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Yahoo!ジオシティーズで消えた個人ホームページは今も見られる?保存されたサイトを探してみた

目次
  1. Yahoo!ジオシティーズの昔のホームページは今も見られる?
  2. 実際に残っていたYahoo!ジオシティーズの個人ホームページ7件
  3. 保存された7サイトはどこまで閲覧できる?確認結果一覧
  4. 昔のジオシティーズのホームページを探す方法
  5. 保存されたページと、移転して続いているホームページは違う
  6. ジオシティーズの保存活動|GeoLog ProjectとArchive Team
  7. なぜアーカイブでは画像・掲示板・Flashが表示されないことがある?
  8. Wayback Machineで昔のページが見つからないのはなぜ?
  9. Yahoo!ジオシティーズはなぜ終了した?いつまで利用できた?
  10. 自分が作ったジオシティーズのホームページは復元できる?
  11. 消えたYahoo!ジオシティーズと、今も残る個人ホームページの違い
  12. まとめ|Yahoo!ジオシティーズは終了したが、昔のページは今も探せる

Yahoo!ジオシティーズの昔のホームページは今も見られる?

1990年代から2000年代にかけて、たくさんの個人ホームページが集まっていた「Yahoo!ジオシティーズ」。

ゲーム攻略、個人日記、鉄道写真、イラスト、趣味のコレクション、リンク集。現在のSNSとは違い、誰もが自分だけの小さなホームページを作っていた時代があった。

しかし、Yahoo!ジオシティーズは2019年3月31日をもってサービスを終了した。

あの頃、毎日のように訪問していた個人サイトは、もう二度と見ることができないのだろうか。

結論から言うと、Yahoo!ジオシティーズで公開されていたホームページの一部は、2026年現在も実際に読むことができる。

今回調べてみると、第三者が保存した個人ホームページが複数見つかった。中には1999年の開始日が残るサイト、2003年の日記を読めるサイト、古い鉄道切符や玩具の記録を閲覧できるサイトまであった。

さらに驚いたのは、ジオシティーズ終了後に引っ越しを繰り返し、2026年になっても更新を続けているゲーム攻略サイトが存在したことだ。

今回は、実際に閲覧できた昔の個人ホームページ7件を紹介するとともに、昔のURLを忘れた場合の探し方、保存されたページと移転したサイトの違い、自分のホームページを復元する方法まで詳しく調べた。

確認基準日:2026年10月31日
保存ページの本文は2026年10月30日までの調査で直接確認。リンク先の公開状況やアーカイブの閲覧可否は今後変わる可能性がある。

実際に残っていたYahoo!ジオシティーズの個人ホームページ7件

今回、昔のサイトを実際に読むことができたのは「ジオ・アーカイブ」という保存サイトだ。

ジオ・アーカイブ|デゴイチよく走る!

このアーカイブは、2019年3月末に終了したYahoo!ジオシティーズのホームページを保存したもの。鉄道関連のサイトが中心だが、文学、化学、個人日記など、さまざまなジャンルのページが残っている。

運営者は、機械的に取得したためレイアウトが崩れたり、正常に表示できないページがあったりすることを説明している。

つまり、すべてが当時の姿を完全に再現しているわけではない。それでも、今回確認した7件については、サイト名だけでなく実際の文章を取得できた。

① U-FORCE作戦室|1999年の開始表示が残る個人サイト

まず紹介したいのが「U-FORCE作戦室」だ。

U-FORCE作戦室の保存ページを見る

このサイトには「since 1999/11/30」という表示が残っている。

1999年11月30日を開始日として掲げている、20世紀からの個人ホームページだ。

内容は、自作の特撮ヒーロー作品、アイドルグループ「チェキッ娘」の紹介、特撮作品のロケ地訪問、雑記、日記、掲示板、リンク集など。

現代ならブログ、動画投稿サイト、SNSなどに分かれていそうな活動が、一つの個人ホームページの中に集まっている。

特に興味深いのがリンク集だ。特撮、アニメ、テレビ番組、スポーツ、ホームページ制作など、管理人が関心を持つ分野ごとにリンク先が分類されている。

現在の検索エンジンやSNSのおすすめ機能とは違い、個人が自分の好きなサイトを選んで紹介する、昔のインターネットらしい構造が残っている。

さらに、保存ページ内には当時のジオシティーズのURLも記載されている。

昔のアドレスは「www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/1089/」。地名のような文字列と番地を組み合わせる、ジオシティーズ特有の形式だった。

なお、このページには1999年11月30日の開始表示とは別に、2006年10月7日の稼働開始表示もある。2006年にサイト構成が変更された可能性はあるが、具体的な意味は確認できていない。

したがって、現在のHTMLが1999年から一度も変更されていないとは断定できない。それでも、1990年代の開始表示と当時のURL、趣味のコンテンツが残る貴重な保存例だ。

② 鬼ヅモ同好会|2003年の日記が今も読める

次に見つかったのが「鬼ヅモ同好会ホームページ本部」。

鬼ヅモ同好会の過去の日記を読む

ここには2003年から2014年までの過去の日記が、年月ごとに並んでいる。

驚いたのは、単に日記のタイトルが残っているだけではなく、2003年当時の文章まで実際に読めることだ。

2003年7~8月の日記には、当時のパソコンやインターネット接続環境、セガサターン版『ウィザードリィ リルガミンサーガ』などについての記録が残っている。

その頃に遊んでいたゲーム、パソコンで起こった出来事、日常の感想。誰かが20年以上前に書いた文章を、2026年のブラウザで読んでいるのだ。

日記の目次には、2010年以前のものはHTMLタグを手作業で記述したページのままになっているという説明もある。

現在のブログでは記事を投稿するとページや日付の整理が自動的に行われることが多い。しかし、昔の個人ホームページでは、日記のHTMLを自分で書き、過去ログへのリンクも管理する方法が使われていた。

こうした作り方の名残を、実際のページから確認できる。

なお、サイトには同好会の結成が1994年頃と記載されているが、これはホームページ開設年とは別だ。1994年からこのWebサイトが存在していたという意味ではない。

1990年代のWeb日記そのものを探した調査については、つぶログの日本最古級の個人日記は今もネットで読める?でも詳しく紹介している。

③ おもしろ有機化学ワールド|2003年の講義資料まで残る

「おもしろ有機化学ワールド」は、有機化学について分かりやすく解説したホームページだ。

おもしろ有機化学ワールドの保存版を見る

保存されたトップページには2018年12月29日の最終更新表示が残っており、化学に関する読み物や著書の案内、講義資料などへのリンクが並んでいる。

今回、トップページだけでなく、2003年4月13日更新と記載された有機化学の講義資料まで確認できた。

これは非常に興味深い。ジオシティーズには趣味や日記だけでなく、専門的な知識を公開するためのホームページもあったということだ。

当時の講義資料を現在まで残していることは、ネット上の古い情報が必ずしも価値を失うわけではないことも示している。

さらに、このページにはYahoo!ジオシティーズ終了に伴う新サイトへの移転案内が残っている。

実際に移転先のホームページを取得すると、2021年11月15日の更新表示や本文を確認できた。ただし、今回の取得環境では文字化けが発生しており、表示品質までは確認できていない。

このサイトは、昔のページの保存版と、移転後に公開されたページの両方を調べられる例でもある。

④ お気に入り読書WEB|個人が作った文学作品の案内所

「お気に入り読書WEB」は、青空文庫や文庫本などで読める小説を紹介した個人サイトだ。

お気に入り読書WEBを開く

ページを開くと、作家名が「あ行」「か行」「さ行」などの五十音順に整理されている。

芥川龍之介、泉鏡花、江戸川乱歩、岡本綺堂、坂口安吾など、さまざまな作家の名前が並ぶ。

今回、トップページだけでなく「あ行の作家」という下層ページも取得できた。

現在なら作品紹介サイトや読書アプリで探すような情報を、個人が独自の目次を作り、リンクで整理していたことが分かる。

大手サービスのような複雑な検索機能はなくても、作家名から作品へ進める構成は十分に実用的だ。

こうした個人の読書案内も、かつてのジオシティーズを形作っていたコンテンツの一つだった。

⑤ うさくま 鉄道玩具の部屋|2003年からの玩具情報

鉄道玩具について紹介する「うさくま 鉄道玩具の部屋」も残っていた。

うさくま 鉄道玩具の部屋を開く

ページには2003年10月13日の開始表示と、2004年2月29日の最終更新表示がある。

内容はBトレインやデジQトレインなどの鉄道玩具。ニュース、製品紹介、コレクション、FAQ、雑記などがメニューになっている。

今回、Bトレインの下層ページについても本文を取得できた。

ここで注目したいのが、個人サイトならではの情報の集め方だ。

メーカーの公式ページだけでは分からない細かな違いや、ファンが気になる話題を、自分の関心に沿って整理している。趣味を深く掘り下げるための個人ホームページだったことが伝わってくる。

トップには掲示板や日記への入口も残るが、当時の外部サービスが現在も正常に利用できるかは別問題だ。今回確認したのは、保存ページ内の本文と一部の下層コンテンツである。

⑥ のらりくらり鉄道切符収集会|廃線の切符や珍しいミス切符を紹介

「のらりくらり鉄道切符収集会」は、昔の鉄道切符を紹介する個人ホームページだ。

のらりくらり鉄道切符収集会を開く

国鉄の切符、私鉄の切符、廃線関連の切符、バスの切符、珍しいミス切符など、収集した資料をジャンル別に紹介している。

最終更新表示は2007年1月4日。今回、トップページと「ミス切符」の下層ページを取得できた。

鉄道切符は、駅の無人化や路線の廃止、販売方式の変化によって、当時のものが手に入りにくくなることがある。

そうした品物を個人が撮影・収集し、ホームページにまとめていた記録まで残っている。

現在の鉄道趣味の資料として読むこともできるが、ページ内の販売状況や路線案内は2007年当時の情報だ。最新の鉄道情報として利用することは避けたい。

⑦ 叡電ファンのページ|鉄道模型の制作記録が残る

最後は「叡電ファンのページ」。

叡電ファンのページを開く

叡山電鉄や嵐電に関する鉄道模型のキット製作を紹介するホームページで、デト1001やデワ101のHOサイズ模型などが扱われている。

単なる完成写真の紹介だけではなく、組み立て説明や製作に関する情報へ進むリンクも残っている。

模型を作る人が自分の作品や制作資料を公開するために、ジオシティーズの個人領域を利用していたことが分かる。

昔のページに書かれた取扱店や連絡先が現在も有効かは確認できないため、販売・問い合わせ情報としては利用せず、当時の制作記録として見るのが適切だ。

保存された7サイトはどこまで閲覧できる?確認結果一覧

今回の調査で確認できた7件をまとめると、次のようになる。

サイト名主な内容確認できた範囲
U-FORCE作戦室特撮・アイドル・個人雑記トップ本文・1999年の開始表示
鬼ヅモ同好会日記・趣味・ゲーム日記一覧・2003年の本文
おもしろ有機化学ワールド化学・教育資料トップ・2003年の講義資料
お気に入り読書WEB文学・読書案内トップ・作家別の下層ページ
うさくま 鉄道玩具の部屋Bトレイン・鉄道玩具トップ・Bトレインのページ
のらりくらり鉄道切符収集会鉄道切符・廃線資料トップ・ミス切符のページ
叡電ファンのページ鉄道模型・製作資料トップ本文・製作説明

この7件は、検索結果に登録されているだけのサイトではない。2026年の調査で、実際のHTML本文を取得できた保存ページだ。

ただし、全画像が表示されること、外部リンクがすべて有効なこと、掲示板などの機能が動くことまでは保証できない。

また、保存サイトには「2019年3月に保存されたアーカイブ」という案内があるが、個別の画像やHTMLファイルすべての取得日時を独立して確認できたわけではない。

現在読めるのは元のYahoo!ジオシティーズそのものではなく、別の運営者が保存・公開したページである。

昔のジオシティーズのホームページを探す方法

ここまで紹介したサイト以外にも、自分が昔よく見ていたホームページを探したい人は多いだろう。

しかし、サイト名を覚えているか、URLを覚えているかによって、探し方は変わってくる。

今回は、手元に残っている情報に応じて方法を分けて紹介する。

方法① 昔のURLが分かるならWayback Machineを使う

当時のURLが分かっている場合、まず試したいのがInternet Archiveの「Wayback Machine」だ。

Wayback Machineを開く

Wayback Machineは、過去に保存されたウェブページを日時ごとに閲覧できるサービスだ。

使い方は比較的簡単。検索欄に昔のホームページのURLを入力して、保存された履歴を調べる。

  • Wayback Machineのトップページを開く
  • 昔のジオシティーズのURLを入力する
  • 保存記録があれば、年別の履歴やカレンダーを確認する
  • 目的の時期を選んで保存ページを開く
  • 文章・画像・下層ページが読めるか確認する

例えば、2003年頃の状態を見たいなら、その年に近い保存記録を探す。

ただし、保存日付が表示されても、その日のHTMLや画像が完全に残っているとは限らない。

トップページだけ見つかる場合もあれば、リンク先を開くと別の日付の保存ページへ移動する場合もある。

Wayback Machineの公式ヘルプでも、保存されていないファイルの代わりに近い日時の記録を利用したり、現在のウェブページが参照されたりする場合があると説明されている。

昔のサイトを正確に調べたい場合は、ページ内に表示された日付だけでなく、Wayback Machineの保存日時も確認したい。

方法② URLを忘れたらサイト名やハンドルネームから探す

昔のURLを覚えていない場合は、サイト名や管理人のハンドルネームを手掛かりにする。

例えば、昔よく見ていたゲーム攻略サイトの名前を覚えているなら、サイト名と「ジオシティーズ」を組み合わせて検索してみる。

一般の検索エンジンで当時の紹介記事やリンク集が見つかれば、そこに元のURLが残っている可能性がある。

昔の個人ホームページには、管理人が好きなサイトを集めた「リンク集」が設置されていることも多かった。

そのため、自分が探しているサイトは残っていなくても、別の個人サイトのリンク集から元URLを発見できる場合がある。

旧URLを発見したら、それをWayback Machineで検索する。サイト名から直接保存版を探すより、こちらの方が絞り込みやすいケースもある。

方法③ ジオシティーズ検索(α版)を利用する

もう一つ注目したいのが「ジオシティーズ検索(α版)」という検索プロジェクトだ。

ジオシティーズ検索(α版)

これは2026年1月13日、開発者のShu Mukaé氏が紹介した検索サービスで、立命館大学アート・リサーチセンターのサーバー上で公開されている。

Internet Archiveから取得したメタデータを利用し、サイト名、説明文、暫定的なカテゴリなどを手掛かりに、日本版ジオシティーズの保存記録を探せる仕組みだ。

開発者の説明によれば、キーワードの複数入力やカテゴリとの組み合わせが可能で、登録済みサイトからランダムに100件を表示する機能も備えている。

昔のURLもサイト名もはっきり覚えていない場合、好きだったジャンルから探す入口になる。

ただし、重要な注意点がある。

ジオシティーズ検索は、昔のホームページの本文を独自に保存しているサービスではない。

主にサイト名、説明文、URLなどの情報を使い、Internet Archiveの記録へ案内する仕組みだ。そのため、検索結果が見つかっても、保存先のページを読めない場合がある。

また、2026年10月の調査では検索画面への直接取得が403エラーとなり、こちらの環境から検索操作が正常にできるかまでは確認できなかった。

開発者による検索サービスの説明記事は現在も閲覧できるため、接続できない場合は機能や目的をそちらで確認できる。

なお、検索画面の過去の取得結果には10万件以上の登録表示があったが、最新の登録件数は今回確認できていない。登録件数をそのまま現在閲覧できるホームページ数と考えることもできない。

方法④ 元のURLが「geocities.jp」か「geocities.co.jp」かを確認する

昔のURLを探す際には、もう一つ大切なポイントがある。

Yahoo!ジオシティーズでは、時期やサービスによって複数のURL形式が使われていた。

2003年6月17日のヤフー株式会社の公式資料には、当時の無料版と有料サービス「ジオプラス」の違いが記載されている。

項目2003年当時の無料版2003年当時のジオプラス
料金無料月額500円(税別)
容量12MB25MB
URL形式geocities.co.jp/コミュニティー名/番地番号/geocities.jp/IDまたはニックネーム/
バナー広告表示が必要表示なし

これは2003年時点の仕様であり、2019年のサービス終了まで同じ料金や条件が続いていたという意味ではない。

しかし、昔のURLを探す際には重要な手掛かりになる。

例えば、今回紹介したU-FORCE作戦室は「Hollywood-Stage/1089」という街区・番地型のURLを使っていた。

一方、「geocities.jp/ユーザー名/」の形式を使っていたホームページもある。

昔のURLをうろ覚えで探している場合、どちらか一方のドメインだけに限定しない方が見つけやすくなる。

保存されたページと、移転して続いているホームページは違う

ここまで紹介したジオ・アーカイブは、終了前のサイトを第三者が保存したものだった。

しかし、Yahoo!ジオシティーズの終了後、運営者自身が別のサーバーへ引っ越したホームページもある。

中には、現在も情報を更新し続けているサイトまで存在する。

GCGX|2012年にジオシティーズで始まり、2026年も続くゲーム攻略サイト

今回の調査で、特に興味深かった移転例が「GCGX」だ。

GCGX|レトロゲーム攻略・解析

ファミコン、スーパーファミコン、PlayStationなどのゲーム攻略や独自解析を公開している個人サイトで、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『MOTHER』『タクティクスオウガ』など多数の作品を扱っている。

運営者のサイト説明によれば、攻略サイトの初公開は2012年1月。最初に利用していたのがジオシティーズだった。

その後、ジオシティーズのサービス終了を経験し、別のレンタルホームページサービスへ移転。さらに移転先での大規模障害を経て、現在の独自ドメイン「gcgx.games」で運営しているという。

現在のサイト説明は2026年5月30日付で更新されており、サイト内には多くの攻略・解析ページが公開されている。

運営者は現在も継続的に更新していると説明している。ただし、毎日の更新実績を独立して確認したわけではない。

重要なのは、2012年当時のジオシティーズのページがそのまま残っていることではなく、ジオシティーズから始まった個人サイトが、何度も移転しながら現在まで続いているという点だ。

元の2012年のジオシティーズURLや当時のHTMLを今回特定できたわけではないため、当時のデザインがそのまま現存しているとは断定しない。

それでも、サービス終了が必ずしも個人サイトの終わりになるわけではないことを示す、分かりやすい実例だ。

tmh3.|元運営者が古いHTMLを保存して再公開した例

もう一つ、保存方法の違いが分かるのが、自作音楽を公開していた個人サイト「tmh3.」だ。

運営者は2019年2月12日、自身のサイトで旧サイトのアーカイブを作った経緯を公開している。

ジオシティーズ終了に備え、古いサイトのHTMLなどをGitで管理し、別のホスティングサービスで再公開したという。

作業には、単純にファイルをコピーする以上の手間がかかっている。

当時の「geocities.jp/ユーザー名/」というURL構造に合わせて書かれた内部リンクを修正し、HTTPSに対応するための変更も行った。

その後、再公開先をCloudflare Pagesへ移転したことも、運営者自身が記録している。

以前の調査では再公開されたトップページや下層ページのHTMLを取得できたが、2026年10月30日の再確認では取得できなかった。そのため、現在も常に正常に閲覧できるかは確認できていない。

ただし、運営者自身による保存・再公開の作業記録は現在も読める。

昔のホームページを取り戻したい人にとって、HTMLの保存だけでなく、リンクの修正や外部サービスの扱いまで考える必要があることを示す例といえる。

ジオシティーズの保存活動|GeoLog ProjectとArchive Team

Yahoo!ジオシティーズが終了すると発表された2018年には、大量の個人ホームページが失われることを惜しむ声が上がった。

そうした中で、終了前のページをできるだけ保存しようとする活動も行われていた。

GeoLog Project|保存サービスは2022年末に公開終了

日本版ジオシティーズの保存活動として知られていたのが「GeoLog Project」だ。

2018年10月から、サービス終了前のホームページを保存する個人プロジェクトとして活動していた。

ただし、現在このサービスを現役の保存ページ閲覧サイトとして紹介するのは正確ではない。

GeoLog Projectは2022年12月末をもって、独自に保存していたアーカイブデータの公開を終了している。

当時の終了告知には、公開終了後もドメインを維持し、該当するInternet ArchiveのURLへ転送する予定が記載されていた。

しかし、2026年10月の調査では公式サイトの直接取得に成功しておらず、現在もすべての転送が正常に機能しているかは確認できていない。

過去の紹介記事にはGeoLog Projectから昔のページを閲覧できるという説明も残るが、2026年現在の利用方法としてそのまま案内しないよう注意したい。

一方、過去に収集された移転先の記録は、古いサイトの行方を調べる手掛かりとなる。以前の調査では約1万行の移転先一覧を確認したが、現在の取得状態は再確認できていないため、すべての掲載先が現在も閲覧可能であるとは扱わない。

Archive Team|約9,600万URLを対象とした保存作業

さらに大規模な保存活動を行っていたのが、ウェブ上のデータ保存に取り組む「Archive Team」だ。

Archive TeamのGeoCities Japan記録には、2018年11月9日のクロール結果として、約9,600万URL、約3.7TBの取得データが記載されている。

ただし、約9,600万という数字はホームページの数ではない。

一つのサイトにトップページ、個別記事、画像、各種ファイルなどがあれば、それぞれが別URLとして数えられる。

そのため「9,600万の個人サイトが完全保存された」と解釈することはできない。

Archive Team自身も、日本版ジオシティーズの保存状況を部分的な保存としている。

これほど大規模な収集活動が行われていた一方で、当時のすべての画像やホームページが完全に残ったわけではない。

現在読めるページがあるのは事実だが、どの程度の割合が保存されたかを正確に求めるには、当時の総サイト数や独立した保存対象数、再現状況などを別々に確認する必要がある。

なぜアーカイブでは画像・掲示板・Flashが表示されないことがある?

古い個人ホームページを開くと、文章は読めるのに画像が表示されなかったり、掲示板へのリンクが使えなくなっていたりすることがある。

その理由は、ウェブサイトが単純な一つのファイルでできているわけではないからだ。

HTMLが残っていても画像まで保存されたとは限らない

ホームページは、文章やリンクを記述したHTMLと、写真、画像、音声、その他のファイルなどを組み合わせて表示する。

アーカイブにHTMLが保存されていても、その中で参照されている画像ファイルが保存されていなければ、画像部分が空白になったり、表示エラーになったりする。

特に昔の個人ホームページでは、画像を別サービスのサーバーに置いたり、アクセスカウンターやバナーを外部から読み込んだりする構成も使われていた。

元の外部サービスが終了すると、HTMLが残っていても同じ画面を再現できない場合がある。

掲示板やアクセスカウンターはサーバー側の仕組みが必要だった

個人ホームページに設置された掲示板やチャット、アクセスカウンターには、CGIなどのサーバー側のプログラムを利用するものもあった。

こうした機能は、画面のHTMLだけを保存しても、そのまま動作させることができない。

掲示板の投稿データ、プログラム、実行環境などが必要になるからだ。

保存されたページに「掲示板」というリンクがあっても、現在も書き込みできるとは限らない。過去ログがどこまで残っているかも、サービスごとに異なる。

Flashはファイルが残っていても再生環境が問題になる

2000年代の個人ホームページでは、Flashを利用したアニメーションやゲームも公開されていた。

しかし、現在の一般的なブラウザには、当時のAdobe Flash Playerをそのまま実行する仕組みがない。

そのため、Flashファイルが保存されていても、昔のページを開くだけで自動的に再生できるとは限らない。

互換性を持たせるための技術や別の再生環境で動作する例はあるが、すべての作品を完全に再現できるわけではない。

また、保存されているファイルを無条件にダウンロードして実行することも避けたい。古いソフトウェアや不明な配布ファイルは、現在の環境での安全性が保証されないためだ。

Wayback Machineの保存日付は、全ファイルの取得日とは限らない

もう一つ、見落としやすいのが保存日時の違いだ。

Wayback Machineで2005年のページを開いても、そこに表示される画像が必ず2005年に保存されたとは限らない。

指定した日時に必要なファイルが保存されていなければ、近い日時の別記録から読み込まれることがある。

また、アーカイブに該当するリンク先がない場合、現在公開されているサイトを参照することもある。

つまり、アーカイブのページが表示されたからといって、画面全体が同じ日の状態を正確に再現しているとは限らない。

昔のサイトのデザインや内容を歴史資料として調べる場合には、HTML、画像、リンク先それぞれの保存状況を分けて考える必要がある。

Wayback Machineで昔のページが見つからないのはなぜ?

自分が確かに見ていたはずのホームページを検索しても、アーカイブから見つからないことがある。

その場合、サイトが存在しなかったという意味ではない。

Internet Archiveの公式ヘルプでは、保存されない理由として、クローラーがページを発見できなかったこと、アクセス制限、robots.txtによる制御などが挙げられている。

さらに、Wayback Machineのサイト検索は、保存された全ページの文章を検索できる完全な全文検索ではない。

例えば、2004年に公開されていた日記に特定のゲーム名が書かれていたとしても、そのゲーム名で検索すれば必ず日記が見つかるわけではない。

また、昔のホームページには文字コードや表記の違いもある。管理人が改名していたり、サイトのタイトルを途中で変更していたりする可能性も考えられる。

見つからない場合は、検索する言葉を変えたり、昔のURLを別のリンク集から探したり、移転前後のサイト名を調べたりする方法がある。

アーカイブで検索しても出てこないことと、そのホームページが過去に存在しなかったことは別だ。

Yahoo!ジオシティーズはなぜ終了した?いつまで利用できた?

ここで、Yahoo!ジオシティーズがどのようなサービスだったのか、そしてなぜ終了したのかも確認しておこう。

1994年に米国で誕生、日本では1997年から展開

GeoCitiesは1994年に米国で誕生したホームページ作成サービスだ。

街や番地を選んで自分のホームページを作るという仕組みが特徴で、インターネットの初期を代表するサービスの一つになった。

日本では1997年にジオシティーズ株式会社が設立され、2000年からYahoo!ジオシティーズとして運営された。

米国をはじめとする海外版は2009年にサービスを終了したが、日本版はその後も継続していた。

無料でホームページを公開できることは、個人にとって大きな魅力だった。

HTMLを使って好きな構成にしたり、用意された編集機能を利用したりしながら、自分の趣味や日記、作品を公開する場所を持てた。

個人ホームページの文化を支える重要なサービスだったことは、今回実際に見つかった多様な保存ページからも伝わってくる。

2018年10月に終了を発表|理由は採算と技術的な課題

2018年10月1日、ヤフーはYahoo!ジオシティーズを2019年3月31日で終了すると発表した。

終了理由として説明されたのは、採算面と、今後システムを維持するための技術的な課題などを総合的に判断したというものだった。

単純に「利用者が減ったから終了した」とだけ説明できるものではなく、複数の事情を考慮した決定だった。

当時の発表では、個人がインターネット上に積み重ねてきた情報が失われてしまうことへの残念な思いも示されていた。

終了発表後には、他社サービスへの引っ越し方法やデータ保存の手段が案内された。

2019年の終了から2020年のダウンロード期限まで

サービス終了のスケジュールは、すべての機能が同じ日に停止したわけではない。

日付出来事
2018年10月1日サービス終了を発表
2019年3月31日ホームページの表示・編集などのサービスを終了
2019年9月30日事前に設定した移転先への転送提供期限
2020年3月31日FTPによるデータダウンロード提供終了
2020年4月1日以降Yahoo!側の保存データ削除が予定されていた時期

ここで注意したいのは、2019年9月30日まで新たに移転先の転送設定ができたわけではないという点だ。

終了前に設定した転送が同年9月30日まで提供される仕組みで、設定の受付期限と転送の提供期限は異なっていた。

また、2020年3月31日はYahoo!側のデータダウンロード提供期限だ。

この日までに個人が保存していたHTMLや画像、別サーバーへ移転したページ、第三者が保存したアーカイブまで削除されたわけではない。

そのため、2019年に元サービスが終了していても、2026年の今、保存版や移転先を閲覧できるケースが残っている。

自分が作ったジオシティーズのホームページは復元できる?

昔ジオシティーズでホームページを運営していた人にとっては、見るだけでなく、自分のページを取り戻せるのかも気になるところだろう。

結論として、昔のHTMLや画像が手元に残っている場合や、アーカイブから必要なデータを確認できる場合には、別のサーバーで再公開できる可能性がある。

ただし、現在のYahoo!ジオシティーズへログインして、管理画面やFTPから昔のファイルをダウンロードすることはできない。

まず古いパソコンやバックアップを探す

自分がホームページを作っていたなら、当時のパソコンにHTMLや画像の原本が残っている可能性がある。

昔のホームページは、手元のパソコンでファイルを作り、FTPなどでサーバーへ転送する方法も広く使われていた。

その場合、CD-R、DVD-R、USBメモリ、外付けHDD、古いパソコンのフォルダなどにサイトのファイルが残っていることがある。

「index.html」だけでなく、下層ページのHTML、画像フォルダ、CSS、JavaScriptなども確認したい。

元ファイルが揃っていれば、新しいサーバーへ配置して再公開できる場合がある。

ただし、当時のCGIやメールフォーム、外部掲示板、アクセスカウンターなどは、そのまま動かない可能性がある。現在の環境に合わせて修正したり、別の機能へ置き換えたりする作業が必要になることもある。

手元に原本がなければWayback Machineを確認する

昔のファイルが残っていない場合は、Wayback Machineに自分のホームページが保存されていないか調べる方法がある。

トップページの保存記録があれば、本文や下層ページも残っている可能性がある。

ただし、すべてのページをまとめて復元できる保証はない。

Internet Archiveの公式ヘルプでも、すべてのサイトが保存されているわけではなく、失われたサイト全体をまとめて復元するサービスは現在提供していないと説明されている。

また、アーカイブから取得したHTMLには、保存サービス固有のURLや記述が含まれていることがある。新しいサーバーで公開する際には、内部リンクや画像の参照先を修正する必要がある場合もある。

今回紹介したtmh3.の運営者も、古いURL構造やHTTPSへの対応を修正してから再公開している。

アーカイブから何かを取り戻せたとしても、そのまま全機能が元通りに動くとは限らないことを理解しておきたい。

保存版の公開と著作権には注意が必要

昔の個人サイトがアーカイブに残っていても、その文章や画像の著作権が消えるわけではない。

自分が権利を持つページの復元と、他人が作ったページを丸ごとコピーして再公開することは別だ。

他人のページを紹介したい場合は、保存ページへのリンクを中心にして、本文や画像を無断で大量転載しないよう注意したい。

また、昔の個人サイトには当時のメールアドレス、掲示板、個人的な出来事などが掲載されていることもある。

それらが2026年現在も正しい連絡先や公開してよい情報とは限らない。

アーカイブは昔のネット文化を知る貴重な資料だが、当時の情報を現在の個人情報や連絡先として利用しない配慮も必要になる。

消えたYahoo!ジオシティーズと、今も残る個人ホームページの違い

今回の調査で改めて分かったのは、「サービスが終了したこと」と「そこにあった情報がすべて失われたこと」は同じではないということだ。

2019年3月31日に終了したのは、ヤフーが提供していたホームページ公開サービスである。

そこに存在していた文章や写真、個人が積み上げた資料の一部は、外部のアーカイブや、運営者自身が移転したサイトへ引き継がれた。

今回確認した「U-FORCE作戦室」には1999年の開始表示が残り、「鬼ヅモ同好会」では2003年の日記が読めた。

「おもしろ有機化学ワールド」では昔の講義資料を確認でき、GCGXではジオシティーズから始まったゲーム攻略サイトが移転を重ねながら現在も公開されていた。

一方で、保存されなかったページや、画像だけ失われたサイト、リンク先が動かなくなったページもある。

すべてのサイトが残っているわけではなく、完全に再現できるサイト数も確定していない。

それでも、現在も読めるページが存在すること自体に大きな価値がある。

昔のホームページを実際に開いてみると、当時の個人サイトが単なるプロフィールページではなかったことが分かる。

趣味を深く研究する場所。日々の出来事を書き残す場所。作品を公開する場所。同じ関心を持つ人へリンクをつなぐ場所。

現在ではSNSや動画サービスが担っている役割の一部を、当時はそれぞれの個人ホームページが担っていた。

そして、誰かが自分の手で作ったページが、20年以上経った今もリンクの先に残っている。

今回紹介した保存版だけでなく、元のURLから直接閲覧できる1990年代の個人ホームページについては、つぶログの今も生きている日本最古級の個人ホームページを探す調査記事でも紹介している。

まとめ|Yahoo!ジオシティーズは終了したが、昔のページは今も探せる

Yahoo!ジオシティーズは2019年3月31日にサービスを終了した。しかし、当時公開されていた個人ホームページの一部は、2026年現在も保存版や移転先で閲覧できる。

今回の調査では、第三者が保存した個人ホームページ7件について実際の本文を確認できた。1999年の開始表示が残る趣味のサイトや、2003年の日記、文学、化学、鉄道関連の記録まで残っている。

また、GCGXのようにジオシティーズから移転し、現在も公開を続けているホームページもあった。

昔のサイトを探すなら、URLが分かる場合はWayback Machine、名前やジャンルしか覚えていない場合はジオシティーズ検索や昔のリンク集を手掛かりにする方法がある。

ただし、保存記録が見つかったからといって、文章、画像、掲示板などがすべて完全に復元できるわけではない。

当時のURLが分からなかったり、アーカイブに保存されていなかったりして、見つからないサイトもある。

それでも、今回実際に見つかったページを読んでみると、一つひとつの個人ホームページに、その運営者が好きだったものや残したかった記録が詰まっていることが伝わってくる。

Yahoo!ジオシティーズというサービスは終了しても、そこに集まっていた人たちの記録が、すべて消えてしまったわけではない。

20年以上前に誰かが作ったHTMLが、今もブラウザで読める。昔のゲーム攻略や日記、趣味の世界が、保存されたリンクから再び開ける。

もし昔よく訪れていたホームページの名前を覚えているなら、もう一度探してみる価値はある。

かつてのインターネットの片隅に、自分が忘れていた懐かしいページが、今も残っているかもしれない。

-つぶログ深掘り, デジタル文化
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