エバースは何者?佐々木・町田の経歴と結成秘話、漫才の魅力を解説

エバースは、佐々木隆史(ささき・たかふみ)と町田和樹(まちだ・かずき)による、吉本興業所属のお笑いコンビです。
宮城県出身の佐々木がボケとネタ作り、神奈川県出身の町田がツッコミを担当。日常会話のような自然な掛け合いと、予想外の方向へ転がっていく独特の発想を持ち味とする漫才師です。
2024年の『M-1グランプリ』で初の決勝進出を果たし、4位に入賞。翌2025年はファーストラウンドで870点を獲得して首位に立ち、最終順位は3位となりました。
さらに、2024年の『NHK新人お笑い大賞』、2025年の『ABCお笑いグランプリ』で優勝。2026年には『第十一回上方漫才協会大賞』の大賞にも選ばれています。
ただし、最初から順調だったわけではありません。M-1の1回戦で敗退した年もあり、劇場で結果を残せず苦労した時期もありました。
野球に打ち込んできた佐々木と、社会人を経験してから芸人になった町田。まったく異なる人生を歩んできた2人は、なぜコンビを組み、どのように現在の漫才を作り上げたのでしょうか。
この記事では、2人の経歴や出会い、コンビ名の由来、漫才の特徴、代表ネタ、賞レースの歩み、2026年現在の活動まで詳しく紹介します。
エバースは何者?コンビの基本プロフィール
エバースは、NSC(吉本総合芸能学院)東京校21期出身の佐々木隆史と町田和樹による漫才コンビです。
吉本興業の公式プロフィールに登録されている結成年月日は2016年4月1日。東京の劇場で経験を積み、賞レースで徐々に結果を残してきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コンビ名 | エバース |
| メンバー | 佐々木隆史・町田和樹 |
| 所属 | 吉本興業 |
| NSC | 東京校21期 |
| 公式結成年月日 | 2016年4月1日 |
| 芸種 | 漫才 |
| ボケ・ネタ作り | 佐々木隆史 |
| ツッコミ | 町田和樹 |
| 主な実績 | NHK新人お笑い大賞優勝、ABCお笑いグランプリ優勝、上方漫才協会大賞受賞、M-1決勝進出 |
2人は同じ1992年生まれですが、出身地も育った環境も異なります。幼なじみや学生時代の同級生ではなく、お笑いの養成所で出会った同期です。
佐々木と町田のプロフィール比較
| 項目 | 佐々木隆史 | 町田和樹 |
|---|---|---|
| 読み方 | ささき たかふみ | まちだ かずき |
| 生年月日 | 1992年11月6日 | 1992年4月24日 |
| 年齢 | 33歳 | 34歳 |
| 出身地 | 宮城県登米市豊里町 | 神奈川県大和市 |
| 身長 | 166cm | 182cm |
| 血液型 | A型 | B型 |
| 担当 | ボケ・ネタ作り | ツッコミ |
| 趣味 | 野球、バイク、三国志系ゲーム | 酒 |
| 特技 | セーフティーバント | 早食い |
※年齢は2026年10月27日時点。その他の基本情報は吉本興業の公式プロフィールに基づきます。
舞台では、向かって左に立つ佐々木が独特な話を展開し、右に立つ町田がそれに反応する形が基本です。
身長差は16cmありますが、エバースの面白さは見た目の対比だけにあるわけではありません。むしろ、2人の考え方や会話の温度差が、漫才の大きな魅力になっています。
佐々木隆史の経歴|甲子園を目指した野球少年から漫才師へ
エバースのボケとネタ作りを担当する佐々木隆史は、宮城県登米市豊里町出身です。
現在は緻密な漫才を書く芸人として知られていますが、少年時代から高校時代にかけて、生活の中心にあったのは野球でした。
野球に打ち込み、古川学園高校で甲子園を目指した
佐々木は幼いころから野球に親しみ、宮城県の古川学園高校へ進学。高校時代は甲子園出場を目指して練習に励んでいました。
野球は単なる趣味ではなく、長い間、自分の目標そのものだったといえる存在です。
しかし、甲子園という夢は実現しませんでした。目標を失った佐々木は、その後の大学時代に進むべき道を模索することになります。
この時期については、2026年に刊行した自伝的エッセイ『ここで1球チェンジアップ』でも詳しく振り返っています。
野球に多くの時間を費やしてきたからこそ、競技を離れたあとに何を目指せばよいのか。その迷いから、新たな目標としてお笑いに向かっていった過程は、佐々木の経歴を理解するうえで欠かせません。
大学時代にお笑いへの関心を深め、NSCへ
佐々木は大学へ進学したものの、野球に代わる明確な目標を見つけられずにいた時期がありました。
もともとお笑い番組や芸人のラジオが好きで、特にダイアンのラジオなどにも親しんでいたことを本人が語っています。
その後、お笑いの世界へ進むことを決め、NSC東京校21期に入学しました。
ただし、養成所に入ればすぐに才能が認められたわけではありません。コンビ結成後も思うように結果が出ない時期が長く続きます。
本人インタビューでは、NSCに十分なじむことができず、授業への参加が少なくなった時期があったことも明かしています。
現在のエバースの漫才からは、自信を持って話を展開する佐々木の姿が印象に残ります。しかし、その背景には、野球での挫折と漫才での試行錯誤がありました。
2026年には初のエッセイを出版
2026年7月14日、佐々木は初のエッセイ集『ここで1球チェンジアップ』を太田出版から刊行しました。
野球に打ち込んだ少年時代、甲子園を目指した日々、大学時代の迷い、NSCへの入学、漫才師としての下積み、そしてM-1決勝進出までを扱った一冊です。
自分の経歴を自らの言葉で綴っている点で、佐々木という人物をより深く知りたい人にとって重要な書籍です。
詳しい内容や書誌情報は、太田出版の『ここで1球チェンジアップ』紹介ページで確認できます。
町田和樹の経歴|社会人経験を経てお笑いの世界へ
エバースのツッコミを担当する町田和樹は、神奈川県大和市出身です。
佐々木が野球を中心とした学生生活を送っていたのに対し、町田は高校を中退し、社会人として働いた経験を持っています。
高校中退後、自動車ディーラーで営業を経験
町田は2026年8月に公開された本人インタビューで、高校時代に進級できず、中退することになったと振り返っています。
その後、社会に出て、自動車ディーラーの営業マンとして働きました。
この時点では芸人として活動していたわけではありませんが、人と接する機会の多い生活の中で、会話によって相手を笑わせる経験を重ねていきました。
本人は、仕事とは別の場で人を笑わせた経験が、お笑いの道へ進むきっかけの一つになったことも明かしています。
現在の町田のツッコミには、無理に芸人らしく振る舞うのではなく、その場で感じたことを自然に返しているような面白さがあります。
それを社会人経験だけの成果と断定することはできませんが、芸人になる以前から会話の中で笑いを取っていたという経歴は、町田の持ち味を考えるうえで興味深い部分です。
最初からツッコミ担当だったわけではない
町田はNSC入学後、当初は別の相方とコンビを組んでいました。
そのころはボケを担当していましたが、自分にはボケよりもツッコミの方が向いていると感じるようになったと語っています。
佐々木と組んでからはツッコミを担当。佐々木が考えた話に対して、町田が自分らしい言葉と間合いで反応する形が、現在のエバースの基本になりました。
町田はネタを書いていないことを漫才中にもいじられますが、だからといって役割が小さいわけではありません。
どれだけ独特な話を佐々木が考えても、町田の返しによって会話が成立しなければ、エバースらしい笑いにはつながらないからです。
2人の漫才を見る際には、佐々木のボケだけでなく、町田がどのタイミングで疑問を持ち、どのような言葉を選んでいるかにも注目したいところです。
エバース結成の経緯|NSCで出会った2人はどうやって組んだ?
エバースの2人が出会ったのは、NSC東京校21期の養成所時代です。
初めから互いを相方に選んで入学したわけではなく、最初はそれぞれ別のコンビを組んでいました。
佐々木の元相方から町田を紹介された
佐々木はNSC入学後、別の人物とコンビを結成しました。しかし、最初のネタ見せ授業を終えたころ、その相方が養成所を辞めることになり、短期間で解散します。
その際、元相方から紹介されたのが町田でした。
町田も当時は新しい相方を探しており、紹介者を交えた3人でバーミヤンに行ったことが、2人の最初の出会いだったといいます。
ここで意気投合してすぐに理想のコンビが完成した、という話ではありません。
本人たちのインタビューによると、NSCではコンビを組まなければネタ見せの授業に出られないという事情もあり、まずは一緒にやってみようという感覚だったそうです。
町田は以前から佐々木のネタ見せを見ており、佐々木のコンビがよくウケていたことを認識していました。一方、佐々木は町田について、当初から漫才の相性を確信していたわけではなかったと振り返っています。
現在の息の合った掛け合いからは意外ですが、エバースは試行錯誤しながら関係を築いてきたコンビなのです。
ネタ作りは結成当初から佐々木が中心
結成当初、2人でそれぞれネタを考えてこようという話になったことがありました。
ところが、次に会ったときに実際にネタを用意していたのは佐々木だけだった、というエピソードを本人たちが明かしています。
そこから現在に至るまで、基本的に佐々木がネタを考え、町田がツッコミを担当する形が続いています。
もちろん、漫才の出来は台本だけで決まるものではありません。ネタの設定や展開を組み立てる佐々木と、それを会話として成立させる町田。両方がそろうことによってエバースの漫才が完成します。
結成は2015年?2016年?公式情報に違いがある
エバースの結成年について調べると、2015年と2016年の両方が出てくることがあります。
吉本興業のプロフィールとM-1グランプリ公式サイトでは、結成年月日を2016年4月1日としています。
一方、2025年のABCお笑いグランプリ公式紹介では、2015年にコンビを結成したと説明されています。
さらに、M-1の公式出場履歴には、2015年9月23日にエバース名義で1回戦に出場し、敗退した記録が残っています。
つまり、正式プロフィール上の結成年は2016年ですが、それ以前の2015年にコンビとして活動していた記録が存在するということです。
養成所時代に組み始めた時期と、卒業後の正式デビュー日を別に扱っている可能性があります。ただし、2016年4月1日が登録上の結成日になった理由まで明確に確認できているわけではありません。
そのため、本記事では吉本興業とM-1公式に合わせて2016年4月1日を正式結成年月日としつつ、2015年から活動記録があることも区別して紹介しています。
コンビ名「エバース」の由来は野球用語
エバースというコンビ名は、野球用語に由来しています。
野球でバントの構えを見せたあと、バットを引いて投球を見送る動作を指す言葉が「エバース」です。
2026年3月放送のテレビ番組『見取り図じゃん』でも、2人がコンビ名の由来について説明しています。
佐々木は高校時代に2番打者を務めており、エバースのサインを出される機会が多かったことも明かしました。
野球一筋だった佐々木の経歴を知ると、コンビ名まで野球と結びついていることに、エバースらしさを感じられます。
エバースの漫才はなぜ面白い?独特のしゃべくり漫才を解説
エバースの漫才を初めて見ると、2人がごく普通に雑談しているように感じるかもしれません。
大きな動きや派手なキャラクター設定に頼るのではなく、日常の会話を思いがけない方向へ発展させていくのが持ち味です。
しかし、自然に聞こえるからといって、思いつきだけで話しているわけではありません。佐々木が細かく考えた構成と言葉選びが、その裏側を支えています。
日常会話に近い自然なテンション
エバースの漫才で特徴的なのは、2人の話し方が普段の会話に近いことです。
一般的な漫才では、ボケに対してツッコミが大きな声を出したり、派手なリアクションを取ったりすることがあります。
一方、エバースでは、町田が佐々木の発言に疑問を持ち、友人同士の会話のように自然に反論する場面が多く見られます。
佐々木自身もインタビューで、漫才を作る際には等身大に近づけることを意識し、普段しないような大げさな怒り方やツッコミを避けていると説明しています。
観客に強く笑いを求めるよりも、面白い会話を偶然聞いてしまったような感覚を生み出す。そこにエバースの大きな特徴があります。
佐々木の理屈が、話を予想外の方向へ変えていく
エバースの漫才は、最初から現実離れした設定で始まるとは限りません。
身近な話題をきっかけに、佐々木が独特な考え方や条件を持ち込み、会話を少しずつ変化させていきます。
その理屈は一見すると筋が通っているようで、よく考えるとおかしい。しかし、佐々木はそれを当然のように話し続けます。
町田はそのおかしさに気づき、疑問を投げかけたり、話を現実へ引き戻そうとしたりします。
ところが、その反応をきっかけに、さらにおかしな展開が生まれることもあります。
単発のボケを連続させるというより、ひとつの話題が会話を通じて変形していく面白さです。
見終わってから振り返ると、最初は何でもなかった話題が、いつの間にか奇妙な状況へ発展していたことに気づきます。
町田らしいツッコミまで考えられている
もうひとつ重要なのが、ツッコミの言葉選びです。
佐々木は漫才の設定やボケだけでなく、町田が返す言葉についても考えています。
ただし、誰にでも当てはまるツッコミを書いているわけではありません。町田自身が普段の会話でも言いそうな言葉になるよう意識していると、本人たちが説明しています。
この点が、エバースの自然な会話を生み出す大きな理由でしょう。
ツッコミだけが急に漫才用の大げさな台詞になれば、それまでの会話の雰囲気が崩れてしまいます。
町田が本当にその場で思いついたように聞こえるからこそ、佐々木の奇妙な理屈も生きてきます。
自然に見える漫才を、舞台で細かく磨いている
佐々木は、新しいネタをライブで試し、観客の反応を見ながら内容を調整する制作方法についても語っています。
普段の舞台では展開や言葉にある程度の余地を持たせながら、重要な賞レースの前には細部を詰めていくという違いもあります。
自然に見えることと、適当に演じていることは別です。
むしろエバースの場合、自然に聞こえるように言葉や反応を考えることが、漫才の完成度を高める作業になっています。
初めて見る人は佐々木の発想に注目し、2回目は町田の反応や言葉の間に注目すると、同じネタでも違った面白さを発見できるかもしれません。
エバースの代表ネタ|初めて見るなら何がおすすめ?
エバースの漫才を知るなら、注目を集め始めたころのネタと、賞レースで結果を残したネタを見比べるのがおすすめです。
ここでは、コンビの歩みを理解しやすい代表的なネタを紹介します。重要なオチや細かい展開には触れず、見どころを中心に整理します。
ケンタウロス|2023年M-1敗者復活戦で披露
『ケンタウロス』は、2023年のM-1敗者復活戦で披露したネタです。
ケンタウロスという架空の生き物を題材に、独特な発想を展開していく漫才で、エバースの名前が広く知られていくきっかけのひとつになりました。
現実には存在しないものを扱いながらも、2人の会話そのものは自然に進んでいきます。
エバースが得意とする、設定の奇妙さと会話の自然さの組み合わせを知るうえで、注目したい一本です。
桜の木の下|2024年M-1初決勝を象徴する漫才
2024年のM-1グランプリ決勝で披露した『桜の木の下』も、エバースを代表するネタです。
桜という身近な題材から始まり、佐々木の独特な考え方によって会話が予想外の方向へ進んでいきます。
このネタについて佐々木は、自身のエッセイ連載で誕生の経緯を振り返っています。
若手時代に芸人仲間と公園で過ごしていたころの経験が着想につながっており、決勝直前に突然生まれた作品ではありません。
以前から持っていた題材を長い時間をかけて育て、M-1の決勝という大舞台へ持ち込んだことにも、このネタの重要性があります。
タバコ|2024年NHK新人お笑い大賞の決勝ネタ
2024年の『NHK新人お笑い大賞』で披露した『タバコ』も外せません。
この大会でエバースは、ジョックロックとの最終対決を制し、初の大きな賞レースタイトルを獲得しました。
『タバコ』は公式YouTubeチャンネルにも公開されており、テレビの賞レースで評価された当時の漫才を確認できる一本です。
ルンバ車|2025年M-1で870点を獲得
2025年のM-1グランプリで大きな反響を呼んだのが『ルンバ車』です。
ファーストラウンドで披露したこのネタは、審査員9人から合計870点を獲得しました。
たくろうの861点、ドンデコルテの845点を上回り、エバースはファーストラウンドを首位で通過しています。
ただし、最終決戦では別のネタを披露し、優勝には届きませんでした。
『ルンバ車』は、2025年時点のエバースの漫才が審査員からどれほど高く評価されたかを示す、重要な一本といえるでしょう。
公式YouTubeでエバースの漫才を見る
エバースの漫才をまだ見たことがない人には、劇場の公式YouTubeチャンネルで公開されている映像がおすすめです。
次の動画は、2026年4月20日に「渋谷よしもと漫才劇場・神保町よしもと漫才劇場」の公式チャンネルが公開したもの。劇場で披露されたエバースの漫才を楽しめます。
ボケの設定だけでなく、町田が疑問を持つタイミングや、2人が普通に話しているように見える間合いにも注目すると、エバースの漫才の特徴がより伝わってきます。
エバースの賞レース実績|下積みからM-1決勝へ
エバースは2024年以降、複数の賞レースで結果を残しています。
しかし、過去のM-1出場履歴を振り返ると、1回戦で敗退した年が何度もあることが分かります。
現在の実績は、長年の舞台経験を積み重ねた結果でもあります。
主な賞レース成績一覧
| 年 | 大会 | 結果 |
|---|---|---|
| 2015年 | M-1グランプリ | 1回戦敗退 |
| 2016年 | M-1グランプリ | 1回戦敗退 |
| 2017年 | M-1グランプリ | 2回戦敗退 |
| 2018年 | M-1グランプリ | 1回戦敗退 |
| 2019年 | M-1グランプリ | 3回戦敗退 |
| 2020年 | M-1グランプリ | 1回戦敗退 |
| 2021年 | M-1グランプリ | 3回戦敗退 |
| 2022年 | M-1グランプリ | 準々決勝敗退 |
| 2023年 | M-1グランプリ | 準決勝進出・敗者復活戦出場 |
| 2024年 | NHK新人お笑い大賞 | 優勝 |
| 2024年 | M-1グランプリ | 決勝4位 |
| 2025年 | 上方漫才協会大賞 | 文芸部門賞 |
| 2025年 | ABCお笑いグランプリ | 優勝 |
| 2025年 | M-1グランプリ | 決勝3位 |
| 2026年 | 上方漫才協会大賞 | 大賞 |
※M-1の過去成績および主要大会の公式記録をもとに整理。2026年10月27日時点。
初期には1回戦敗退を経験しながらも、2019年には3回戦、2022年には準々決勝、2023年には準決勝まで進出しました。
一度の大会で突然頂点に駆け上がったというより、年を重ねるごとに結果を積み上げてきたことが分かります。
2024年|NHK新人お笑い大賞で初優勝、M-1では4位
2024年は、エバースにとって大きな転機となった一年でした。
『ツギクル芸人グランプリ』や『第45回ABCお笑いグランプリ』で決勝に進出。そして10月27日、『NHK新人お笑い大賞』で優勝し、初の大きな賞レースタイトルを獲得しました。
さらに同年12月22日には、M-1グランプリの決勝に初進出。
ファーストラウンドで848点を獲得しましたが、3位の真空ジェシカは849点。わずか1点差で最終決戦進出を逃し、4位となりました。
優勝には届かなかったものの、全国規模の大会で実力を示し、エバースの名前が広く知られる大きなきっかけになりました。
2025年|ABCお笑いグランプリ優勝とM-1最終決戦
2025年6月29日、エバースは『第46回ABCお笑いグランプリ』で優勝しました。
この年は542組がエントリーし、決勝には12組が進出。エバースはファーストステージを勝ち抜き、最終ステージで家族チャーハン、かが屋と争って優勝を決めています。
前年に続く2度目の決勝進出での優勝であり、若手向けの大会で結果を残したことには大きな意味があります。
そして12月21日、2年連続となるM-1決勝に進出しました。
ファーストラウンドでは870点を獲得して首位となり、初めて最終決戦へ進出しましたが、最終順位は3位となりました。
なぜ2025年のM-1は870点で3位だった?
2025年のM-1で最も誤解されやすいのが、エバースの得点と順位の関係です。
エバースの870点は、決勝ファーストラウンドに出場した10組の中で最高得点でした。
ただし、M-1はファーストラウンドの得点だけで優勝者が決まる大会ではありません。
上位3組が新たなネタを披露する最終決戦へ進み、審査員の投票で優勝者を決定します。
| コンビ | 1本目 | 最終投票 | 最終順位 |
|---|---|---|---|
| エバース | 870点 | 0票 | 3位 |
| たくろう | 861点 | 8票 | 優勝 |
| ドンデコルテ | 845点 | 1票 | 2位 |
最終決戦では、たくろうが8票、ドンデコルテが1票を獲得。エバースには票が入らず、3位という結果になりました。
したがって、2025年のエバースは「決勝で最も高い得点を取ったコンビ」ではありますが、「M-1で優勝したコンビ」ではありません。
この年の採点と最終投票の違いについては、つぶログのM-1グランプリ2025決勝考察で詳しく整理しています。
2026年|上方漫才協会大賞の大賞を受賞
2026年1月12日、エバースは『第十一回上方漫才協会大賞』で大賞を受賞しました。
上方漫才協会大賞は、劇場での活動や前年の活躍、漫才への貢献などを踏まえて選ばれる賞です。
エバースは2025年に文芸部門賞を受賞しており、翌2026年には大賞に選ばれたことになります。
なお、『上方漫才協会大賞』と、別に開催される『上方漫才大賞』は異なる賞です。エバースが2026年に受賞したのは前者です。
2024年のNHK新人お笑い大賞、2025年のABCお笑いグランプリ、2026年の上方漫才協会大賞と、異なる大会で評価されたことは、エバースの漫才が着実に実績を重ねてきたことを示しています。
佐々木と町田は仲が良い?約4年半の同居生活
エバースは漫才中にも互いをいじり合うため、2人の関係性が気になる人も多いでしょう。
実は、佐々木と町田には長期間一緒に暮らしていた時期があります。
コロナ禍をきっかけに同居が始まった
本人たちのインタビューによると、同居生活が始まった背景にはコロナ禍がありました。
芸人としての仕事やライブの機会が減少する中、実家から通っていた町田が佐々木の家に泊まり、ネタ合わせをしたり、そこからライブへ向かったりすることが増えていきます。
それなら一緒に住んだ方がよいのではないかという流れになり、家賃を折半して共同生活を始めました。
仕事が順調ではない時期に、生活の場まで共有していたというのは、コンビの歩みを考えるうえで印象的なエピソードです。
2024年に同居を解消、現在は別々に生活
2人の同居生活は約4年半続きましたが、2024年に解消しています。
2025年2月の本人インタビューでは、別々に暮らすようになったことで適度な距離ができ、関係が改善したという趣旨の話も出ています。
そのため、現在も同居しているという紹介は正確ではありません。
同居をやめたことが、そのまま不仲を意味するわけでもありません。仕事でも生活でもずっと一緒だった2人が、それぞれの時間を持つようになったという変化です。
そもそも、2人は漫才の中でも互いの欠点や性格を笑いに変えることがあります。こうした関係性を、現実の不仲と単純に結びつけない方がよいでしょう。
下積み時代から長く一緒に過ごしてきた経験が、現在の自然な掛け合いにどのようにつながっているのか。漫才を見ながら考えると、また違った楽しみ方ができます。
エバースは現在何をしている?2026年の活動
2026年現在、エバースは劇場での漫才に加え、テレビ、ラジオ、YouTube、全国ツアーなど、活動の幅を広げています。
2026年には全国7都市で単独ツアーを開催
2026年には、全国ツアー『エンタイトルスリーベース』を開催しています。
宮城、愛知、北海道、広島、福岡、大阪、東京の7都市を巡る企画で、結成10周年の節目に行われる大規模な単独ツアーです。
吉本興業は2026年4月28日、当初発表した公演の完売を受けて東京公演の追加を発表しました。
2026年10月27日時点では、11月17日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで17時開演の追加公演と、20時開演の本公演が予定されています。
20時開演の公演にはオンライン配信も予定されています。公演や配信の最新情報は、よしもとライブの公式案内で確認できます。
初ライブDVDは2027年3月10日発売予定
全国ツアー『エンタイトルスリーベース』の模様を収録する、エバース初のライブDVDも発売が予定されています。
発売予定日は2027年3月10日。東京追加公演の映像を本編として収録し、ツアーの舞台裏を収めた特典映像も予定されています。
ただし、2026年10月27日時点では発売前です。すでに発売された作品ではなく、今後発売予定の映像商品となります。
テレビ・ラジオ・Podcastでも活動
エバースは舞台だけでなく、さまざまなメディアでも活動しています。
| 番組・媒体 | 内容 |
|---|---|
| OH!バンデス | ミヤギテレビの「エバースの卵」に出演 |
| GURU GURU! | J-WAVEの木曜ナビゲーター |
| エバースの野茂ラヂ雄 | Artistspokenの冠Podcast |
| エバースチャンネル | 公式YouTubeチャンネル |
J-WAVEの『GURU GURU!』では、2026年10月現在、毎週木曜日のナビゲーターを務めています。
ミヤギテレビの『OH!バンデス』では、宮城の魅力を探す「エバースの卵」に出演。佐々木の出身地である宮城とのつながりを生かした活動も行っています。
また、音声配信『エバースの野茂ラヂ雄』などでは、漫才とは違った2人の会話を楽しめます。
舞台上の自然な掛け合いが気に入った人なら、ラジオでのやり取りも興味深く感じられるでしょう。
佐々木は登米市、2人そろって宮城県の大使にも就任
佐々木は2025年6月、出身地である宮城県登米市の「とめふるさと大使」に就任しました。
さらに2026年2月9日からは、佐々木と町田の2人が「みやぎ絆大使」を務めています。
みやぎ絆大使は、宮城県の魅力や震災復興などの情報を発信する役割を持つ制度で、エバースの2人の委嘱期間は2027年12月31日までとなっています。
佐々木個人の「とめふるさと大使」と、コンビ2人で務める「みやぎ絆大使」は別の役割です。
野球少年として育った宮城との縁が、漫才師として活動の場を広げた現在にも続いているのは、佐々木の経歴を考えるうえでも印象的です。
M-1グランプリ2026にも挑戦中
エバースは2026年のM-1グランプリにもエントリーしています。
2026年10月27日時点の大会公式出場記録では、10月16日に行われた2回戦を通過したことが確認できます。
ただし、2026年大会はまだ途中であり、最終順位や決勝進出が決まったわけではありません。
大会全体の日程や予選状況については、つぶログのM-1グランプリ2026の日程・結果まとめで確認できます。
エバースの魅力は、異なる2人が作り上げた自然な漫才にある
エバースの経歴を振り返ると、2人は最初から漫才師として注目されていたわけではないことが分かります。
佐々木は野球で甲子園を目指し、夢に届かなかった経験を経てお笑いの道へ進みました。町田は高校を中退したあと社会人として働き、人を笑わせる楽しさから芸人を志しています。
異なる人生を歩んだ2人がNSCで出会い、最初は思うように結果が出なかった時期を乗り越え、劇場で漫才を磨き続けてきました。
2024年のNHK新人お笑い大賞優勝、2025年のABCお笑いグランプリ優勝、2026年の上方漫才協会大賞受賞は、その積み重ねの先にある実績です。
そして何より印象的なのは、これだけ賞レースで結果を残しても、漫才の中心にあるのが2人の自然な会話だということでしょう。
佐々木が少しずれた理屈を真剣に話し、町田が当たり前のように疑問を投げかける。そこから思いもよらない展開が生まれていく。
一見すると何でもない会話なのに、気づけば笑ってしまう。そんな不思議な感覚こそ、エバースの漫才の大きな魅力です。
M-1で初めて知った人も、劇場で長く見てきた人も、2人の経歴やネタ作りの方法を知ってから漫才を見直すと、これまでとは違った面白さに気づけるのではないでしょうか。
佐々木が野球に打ち込んだ少年時代から、町田との出会い、漫才師としての下積み、M-1決勝進出までをさらに詳しく知りたい人には、本人が綴った初エッセイ『ここで1球チェンジアップ』もおすすめです。
甲子園を目指した野球少年時代、大学時代の迷い、NSC入学、相方・町田との出会い、漫才師としての下積み、M-1決勝進出まで。佐々木自身の言葉で、その半生を振り返る一冊です。
太田出版/2026年7月14日発売/ISBN:9784778341350