悟空の体力が、敵に攻撃されていないのに減っていく。
回復したくても、必要な食べ物が手に入るとは限らない。迷路を進んでいるだけで体力を失い、ようやくたどり着いたボスにも独特な攻略法が求められる――。
1986年に発売されたファミコン用ソフト『ドラゴンボール 神龍の謎』は、現在も難しいゲームとして名前が挙がる作品です。
しかし、本作の魅力は難易度の高さだけではありません。
孫悟空とブルマの出会いから始まる原作初期の冒険、独自のカンフー大会、鳥山明がデザインしたゲームオリジナルキャラクターとの戦いまで、全14ステージに異なる要素が詰め込まれています。
原作をそのまま再現するのではなく、1986年当時のファミコンで『ドラゴンボール』らしい冒険をどう遊ばせるかに挑んだ一本でした。
本記事では、『神龍の謎』のゲーム内容、難しいといわれる理由、原作漫画との違い、現在遊ぶ方法まで詳しく紹介します。
『ドラゴンボール 神龍の謎』の基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式タイトル | ドラゴンボール 神龍の謎 |
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ |
| 発売日 | 1986年11月27日 |
| 発売元 | バンダイ |
| ジャンル | アクション |
| プレイ人数 | 1人 |
| ステージ数 | 全14ステージ |
| 主人公 | 孫悟空 |
『ドラゴンボール 神龍の謎』は、1986年11月27日にバンダイから発売されたアクションゲームです。
ゲーム画面を上から見下ろすトップビュー型のアクションを中心に、会話、迷路探索、固定画面でのボス戦などを組み合わせています。
悟空はパンチ、如意棒、かめはめ波を使い、各地に隠されたドラゴンボールを集めながら冒険を進めます。
公式ジャンルは「アクション」ですが、ステージ内を探索してアイテムを探し、人物との会話によって物語が進むため、アクションアドベンチャーに近い手触りも持っています。
ドラゴンボール初のファミコン用ソフト
『神龍の謎』は、ファミリーコンピュータで発売された最初の『ドラゴンボール』ゲームです。
一方、『ドラゴンボール』を題材にした家庭用ゲーム全体の第1作ではありません。
本作より先に、エポック社からスーパーカセットビジョン用ソフト『ドラゴンボール ドラゴン大秘境』が発売されています。
そのため、『神龍の謎』の正確な位置付けは、『ドラゴンボール』初のファミコン用ソフトです。
後のファミコン作品では、カードを使って移動や戦闘を進める『ドラゴンボール 大魔王復活』『ドラゴンボール3 悟空伝』などが登場します。
トップビューのアクションを中心にした『神龍の謎』は、後続作品とは異なる、シリーズ初期ならではのゲームになりました。
アニメ放送開始と同じ1986年に発売
テレビアニメ『ドラゴンボール』の放送が始まったのは、1986年2月26日です。
『神龍の謎』が発売された11月には、漫画とテレビアニメの人気が急速に高まり、悟空の少年時代の冒険が幅広い世代に知られ始めていました。
ゲームのパッケージや画面には、悟空、ブルマ、亀仙人、ウーロン、ヤムチャ、ピラフ大王など、原作初期を代表する人物が登場します。
ただし、原作やアニメの場面を順番に収録しただけの作品ではありません。
限られた容量のなかで冒険、格闘、アイテム探し、ゲーム独自の物語まで盛り込み、一本の長いアクションゲームとして再構成されています。
『神龍の謎』はどんなゲーム?

ゲームの目的は、世界各地に散らばった7つのドラゴンボールを集めることです。
プレイヤーは悟空を操作し、敵を倒しながらステージを進みます。
通常のステージでは、十字ボタンで悟空を移動させ、Bボタンでパンチ、Aボタンでジャンプします。条件を満たすと如意棒やかめはめ波も使えるようになります。
道中にはホイポイカプセルが置かれており、壊すと回復アイテムや攻撃を強化するアイテムなどが現れます。
敵を倒した場所や、画面内の分かりにくい場所にもアイテムが隠されているため、ただ出口まで走ればよいゲームではありません。
4種類の画面を行き来して進む
説明書では、ゲーム画面が大きく4種類に分けられています。
| 画面の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 大移動的迷路画面 | 広いステージを探索して出口を目指す |
| 神殿的秘密画面 | 通路や隠し場所、アイテムを探す |
| 迷宮的会話画面 | 登場人物と会話して情報を得る |
| 大活劇的格闘画面 | 大型の敵や主要人物と戦う |
通常の移動場面は、悟空を上から見下ろす形で進みます。
敵を倒しながら出口を探すステージもあれば、人物に話しかけなければ先へ進めない場面、特定の場所を調べてアイテムを見つける場面もあります。
ボス戦では画面構成や操作感が変わり、通常の敵と同じように攻撃しているだけでは勝てない相手も登場します。
一つのゲーム内に複数の遊び方を入れた意欲的な構成ですが、ルールの変化を理解しにくいことが、難しさにもつながっています。
パンチ・如意棒・かめはめ波を使い分ける
ゲーム開始直後の悟空は、主にパンチで敵を攻撃します。
アイテムを手に入れると如意棒を使えるようになり、パンチより離れた敵にも攻撃を届かせられます。さらに強化用アイテムを取れば、攻撃範囲や威力も変化します。
かめはめ波は、いつでも無制限に撃てるわけではありません。
使用回数を示すストックが必要で、強化アイテムによってスーパーかめはめ波やパーフェクトかめはめ波へ段階的に成長します。
強力な攻撃を温存するか、危険な場面で使うかという判断も攻略の一部です。
原作でおなじみの技を用意するだけでなく、アイテムを集めて少しずつ悟空を強くする仕組みに組み込んでいます。
全14ステージは3部構成
『神龍の謎』は全14ステージで、公式説明書では物語を3つの部に分けています。
| 構成 | ステージ | 内容 |
|---|---|---|
| 第1部 | 其之1~6 | 孫悟空と仲間たち |
| 第2部 | 其之7~10 | カンフー大会 |
| 第3部 | 其之11~14 | MB軍総攻撃 |
第1部と第3部の終わりには神龍が現れ、集めたドラゴンボールによって願いをかなえる場面があります。
原作初期の冒険だけで完結せず、中盤からゲーム独自の展開へ進むことが、本作の大きな特徴です。
第1部は悟空と仲間たちの出会い
第1部では、悟空がブルマと出会い、ドラゴンボールを探す旅へ出ます。
ウーロン、ヤムチャ、亀仙人、チチ、牛魔王、兎人参化、ピラフ大王など、原作初期の人物や出来事を取り入れながら、6つのステージに再構成しています。
原作の台詞や場面を細かく再現するのではなく、人物との出会いを短い会話でつなぎ、すぐにアクションステージへ移るテンポの速い作りです。
フライパン山やピラフ大王の城を思わせる場所も登場しますが、地形や敵の配置はゲームとして独自に設計されています。
原作を知っていれば元になった場面を見つけられ、知らなくても悟空が仲間を増やしていく冒険として進められます。
第2部は天下一武道会ではなくカンフー大会
第2部の舞台は「カンフー大会」です。
名称や参加者から天下一武道会を連想しやすいものの、原作の第21回や第22回天下一武道会をそのまま再現した内容ではありません。
悟空は大会の参加者たちと戦い、通常の迷路ステージとは異なる格闘中心の展開へ進みます。
ここでは敵の攻撃を避けるだけでなく、相手ごとに攻撃を当てるタイミングや位置を考える必要があります。
通常ステージとは画面やルールが変わるため、前半で慣れた戦い方が通用しない場面もあります。
原作の武道会を題材にしながら、ゲーム独自の対戦相手と構成で作られた大会です。
第3部はMB軍とのオリジナルストーリー
第3部では、悟空が再び7つのドラゴンボールを集めながら、MB軍と戦います。
MB軍は、原作に登場するレッドリボン軍とは別の組織です。
名称や軍隊という設定は似ていますが、レッドリボン軍編をゲーム化したものではありません。
説明書には、鳥山明がデザインしたファミコン用オリジナルキャラクターが登場することも記されています。
原作の初期エピソードを再現した第1部、独自の大会を描く第2部を経て、最後はゲームだけの冒険へ進む構成です。
この第3部があることで、『神龍の謎』は原作の名場面集ではなく、1986年に作られたもう一つの少年悟空の冒険になっています。
『ドラゴンボール 神龍の謎』はなぜ難しい?
本作が難しい最大の理由は、敵の攻撃力だけではありません。
悟空の体力にあたる「POW」が時間とともに減り続け、回復手段の確保にも運や探索が必要だからです。
アクションの技術、ステージ構成の記憶、アイテムの引きが同時に求められます。
何もしなくてもPOWが減り続ける
悟空のPOWは100から始まります。
敵から攻撃を受けると減りますが、ダメージを受けていなくても、時間の経過によって少しずつ消費されます。
安全な場所で立ち止まっていてもPOWは減るため、慎重に進みすぎることが必ずしも正解ではありません。
出口を探して迷っている間にも体力を失い、ようやく正しい道を見つけたころには、ボスと戦う余裕がなくなっている場合があります。
探索ゲームでありながら、落ち着いて探索する時間を与えてくれないことが、本作特有の緊張感を生んでいます。
回復アイテムが必要なときに出るとは限らない

POWを回復する代表的なアイテムは、骨付き肉とケーキです。
骨付き肉はPOWを20回復し、ケーキはPOWを100回復します。
しかし、回復アイテムは決まった場所に必ず置かれているとは限りません。
ホイポイカプセルを壊すまで中身が分からない場面があり、敵を倒したときにアイテムが現れることもあります。
回復したいときに食べ物が出ず、別の強化アイテムや得点だけが手に入る場合もあります。
操作が上手でも、回復アイテムに恵まれなければPOWを維持できません。反対に食べ物が続けて出れば、同じステージでも余裕を持って進めます。
迷路と時間制限のような体力減少が重なる
ステージには行き止まり、分かれ道、見落としやすい通路があります。
正しい道を知らなければ同じ場所を往復し、その間にもPOWを消費します。
敵を倒すことだけに集中していると出口が見つからず、出口を急ぐと回復や強化アイテムを取り逃します。
地形を覚え、必要なアイテムの位置を把握してからが本格的な攻略になるため、初見で最後まで進むのは簡単ではありません。
難しさの中心は反射神経よりも、限られたPOWをどこで使い、どの道を通るかという資源管理にあります。
一度のミスでゲームオーバーになる
『神龍の謎』には、残機を何人分も蓄えて少しずつ先へ進む仕組みがありません。
POWが0になるか、穴などへ落下すると、その時点でゲームオーバーです。
タイトル画面からコンティニューを選ぶことはできますが、失敗した場所から即座に復帰できる現在のゲームとは異なり、同じ区間を改めて攻略しなければならない場面があります。
前半では操作やルートを覚える余裕がありますが、後半になるほど敵の数や仕掛けが増え、アイテムの出方にも左右されます。
長いステージの終盤まで進んでからPOWを失うと、それまでの探索をやり直すことになるため、実際の操作以上に厳しく感じられます。
ボス戦では戦い方そのものが変わる
通常ステージでは、上から見下ろした画面で敵を倒しながら出口を探します。
一方、主要人物との戦いでは固定画面や横視点へ切り替わり、相手によって攻撃を通す方法も変化します。
パンチや如意棒を連打するだけでは勝ちにくく、相手の動きを見ながら距離や攻撃のタイミングを合わせなければなりません。
会話や周囲の状況が攻略の手掛かりになる場面もありますが、ゲーム内で詳しい答えが示されるとは限りません。
探索、アイテム管理、アクションに加えて、場面ごとに異なるルールを理解する必要があることも、初見でのクリアを難しくしています。
如意棒・かめはめ波・アイテムで悟空を強化
悟空は冒険の途中でアイテムを手に入れ、攻撃方法や移動能力を強化します。
最初はパンチの届く範囲が短く、敵へかなり近づかなければ攻撃できません。
如意棒を入手すると離れた敵にも攻撃を当てやすくなり、かめはめ波を使えば危険な敵へ接近せずにダメージを与えられます。
ただし、一度入手すれば最後まで同じ強さで使えるとは限りません。敵の攻撃によって強化が失われたり、かめはめ波の使用回数を使い切ったりするため、強い状態を保つことも攻略の一部です。
如意棒は長さと動きが変化する
通常のパンチより遠くまで届く如意棒は、敵との距離を保つために欠かせません。
さらに強化アイテムを取ると、如意棒を回転させる「棒術からまん棒」や、より長く伸ばした攻撃を一時的に使えるようになります。
回転攻撃は周囲の敵へ対応しやすく、長い如意棒は正面への攻撃範囲を広げます。
ただし、効果が続くのは限られた時間です。
敵の多い場所ですぐに使うのか、危険な区間まで温存するのかを考える必要があります。
かめはめ波は段階的に強くなる
かめはめ波は、亀のマークが付いたアイテムを入手すると使用できます。
使用できる回数は画面上に表示され、撃つたびに減少します。
さらに赤い亀マークを取るとスーパーかめはめ波、緑の亀マークを取るとパーフェクトかめはめ波へ強化されます。
強力なかめはめ波はボスや硬い敵への有効な手段ですが、使用回数が限られているため、通常の敵へ無計画に使うと肝心な場面で残らなくなります。
原作の必殺技を派手な演出として見せるだけでなく、限られた切り札として管理させる仕組みになっています。
回復と強化を左右するホイポイカプセル
ステージ内のホイポイカプセルを壊すと、中からさまざまなアイテムが現れます。
| アイテム | 主な効果 |
|---|---|
| 骨付き肉 | POWを20回復 |
| ケーキ | POWを100回復 |
| パンティ | 一定時間、悟空の移動速度が上がる |
| 如意棒 | 如意棒を使えるようになる |
| 亀マーク | かめはめ波の使用や強化に関係する |
| クエスチョンマーク | 得点を獲得 |
| 鍵 | 特定の扉を開ける |
パンティで悟空の足が速くなるなど、原作のユーモアを取り入れた独特なアイテムも存在します。
回復アイテムが欲しい状況でも、必ず肉やケーキが現れるわけではありません。
一方、運よく強化アイテムが続けば、同じステージでも攻略しやすさが大きく変わります。
POWの上限を増やす隠し要素もある
悟空のPOWは100から始まりますが、ゲームを進めるなかで上限を増やせる機会があります。
説明書では、修業によって最大150まで増やせることが示されています。
さらに、非常に珍しいカプセルハウスを見つけると、POWの回復や強力なかめはめ波など、大きな恩恵を受けられます。
こうした要素は、普通に出口だけを目指していると発見しにくくなっています。
早く進まなければPOWが減る一方で、強くなるためには寄り道や探索が必要です。
急いで進むべきか、危険を承知でアイテムを探すべきかという矛盾した判断が、本作の難しさと面白さを生んでいます。
原作漫画と『神龍の謎』の違い

『神龍の謎』は、原作漫画の少年悟空編を最初から最後まで再現したゲームではありません。
第1部は原作初期を大幅に圧縮し、第2部以降は複数の原作要素を組み替えた独自展開へ進みます。
| 比較項目 | 原作漫画 | 神龍の謎 |
|---|---|---|
| 悟空とブルマの出会い | ドラゴンボール探しの始まり | 第1部で再現 |
| ピラフ大王まで | 複数の冒険を経て進行 | 6ステージへ圧縮 |
| 天下一武道会 | 亀仙流の修業後に開催 | 独自のカンフー大会へ変更 |
| レッドリボン軍 | 原作の主要な敵組織 | 組織としては登場しない |
| メタリック軍曹・ブヨン | レッドリボン軍編に登場 | カンフー大会の相手として登場 |
| ゲーム後半 | 該当する原作展開はない | MB軍との独自ストーリー |
原作の人物や技を使いながら、登場する時期や役割を大胆に変更しています。
現在のように原作を映像や音声で忠実に再現するゲームではなく、ファミコンで遊びやすい14ステージへ作り替えた作品です。
第1部は原作初期を6ステージへ圧縮
悟空とブルマが出会い、ウーロンやヤムチャを仲間に加え、ピラフ大王と対決するまでが第1部です。
原作では、亀仙人との出会い、フライパン山、兎人参化など、それぞれに複数の会話や出来事があります。
ゲームでは重要な人物や場所を残しつつ、短い会話とアクションステージへ置き換えました。
原作の物語を詳しく追うことよりも、悟空を自分で動かし、敵を倒しながらドラゴンボールを集める体験を優先しています。
物語の省略は多いものの、山奥から初めて外の世界へ出た悟空が、次々と変わった人物に出会う雰囲気は保たれています。
カンフー大会は原作の武道会とは別物
其之7から其之10では、多林寺で開かれるカンフー大会へ悟空が出場します。
クリリンやヤムチャだけでなく、原作ではレッドリボン軍編に登場するメタリック軍曹やブヨンも対戦相手として現れます。
人物の登場時期や所属は原作と一致しません。
当時すでに知られていた人気キャラクターを、一対一の対戦相手として再配置した構成です。
原作の天下一武道会を正確にゲーム化したものではなく、さまざまな強敵と連戦するために作られたゲーム独自の大会です。
MB軍はレッドリボン軍ではない

第3部で悟空の前に立ちはだかるのは、MB軍と呼ばれる謎の軍団です。
軍隊を思わせる名称や機械兵器が登場しますが、原作のレッドリボン軍を別名にしたものではありません。
物語、拠点、指揮官を含めてゲーム独自の組織です。
発売当時、原作ではレッドリボン軍編が進んでいましたが、ゲーム開発には原作の進行とは異なる準備期間が必要でした。
その結果、すでに知られていた人物の一部を取り入れながら、後半は鳥山明がデザインしたファミコン用オリジナルキャラクターを中心とする物語になっています。
神龍の願いまでゲームの仕掛けになっている
第1部と第3部の最後には、7つのドラゴンボールがそろい、神龍が現れます。
神龍の登場は物語上の演出だけではなく、プレイヤーが複数の願いから一つを選ぶゲームイベントです。
第1部で選べる願いには、POWの上限を増やすものや、先の展開に影響するものなどが用意されています。
攻略を有利にする願いもあれば、ゲーム本編とは直接関係しない遊び心のある願いもあります。
どれを選ぶかによって、その後の進み方や画面に変化が生まれます。
第1部と最終部では願いの内容が変わる
其之6と其之14の終了時では、神龍へ頼める願いが同じではありません。
第1部では、悟空を強化したり先の展開を見せたりする選択肢があります。
第3部では、ゲームをもう一度続けるものや、隠された演出を見るための願いが用意されています。
タイトル画面に変化を起こす選択肢もあり、クリア後に初めて確認できる仕掛けとして機能します。
単に最終ボスを倒して終わるのではなく、ドラゴンボールを集めた先で何を願うかまでプレイヤーへ選ばせたことが、作品名の「神龍の謎」につながっています。
100万本を超える大ヒットを記録

『神龍の謎』の国内販売本数は、資料によって120万本と125万本の二つの数字が伝えられています。
『ドラゴンボール超史集』などでは120万本、CESAの過去資料を基にした記録では125万本とされています。
集計方法や出荷・販売の扱いによって差があるため、どちらか一方だけを絶対的な数字として扱うのは難しいところです。
ただし、どちらの記録を採用しても、100万本を大きく超えたミリオンセラーであることは変わりません。
人気作品とファミコンブームが重なった
1986年は、テレビアニメ『ドラゴンボール』の放送が始まった年です。
同年には『ドラゴンクエスト』『ゼルダの伝説』『メトロイド』なども登場し、ファミコンの遊び方が急速に広がっていました。
漫画とアニメで人気を高めていた『ドラゴンボール』を、自宅で悟空を動かして遊べること自体が大きな魅力でした。
完成度の評価だけで100万本を超えたのではなく、作品人気、ファミコン市場の拡大、少年悟空を操作できる新鮮さが重なった結果と考えられます。
ジャンプゲームの原点ではないが重要な一本
『神龍の謎』より前には、『キン肉マン マッスルタッグマッチ』や『北斗の拳』など、週刊少年ジャンプ作品を題材にしたファミコンゲームが発売されていました。
そのため、本作を「ジャンプ原作ゲーム第1作」や「すべてのジャンプゲームの原点」と呼ぶことはできません。
一方、100万本を超えるヒットによって、人気漫画を家庭用ゲームへ展開する市場の大きさを示した一本ではあります。
その後、バンダイは『聖闘士星矢』『魁!!男塾』『ファミコンジャンプ』など、多くのジャンプ作品をファミコンで展開しました。
原点ではないものの、ジャンプ作品とファミコンの結び付きを強めた代表作の一つと位置付けられます。
2026年現在『神龍の謎』を遊ぶ方法
2026年8月時点で、『神龍の謎』を現行機向けの単体ダウンロードソフトとして購入する方法はありません。
Nintendo Switch 2・Nintendo Switchの「ファミリーコンピュータ Nintendo Classics」にも、現在は収録されていません。
正規に遊べる主な方法は、ファミコン版の中古カセット、ニンテンドーDS用ソフトへの収録版、週刊少年ジャンプ版ミニファミコンの3つです。
| 方法 | 必要なもの | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ファミコン版 | ファミコン互換環境と中古カセット | 当時の操作感で遊べる |
| ドラゴンボールDS2 | 対応するDS系本体とソフト | ゲーム内へファミコン版を丸ごと収録 |
| 週刊少年ジャンプ版ミニファミコン | 専用本体 | HDMI接続や中断セーブに対応 |
ファミコン実機と中古カセット
最も当時に近い形で遊ぶなら、ファミコン本体と『神龍の謎』のカセットを用意します。
発売本数が多かったため、中古カセットは現在も比較的見つけやすい作品です。
ただし、発売から長い年月が経過しており、端子の汚れや本体との相性によって正常に起動しない場合があります。
箱や説明書が付属した商品は、カセット単体より高くなる傾向があります。
実際に遊ぶことが目的なら、外観だけでなく起動確認や端子の状態を重視した方がよいでしょう。
『ドラゴンボールDS2』への収録版
2010年2月11日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍』には、ファミコン版『神龍の謎』が丸ごと収録されています。
メインとなるゲームはレッドリボン軍編を題材にした3Dアクションアドベンチャーですが、ソフト内で1986年版も遊べます。
中古市場ではDS版ソフトを探す必要があり、対応するニンテンドーDS系本体も必要です。
一本のソフトで新しいアクションゲームと『神龍の謎』の両方を遊べるため、ドラゴンボールゲームとしての違いを比べられる方法です。
週刊少年ジャンプ版ミニファミコン
2018年7月7日に発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」にも収録されています。
本体には、『神龍の謎』のほか、『ドラゴンボール3 悟空伝』『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』など、ジャンプ作品を題材にした20本のゲームが収められました。
HDMIでテレビへ接続でき、中断ポイントを保存できるため、ファミコン実機より遊びやすくなっています。
本体はすでに生産終了しており、現在は中古品や未使用品を探すことになります。
付属するHDMIケーブル、USBケーブル、コントローラーの状態も確認しておきたいところです。
現在遊んでも面白い?
現在の基準で見ると、『神龍の謎』を誰にでも勧められる完成度の高いアクションゲームとは言いにくい作品です。
POWの自然減少と回復アイテムの不安定さが重なり、プレイヤーの技術だけでは補えない場面があります。
攻撃の当たり判定、ルートの分かりにくさ、ボスごとに変わるルールも、説明不足に感じられます。
一方、単純な失敗作として片付けられない魅力も残っています。
少年悟空を動かす楽しさは今も伝わる
パンチから如意棒、かめはめ波へ攻撃手段が増えていく流れは、悟空が冒険のなかで強くなる感覚とよく合っています。
筋斗雲で移動し、ホイポイカプセルを壊し、ドラゴンボールを探す要素も、原作初期の雰囲気を短い操作で表現しています。
キャラクターのグラフィックは小さいものの、悟空、ブルマ、亀仙人、ヤムチャなどを見分けられ、会話のユーモアも残されています。
1986年の限られた容量で、『ドラゴンボール』らしい道具、人物、技を可能な限り一つへ詰め込もうとした勢いは、現在遊んでも感じられます。
攻略を知ると印象が変わる
初見では迷いやすいステージも、ルートやアイテムの位置を知れば、POWの消費を抑えて進めるようになります。
強化アイテムの効果、かめはめ波を使う場面、ボスの攻略法を理解すると、単に運だけで決まるゲームではないことも分かります。
ただし、回復アイテムの出現には不確定な部分が残るため、知識があっても毎回同じように進められるとは限りません。
攻略法を覚える面白さと、思い通りにならない厳しさが共存しています。
現在遊ぶなら、中断セーブを利用できるミニファミコン版が、本作の内容を確かめやすいでしょう。
まとめ

『ドラゴンボール 神龍の謎』は、1986年11月27日に発売された、『ドラゴンボール』初のファミコン用ソフトです。
原作初期の冒険を6ステージに圧縮した第1部、独自のカンフー大会、MB軍と戦うオリジナルストーリーで構成されています。
敵に攻撃されなくてもPOWが減り、回復アイテムの入手も安定しません。
迷路、敵、ボスごとに異なるルール、一度のミスでゲームオーバーになる仕組みが重なり、当時の子どもたちにとって非常に厳しいゲームになりました。
しかし、その難しさだけが本作のすべてではありません。
パンチ、如意棒、かめはめ波、筋斗雲、ホイポイカプセル、神龍への願いなど、原作初期を象徴する要素がゲームの操作やアイテムとして組み込まれています。
100万本を超えるヒットを記録し、その後は『ドラゴンボールDS2』や週刊少年ジャンプ版ミニファミコンにも収録されました。
粗さや不親切さを残しながらも、少年悟空の冒険をファミコンで実現しようとした、1986年だからこそ生まれた一本です。
現在遊ぶ価値は、完成度だけを確かめることにはありません。
ドラゴンボールゲームがまだ決まった形を持っていなかった時代に、原作をどのようにゲームへ変えようとしたのか。その試行錯誤を体験できることが、『神龍の謎』最大の面白さです。