙を選ぶ理由になり得ます。

ただし、付録があれば必ず部数を維持できるわけではありません。内容、価格、対象読者との相性なども影響します。

応募企画や参加型の仕組みがある

懸賞、人気投票、読者投稿、作品募集、限定商品の応募など、読者が参加できる企画も紙版の購入動機になります。

応募券や専用用紙が付いていれば、雑誌を所有すること自体に意味が生まれます。

読者投稿欄やイラスト企画は、同じ雑誌を読む人の存在を感じられる場でもあります。ウェブ上で参加できる企画が増えた現在も、紙面に自分の投稿が掲載される体験には独自の価値があります。

ホビーやゲーム情報をまとめて楽しめる

漫画に加え、ゲーム、玩具、カード、アニメなどの情報を掲載する雑誌は、一冊で複数の興味に応えられます。

インターネットでは個別の最新情報を素早く確認できますが、対象読者に合わせて情報が整理され、漫画や付録とともに収録される雑誌には一覧性があります。

漫画だけを掲載する媒体ではなく、一冊全体を遊びや情報のパッケージとして楽しめることが、紙版の価値につながります。

読みたい連載が複数ある

目当ての連載が一作品だけであれば、その作品を電子版や単行本で読む方法へ移りやすくなります。

一方、発売日に読みたい作品が複数ある読者にとっては、雑誌一冊を購入する方が便利で、価格面でも納得しやすい場合があります。

すでに読んでいる作品の間に新連載が掲載されることで、次の目当てが生まれることもあります。

作品を検索して選ぶ電子ストアとは異なり、予定していなかった漫画と出会えることは、雑誌という形式の強みです。

記念号や保存したくなる価値がある

創刊記念号、作品の周年特集、新連載号、最終回掲載号、特別な表紙などは、通常号とは異なる保存価値を持つことがあります。

電子版は場所を取らず、検索や読み返しに便利です。一方、紙版には表紙、印刷、紙質、付録を含めた一冊を実物として所有できる魅力があります。

雑誌を長く購読してきた人にとっては、特定の号が当時の記憶と結びつくこともあります。データとして読むだけでは得られない所有感は、紙版が持つ価値の一つです。

ランキングから分かること・分からないこと

発行部数ランキングは、紙媒体としての規模や、同じ期間における雑誌間の差を確認するための資料です。

一方、印刷部数だけでは、実際に何冊売れたのか、何人が読んだのか、掲載作品がどれほど支持されているのかまでは分かりません。

ランキングから分かることランキングだけでは分からないこと
紙版の1号平均印刷規模書店やコンビニでの実売部数
同一期間における公表誌間の差購入者数や読者総数
前の四半期からの変化電子版の販売数や購読者数
公表対象誌内での順位漫画アプリやウェブ版の利用者数
一度の発売における紙版の規模年間の総印刷部数や総販売部数
週刊・月刊などの刊行形態掲載作品の人気や単行本売上
紙媒体としての現在地出版社の売上、利益、市場シェア
公表されている雑誌の構成公表されていない雑誌の部数

特に注意したいのは、1号平均印刷部数と年間規模の違いです。

週刊誌と月刊誌では、年間の発売回数が大きく異なります。1号平均が同じでも、年間の総印刷部数が同じとは限りません。

出版社ごとに各誌の1号平均を単純合計しても、刊行頻度が異なるため、正式な市場シェアにはなりません。

このランキングは、2026年時点における紙版漫画雑誌の一度の発売規模を、同じ算定期間で比較した資料として見るのが適切です。

漫画雑誌の発行部数に関するよくある疑問

発行部数と実売部数は同じですか?

同じではありません。

本記事で使用しているのは、紙版の1号平均印刷部数です。一定期間中に発売された各号について、平均で何部印刷されたかを示しています。

書店やコンビニ、通販などで実際に購入された冊数を示す実売部数ではありません。

紙の雑誌には返品があるため、印刷されたすべての冊数が読者に購入されたとは限りません。また、一冊を複数人で読むこともあるため、実売部数と読者数も一致しません。

電子版は含まれていますか?

含まれていません。

ランキングの対象は紙版の印刷部数です。

雑誌の電子版、定額読み放題サービス、出版社の漫画アプリ、ウェブサイトで配信された話数などは集計対象外です。

同じ作品でも、紙の雑誌、電子版、漫画アプリ、単行本など、複数の方法で読まれています。紙版部数が減少していても、作品へ接触する読者全体が同じ割合で減少しているとは限りません。

週刊誌と月刊誌を比べてよいのですか?

一度の発売における平均印刷部数を比べる目的であれば、同じランキングに掲載できます。

今回の数字は、週刊誌でも月刊誌でも「1号あたり平均何部印刷されたか」という共通の条件で集計されています。

ただし、年間の発売回数は異なります。1号平均10万部の週刊誌と月刊誌では、年間の総印刷部数に大きな差が生じます。

今回の順位を年間発行規模や年間売上の順位として扱うことはできません。

掲載されていない漫画誌は部数が少ないのですか?

掲載されていないという理由だけでは判断できません。

本記事は、日本雑誌協会が2026年1月~3月の印刷証明付き部数を公表した漫画誌を対象としています。

現在刊行されているすべての漫画誌が、公表対象になっているわけではありません。

公表値がない雑誌については、同じ算定期間と条件で順位を決められません。ランキングに名前がないことは、部数が少ないことや刊行を終了していることを意味しません。

部数1位の雑誌が最も多くの人に読まれていますか?

紙版の1号平均印刷部数では首位ですが、総読者数まで1位とは断定できません。

電子版や漫画アプリで読む人、単行本だけを購入する人、一冊を複数人で読む人もいます。

雑誌の印刷部数と、各作品の単行本売上や映像作品の人気も一致しません。発行部数の少ない雑誌から、大きなヒット作品が生まれることもあります。

発行部数ランキングが示すのは、紙の雑誌として一度に印刷された平均的な規模です。掲載作品の優劣や影響力を決める順位ではありません。

まとめ

2026年1月~3月の紙版漫画雑誌を比較すると、1号平均印刷部数の首位は『週刊少年ジャンプ』の100万4,167部でした。

2位の『週刊少年マガジン』は28万3,000部で、首位との差は70万部を超えています。紙版の1号平均では、『週刊少年ジャンプ』がほかの雑誌を大きく引き離しています。

一方、上位は少年誌だけではありません。

男性向けでは、『週刊ヤングジャンプ』『ビッグコミックオリジナル』『ヤングマガジン』『コミック乱』『ビッグコミック』が10万部以上となり、総合TOP10の半数を占めました。

少女向けの首位は『りぼん』の9万2,500部、女性向けの首位は『office YOU』の3万部です。カテゴリーによって、上位誌の印刷規模や分布は大きく異なります。

総合TOP10には、週刊誌だけでなく、月刊の『月刊コロコロコミック』『コミック乱』、月2回刊の『ビッグコミックオリジナル』『ビッグコミック』も入りました。

週刊誌と月刊誌では、同じ1号平均でも年間に持つ意味が異なります。

2026年4月~6月には、『週刊少年ジャンプ』が98万5,000部となり、現行の公表記録で初めて100万部を下回りました。

紙の漫画雑誌市場にとって大きな節目ですが、2025年のコミック市場では電子コミックが全体の76.1%を占めています。

紙版の印刷部数だけでは、電子版の読者、漫画アプリの利用者、単行本の売上、掲載作品の人気までは測れません。

発行部数ランキングは作品の優劣を決める表ではなく、紙の漫画雑誌が現在どの程度の規模で印刷されているかを記録する資料です。

紙から電子へ漫画を読む場所が広がる中で、紙版の漫画雑誌がどのような価値を残していくのか。2026年は、長く続いてきた漫画雑誌の役割を改めて考える年になりそうです。

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