つぶログ深掘り ショッピング/買い物情報

資さんうどんはなぜ全国に広がった?すかいらーく買収後の出店戦略と店舗数

目次
  1. 資さんうどん全国展開の理由|すかいらーく買収と店舗数の推移【2026年】
  2. 資さんうどんは現在何店舗?2026年までの店舗数の推移
  3. すかいらーくはなぜ資さんうどんを240億円で買収したのか
  4. ガストや藍屋が資さんうどんに変わる――出店加速の仕組み
  5. 資さんうどんは買収前から全国展開を始めていた
  6. なぜ資さんうどんは全国に広げられるブランドだったのか
  7. すかいらーくの物流・人材・資金は何を変えたのか
  8. 買収で資さんうどんの味は変わったのか
  9. 今後はどこへ広がる?愛知県進出と台湾での展開
  10. 資さんうどんの全国展開で、よくある疑問
  11. まとめ|北九州の味と大手チェーンの経営基盤が組み合わさった

資さんうどん全国展開の理由|すかいらーく買収と店舗数の推移【2026年】

資さんうどんが全国に広がった理由を解説するアイキャッチ。肉ごぼ天うどんと日本地図で、北九州発の店舗拡大とすかいらーく買収後の出店戦略を表現。

北九州のソウルフードとして知られる「資さんうどん」が、全国各地で急速に店舗を増やしている。

以前は九州を中心としたチェーン店という印象が強かったが、今では大阪や東京だけでなく、埼玉、千葉、神奈川、群馬などにも出店している。

その拡大を大きく後押ししたのが、2024年10月のすかいらーくグループ入りだ。

ただし、資さんうどんは買収されて初めて九州の外へ進出したわけではない。2023年には大阪に進出し、2024年には関東への出店準備も進んでいた。

買収によって大きく変わったのは、全国へ店舗を増やすための方法と、そのスピードだった。

すかいらーくが持つガストや藍屋などの既存店舗を資さんうどんに転換することで、新しい土地に建物を建てるだけでは実現しにくい出店ペースを可能にしている。

実際、2026年第1四半期の決算資料では、資さんうどんの新規出店は0店だった一方、既存店からの業態転換は7店だった。

2026年9月末の国内店舗数は121店。10月20日に確認した公式店舗検索には123件が掲載されている。

北九州で育ったうどん店が、なぜこれほど広い地域へ展開できるようになったのか。買収の目的、出店方式、店舗数の推移、商品の強み、そして今後の計画まで、公式資料をもとにたどっていく。

資さんうどんは現在何店舗?2026年までの店舗数の推移

最初に、資さんうどんが実際にどれほど店舗を増やしたのかを確認しておこう。

すかいらーくホールディングスは、2026年の株主通信で、資さんうどんの店舗数が2024年10月の買収時点の74店から、2026年8月末には117店に増えたと説明している。

さらに、2026年9月30日時点のブランド別店舗数では121店となった。

一方、10月20日に確認した資さんうどん公式店舗検索には123件が掲載されている。

時点店舗数資料・位置づけ
2024年10月74店すかいらーくが示す買収時の基準
2026年3月末101店第1四半期決算説明資料
2026年8月末117店2026年株主通信
2026年9月30日121店ブランド別店舗数
2026年10月20日確認123件資さんうどん公式店舗検索の掲載件数

買収時の74店から2026年9月末の121店までを、同じ親会社の公表値で比較すると47店増。増加率は約63.5%となる。

約2年間で、店舗数は1.6倍を超えたことになる。

数字を見る際に注意したいのは、9月末の121店と10月20日の123件は、集計時点だけでなく資料の性質も異なることだ。

10月に発表された一部の新店案内には「122店舗目」という記載があり、10月20日の公式店舗検索では123件が表示されている。公式店舗検索には営業時間や所在地も掲載されるため、近くの店舗を調べる際には便利だが、IR資料の期末店舗数とは区別して扱いたい。

最新の数字は、資さんうどん公式店舗検索と、すかいらーくのブランド別店舗数で確認できる。

「全国展開」は47都道府県への出店完了ではない

もうひとつ注意したいのが、「全国展開」という言葉だ。

2026年10月時点で、資さんうどんは日本全国の47都道府県すべてに出店しているわけではない。

公式発表で示されている国内の展開地域は、1都2府16県、合計19都府県だ。

九州では福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の全7県に展開。中国地方では山口、岡山、広島、関西では大阪、兵庫、奈良、京都、関東では東京、千葉、埼玉、神奈川、群馬に店舗がある。

北海道や東北、東海、北陸などには、まだ未出店の地域が残っている。

つまり、北九州の地域チェーンから全国各地へ展開するチェーンへ成長した段階であり、日本のすべての地域で利用できる状態になったわけではない。

すかいらーくはなぜ資さんうどんを240億円で買収したのか

転機となったのは2024年9月6日だ。

すかいらーくホールディングスは同日、株式会社資さんの全株式を取得して子会社化する方針を発表。株式の譲渡は同年10月に実行され、資さんうどんはすかいらーくグループに加わった。

取得した普通株式の価格は240億円。アドバイザリー費用等の概算4,100万円を含めた取得価額は、約240億4,100万円だった。

買収額として一般に紹介される「240億円」は、株式そのものの取得価格を指している。

ここまでの金額と経緯は、2024年9月6日付のすかいらーく適時開示資料に記載されている。

では、なぜすかいらーくは、それほどの金額を投じて資さんうどんを傘下に迎えたのだろうか。

その理由は、買収発表の資料にかなり明確に示されている。

すかいらーく側の課題は「自社ブランド同士の競合」だった

すかいらーくは、ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、夢庵など、多くの外食ブランドを展開している。

全国に多くの店舗を持つことは強みだが、同じ地域に複数のグループ店舗が集中すると、グループ内で顧客を奪い合うことがある。

例えば、近くに似た価格帯の店舗が複数存在している場合、それぞれの店が新しい客を増やすというより、同じグループ内で来店先が分散してしまう可能性がある。

こうした状況は、経営用語で「カニバリゼーション」と呼ばれる。

すかいらーくは買収発表の段階で、地方のロードサイド店舗における自社ブランド同士の競合を改善するため、業態転換先となる新たなブランドを必要としていると説明していた。

そこで魅力的だったのが資さんうどんだ。

うどんを中心としながら丼ものや和食も提供し、価格帯や利用時間帯の面でも幅広い需要に対応する。しかも、北九州で長年支持されてきた実績がある。

グループ内の既存店を資さんうどんに変えることで、店舗の選択肢を増やし、地域全体の収益力向上を目指せると考えたわけだ。

資さん側には全国展開を支える経営資源が必要だった

一方、資さんうどん側にも課題があった。

北九州や九州で支持を集めていても、全国に店を増やすには、その地域に合った物件の確保、厨房設備の整備、人材の採用・研修、食材の供給体制などが必要になる。

特に、出店する地域が広がるほど、複数の店舗を安定して運営する仕組みが重要になる。

すかいらーくには全国に店舗を展開してきた経験があり、既存の立地、物流網、人材育成、資金、マーケティングなどの経営資源もある。

資さんうどんが欲しかった出店拡大の基盤と、すかいらーくが求めていた新しいブランド。その両方が一致したことが、買収の大きな理由だった。

2024年9月のすかいらーくの公式発表では、資さんが従来から大切にしてきた味や歴史を尊重しながら、グループ全体のインフラを活用して店舗を広げる方針が示されている。

ガストや藍屋が資さんうどんに変わる――出店加速の仕組み

今回の全国展開で、最も注目したいのが「業態転換」という出店方式だ。

通常、新しい店を開くには、建物の建設や物件の確保から始める必要がある。

しかし、すかいらーくグループには、すでに全国で営業している数多くの飲食店がある。

その一部を資さんうどんへ改装すれば、既存の店舗物件を使いながら、別のブランドとして営業を始められる。

もちろん、看板を付け替えるだけではない。厨房や客席の改装、メニューや調理方法の習得、サービス体制の変更も必要だ。

それでも、飲食店として利用されてきた建物や立地を活用できる点は、出店を早めるうえで大きな利点となる。

最初の転換店は2025年6月の「資さんうどん三郷店」

すかいらーくグループ内の店舗を資さんうどんに転換する最初の事例となったのは、2025年6月26日に開業した埼玉県の「資さんうどん三郷店」だった。

もともとは和食レストラン「藍屋 三郷店」として営業していた店舗で、改装によって資さんうどんに生まれ変わった。

資さんが2025年5月30日に発表した資料によると、当時の計画では2025年に21店舗の出店を予定し、そのうち12店舗をすかいらーくグループの既存ブランドから転換する方針だった。

この21店と12店は発表時点の計画であり、年間の最終実績を示す数字ではない。ただ、買収後の出店方針において、業態転換が最初から大きな位置を占めていたことがわかる。

三郷店の経緯は、資さんうどんの公式開店発表に詳しい。

2026年第1四半期は新規出店0店、業態転換7店

業態転換の重要性は、その後の決算資料にも表れている。

すかいらーくが2026年5月13日に公表した第1四半期決算説明資料では、1~3月の資さんうどんの店舗開発実績が次のようになっていた。

資さんうどん|2026年第1四半期の出店実績

新規出店
0店
業態転換
7店
3月末店舗数
101店

出典:すかいらーくホールディングス「2026年12月期 第1四半期決算説明資料」27ページ

つまり、この3か月間については、資さんうどんとして増えた店舗がすべて既存ブランドからの転換だった。

店舗を増やすというと、新しい建物が次々と建てられる様子を想像しがちだ。しかし実際には、すでに存在する飲食店が資さんうどんへ変わっていく仕組みが、拡大を支えている。

これは、資さんうどんの全国展開を理解するうえで欠かせない数字だ。

資料の確認は、すかいらーくの2026年第1四半期決算説明資料(PDF)から行える。

ガストから資さんうどんへの転換も進んでいる

転換元となるブランドは藍屋だけではない。

2026年10月15日に開業した群馬県高崎市の「資さんうどん倉賀野店」は、以前の「ガスト倉賀野店」を転換した店舗だ。

こうした事例から、すかいらーくが既存の店舗網を利用しながら、地域ごとにブランドの組み合わせを変えていることがわかる。

ただし、今後すべてのガストや藍屋が資さんうどんに変わるわけではない。

立地、建物の大きさ、客層、競合状況、厨房設備、改装費用などの条件は店舗ごとに異なる。資さんうどんへの転換が適しているかどうかも、個別に判断される。

売上が約2.9倍になった事例も。ただし全店共通ではない

すかいらーくが2026年4月に公表した会社紹介資料には、ガストから資さんうどんへの転換について、転換前後の売上比が289%という数字も掲載されている。

転換前を100%とすれば、転換後の売上が289%になったという意味で、約2.9倍に相当する。

これは資さんうどんへの業態転換が、収益改善策として期待されていることを示す具体的な材料だ。

ただし、この289%については、対象店舗数や比較期間の詳細が資料上で十分に示されていない。

そのため、資さんうどんに転換した店舗がすべて売上2.9倍になった、あるいは平均で2.9倍になったとは言えない。あくまで、親会社が出店戦略の説明に使用している実績値として受け止める必要がある。

この数値は、すかいらーく会社紹介資料の「新店・転換戦略」(11ページ)に掲載されている。

資さんうどんは買収前から全国展開を始めていた

ここで、資さんうどんの歴史を少しさかのぼってみよう。

すかいらーくによる買収は全国展開を加速させたが、それ以前から資さんは少しずつ店舗のある地域を広げていた。

この点を見落とすと、資さんうどんが全国に広がった理由を「買収されたから」の一言で片づけてしまうことになる。

1976年、北九州市戸畑区から始まった

資さんうどんの原点は、1976年1月、福岡県北九州市戸畑区にさかのぼる。

創業者の大西章資氏は、戸畑区一枝に製麺工場を設け、その隣に「さぬきやうどん」本店を開いた。

実は、最初から現在の「資さんうどん」という屋号だったわけではない。

後に九工大前へ出店する際に「資さん」の名前を使い、一枝の本店も「資さん一枝店」へと改称された。

そこから北九州で店舗を増やし、地域に根づくうどんチェーンへ成長していく。

創業時の屋号や出汁づくりの経緯については、資さんうどん公式サイトの「資さんの歴史」に詳しく記されている。

2023年には関西初出店。大阪での認知拡大も進めていた

全国展開の大きな節目になったのは、2023年11月20日の大阪・今福鶴見店の開業だ。

この店舗は、資さんうどんとして65店舗目、関西地方で初めての常設店だった。

しかも、単に大阪に店を出したわけではない。

開業前の2023年7~9月には、キッチンカーによる出店や百貨店での期間限定営業などを実施している。

北九州ではよく知られた店でも、大阪では初めて資さんうどんを食べる人が多い。そこで、開業前に商品を知ってもらい、店舗への期待を高める取り組みを行った。

関西進出は、すかいらーくによる買収の約10か月前である。

買収前から、資さんには新しい地域へ進出するための準備や経験があったことがわかる。

当時の取り組みは、2023年11月の関西初出店に関する公式発表にも残されている。

関東進出も買収前から準備されていた

関東への進出も同様だ。

資さんうどんは2024年7月、東京・神田で期間限定のポップアップ営業を実施。関東での常設店開業に向けた取り組みを進めていた。

その後、2024年12月27日に千葉県八千代市の「資さんうどん八千代店」が開業し、関東初進出を果たした。

翌2025年2月24日には、東京都内初となる両国店も開業している。

関東1号店の開業自体はすかいらーく傘下に入った後だが、進出計画や地域での認知活動は買収前から始まっていた。

この違いは重要だ。

資さんうどんは、すかいらーくによってゼロから全国ブランドに作り替えられたのではない。もともと広域展開を目指していた企業が、大手の経営資源を得て、拡大する力を強めたと考える方が実態に近い。

なぜ資さんうどんは全国に広げられるブランドだったのか

ここまで出店の仕組みを見てきたが、建物と人材があれば、どんな飲食ブランドでも全国で成功するわけではない。

そもそも、資さんうどんには北九州で長年支持されてきた商品と営業スタイルがあった。

出汁の味を守りながら供給体制を広げてきた

資さんうどんの特徴のひとつが、出汁へのこだわりだ。

創業者の大西章資氏は、削り節の製造業者である樫本商店と試作を重ね、出汁の味を作り上げていった。

資さんの公式社史によると、2008年には、さらに広い地域へ展開することを見据えて、削り節の供給体制を再構築している。

これは全国展開の歴史を考えるうえで興味深い。

店が増えれば、必要な食材の量も増える。しかも、各地の店舗で同じブランドとして営業する以上、味の品質を安定させなければならない。

資さんは、すかいらーくによる買収よりも前から、味を守りながら供給を増やすための取り組みを進めていたわけだ。

看板の「肉ごぼ天うどん」は客の声から生まれた

現在、資さんうどんを代表するメニューといえば「肉ごぼ天うどん」だ。

甘辛く味付けした牛肉と、スティック状のごぼ天を組み合わせた一杯で、公式サイトでも人気No.1のメニューとして紹介されている。

このメニューは、最初から定番商品として用意されていたわけではない。

もともとは「肉うどん」と「ごぼ天うどん」が別々に販売されていたところ、常連客から肉うどんにごぼ天をのせてほしいという要望があった。

その注文がほかの客にも広まり、2012年に正式なメニューとなったという。

地域の客の要望から生まれた商品が、現在では全国の店舗で提供されるブランドの顔になっている。

この経緯も、公式社史で確認できる。

うどん以外にも食事の選択肢が多い

資さんうどんは、店名に「うどん」と付いているものの、うどんだけを販売する専門店ではない。

そば、丼もの、カレー、おでん、ぼた餅など、幅広いメニューを扱っている。2026年の公式発表では、150種類以上のメニューを用意していると説明されている。

うどんを食べたい人だけでなく、ご飯ものを中心に食べたい人、軽い食事をしたい人、家族で異なるメニューを注文したい人にも対応しやすい。

また、24時間営業を行う店舗もあり、朝食から深夜の食事まで幅広い利用場面を想定できる。

この商品構成と営業スタイルは、すかいらーくが買収時に評価した要素とも重なっている。

ただし、幅広いメニューが売上増加にどの程度貢献したのか、全国の店舗でどの商品がどれほど売れているのかという詳細な比較データは公表されていない。

そのため、全国展開の成功を特定の一品だけで説明することはできないが、長年培ってきた商品力が、出店先で新しい客を迎えるための重要な土台になっていることは確かだろう。

すかいらーくの物流・人材・資金は何を変えたのか

資さんうどんを広い地域で展開するうえでは、店を出す場所だけでなく、開業後も安定して運営する仕組みが必要になる。

すかいらーくは2026年4月の会社紹介資料で、買収した企業への支援として、既存店舗からの転換、人材育成、事業資金、生産・物流インフラ、共同購買、データを活用したマーケティングなどを挙げている。

資さんうどんの全国展開に当てはめると、それぞれに次のような役割が考えられる。

経営資源全国展開で期待される役割
既存店舗業態転換による新しい出店先の確保
店舗開発各地の需要や立地条件に合わせた出店
人材・研修調理や接客を担う人材の育成、店舗運営の安定化
資金改装や新店設備への投資
共同購買食材調達の効率化と安定供給
生産・物流広域に展開する店舗への食材供給
マーケティング新地域での認知拡大、立地や需要の分析

こうした経営資源を自社だけで一から整備するには、時間も費用もかかる。

すかいらーくグループ入りによって、資さんうどんは、その一部を既存の仕組みから活用できるようになった。

もっとも、すかいらーくの生産・物流網があるからといって、資さんうどんのすべての商品をセントラルキッチンで完成させ、各店舗へ配送しているわけではない。

資さんうどんは、店舗で出汁を取る工程などを大切にしている。全国展開では、効率化と従来の調理品質をどのように両立させるかが重要になる。

大企業の仕組みをそのまま当てはめるというより、資さんの強みを残しながら、出店と運営に必要な部分を支援する構図だ。

買収で資さんうどんの味は変わったのか

全国展開が進むと、昔から資さんうどんを利用してきた人ほど、味が変わってしまわないか気になるかもしれない。

すかいらーくは2024年9月の買収発表で、北九州で親しまれてきた資さんの味や歴史を尊重し、大切に守り続ける方針を示している。

この考え方は、出店後の運営においても重要になるはずだ。遠く離れた地域でも、資さんらしい出汁や麺、メニューを提供できなければ、そもそも資さんうどんという看板を掲げる意味が薄れてしまう。

ただし、「買収後も味は絶対に変わっていない」とまで断定することはできない。

企業が公表する品質方針と、実際に利用した客が感じる味の違いは、分けて考える必要があるからだ。

原材料、調理工程、店舗ごとの出来上がりなどを同条件で比較したデータがなければ、買収前後で味が改善した、あるいは悪化したと結論づけることは難しい。

現時点で確認できるのは、親会社と資さんが、従来の味や品質を重視する方針を公表しているという事実だ。

今後はどこへ広がる?愛知県進出と台湾での展開

資さんうどんの店舗拡大は、2026年10月時点でも続いている。

今後の動きとして、特に注目したいのが東海地方と台湾だ。

愛知県には2027年初頭に初出店予定

資さんうどんは2026年7月1日、愛知県への初出店を正式に発表した。

開業予定は2027年初頭。東海地域の1号店として愛知県に進出し、その後も愛知県や東海地域に複数店舗を出店する計画が示されている。

2026年10月20日時点で、具体的な店舗所在地や正式な開業日までは確認できない。

したがって、愛知県の店舗は現在の営業店舗数には含めない。

正式発表の内容は、資さんうどんの愛知県初出店に関するプレスリリースに掲載されている。

2026年6月には台湾で海外1号店を開業

国内だけでなく、海外にも展開が始まっている。

2026年6月18日、資さんうどんは台湾の台北市に海外1号店を開業した。

場所は天母地区の大葉高島屋で、運営は台湾すかいらーくが担当している。

台湾でも肉ごぼ天うどんや丼もの、カレー、おでん、ぼた餅などを扱う一方、現地の好みに合わせた出汁の微調整や台湾限定メニューも導入された。

国内では従来の味を守る方針が重視されているが、海外では現地の食文化に合わせて一部を調整している点が興味深い。

すかいらーくの2026年株主通信では、台湾で同年中に3店舗を展開し、中長期的には100店舗以上を目指すという計画も示されている。

ただし、これは台湾での将来的な目標であり、日本国内の確定店舗数とは別のものだ。

台湾1号店については、2026年6月10日付の公式発表で確認できる。

資さんうどんの全国展開で、よくある疑問

資さんうどんは、すかいらーくに買収される前から九州以外にあった?

あった。2023年11月には大阪・今福鶴見店が開業し、関西地方へ進出していた。

関東への出店準備も買収前から進んでおり、2024年12月に千葉県八千代市で関東初出店を果たした。

すかいらーくの買収は、全国展開の出発点というより、出店ペースを加速させる転機だったといえる。

ガストは今後すべて資さんうどんになる?

そのような計画は発表されていない。

ガストや藍屋などから資さんうどんへの業態転換は実施されているが、既存のすかいらーくグループ店舗すべてが転換対象になるわけではない。

実際の転換は、立地や地域の需要、既存店舗の状況などを考慮して進められる。

すかいらーく買収後、資さんうどんは何店舗増えた?

すかいらーくの公式資料で比較すると、買収時点の2024年10月は74店、2026年9月末は121店で、47店増えている。

2026年10月20日に確認した資さんうどん公式店舗検索には123件が掲載されているが、IR資料とは基準日と集計方法が異なるため、区別して見る必要がある。

資さんうどんは47都道府県すべてに出店する予定?

2026年10月20日時点で、全47都道府県への出店完了時期を明示した公式計画は確認できない。

現時点で正式に発表されている今後の国内進出先には、2027年初頭の愛知県がある。

今後も出店地域が増える可能性はあるが、未発表の地域や開店日については、公式の発表を待つ必要がある。

近くの資さんうどんはどこで確認できる?

資さんうどん公式店舗検索から、都道府県や店舗名、所在地などを調べられる。

営業時間は店舗によって異なり、24時間営業ではない店舗もある。新店の開業や営業時間変更もあるため、来店前には各店舗の情報を確認しておくと安心だ。

まとめ|北九州の味と大手チェーンの経営基盤が組み合わさった

資さんうどんが全国へ広がった理由は、すかいらーくによる買収だけでは説明できない。

1976年に北九州で始まり、出汁や麺、肉ごぼ天うどんなどの看板商品を育てながら、地域に根づいた店として成長してきた。

その後、九州の外へ出店を広げ、2023年には関西へ進出。関東への進出準備も、すかいらーく傘下に入る前から進めていた。

2024年10月の買収によって加わったのは、全国への拡大を支える経営資源だ。

特に、ガストや藍屋などの既存店舗から資さんうどんへ転換する方式は、店舗数を増やすうえで重要な役割を果たしている。

2026年第1四半期の「新規出店0店・業態転換7店」という実績は、その仕組みを端的に示している。

店舗数も、すかいらーくが示す買収時の74店から2026年9月末の121店へ増加。10月20日の公式店舗検索には123件が掲載され、全国への展開は今も続いている。

これから注目したいのは、さらに店舗数が増えることだけではない。

北九州で長く愛されてきた味を、新しい地域でどこまで維持できるのか。そして、既存店を転換する出店戦略が、長期的な収益や地域での定着につながっていくのか。

地域で育ったブランドの魅力と、全国規模の外食企業の経営基盤。その二つが結びついた資さんうどんの展開は、地方発の飲食チェーンが全国に成長していく過程を考えるうえでも、興味深い事例になっている。

-つぶログ深掘り, ショッピング/買い物情報
-, , , ,