- 1万円だけ持って1997年のゲームショップへ行く|12月18日、何を買えた?
- 12月18日だけで39本。まず今日の発売予定が多すぎる
- 1万円で『グランディア』を買うと、残りは1,810円
- しかも『グランディア』は、店へ行けば買えるとは限らなかった
- 今日の39本だけを見ても決められない。先週のゲームもまだ新しい
- そして、この日の最大の敵は「5日後」だった
- もちろん「グランツーリスモが名作になるから待つ」ではない
- 『夢であるように』は、昨日出たばかりの新曲だった
- ゲームを買う場所も、今とはかなり違った
- 中古ならもっと買えた?――そこも値札は作らない
- そもそも1万円だけでは、ゲーム機本体は買えない
- ゲームを知ってから店へ行くまでにも時間があった
- では本当に、1万円で何を買う?
- ここまで、未来の結果は知らない
- ここで2026年へ戻る
- 1997年12月18日へ行くと、「名作一覧」では見えないものが残る
- 1万円しかないから、発売予定表までゲームになる
- 資料と価格の扱いについて
1万円だけ持って1997年のゲームショップへ行く|12月18日、何を買えた?

財布には、1万円札が1枚。
今日は1997年12月18日、木曜日。
気になるゲームがあっても、ポケットからスマートフォンを取り出して評判を検索することはできない。発売日の朝から実況動画を見ることも、SNSで「買い?」と聞くこともできない。
そして何より、私たちは未来を知らない。
今日発売されるゲームのどれが30年近く語り継がれるのか。5日後に出るゲームがどれほど売れるのか。そんな答えは、まだどこにもない。
分かっているのは、今日も大量の新作が出ること。そして、財布の中には1万円しかないことだ。
さて、何を買って帰る?
つぶログ「ゲーム文化史アーカイブ」第1回は、ゲーム史を2026年から眺めるのではなく、1997年12月18日へ行く。
ゲーム史を読むのではなく、ゲーム史へ行く。
今回のルール
時点は1997年12月18日。未来の評価や売上は購入判断に使いません。価格は確認できる税抜価格に、当時の税率5%を加えて比較します。値引きや中古価格、特定店舗の在庫は資料で確認できない限り創作しません。
そして後半で「ここで2026年へ戻る」と書くまで、発売後に判明した結果は持ち込みません。
12月18日だけで39本。まず今日の発売予定が多すぎる
最初に、今日発売されるゲームを確認しよう。
現在残っているファミ通の発売日データベースで1997年12月18日を照合すると、この日だけで39タイトルが並ぶ。
内訳はPlayStationが19本、セガサターンが17本、NINTENDO64が3本。
「1997年の名作」を集めた39本ではない。本当に、同じ日に発売されたゲームが39本ある。
| 機種 | 12月18日発売の主なタイトル | 税抜価格 |
|---|---|---|
| セガサターン | グランディア | 7,800円 |
| PlayStation | クラッシュ・バンディクー2 ~コルテックスの逆襲!~ | 5,800円 |
| PlayStation | フロントミッション オルタナティヴ | 5,800円 |
| PlayStation | ロックマンDASH 鋼の冒険心 | 5,800円 |
| PlayStation | 電車でGO! | 5,800円 |
| PlayStation | るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 十勇士陰謀編 | 5,800円 |
| セガサターン | ティンクルスタースプライツ | 5,800円 |
| セガサターン | 蒼穹紅蓮隊 御徳用 | 2,800円 |
| NINTENDO64 | ハイパーオリンピック イン ナガノ64 | 6,800円 |
| NINTENDO64 | 飛龍の拳ツイン | 6,980円 |
| NINTENDO64 | ヘクセン | 6,800円 |
ここに並べたのは一部だけだ。
同じ日には『学校をつくろう!!』『ザ・コンビニ2 ~全国チェーン展開だ!~』『サウンドノベルツクール2』『水滸伝 ~天導一〇八星~』『忍ペンまん丸』『パネルクイズ アタック25』なども発売されている。
2026年から有名作品だけを抜き出すと、この日の姿を見誤る。
12月18日の時点では、後世に残る一本も、やがて名前を聞かなくなる一本も、同じ「今日発売の新作」だった。
1万円で『グランディア』を買うと、残りは1,810円
では財布を開こう。
ゲームアーツの製品記録によれば、セガサターン版『グランディア』は1997年12月18日発売、税抜7,800円。
1997年4月1日から、消費税4%と地方消費税を合わせた負担率は5%になっている。
したがって、この日の7,800円は税込8,190円。
1万円札を出せば、戻ってくるのは1,810円だ。
| 選び方 | 税抜合計 | 5%込み | 残金 |
|---|---|---|---|
| 『グランディア』1本 | 7,800円 | 8,190円 | 1,810円 |
| 5,800円の新作1本 | 5,800円 | 6,090円 | 3,910円 |
| 6,800円の新作1本 | 6,800円 | 7,140円 | 2,860円 |
| 5,800円+2,800円の2本 | 8,600円 | 9,030円 | 970円 |
5,800円の新作なら税込6,090円で、3,910円残る。
さらに、この日のセガサターンには税抜2,800円の『蒼穹紅蓮隊 御徳用』もある。5,800円のソフトと組み合わせても合計9,030円。定価ベースでも、新作を2本持って帰る選択が成立する。
一方、『グランディア』へ行けばほぼ一本勝負。
1万円という上限を置いた途端、同じ発売日の景色が変わる。
しかも『グランディア』は、店へ行けば買えるとは限らなかった
ここで、発売前の資料を一つ見てみる。
1997年11月30日発行の業界誌『月刊コインジャーナル』12月号には、年末の家庭用ゲーム情報が掲載されている。
そこでは『グランディア』について、発売日を12月18日、価格を7,800円と紹介したうえで、すでに追加注文を断られたショップが出ているほどの人気だと伝えていた。
これはかなり大きい。
2026年から「名作だから買う」のではない。
発売前の1997年の時点で、店側が追加発注しにくくなるほど動いていたという記事が残っている。
逆に言えば、12月18日にふらっと出かけて、本当に店頭在庫があったかどうかは別問題だ。
発売日が確認できることと、その日に自分が買えたことは同じではない。
この記事でも、特定店舗の在庫までは再現しない。
今日の39本だけを見ても決められない。先週のゲームもまだ新しい
ゲームを買いに行った12月18日、選択肢は「本日発売」だけではない。
1週間前の12月11日にも、かなり濃いタイトルがまとまって発売されている。
| 発売日 | 機種 | タイトル | 税抜価格 |
|---|---|---|---|
| 12月11日 | PlayStation | 風のクロノア ~door to phantomile~ | 5,800円 |
| 12月11日 | セガサターン | プリンセスクラウン | 5,800円 |
| 12月11日 | セガサターン | シャイニング・フォースIII シナリオ1 王都の巨神 | 4,800円 |
| 12月11日 | PlayStation | 機動戦士Zガンダム | 7,800円 |
| 12月11日 | PlayStation | Jリーグ実況ウイニングイレブン3 | 5,800円 |
『プリンセスクラウン』は、つぶログでもセガサターン版を現在の視点からレビューしている。
ただし、ここでも一線は引く。
12月11日に発売されていたからといって、12月18日に入った店へ必ず置いてあったとは言えない。
今回言えるのは、「1週間前に発売されており、在庫があれば購入候補になった」ところまでだ。
その条件だけでも、今日の39本を見る前から財布を使う先はかなり多い。
そして、この日の最大の敵は「5日後」だった
それでも、12月18日をこの企画の日に選んだ最大の理由は別にある。
今日の新作が多いからではない。
もう少し待つ理由まで多い。
先ほどの『月刊コインジャーナル』12月号は、11月30日の時点で『グランツーリスモ』を12月23日発売・税抜5,800円、『桃太郎電鉄7』も12月23日発売・税抜5,800円と掲載していた。
つまり12月18日にゲームを選ぶ人が、「あと5日待てば別の新作が出る」と知ることは十分に可能だった。
さらに今日、12月18日付でナムコは『テイルズ オブ デスティニー』を12月23日に5,800円で発売すると正式発表している。
| 12月18日時点で確認できる予定 | 発売予定日 | 税抜価格 | 1万円なら |
|---|---|---|---|
| グランツーリスモ | 12月23日 | 5,800円 | 税込6,090円 |
| 桃太郎電鉄7 | 12月23日 | 5,800円 | 税込6,090円 |
| テイルズ オブ デスティニー | 12月23日 | 5,800円 | 税込6,090円 |
『グランディア』を今日買えば8,190円。
5日待てば、この3本はいずれも定価ベースで6,090円。
ここで初めて、何も買わずに帰るという選択肢が本気で浮かんでくる。
もちろん「グランツーリスモが名作になるから待つ」ではない
ここで未来を混ぜると、この企画は壊れる。
12月18日の人は、『グランツーリスモ』が後にどれほど大きなシリーズになるのか知らない。
知っているのは、12月23日に発売予定であること、税抜5,800円であること、そして発売前からゲーム媒体で紹介されていたことまでだ。
『テイルズ オブ デスティニー』も同じ。
ただし、こちらは12月18日の公式発表だけでもかなり材料が多い。
ナムコはPlayStation向け大作RPGとして発表し、販売目標を100万本に設定。キャラクターデザインはいのまたむつみ、主題歌をDEENが担当すると告知していた。
未来の評判を知らなくても、「5日待ってみたい」と思わせる理由はすでにある。
『夢であるように』は、昨日出たばかりの新曲だった
時間を1997年12月18日に固定すると、よく知っている作品まで別物に見えてくる。
DEENの『夢であるように』が発売されたのは1997年12月17日。
昨日だ。
現在なら『テイルズ オブ デスティニー』のテーマソングとして振り返られる曲だが、今日の時点ではゲーム本編がまだ発売されていない。
ナムコの当時の製品紹介にも、『夢であるように』を本作のメインテーマとして起用し、CDは12月17日発売予定と記されている。
ゲームより先に、歌だけが世に出た。
「昔からゲームとセットになっている名曲」を聴いているのではない。
昨日発売された曲を耳にしながら、5日後のゲームを待つ。
ゲーム史へ入っていくと、こういう時間のずれが見えてくる。
ゲームを買う場所も、今とはかなり違った
ここまで「ゲームショップ」と呼んできたが、1997年にはゲームを買う経路そのものが動いていた。
ゲーム専門店や量販店だけではない。
前年の1996年11月15日、デジキューブはセブン-イレブン、ファミリーマート、サークルK、サンクスの4チェーン、全国約1万6000店舗でゲームソフトの常設販売を開始している。
専用什器には約50タイトルを置けるようにし、モニターでゲーム紹介を見る仕組みまで用意された。当初の中心はPlayStation向けソフトだった。
1997年12月18日のゲーム購入を考えるなら、「ゲームを買いにコンビニへ行く」こともすでに現実の選択肢だったことになる。
同じ1万円でも、どこで買うかで違った
さらに面白いのが価格だ。
デジキューブの常設販売開始を報じた当時のPC Watchは、一般のゲームソフト市場について発売直後から値引き販売が行われている状況を伝えている。
一方、デジキューブはコンビニでは希望小売価格で販売する方針だった。
つまり、財布の中身が同じ1万円でも、店が変われば実際に払う金額まで同じとは限らない。
だからこの記事では「当時なら○割引だった」と一律には計算しない。
値引き販売があったことと、1997年12月18日の特定店舗で特定ゲームが何円だったかは別の話だからだ。
中古ならもっと買えた?――そこも値札は作らない
もう一つ気になるのが中古ゲームだ。
中古販売そのものは1997年にも存在している。
ならば1万円を新品一本へ使うより、中古ソフトを何本か買う方が得だった可能性もある。
ただし今回、1997年12月18日の特定店舗でどのソフトにいくらの中古価格が付いていたかまでは確認できなかった。
そこで「中古ならこのゲームが2,980円だったはず」といった値札は置かない。
実在した文化と、確認できない個別価格は分けておく。
そもそも1万円だけでは、ゲーム機本体は買えない
ここで、この企画の前提もはっきりさせておこう。
1997年11月13日、ソニー・コンピュータエンタテインメントは新型PlayStation「SCPH-7000」を税抜18,000円で発売した。
セガサターンの後期型、いわゆる白サターンは税抜20,000円。
どちらも1万円では新品本体まで届かない。
つまり今回の「1万円だけ持ってゲームショップへ行く」は、何も持っていない人が一からゲームを始める話ではない。
すでに自分のゲーム機を持っていて、年末の新作へ使えるお金が1万円だけある。
そう考えると、この39本が全員に同じように見えていたわけではないことも分かる。
PlayStationしか持っていない人に『グランディア』は買えない。セガサターンしか持っていなければ『グランツーリスモ』を5日待つ意味もない。NINTENDO64の持ち主なら、別の発売予定が気になる。
1997年のゲーム選びは、「何がいちばん面白いか」だけでは決まらない。
自分がどのハードを持っているかで、見える売り場そのものが変わる。
PlayStationが1994年の発売からどのように広がっていったのかは、初代PlayStationの歴史で年代順にまとめている。
ゲームを知ってから店へ行くまでにも時間があった
今なら、新作を知った数分後には公式サイトを開き、動画を見て、価格を調べ、予約ページへ進める。
1997年は違う。
ゲーム雑誌、メーカー広告、テレビCM、店頭の販促、ゲームイベント、友人との会話。新作を知る入口はいくつもあり、それぞれ流れてくる情報量も速さも違った。
コンビニにゲーム紹介用のモニターを付けたデジキューブの仕組みも、この時代だからこそ意味がある。
商品を手に取る場所そのものが、ゲームを知る場所でもあった。
東京ゲームショウも始まったばかりだ。第1回は1996年8月。1997年には春と秋の2回開催され、秋から会場が幕張メッセへ移った。
発売日の店頭だけを見るのではなく、「まだ発売されていないゲームを先に知り、しばらく待つ」という時間まで含めると、1990年代後半のゲームの楽しみ方が少し見えやすくなる。
当時のゲームイベントがどのように変化してきたのかは、東京ゲームショウ30年の歴史でも詳しく追っている。
では本当に、1万円で何を買う?
条件はそろった。
未来の評価は禁止。
財布には1万円。
ここからは、持っているゲーム機ごとに答えが変わる。
セガサターンなら、『グランディア』へ行くか
発売日は今日。
価格は税込8,190円。
しかも発売前から、追加注文を断られた店が出ていると業界誌に書かれるほど動いている。
もし目の前に在庫があるなら、「次に来たときでも買える」とは考えにくい材料がそろっている。
一方で8,190円を使えば、残りは1,810円。
今日ほかにも17本あるセガサターン新作の大半には手が届かなくなる。
PlayStationなら、一本に決めるだけでも難しい
『クラッシュ・バンディクー2』『フロントミッション オルタナティヴ』『ロックマンDASH』『電車でGO!』。
いずれも税抜5,800円なので、定価なら税込6,090円。
一本買っても3,910円が残る。
しかし5日後には、『グランツーリスモ』『桃太郎電鉄7』『テイルズ オブ デスティニー』が予定されている。
今日6,090円を使えば、5日後まで財布に残るのは3,910円。
つまり定価で考える限り、今日5,800円級の新作を一本買ってしまえば、5日後の5,800円級ソフトを同じ1万円から買うことはできない。
ここで1万円という制限が効いてくる。
NINTENDO64なら、明日以降も気になる
今日のNINTENDO64新作は『ハイパーオリンピック イン ナガノ64』『飛龍の拳ツイン』『ヘクセン』の3本。
そして実際の発売日記録を見ると、翌12月19日にも『64で発見!!たまごっち みんなでたまごっちワールド』『バーチャル・プロレスリング64』『エアロゲイジ』『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー 電流イライラ棒』が発売され、12月21日には『ヨッシーストーリー』が続く。
ただし、ここは注意が必要だ。
今回確認できた資料だけでは、12月18日の一人の客がこれらすべての確定発売日を必ず把握していた、とまでは言えない。
実際にその日程で発売された事実と、「その日に本人が知っていたはず」という話は分けておく。
NINTENDO64の1997年の発売ラインアップ全体は、NINTENDO64全ソフト一覧でも発売日順に確認できる。
そして最後の選択肢は、何も買わない
財布には1万円ある。
目の前には新作がある。
それでも使わない。
5日待つ。
ゲームを買いに来たのに、何も持たずに帰る。
これも1997年12月18日なら、かなり真面目な選択だ。
この日は、ゲームを買うことより「待つこと」の方が難しい。
ここまで、未来の結果は知らない
ここで一度、時間を止める。
今日発売された『グランディア』。
今日発売された『クラッシュ・バンディクー2』『電車でGO!』『ロックマンDASH』。
5日後に出る『グランツーリスモ』『桃太郎電鉄7』『テイルズ オブ デスティニー』。
どれが何本売れるのか。どれが続編を生むのか。どれが数十年後まで語られるのか。
1997年12月18日の時点では、まだ結果ではない。
すべて「これから」だ。
ここで2026年へ戻る
未来を解禁しよう。
12月23日、『グランツーリスモ』は予定通り発売された。
その後シリーズは拡大し、ソニーは2008年の時点で全世界累計生産出荷本数5,000万本突破を発表している。
12月18日の時点では「あと5日で出る、5,800円の新しいレースゲーム」だったものが、後から見れば巨大シリーズの出発点になった。
同じ12月23日には『テイルズ オブ デスティニー』『桃太郎電鉄7』だけでなく、『チョコボの不思議なダンジョン』も発売されている。
そして12月18日に発売された『グランディア』も、その後別機種へ展開され、時代を越えて再発売される作品になった。
ただし、これはあくまで2026年へ戻ったから言えることだ。
「結果的に名作だったから、あの日買うのが正解だった」とはならない。
当時の1万円は、未来の評価へ投票するためのお金ではない。
その日に知っていたことだけで、どれか一つを選ぶためのお金だった。
1997年12月18日へ行くと、「名作一覧」では見えないものが残る
ゲーム史を後ろから見ると、歴史に残ったタイトルは最初から大きく見える。
『グランディア』。
『グランツーリスモ』。
『テイルズ オブ デスティニー』。
『風のクロノア』。
名前だけを並べれば、1997年末は名作が続々と現れた華やかな時期に見える。
けれど12月18日へ実際に降りてみると、それだけではない。
今日だけで39本ある。
1週間前のゲームもまだ新しい。
店によって値段が違う可能性がある。
欲しいゲームに在庫があるとも限らない。
そして、5日後にも欲しいゲームが出る。
未来を知らなければ、選択肢は驚くほど平らになる。
有名になったゲームだけが光っているわけではない。
39本全部が、その日の新作として同じ時間を生きている。
1万円しかないから、発売予定表までゲームになる
もし財布に10万円入っていたら、この企画はあまり面白くない。
『グランディア』を買う。気になるPlayStationソフトも買う。23日になったらまた買う。
それで終わってしまう。
1万円しかないから、今日の新作を見るだけでは決められない。
先週何が出たかを思い出す。
今日何を買えるか計算する。
発売予定を見る。
店を変えれば値段が違うかもしれない。
中古も気になる。
そして最後に、「今日は買わない」という判断まで出てくる。
ゲーム一本を選ぶだけなのに、その時代の発売日、価格、流通、広告、ハード、情報の集め方まで全部つながった。
それが、1997年12月18日のゲーム選びだった。
さて、もう一度1997年へ戻ろう。
財布には、まだ1万円札が1枚ある。
今日、何を買って帰る?
それとも、5日後まで使わずにいられるだろうか。
資料と価格の扱いについて
本記事の発売日・価格は、メーカー公式記録、当時発行資料、現在確認できる発売日データベースを照合しています。
『グランディア』の発売日と税抜価格はゲームアーツ公式製品情報、1997年12月23日の『テイルズ オブ デスティニー』発売予定と価格は1997年12月18日付のナムコ発表を確認しました。
『グランディア』『グランツーリスモ』『桃太郎電鉄7』などの発売直前情報については、1997年11月30日発行の『月刊コインジャーナル』12月号も参照しています。
当時の消費税については、1997年4月1日から消費税率4%、地方消費税を合わせた税率5%となったことを国税庁資料で確認しました。記事中の税込額は、その5%を当時の税抜価格へ加えて計算しています。
なお、現在のメーカー公式ページでは現行税率を反映した税込価格が表示される場合があります。その金額を1997年当時の税込価格として使用していません。
また、当時は値引き販売や中古販売も存在しましたが、1997年12月18日の特定店舗で確認できない値札は推測していません。「発売済み」と「その店に在庫があった」、「中古市場に存在した」と「その日に○円で買えた」は分けて記載しています。